配信日時 2024/06/09 18:00

【陰陽調和Vol.417】久高島~斎場御嶽~弁之御嶽~首里城 ニライカナイ神の飛来ルート

琉球王朝の風水思想と陰陽五行を軸に
東西折衷の風水インテリアを楽しむ



理想のライフスタイルを明確にして
「仕事・私生活・使命」 が統合する生き方に
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【陰陽調和Vol.417】2024/6/9
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1.【コラム】

ニライカナイ神の飛来ルート
久高島〜斎場御嶽〜弁之御嶽〜首里城

2.【最新情報】

「御嶽と精神文化と風水思想」講義

3.【編集後記】

沖縄年中行事:五月ウマチー・六月ウマチー・
六月カシチーと沖縄の綱引き

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琉球風水師の東道里璃です。

本日は、旧暦5月4日。
沖縄ではユッカヌヒーと言いまして、
漁村でハーリー競漕が行われました。

琉球王国ができる前の時代から
500年以上続いている沖縄の伝統行事です。

ハーリー競漕は、中国では端午の節句に
行われるものですが、
沖縄では、ハーリーは中国から入り
端午の節句は日本から入り、
別々の文化として伝わったようです。

そして、旧暦5月15日は、
沖縄では五月ウマチーという
年中行事があります。

本土の方は「聞いたこともない」という方が
ほとんどだと思います。

こちらは、編集後記で解説します。

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【コラム】
ニライカナイ神の飛来ルート
久高島〜斎場御嶽〜弁之御嶽〜首里城

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沖縄国際大学での講師の仕事が始まり、
南城市観光協会認定の南城市ガイドになりまして
これまで謎に包まれていた
斎場御嶽、及び、首里城京の内の情報が
どんどんと入ってきております。

大学で講義を行うという責任感と使命感、
南城市という地域で深く感じること、
そして、地域の伝承を積極的に引き継いでいる
先輩方との交流から、相乗効果が生まれています。

沖縄の村落研究の第一人者として数々の名著を
残されている仲松弥秀先生の本を
改めて読み返しました。

12年前に初めて読んだ時には、
頭に入らなかったことが、
今になってようやく理解できたこともあり
その内容の深さに改めて感動しました。

沖縄のニライカナイ信仰における、
ニライカナイから首里城への
神の飛来ルートについて考察しました。

沖縄の歴史のご専門家K先生の他、
地域の歴史に詳しい先輩方から
情報をいただきました。

私Lilyの推測も含まれるので、
参考程度にお楽しみ下さい。

【ニライカナイ神の飛来ルート】

東方の彼方(ニライカナイ)→久高島→斎場御嶽→弁之御嶽→首里城

各中継地点にて、お迎えの場所と
鎮座する場所が違うと考えられています。
()内は情報源です。

仲松説を元に、地域の先輩から得た情報と
私の推測をプラスしています。

・久高島
お迎え 伊敷之嶽 (仲松)
鎮座? (仲松)

・斎場御嶽
お迎え チョウノハナ先頂部 (仲松)
鎮座 ナーワンダーグスク 首里城へお通し(地域の先輩)

・弁之御嶽

お迎え 斎場御嶽遥拝所 (仲松)
鎮座 弁之小嶽(仲松)

・首里城
お迎え 京の内物見台 (Lily推測) 
鎮座 京の内 (K先生・Lily推測)

仲松によれば、ニライカナイから久高島へは、
神は舟にのってやってきます。

東海岸の伊敷浜でお迎えをします。
ここは、五穀の種が入った壺が流れ着いた
伝説の浜です。

そして、仲松は、お迎えの場所と鎮座する場所は
別と述べていますが、
鎮座する場所については明記していません。

ここは、私もわからないのでスルーしますが、
フボ―御嶽か、スベーラ御嶽ではないかと
考えます。

仲松によれば、斎場御嶽の三角岩奥にある
チョウノハナ尖頂部がニラカナイ神を
お迎えする場所です。

久高島から斎場御嶽へは、
お呼びすると直ちに飛んでいらっしゃる
とのことです。

三角岩の内部から、現在は久高島が見えますが、
地域の先輩によれば、
40年前には久高島側には三庫理の岩の3分の2程の
高さがある大きな岩があったそうで、
三角岩の内側から久高島は見えなかったそうです。

沖縄本島で、久高島から神を招請する時は、
通常、久高島が見える場所で行います。

よって、王朝時代は三角岩内部から
久高島が見えなかったことを聞いた時、
違和感がありました。
岩の上に拝所があるなら納得です。

地域の先輩から、三角岩入って右手の岩である
チョウノハナ尖頂部に香炉があり、
そこで久高島の神をお迎えしたと聞きました。
尖頂部からは、久高島がよく見えるそうです。

さらに、先輩にナーワンダーグスクについて
聞いてみると、そこから首里城がよく見えて、
首里城へお通しする場所であることを聞きました。

ナーワンダーグスクとは、
寄満(ゆいんち)の後ろ側にある大きな岩で、
岩の上に拝所があるそうです。

チョウノハナ尖頂部、及び、
ナーワンダーグスクへは現在入ることはできません。

仲松によれば、斎場御嶽から首里へ入る場所は
弁之御嶽です。斎場御嶽と久高島がよく見える、
斎場御嶽遥拝所があります。

そこでお迎えし、鎮座は弁之小嶽と書いてあります。
こちらもやはり飛んでいくのでしょう。

仲松説では、ニライカナイ神の飛来は
弁之御嶽で止まっています。

私はさらに首里城へと飛来するルートを想定。

なぜなら、京の内物見台から、久高島、
斎場御嶽がよく見える場所があるからです。

仲松の本をよく読む前は、
直感的に久高島から首里城京の内へ
直接飛来すると考えました。

それくらい、首里城から久高島が
よく見えるからです。

弁之御嶽への飛来があることを仲松の本で読み、
首里城へ行って京の内物見台の向きを
羅盤で方位を確認しました。

すると、久高島と弁之御嶽のよく見える物見台の
横にある御嶽は、弁之御嶽の方向「卯」の方位を
背中に向けていました。
このことから、弁之御嶽を経由してくると
考えました。

その御嶽から、西の方向へ京の内を進むと、
アーチ門をくぐって階段を下り、
3つの御嶽がある場所へ出ます。

おそらくここが祭祀の場ではないかというのが
K先生の推測であり、私もそう考える場所です。

ここには、西向きと北向きの御嶽があります。
西向きの御嶽の背中は「辰」の方位であり、
つまり、久高島を向いて祈りを捧げる向きです。

北向きの御嶽は何を表しているか
ずっとイメージが湧きませんでした。

先週、首里城に行った翌日の朝に瞑想をしていたら
一つイメージが浮かびました。

琉球七御嶽の首里城の御嶽は、『中山世鑑』には
「首里森御嶽」と「真玉森御嶽」の2つが
記載されています。

K先生の仮説では、現在の奉神門前にある
首里森御嶽は、京の内の前に置かれた
拝殿ではないかとおっしゃっていました。

とても納得のいく仮説です。

つまり、日本の神社でいうと
京の内が奥宮、現在の首里森御嶽が拝殿。

京の内に入れるのは高級神女に限定されていたため
京の内の外でも祈れるようにした。
そう考えると、納得がいきます。

仲松によれば、「首里森御嶽」と「真玉森御嶽」は
わずか5〜6mの距離しか離れておらず
2つセットになっていると書かれていました。

すると、京の内の西側の奥にある2つの御嶽が
「首里森御嶽」と「真玉森御嶽」なのであろうか?
辰を背にした御嶽のほうが、囲いが高く
格式が高いように見えます。

さて、ずっと謎だった北向きの御嶽。
こちらがもし、「真玉森御嶽」なのであれば、
「真玉」の言葉とリンクしている可能性があります。

尚真王が造った首里城から那覇港へ軍事道路は
「真珠道」。その途中に「真玉橋」があります。
この真玉橋の方に背中を向けているような
イメージが見えました。

那覇港は、琉球王国への玄関口でもありましたので
ここから入ってくる悪い気を避け、良い気が入って
くることをお祈りしたのかもしれないと考えると
配置、名前、向きの整合性が合いそうです。

K先生に話してみると
那覇港は「真玉港」という別名もあるとのこと。

「『真玉』という言葉には、何かもっと深い意味が
あるのかもしれませんね。」と
K先生もおっしゃっていました。

斎場御嶽と首里城には、3つ同じ名前があります。
その一つが「寄満」。「豊かさが寄り満つる場所」という意味があります。

首里城正殿の後方に、
台所としての寄満があります。
そして、首里城と那覇港を結ぶ真玉道は、
貿易が盛んだった琉球王国にとって、
財が外から内側に入ってくる重要な氣の通り道。

ここも、豊かさが寄り満つることを
願った場所なのかもしません。
あくまで推測の領域ですが。

京の内は、ほぼ何も記録がありません。

まだ、わからないことがたくさんありますが、
今聞き取りできる情報をできるだけ集めて、
後世へ語り継いでいけるようリサーチを続けていきたいと思います。

上記は、私の仮説です。
確証はございませんので、
参考程度にお読みくださいませ。

上記情報で、別の説をご存知の方、
さらなる詳細をご存知の方がいらっしゃれば、
是非、ご助言いただけますと幸いです。

上記内容は、私が運営する
オンラインコミュニティ、
「ロンジェ倶楽部」の6月講義&
グループコンサルティングの内容の一部でした。

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【最新情報】
6月1日実施「御嶽と精神文化と風水思想」講義
6月6日実施「沖縄年中行事とテーブルコーデ」

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毎月第一土曜日に開催している
ロンジェ琉球風水アカデミーのオンライン講義は
「御嶽と祈りの精神文化、そして、風水思想」
というテーマでレクチャーを行いました。
上記コラムは、講義の一部を紹介いたしました。

玉城本校で開催している
琉英折衷テーブルコーディネート講座は
6月6日に開催いたしました。

今回のトピックは3つ。

1)沖縄年中行事テーブルコーディネート展示解説

今回は、沖縄の稲作文化から生まれた
年中行事をコンセプトに、豊作の祈願の意を込めて
テーブルコーディネートを行いました。
年中行事の由来については、
下の編集後記に詳細を解説します。

2)洋のテーブルウエア

また、英国式テーブルコーディネートの基礎となる
食器、グラス、カトラリー、リネン、フィギュアの
5つの必須アイテムについて解説を行い
揃えておきたいアイテムについて
種類やサイズ、必要数などの講義を行いました。

3)ビュッフェテーブル・パーティの開き方

見本のテーブルコーディネートは
年中行事コンセプトのデザインで、
来客を招き着席して料理を取り分ける
オンテーブルビュッフェスタイルでつくりました。

フォーマルディナー、カジュアルテーブルに続き、
ビュッフェテーブルの講義でした。
この後、日本の一汁三菜、アフタヌーンティーと
展示解説、及び、実際のセッティングを通して
学んでいきます。

最新情報を写真付きでお楽しみいただけます。

東道里璃FB
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【編集後記】
沖縄年中行事:五月ウマチー・六月ウマチー・
六月カシチーと沖縄の綱引き

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私の住む南城市玉城は、沖縄の稲作発祥の地。
玉城では、五月ウマチー、六月ウマチー、
六月カシチーという年中行事があります。

玉城では、王朝時代、旧正月の初午の日に
田植えをしていました。

五月ウマチーは、旧暦5月15日で初穂の実りに
感謝の祈りを捧げ、豊作の予祝をする行事です。

六月ウマチーは、旧暦6月15日で稲の収穫に
感謝の祈りを捧げます。

六月カシチーは、旧暦6月25日で収穫したお米で
おこわを炊いて神前に捧げます。

また、刈り取った稲で綱を編み、綱引きをします。
これが沖縄の綱引きの由来です。

南城市は水が豊富であることから、
稲作に適していました。

稲作が始まったのは13世紀ころで、
この頃からすでに二期作が行われていた地域も
あるようです。

しかし、米軍統治下の時代、
稲作よりもサトウキビの方が収益率が高くなり、
田んぼはサトウキビ畑へと変わりました。

現在、玉城仲村渠集落で、受水走水での古代米の
栽培を復活していますが、
私の住む玉城集落には田んぼはありません。

しかしながら、年中行事は今も続いています。

今年の五月ウマチーは、新暦の6月20日。
今年は、集落のお友達の門中行事に
参加させていただけることになり、
体験させて頂く予定です。

五月ウマチーの日は、2024年は夏至の前日です。
旧暦の日付は新暦からだいたい一ヶ月程度
おくれますので、王朝時代も夏至付近
だったでしょう。

さて、稲作には、大量の水が必要です。
水が不足すると、国王自ら出向いて雨乞いを
行いました。

雨乞いの祈りがおこなわれたのは、
玉城城跡の天つづあまつづ御嶽です。

この玉城城跡の門は、夏至の朝日が
すっぽりと入ることで有名な聖地です。

古代建築では、暦上の重要な日に
太陽の光が入るように設計されている場所が
世界各地にあります。

玉城城跡が夏至の朝日を尊ぶのは、
稲作の初穂の実りを告げるサインだったのかも
しれません。

那覇市の夏至の朝日は63.3度の方向です。
玉城城跡にとっては、久高島と斎場御嶽の間から
太陽が顔出す角度です。

玉城城跡では、夏至の舞を踊る方々が
いらっしゃり、当日はたくさんの人たちが
早朝に訪れるそうです。

六月ウマチーは、旧暦6月15日で、
2024年は7月20日。
六月カシチーは、旧暦6月25日で、
2024年は7月30日。

集落の御願行事は六月ウマチーも
六月カシチーも両日行いますが、
玉城集落全体としてイベントがあるのは、
六月カシチーの綱引きの方です。

公民館に集まって、集落の人たちで
綱引きを行います。

王朝時代に王府が取り仕切って行っていたのが、
五月ウマチー、六月ウマチーで、
これは米が租税の対象であったからです。

六月カシチーは地域の行事で、
各地で綱引きが行われます。

梅雨入り後の豪雨で、
お水も着実に増えているのはありがたい限りです。
たくさんの雨により、
田畑が潤い、十分な稲の収穫ができるよう
祈りをこめて、テーブルをつくりました。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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【東道里璃 著書のご案内】

「琉球風水で叶うナチュラルエレガント
風水空間デザインの教科書」

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【業務内容】

■【スクール】ロンジェ琉球風水アカデミーの3つの講座

1.女性経営者・社長夫人・独立開業を志す女性の方々へ
「琉英折衷テーブルしつらえ講座」(2024年4月開講)

2.新築注文住宅、既存住宅の家づくりをお考えの施主様へ
「家づくりの羅針盤講座」

3.建築・インテリア業界への転職を志す方、ご専門家の方々へ
「風水空間デザイナー資格講座」

▼スクール案内
https://longe.jp/school/

▼ロンジェ琉球風水アカデミー 最新月次報告レポート
https://longe.jp/category/business/monthly-report/

■沖縄伝統文化体験プログラム
 1.沖縄工芸品テーブルコーディネート体験
 2.首里城の風水謎解きツアー

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■【ショップ】沖縄工芸品セレクトショップ(準備中)
・やちむん・琉球漆器・紅型雑貨・テーブル用品等販売

■【設計施工】インテリアデザイン事業
・風水改善リフォーム(設計施工)
・店舗装飾・テーブルコーディネート

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発行責任者:東道里璃
陰陽空間プロデューサー・琉球風水師

”沖縄の伝統と精神文化を次世代へつなぐ”

株式会社ロンジェ
所在地:沖縄県南城市玉城玉城107番地
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