配信日時 2025/07/02 09:00

【空挺団物語(2)】 ソ連赤軍とドイツ  荒木 肇


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おはようございます、エンリケです。

「空挺団物語」の2回目です。

ソ連赤軍の戦略用法、ドイツの軍備計画、
そして大戦勃発の背景まで。

空挺戦力の源流をたどる旅を、
今週も荒木さんとともに歩みましょう!


さっそくどうぞ


エンリケ



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空挺団物語(2)

ソ連赤軍とドイツ 


荒木 肇

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□ご挨拶

 西日本の各地では梅雨明け宣言が出されたとか。
いつもより3週間も早いとのことで、東日本でも梅
雨前線は遠く太平洋上にあるようです。これが戻っ
てくると、少しは雨があるそうですが大気が不安定
になるくらいで、連日の雨模様というようにはなら
ないのでしょう。

 大きな目で見ると温暖化なのでしょうか。とにか
く連日の猛暑には熱中症の注意が必要です。わたし
も「父の日」に娘がくれた晴雨兼用の傘を使います。
「日傘男子」とか目立ったのはもう3年も前になる
そうです。今はそれほど目立つこともなく、多くの
男性が直射日光から守られています。

 日傘は女性がかざすもの、そうした見方が変わっ
てきていますね。

▼ドイツ再軍備

 ヒトラーの快進撃は1939(昭和14)年に始
まった。その準備がされたのは表向きには、「ベル
サイユ条約」の軍備制限事項の廃棄を宣言したとき
である。制限事項は兵力10万人でしかなく、戦車
や航空機ももつことを許されていなかった。ヒトラ
ー政権がこれを廃棄したのは1935(昭和10)
年のことだった。

 それからほぼ4年、1939年にはドイツ空挺部
隊は華々しく登場する。日・米・英ともそれに刺激
されて、あわてて落下傘部隊を整備するようになっ
た。わが陸軍も1940(昭和15)年12月に研
究を始めたのは、前回、紹介したとおりである。

▼先覚者、ソ連赤軍

 ロシア革命によってロマノフ王朝が滅びた。ソビ
エト連邦が生まれたのは1923(大正12)年の
ことだった。ソ連赤軍の歴史もそこから始まる。新
しい軍隊は発想も自由であり、着想もまた奇抜だっ
た。1932(昭和7)年頃から落下傘部隊をつく
り始める。


 まず、各地に落下傘塔を設けて、それで練習する
クラブを開設した。スポーツとしての落下傘降下の
楽しさを多くの若者たちに知らせたのである。その
ねらいは、将来の落下傘兵の予備員養成だった。

 1935(昭和10)年には、すでに空挺師団の
編成を終えて、大演習も行なっていた。ただし、そ
こで研究、演練していたのは戦術的な用法ではなか
った。ここでいう戦術的用法とは、降下部隊の規模
は大隊や聯隊で行ない、要点を奪取させるという使
い方である。

 ソ連は戦略的な用法を主に考えていた。まず、有
力な落下傘部隊を降下させ、飛行場や飛行場に適す
る地を占領させて、そこに大兵力の師団を空輸着陸
させるといったものだった。戦略的用法とは、こう
して敵の後方や、それまで戦場ではなかったところ
に、まったく新たな戦線を築くといった画期的な運
用のことである。

▼ドイツの再軍備計画

 よく知られているように、ドイツの再軍備計画は
ソ連の協力で着々と進められていた。とりわけ戦車
の開発やその運用等については、1926(大正1
5)年以来、ソ連国内で秘密裡に行なわれている。
ソ連も当然、そのバーターとして、ドイツの各種技
術を学んでいたのだった。

 ヒトラーが政権を取ったのは1933(昭和8)
年のことだったが、ソ連との友好は反ベルサイユ体
制ということで一致していたから、ソ連との技術提
携もまた順調に進んでいたことだろう。文献には戦
車のことだけだが、落下傘部隊についてもドイツ軍
が見逃したはずはない。

 ドイツはおそらくソ連の示唆を受けたのだろう。
1935(昭和10)年から落下傘部隊をつくり始
めた。ソ連よりも3年遅く、日・英・米より5年も
早かった。1939年には空軍所属の空挺師団をも
った。この年に始まったのが第2次世界大戦である。

▼昭和14年の出来事

 1939(昭和14)年の国内外情勢を整理して
おこう。3月15日、ドイツ軍がプラハに入城する。
前年9月にはミュンヘン協定が結ばれ、英仏は戦争
回避のためにヒトラーの要求をのんだ。チェコ西部
のズデーデン地方の割譲と、スロバキアへの自治権
付与を承認した。さらにポーランドとハンガリーに
も領土の一部を奪われて、チェコスロバキアは国家
的統一を失いつつあった。ドイツ軍の侵攻とともに
16日にはスロバキアはドイツの「保護下」で独立
してチェコスロバキア共和国は崩壊した。

 4月1日にはスペイン内乱が終結する。3年にわ
たる内乱は、ドイツ・イタリアの支援を受けたフラ
ンコ将軍の勝利で終わった。7月は英国がパレスチ
ナへのユダヤ人移民を6カ月間にわたって禁止した。
当時、英国の委任統治領だったパレスチナではユダ
ヤ人とアラブ人がそれぞれ居住権を主張して対立し
ていた。とくにこの数年にわたり、ナチスドイツの
迫害から逃れるためにユダヤ人が続々とパレスチナ
に移住している。アラブ側は民族的政府の樹立も求
め、複雑な様相を示していたのである。

 5月11日には満洲国とモンゴル人民共和国の間
で衝突が起きた。満洲軍・日本関東軍とソ連軍・モ
ンゴル軍との戦いに発展し、8月20日にはソ連軍
の大攻勢が始まり、わが軍は9月1日に停戦申し入
れをし、15日に停戦協定が成立した。

▼大戦が勃発する

 9月1日の早朝、バルト海の要港だったダンツィ
ヒ(現ダダニスク)の沖に碇泊中のドイツの練習艦
が突然、ヴェステルプラッテ要塞に砲撃を加えた。
同じ頃ドイツ機甲師団はポーランド領内になだれ込
み、ドイツ空軍爆撃機が首都ワルシャワを目指して
いた。先制第一主義でポーランド空軍はほとんどの
兵力を失い、制空権はあっという間にドイツのもの
となった。国境全線で同時防衛を敢行し、英仏の援
軍到着まで時間を稼ごうとしたポーランド軍の作戦
は現実離れしたものだった。

 4日にはポーランド政府は首都ワルシャワを離れ、
17日には8月23日に締結した「独ソ不可侵条約」
の付属議定書に基づいてソ連軍が侵入した。ポーラ
ンド西部はドイツ軍、東部はソ連軍によって占領さ
れてしまった。大統領と軍最高指揮官はルーマニア
に亡命した。27日には市長の指揮で戦ったワルシ
ャワも陥落する。28日には独ソ両国による分割が
完了した。このとき、少数のドイツ落下傘兵が戦線
後方のかく乱などのために降下したそうだが、大き
な戦果があったとは記録されていない。
 
3日には英仏がついにドイツに宣戦を布告する。


▼グライダーの採用

 発足当時のドイツ空軍空挺師団では降下兵は軽装
備だけで地上に降りた。火砲などの重装備は輸送機
に搭載して、敵の飛行場や着陸適地を確保してから
運び込むことにしていた。時期ははっきりしないが、
ドイツの空挺部隊は1940年になるとグライダー
を採用した。このグライダーの長所は、野外に強行
着陸することができ、火砲や小型トラックまで搭載
できることだった。

 ここでもまた、政府の若者たちへのグライダー操
縦奨励策が役に立っていた。教育の場でも機関でも、
大空への夢を持たせるグライダークラブの開設がさ
れていった。それなりの慣熟が必要なグライダーパ
イロットの養成が、平時から計画されていたのであ
る。

 なお、これまでの記述は多くを『大いなる賭け』
(田中賢一、学陽書房、1978年)にお世話にな
った。田中氏は1918(大正7)年生まれ、陸士
第52期騎兵科卒、第1挺進団司令部部員、第1挺
進戦車隊長などを歴任、1954(昭和29)年に
陸上自衛隊に入隊、空挺部隊指揮官、戦車部隊指揮
官を務めた。


(つづく)


(あらき・はじめ)


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●著者略歴

荒木肇(あらきはじめ)
1951(昭和26)年、東京生まれ。横浜国立大
学大学院教育学修士課程を修了。専攻は日本近代教
育制度史、日露戦後から昭和戦前期までの学校教育
と軍隊教育制度を追究している。陸上自衛隊との関
わりが深く、陸自衛生科の協力を得て「脚気と軍隊」、
武器科も同じく「日本軍はこんな兵器で戦った」を、
警務科とともに「自衛隊警務隊逮捕術」を上梓した
(いずれも並木書房刊)。陸軍将校と陸自退職幹部
の親睦・研修団体「陸修偕行会」機関誌「偕行」に
も軍事史に関する記事を連載している。(公益社団
法人)自衛隊家族会の理事・副会長も務め、隊員と
家族をつなぐ活動、隊員募集に関わる広報にも協力
する。近著『自衛隊砲兵─火力戦闘の主役、野戦特
科部隊』。




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