配信日時 2025/06/02 08:30

人的資本から文化的資本の投資へ・ほめ育で経営の軸を進化

おはようございます。
ほめ育グループ代表の原邦雄です。
 
 
私は、つくづく運が良いと思います。

色々な人にアドバイスを直接もらい
人生や仕事の方角修正を
してくださる方が周りにいます。

先日、ある経営者との会食の席で
「人的資本の投資から
 文化的資本の投資へ
 時代を大きく成長・進化する必要が
 あると思う。原さんはどう思う?」

と尋ねられました。


そこで、今日のメルマガでは
初めて使う言葉を考察してみました。


「人を育てる」時代から
「文化を育てる」時代へ。

いま、世界中の経営者に問われているのは
目に見える「個人の能力」ではなく、
目に見えない「組織の魂」を
どう育てていくかという問いです。


企業の成長を支えてきたのは
「人的資本」でした。

しかしこれからの未来を支えるのは
「文化的資本」です。


そして、その文化的資本を育てるために
必要な実践知こそ
私たちが世界20カ国以上で展開している
「ほめ育」という考え方と行動様式です。



■ 人的資本と文化的資本の違いとは?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

まず、人的資本とは
「一人ひとりのスキル、知識、経験、能力」
といった個人が持つ力そのもの。

従来の企業研修やOJT
資格取得支援などが
この分野に該当します。


一方で、文化的資本とは
「組織全体に流れる価値観や態度
 思考のパターン」

言い換えれば
「何を大切にし、どうふるまうか」
という共通の空気のようなものです。

これは、目に見えるスキルではなく
目に見えない「ふるまい方」の美学です。


この文化的資本は
短期的には利益にならないかもしれません。

しかし、中長期的には
利益率・離職率・ブランド価値の
すべてに直結していきます。



■ 文化とは
 行動の「無意識」の選択である
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

文化を最も深く定義した人物のひとりが
組織文化論の第一人者
エドガー・シャイン(Edgar H. Schein)です。

「文化とは
 組織が繰り返す成功体験から学んだ
 「うまくいくやり方」であり
 それが「正解」として共有され
 無意識に再現されていくものである」

つまり文化とは
「みんなが自然にやっていること」。

意識して努力しなくても
気づいたらその行動を選んでしまう。

これこそ
文化的資本が「行動の規範」として
根付いている状態です。


ピーター・ドラッカーも
こう語っています。

「文化は戦略を朝食にする」
(Culture eats strategy for breakfast)


どれほど優れた戦略があっても
それを支える文化が未熟なら
絵に描いた餅に終わります。

逆に言えば、文化さえ強固であれば
少々の戦略ミスは
十分に乗り越えられるのです。



■ なぜ「ほめ育」が
 文化的資本の土台になるのか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ほめ育は
「正しい行動を、正しいタイミングで
 正しくほめる」
ことを通じて
組織全体に新たな価値観と
共通言語を根づかせるメソッドです。


・ほめる文化
・愛をもって叱る文化
・行動の背景にある努力を見抜く文化
・自分から学び、育て合う文化
・顔の見えるコミュニケーションがある文化


これらはすべて
ほめ育を導入した組織で
自然に育まれていきます。

単にモチベーションを上げる
手法ではありません。

ほめ育は
「文化そのものを設計する」
経営戦略なのです。



■ 視座の高さが、利益率の高さを決める
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

私たちが関わってきた
600社以上の企業に共通するのは
「現場に視座の高さがある」
という点です。

自分の仕事が
社会とどうつながっているのか。
誰の役に立っているのか。
なぜ、この仕事が未来に必要なのか。

この「視座の高さ」がある現場では
数字のためだけに働くのではなく
誇りを持って働くスタッフが育ちます。

そしてその誇りが
生産性・定着率・採用力・顧客満足など
あらゆる数値に波及します。


視座の高さは
トップダウンでは伝わりません。

日常のほめ言葉、認め合う文化
成長を祝い合う空気――
つまり、文化的資本としての
「ほめ育」がそれを育てるのです。



■ 経営者だけでなく
 現場スタッフの視座も高める
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

文化はトップだけではつくれません。

現場のスタッフ一人ひとりが
自分の仕事に
「意味」や「誇り」を持ったとき
はじめて組織の空気は変わっていきます。


たとえば
ある介護施設で導入されたほめ育。

スタッフ同士が
ほんの小さな努力や声かけを
言葉にして伝え合うようになっただけで
入居者の笑顔が増え
家族のクレームが減り
離職率も劇的に改善しました。


文化とは、「現場の言葉」であり
「日々の選択の積み重ね」
なのです。

そこに「ほめ育」が入り込むと
空気が変わり、結果が変わり
人が変わります。



■ 文化的資本とは
 歴史と先人への感謝
 そして未来への宣言である
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ここで、文化について
もう一歩深く考えてみたいと思います。


文化とは
ただのルールや習慣ではありません。

文化とは
「時間」を含んだ資産です。

それは、先人が築いてきた
価値観への「感謝」であり

今の自分たちが
その知恵を「学び直す」ことであり

そして、次の世代へと
「つなげる宣言」なのです。


たとえば「挨拶」ひとつとっても
そこには「相手を敬う心」という
日本人の文化が詰まっています。

それを形だけの習慣にせず
本質を受け取り
継承していく行為こそが
文化的資本への投資です。


ほめ育もまた、古来からの
「相手を尊び、育てる日本人の精神」
を現代経営に合ったかたちで
再設計したものです。

私たちは、歴史の延長線上にいるのです。

そのバトンを
未来の子どもたちにどんな形で渡すのか。

それを真剣に考える企業こそが
これからの社会で信頼され
選ばれていきます。



■ 未来に続く企業とは
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
数字だけで判断される企業

商品や価格だけで比較される企業

トップのカリスマ性だけで
維持されている企業

こういった企業は
時代の変化に脆弱です。


一方で、文化的資本を育んでいる企業は
揺らぎません。

なぜなら、人が根付き、想いが残り
共通の価値観が循環しているからです。


「ほめる文化」は
 その出発点であり
「育て合う文化」は
 その加速装置です。



■ 最後に ──
 文化の経営は、人間の尊厳を扱う営み
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ほめ育を導入する企業が増えるたびに
私たちは確信を強めています。

経営とは、未来に何を遺すかという
「文化づくり」であるということ。


そして、文化的資本に投資するということは
「人間の尊厳」に投資することに
他なりません。

目の前の数字のためだけでなく
未来に「この会社があってよかった」
と言われるために
今こそ、文化を磨く時です。


私たちは
「すべての人は
 誰かをほめるために生まれてきた」
と信じています。

そして、その「ほめる力」が
文化を育て、未来を創ります。


あなたの組織の未来を担うのは
「文化」です。

そしてその文化の最初の一歩が
「ほめること」から始まります。


今週も
見本・信頼・支援の精神で参りましょう。
 
 
 
執筆者
株式会社スパイラルアップ
原 邦雄
 
 
 
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