配信日時 2025/06/19 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (502)】神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生(38)      渡邉陽子(ライター)


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こんばんは、エンリケです。

第502回目の「渡邉陽子のコラム」は、

「神は賽子を振らない
第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」

の38回目です。

1991年の雲仙普賢岳大火砕流――報道陣も
巻き込まれた地獄の現場に出動した自衛隊。

火山災害の最前線で発揮された装甲車の意味
とは? 

御嶽山噴火にもつながる装備運用と災害支援
のリアルを、渡邉さんが丁寧に描き出します。


さっそくどうぞ



エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (502)』

 神は賽子を振らない
第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生(38)




  渡邉陽子(ライター)

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こんばんは。渡邉陽子です。
『正論』の連載で毎月ひとりの自衛官をクローズアップして取材し
ていますが、その人の所属している部隊そのものに興味を持ち、次
は部隊の取材をさせてもらおうと思うことは少なくありません。そ
う思う部隊に共通しているのは、部隊の空気がいいこと。
そこに所在している隊員より、陸海空さまざまな部隊に取材に訪れ
ている立場の自分のほうが、部隊の空気には敏感だと思います。ま
た、司令の考え方や人となりは駐屯地・基地の空気に大きく影響し
ますが、司令は約2年で異動、新たな司令がやってきます。部隊自
体に根底にもっているよい空気感、雰囲気というのが、誰が司令で
も関係なく踏襲されていると、実に気持ちのよい取材につながりま
す(もちろん司令の取材に対する好意的な姿勢も非常に大きいな要
素であることは間違いありません)。
一方、空気の悪い部隊は自分たちの部隊が「空気が悪い」とはあま
り気づいていない人が少なくないと思います。個々の潜在能力は高
いゆえ、「こんな空気の悪い部隊にいてもったいないなあ」と思っ
てしまうこともあります。
ちなみに空気の悪い部隊に共通していることのひとつは、(上官に
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める哨戒機P-1の機上整備員です。厚木の部隊はどこも雰囲気がとて
もよくて、取材に行くのがとても楽しみです。今回もご本人だけで
なく部隊のみなさんのご協力により、大変いい取材をさせていただ
きました。部内幹部を目指すという向上心あふれる隊員の素顔に迫
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■神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生(38)

雲仙普賢岳の大規模火砕流は死者・行方不明者43名、家屋焼失・倒
壊179棟という大惨事を引き起こした。

普賢岳は、1792年には日本史上最悪の火山災害が起こり、肥前、肥
後両国で1万5000名以上の死者が発生したこともあるほど、古くから
噴火を繰り返す活火山として知られていた。今回も1989(平成元)
年から噴火の前兆が観測されていたため、事前に第16普通科連隊
(長崎県・大村駐屯地)をはじめとする陸自と長崎県、観測所を持
つ九州大学との間で対策会が開かれており、自衛隊と自治体などと
の関係は良好かつ緊密だった。

3日に火砕流が発生すると、一瞬のうちに報道関係者や火山学者と、
彼らがチャーターしていたタクシーの運転手、警戒に当たっていた
消防団員などの命が奪われた。長崎県は自衛隊に救援出動を要請。
第4師団(司令部は福岡県・福岡駐屯地)第16普通科連隊を中心と
した島原災害派遣隊を編成し、翌日から3日間、いつ火砕流に襲わ
れても不思議でない現場に入り、人命救助(遺体収容)に当たった。

火砕流は市民の財産を消失させ、雨が降れば土石流が2000棟以上の
家屋を押し潰し、避難民は1万人に達した。正に地獄絵図の現場で、
自衛隊は火山活動監視や道路障害除去、被災者支援にあたった。

火山灰に覆われた地域へは75式装甲ドーザーが、また自治体関係者
の現地視察には60式装甲車や73式装甲車、82式指揮通信車が活用さ
れた。2014年9月に長野県の御嶽山が噴火した際、派遣された自衛
隊の装備の中に89式装甲戦闘車があったことが一部から非難された
が(このFVを「戦車」と誤っているメディアもあった)、装甲車は
20年以上前の災害ですでに使用されていたのだ。
御嶽山の場合は機関砲を備えた車両が災害派遣の現場に向かうこと
に対する戸惑い、あるいは嫌悪感もあったのだろう。しかしいつ噴
石があるかわからない場所に向かう隊員の安全確保は当然のことだ
し、装輪車では降り積もった火山灰 を巻き込み前進できない場合も、
装軌車ならば火山灰の上でも機動力を発揮できる。さらに、万一噴
火が起きた際には、 高い気密性によって火山性有毒ガスからの緊急
避難場所としても使える。
実際、地表を覆った火山灰は車両や航空機の活動に大きな支障をき
たした。6月6日には、取材報道関係者を乗せた西部方面ヘリコプ
ター隊のV-107A輸送ヘリが火山灰によるエンジントラブルのため、
危険地域のたばこ畑に不時着している(幸いけが人はなかった)。

報道、学術、防災機関のすべてが火砕流で犠牲になったため、当時、
火山近傍で行動できる能力を唯一保有していた自衛隊への期待は高
かった。自衛隊も救援活動のため九州大学などの指導を受けつつ協
同で火山観測を行ない、その成果を 関係機関および地元住民へ24時
間リアルタイムで情報提供したことにより、住民の心理的安心感や
復旧作業の進展、火山研究に大きく貢献した。
1995年12月16日の撤収まで、派遣日数1658日、派遣人員延べ 20万7
225名、派遣車両延べ6万7847台、派遣航空機延べ5999機におよぶ。
この時点で、統計が残る1977年以降では最長の災害派遣だった。


(つづく)


(わたなべ・ようこ)



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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。

2016年6月、デビュー作
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2022年、
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