配信日時 2025/12/22 22:45

【琉球風水 Vol.447】冬至の朝 ― 太陽が還る場所と、中城御殿の風水

琉球風水で調える、空間と心


【琉球風水 Vol.447】2026/04/05 冬至号

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目次
1.【コラム】
  風水思想を支えた文化知 ― 何廣憙の存在
2.【ロンジェ最新情報】
  短期集中・氣の流れの鑑定講座
  7時間集中講義を終えて
3.【編集後記】
  冬至の朝 ― 太陽が還るということ
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こんばんは。
東道里璃(とうどう りり)です。
本日、12月22日は二十四節気の「冬至」。
一年のうちで、もっとも昼の時間が短い日です。

沖縄でも朝夕は冷え込み、
太陽の光がいっそう貴重に感じられる季節となりました。

そんな冬至の朝、
私は浦添城(うらそえぐすく)のワカリジー(為朝岩)に立ち、
久高島より昇る朝日を拝んできました。

「久高島区長認定ガイド友の会」の皆さまとご一緒し、
琉球最古の歌謡集「おもろそうし」で語られてきた
“太陽の穴”の風景を、自分の目で確かめるためです。

今日のメルマガでは、
この冬至の朝に体験した風景と、
そこからあらためて感じた
沖縄の信仰・方位意識・風水思想について、
少しだけお話ししたいと思います。

研究と実地、
古典と風景が重なった冬至の朝の記録を、
どうぞ最後までお読みください。
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【コラム】
風水思想を支えた文化知 ― 何廣憙の存在

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来年秋に開園予定の「中城御殿」について、
現在、古文書の調査を進めています。

6〜7年前、一度中城御殿再建の話が持ち上がり、
すでに設計図面も完成している、という話を
関係者の方から伺っていました。

しかし、予算の問題で建築は長く止まったままでした。
そして今、
2026年秋、首里城正殿のオープンとともに、
中城御殿も一部オープンする予定だそうです。

中城御殿とは、
琉球王国時代の世子(王家の跡継ぎ)の住まいでした。
廃藩置県によって王族が首里城を出た際には
中城御殿へと移り、
首里城で行われていた国家祭祀も
中城御殿で引き継がれます。

戦争で焼失した後は、
バス会社、県立博物館と、
時代とともに姿を変えてきましたが、
いよいよその姿を、
再び目にすることができるようになります。

私は、関係者の方々から
中城御殿の話を伺ったときから、
「この人生を終える前に、
中城御殿の風水を解き明かしたい」
そう思い続けてきました。

なぜなら、中城御殿の建築には、
成熟した高度な風水術が
駆使されているからです。

しかし、中城御殿の風水に関する資料は、
いまなお生資料の状態で残されており、
翻訳はおろか、翻刻すら行われていません。

約300丁近くある資料は、
すべて漢文と候文で書かれています。
漢文は句読点のない白文、
候文は達筆な草書体で、
文字の判読すら困難なものです。

那覇市に問い合わせたところ、
翻刻の予定は「立っていない」とのことでした。
しかし、中城御殿がまもなくお目見えするとなれば、
もう待ってはいられません。

那覇市歴史博物館のデジタルミュージアムから
『中城御殿御敷替御普請日記』をダウンロードし、
一人で翻刻・翻訳作業を始めました。

気の遠くなるような作業ですが、
内容があまりにもおもしろく、
少しでも時間があれば
手を動かしてしまう。
そんな日々です。

■ 風水思想を支えた文化知 ― 何廣憙の存在
この資料の中で、
とても気になる人物が登場します。

それが「何廣憙(か・こうき)」という人物です。
中国・福建側の風水アドバイザーであり、
1848年、1868年の風水鑑定報告書の中に
その名を見ることができます。

19世紀の琉球王府には、
「鄭良佐(ていりょうさ)」という
琉球風水史の中でも
エース級の風水師が登場します。

中城御殿では、
風水師集団のリーダー格として活躍する人物ですが、
その鄭良佐が鑑定を行う際、
古典風水書と同じくらいの重みで、
「何廣憙云(いわく)」という形で、
何氏の言葉を丁重に引用しているのです。

ところが、
中国の伝統風水書を調べても、
歴史上の人物として
「何廣憙」の名は見つかりません。

GoogleのAIモードを手がかりに
100年近く前の古文書のPDFが見つかりました。

何廣憙は、
清代・道光年間に活動した
福建省出身の学者・能書家であり、
科挙に合格したエリート層。
世俗的な成功から距離を置き、
書と学問に身を置いた文化人だったことが、
史料から浮かび上がってきます。

職業的な風水師というよりも、
高い社会的地位と教養を背景に、
風水の実務にも関わり、
琉球王府から信頼されていた存在。

沖縄県立博物館には
「何廣憙書聯」が所蔵されており、
琉球との交流の痕跡も残されています。
さて、漢文を読むだけでは、
この資料は理解できません。
中国伝統風水・巒頭法の古典、
琉球王国史、
福建との交流史。

必要な学びは増える一方ですが、
謎を解き明かす面白さに、
意欲が尽きることはありません。
もう、仕事も家事も何もしないで、
ただただ
『中城御殿御敷替御普請日記』を
読んでいたい気持ち。
そうはいきませんが...。

それほどまでに、
私にとって宝物のような資料との
出会いがありました。

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【ロンジェ最新情報】
短期集中・氣の流れの鑑定講座
7時間集中講義を終えて
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先週行、オンラインで開催した
短期集中「氣の流れの鑑定講座」

7時間集中で無事に終了しました。
ご参加くださった生徒さんのひとりは、
独立開業を目指し、
店舗兼自宅の建築をご検討中の方。
ご自身の建築に入る前に、
間取り図の事例を複数ご準備され、
風水理論を用いて一つひとつ分析していきました。

家を建てる前に、
未来に起こり得る出来事の“理由”を
理論として理解できたことは、
非常に価値のある学びだったと思います。

また、インテリアコーディネーターの生徒さんは、
事前に予習を行い、
ご自宅のソファ配置を
風水レイアウトへと変更してから
講座に参加してくださいました。

梁の下にあったソファを
風水的に安全な位置へ移動し、
氣の流れの変化を実感した上でのご出席。
琉球風水の
「目には見えない氣の流れ」を、
すでに2回目の講義で
しっかりと掴んでいらっしゃいました。

理論を感覚で理解する。
感覚を理論で解釈する。
この両方向のベクトルが揃うことで、
学びには再現性が生まれます。

住宅は大切な財産であり、
自分自身が理解し、納得できなければ、
どんなアドバイスも活かすことはできません。

また、家づくりにおいては、
ご家族の理解を得ることも
非常に重要です。
生徒さんが
自分の頭で考え、理解を深められるように。

そのためのサポートができる講師でありたいと、
あらためて感じました。
熱意のある生徒さんと
学びの時間をご一緒できることは、
講師にとっても、何よりの喜びです。

なお、
2025年度「氣の流れ鑑定講座」は全て終了となりました。

次回は、
2026年1月24日(土)・3月14日(土)開催
「陰陽鑑定講座」へと続きます。

▼ ご興味のある方は、詳細をこちらでご確認ください
https://longe.jp/school/compass/

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[編集後記]
冬至の朝 - 太陽が還るということ
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2025年12月22日、冬至。
ようやくこの目で見ることができました。
浦添城の東の端にある岩ワカリジーから、
久高島より昇る冬至の朝日を。

きっかけは、久高島歴史文化研究会の勉強会で
顧問の西銘先生から伺った一言でした。

「浦添城のワカリジーから見ると、
冬至の日には久高島のフボー御嶽から朝日が昇ると言われています」
そこで、風水の視点から図面鑑定を行うと、
計算上はフボー御嶽そのものではなく、
やや東寄りのカベール岬付近から昇る位置になります。

「それなら、実際に見てみよう」
そうして迎えた、今朝の冬至でした。

冬至の頃、久高島から朝日が昇ることから
湧上元雄著『沖縄民俗文化論』には、
ニライカナイ信仰、朝日と久高島の関係について
次のように記されています。

ニライカナイ信仰は、
”すでに舜天、英祖、察度各王統のよった
浦添王城時代に始まるとされる。
それは琉球美術研究の先覚鎌倉芳太郎翁もつとに指摘されたように、
久高島はその浦添城跡の東端「上の山」と
巨岩「分れ岩」(俗称為朝岩)の祭祀遺跡より
東南東の辰の方向にあって、
冬至の季節には島の中央「フボー(蒲葵生) 御嶽」の
蒲葵林の真上に朝日が昇り、
たれこめた雲間から燦爛たる金色光を放射して、
さながら神の島を幻想させる。

また日中は冬の薄日の光線の加減で、
その島影は青い大きな穴に姿をかえて、
洋上に出現する。官選古謡集『おもろさうし」に
四八例も登場する「太陽が穴」のイメージは、
まさにこの景観の実感に外ならない。”

今朝は雲が厚く、はっきりとした日の出を
見るのは難しい空模様でした。

それでも、雲の切れ間から差し込む光を
確認することができました。
日の出直後、光が見えた位置は図面通りでしたが、
雲の動きによっては、
久高島の中央部に光が現れる瞬間もありました。

雲の隙間どこにできるかの条件次第で、
「島の中央から太陽が昇っている」と
見えるタイミングが確かにある。
このことを、実地で体感することができました。

冬至の頃は天候が不安定で、
朝日を拝むのは容易ではありません。
それは昔も同じだったと思います。

私は二十四方位の羅盤を持っているため、
「辰」の方位を正確に捉えることができますが、
コンパスをもたない時代の人々が、この場所から朝日を見て
「久高島の中央から太陽が昇る」と感じたとしても、
決して不思議ではないと感じました。

久高島について学びを深める中で、
この浦添城が、信仰・王権・方位意識の結節点として、
どれほど大きな存在であったのかを、
少しずつ理解できるようになってきました。

今日を境に、太陽が空にある時間は少しずつ長くなっていきます。
それが、ただ素直に、嬉しい朝でした。

最後までお読みいただき、
誠にありがとうございました。
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【東道里璃 著書のご案内】


「琉球風水で叶うナチュラルエレガント
風水空間デザインの教科書」

▼amazon販売サイト
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【スクール事業】

ロンジェ琉球風水アカデミー
琉球風水ライフデザイン・プログラム

■スクール全体のご案内と年間スケジュール
 https://longe.jp/school/

・【初級】琉球風水鑑定講座
・【中級】琉球風水テーブルコーディネート講座
・【上級】琉球風水インテリアコーディネート講座
・風水空間デコレーター養成講座
・風水空間デザイナー養成講座

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発行責任者:東道里璃
琉球風水師/株式会社ロンジェ 代表取締役
沖縄国際大学 経済学部 地域環境政策学科 非常勤講師

”琉球風水思想を次世代へつなぐ”



株式会社ロンジェ
所在地:沖縄県南城市玉城玉城107番地
https://longe.jp

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