配信日時 2025/04/30 09:00

【陸軍砲兵史-明治建軍から自衛隊砲兵まで(110)】自衛隊砲兵史(56) 小説『道北戦争1979』の前後      荒木 肇


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知られざる重要組織「自衛隊警務隊」にスポットを
当て、警務隊とは何か?の問いに応えるとともに、
警務隊で修練されている「逮捕術」を初めて明らか
にしたこの本は、小平学校の全面協力を受けて作ら
れました。

そのため、最高水準の逮捕術の技の連続写真が実に
多く載っています。それだけでなく、技のすべてを
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自衛隊関係者、自衛隊ファン、憲兵ファンはもちろん、
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おはようございます、エンリケです。

「陸軍砲兵史」の110回目です。

荒木先生の新刊が出ます。
詳細は以下記事でどうぞ。

書店に並ぶのはもう少し先みたいですが、
予約はできるそうです。
気になる方はお早めにどうぞ!


エンリケ



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陸軍砲兵史-明治建軍から自衛隊砲兵まで(110)

自衛隊砲兵史(56) 小説『道北戦争1979』の前後



荒木 肇

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□『自衛隊砲兵』発刊のご挨拶

 ゴールデン・ウィークが始まりました。天候も安
定し、長い連休に各地の行楽地も賑わうことでしょ
う。また、それを支えるお仕事に励まれる方も多い
わけで、活気が溢れるニュースを見聞きすることも
楽しみです。

 さて、足かけ4年の仕事になりましたが、『自衛
隊砲兵』を上梓させていただけることになりました。
5月19日頃から書店に並び始め、Amazonなどネッ
ト通販の予約は始まっています。おかげさまで、知
人の方々からは予約を確定したという連絡も多くい
ただいております。

元はといえば、日本砲兵史をまとめてみようという
大それた企画でした。それが、2022(令和4)
年2月24日に始まったロシア軍によるウクライナ
への侵攻によって現状の砲兵戦を話題の中心にした
らどうかと考えるようになりました。

 ところが、戦況報道の中心になったのは、対機甲
兵器の携帯式ミサイルの活躍でした。軍事専門家や
評論家、新聞記者などはたちまち戦車不要論をいい、
いわゆるドローン(無人航空機)による攻撃とその
戦果を華々しく報道しました。まるで、火砲や装甲
車、戦車などは無用の長物、無駄な金食い虫だった
ことの証明のように語りました。

 しかし、注意深く報道を見続けていくと、ロシア
軍もウクライナ軍も、どちらも砲弾不足に陥ってい
ること、火砲の増強に手を尽くしていることなどが
報じられます。ついにはロシア軍も北朝鮮から15
5ミリ砲弾を買い付けているということも明らかに
なりました。

□『自衛隊砲兵』の内容

 全体は3部構成になっています。第1部では、砲
兵とは何か、陸自砲兵部隊はどのような戦い方をす
るのか、どのような装備で、現場の砲兵の仕事とは
どのようなことかを解説しました。陸自富士学校特
科部(砲兵学校)、同特科教導隊の全面的な協力を
いただき、イラストや写真を多く載せました。イラ
ストは高名な石原ヒロユキ氏(元化学防護隊長・1
等陸佐)が担当してくださいました。

 第2部では、現用の火砲、FH70や99式自走
榴弾砲、19式装輪自走榴弾砲、12式地対艦ミサ
イルを現場の隊員の皆さんの声とともに紹介しまし
た。また、現在では退役した特科装備、火砲やレー
ダー、通信機器なども調べました。

 第3部は野戦特科の歴史の一部をふり返ります。
陸上自衛隊発足以来の装備、教育、訓練の変遷など
について解説しました。富士学校特科部編の『日本
砲兵史』(原書房・1980年)の記述を参考にし
ています。元富士学校長陸将、井上武氏にもお世話
をかけ、陸自野戦砲兵部隊の将来展望についても紙
数を費やしました。

 軍事技術に詳しい方々ばかりではなく、砲兵につ
いて関心のある方には基本知識とともに、軍事技術
の進歩の現状についても理解でき、満足していただ
けると期待しています。


『自衛隊砲兵─火力戦闘の主役、野戦特科部隊』
荒木肇(著)
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▼対戦車ミサイルの開発

 木元将補の『道北戦争1979』の前後には、新
しい装備が次々と開発されていました。水際でソ連
軍戦車や、上陸用舟艇を迎え撃つためのミサイルが
通称「重マット」といわれた新しい世代の誘導弾で
す。師団にあった師団長直轄の対戦車隊が装備し、
それまでの有線誘導の64式マットより威力の大き
いものでした。

 対戦車ミサイルの元祖といえば、フランスで19
56年に制式化されたSS10です。これは第2次
大戦でドイツ軍の戦車に蹂躙された経験からきたも
のでしょう。陸戦の王者といわれる戦車を射止める
には命中精度と破壊能力の2つが要求されます。戦
車の速度はなかなかに速く、現在でも総合火力演習
などでその機動を見ると、あんなに速いのかと驚く
方が多くおられます。

 「戦車には戦車を」と言われてきました。確かに
動く相手を求めて、自分が射撃に最適な位置に移動
し、射撃し、たとえ撃ち返されても被害を受けない
というのは戦車ならではです。この戦車砲以外の対
戦車火砲は「待ち伏せ」による射撃ですが、戦車が
射程に入ってこない限りは対戦車射撃になりません。

 しかも対戦車射撃は直接射撃(眼で見て撃つ)で
すから、低伸弾道のガン(加農)が向いています。
第2次大戦では高初速で、発射速度が高い対戦車砲
(わが国では速射砲)や高射砲がそれに充てられて
いました。ドイツ軍による88ミリ高射砲の水平射
撃は連合軍戦車にとっては大きな脅威でした。

▼第1世代から第2世代に

 SS10の有効射程は400~1500メートル
です。その初速は66メートル/秒で、最大速度は
85メートル/秒でした。1958年に開発された
SS11は、それが有効射程500~2000メー
トルに伸び、初速も85メートル/秒、最大速度も
190メートル/秒となりました。もっとも10は
ジープに車載し、11は戦闘車両に搭載ということ
で、ミサイル重量と発射機、照準装置の重量の合計
は10が167キログラム、11は210キロとな
っています。

 続いて1961年には有効射程がやはり2000
メートルのエンダックが開発されました。これもジ
ープに搭載された歩兵が使う対戦車ミサイルです。
英国も同じ頃にビジラント(63年制式)、西ドイ
ツは60年にコブラを装備し、ソ連は64年にサガ
―を制式化しました。このサガ―は有効射程300
0メートル、最大速度は120メートル/秒でした。

 これらはいずれも、眼鏡で目視し続ける照準手が
操縦桿(ジョイスティック)で命中まで操作し続け
る必要がありました。ミサイルからは細いラインが
延びます。欠点は操作員が発見されると銃砲撃を受
けてしまいます。命中まで、敵からは安全な場所で
操縦する必要があったのです。

▼第2世代の対戦車ミサイル

 フランスではSS10が制式化されておよそ18
年後の1974年に第2世代のミランが登場します。
前世代のミサイルが目視・手動誘導だったのに、新
世代はIR半自動誘導となりました。照準手が照準
装置内の眼鏡で、目標を照準しさえすれば、照準装
置の赤外線探知機が飛行中のミサイル尾部の赤外光
源を自動追尾して、観目線(かんもくせん・照準線)
との偏位角を検出します。それをゼロにするために
送信機と誘導ワイヤを通じて操舵信号をミサイルへ
送りました。

 ミランは最大有効射程2000メートル、最大速
度200メートル/秒、ミサイル重量7キログラム、
発射機重量5キログラム、照準装置16キログラム
と、まさに歩兵が容易に携行できるものでした。米
国も73年にはドラゴン、トウというミサイルが採
用されます。トウ・ミサイルは戦闘車両やヘリコプ
ターに搭載される3750メートルという長射程を
誇りました。

▼重マット(79式対舟艇・対戦車ミサイル)

 わが国も第1世代の64式マットの後継を開発し
ます。川崎重工業では研究開発に約10年をかけま
した。64年度から74年度にかけての、手動から
半自動への克服はたいへんな苦労でした。システム
は発射機1型、2型、照準架、照準器、通信器で構
成されます。ミサイルの本体は全長157センチ、
胴体直径は15センチ、重量は33キログラム、コ
ンテナに収められていて、総重量は42キロです。
トウ・ミサイルより重くなったのは、目標が戦車だ
けではなく、小型の上陸用舟艇まで想定したからで
す。

 対戦車用とだけ考えれば、弾頭はHEATだけで
済みますが、対舟艇となるとHE弾も使えねばなり
ません。1発の命中弾で、撃沈もしくは大破とする
には炸薬量を増やすことになります。結果として総
重量は大きなものになりました。

 64と比べて大きな改善となったのは、射手と発
射機(ランチャー)が50メートルほど離すことが
できるようになったことです。射手の位置の秘匿が
容易になります。発射はブースターで加速され、フ
ィン(翼)が展張して、サスティナーで飛翔が続け
られます。秒速200メートルのミサイルの制御は、
ミサイル後部のキセノン・ランプから出るIRビー
ムをセンサーが捕捉し、照準線に合致するようワイ
ヤを通じて行われました。また対舟艇用には近接信
管も併用されて、対人、対戦車破壊も可能になって
います。

 次はいよいよ2.5世代といわれた87式対戦車
誘導弾を解説します。



(つづく)


(あらき・はじめ)


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●著者略歴

荒木肇(あらきはじめ)
1951(昭和26)年、東京生まれ。横浜国立大
学大学院教育学修士課程を修了。専攻は日本近代教
育制度史、日露戦後から昭和戦前期までの学校教育
と軍隊教育制度を追究している。陸上自衛隊との関
わりが深く、陸自衛生科の協力を得て「脚気と軍隊」、
武器科も同じく「日本軍はこんな兵器で戦った」を、
警務科とともに「自衛隊警務隊逮捕術」を上梓した
(いずれも並木書房刊)。陸軍将校と陸自退職幹部
の親睦・研修団体「陸修偕行会」機関誌「偕行」に
も軍事史に関する記事を連載している。(公益社団
法人)自衛隊家族会の理事・副会長も務め、隊員と
家族をつなぐ活動、隊員募集に関わる広報にも協力
する。近著として『自衛隊砲兵─火力戦闘の主役、
野戦特科部隊』を予定。



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