配信日時 2025/04/16 09:00

【陸軍砲兵史-明治建軍から自衛隊砲兵まで(108)】自衛隊砲兵史(54) 73式装甲車     荒木 肇


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おはようございます、エンリケです。

「陸軍砲兵史」の108回目です。

今週の記事では、わが戦車部隊の背後に控え、
その機動力と防護を支えた“縁の下の力持ち”、
73式装甲車と89式装甲戦闘車にスポットが当てられ
ます。

装甲厚、エンジン出力、室内空間に銃眼配置まで、
細部にわたる具体的な描写で、まるで車両の内部に
乗り込んだかのような臨場感を味わえる本稿。単な
る装備紹介にとどまらず、配備の背景や未成に終わ
った計画、価格とのバランスに揺れた政策判断まで
も語られる読み応えある内容です。

兵器としてのスペックに加え、それを運用する組織
と戦略的思考にまで視野を広げる記事は、あなたの
知的好奇心を確実に刺激してくれるはずです。
荒木さんならではの豊富な知識と鋭い視点を、ぜひ
ご堪能ください。


エンリケ



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陸軍砲兵史-明治建軍から自衛隊砲兵まで(108)

自衛隊砲兵史(54) 73式装甲車


荒木 肇

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□74戦車に随伴できる装甲車

 61戦車には60式装甲車が随伴しました。新型
の74戦車が登場すれば、当然、それと行動を共に
できる装甲車が必要です。73式装甲車は、74式
戦車の開発と並行して1967(昭和42)年度か
ら70年度にかけて開発されました。

 機動性では60式装甲車を大きく超えなくてはな
りません。また、当時の11人の1個分隊を全員乗
せられなくてはならないのです。このため60式装
甲車と比べると73式装甲車には大きな特徴があり
ました。

 まず、73式装甲車は、防弾鋼鈑が軽合金装甲に
変えられます。これは車体が大型化したのに重量の
軽減を実現できました。全備重量は13.3トンで
す。これを4気筒空冷ディーゼル300馬力で動か
します。つまりトン当たり22.6馬力となりまし
た。74戦車は38トンの車体を720馬力で動か
す、トン当たり18.9馬力です。それと比べても
ずいぶん野外活動でも、その軽快さが増したという
べきでしょう。

60式装甲車はトン当たり18.6馬力。73は重
量が60の11.8トンから13.3トンに増えて
もエンジンが強力になった分、機動性は大きく増し
ました。車体も全長では5.8メートル、車幅が2.
8メートルと、それぞれ80センチ、40センチと
大きくなったのに全高は2.4メートルから20セ
ンチも低い2.2メートルです。対機甲戦闘ばかり
ではなく、敵歩兵の対戦車兵器に対抗するにも高さ
が低いほど目標になりにくいのです。

▼周囲を射撃できる銃眼

 水密化構造のために浮航性があります。NBC防
護機能がつきました。また60式装甲車と比べると、
73式装甲車は室内空間が70%も増えたために居
住性が向上して、後部の観音開きのドアに2個、両
側に4個の銃眼があります。乗員は視界は限られて
いるものの、視察と射撃ができるようになりました。

 乗員は後部兵員室に8人、前部には2人、その後
ろに車長とエンジンルーム横通路に機関銃手が乗り
ます。武装はやはりキャリバー50(12.7ミリ)
重機関銃と、前方に7.62ミリ機銃があります。
重機は体を出さなくても車内からリモート・コント
ロールできるようになっています。

 エンジンは目立たないことですが、74式戦車の
それとファミリー化されていて、これが取得の容易
さにつながり、エンジンやトランスミッション系統
はユニット化されています。そのために整備が容易
になりました。

 内地で見られにくかったのは、まず北海道の第7
師団から配備が始められたからです。また、秘話も
あります。当初、この装甲車は20ミリ機関砲を載
せた「装甲戦闘車」にしようとした計画もありまし
た。ところが、この砲塔と機関砲の値段だけで1億
2000万円もすることが分かり、この企ては流れ
てしまいます。

▼7師団の虎の子89FV

観閲式などで、この砲塔をもちクローラーを響かせ
て走る装甲戦闘車は、しばしば戦車と間違われます。
回転する砲塔と無限軌道、まさに戦車そのものです。
しかし、よく見ると後部にはハッチがあり、車体に
は銃眼があります。この89式装甲(歩兵)戦闘車
はその本来の略称MICVのIが示すようにインフ
ァントリー(歩兵)の装備なのです。ただし、自衛
隊ではファイティング・ビハイクルと呼んでいます。
89FVというのが略称です。

北海道の第11普通科連隊(第7師団で1個だけの
普通科連隊)だけが装備し、本州では静岡県滝が原
駐屯地の普通科教導連隊でしか見られません。普通
科教導連隊はその名称通り、富士学校で教育にあた
る任務をもち、陸自普通科の装備はみな持っている
ためです。

1980年代(昭和50年代後半)には対戦車ミサ
イル戦闘もできる歩兵戦闘車が各国で開発される様
になりました。口径20ミリから35ミリの大口径
自動火器をもち、敵の対戦車ミサイル陣地やMIC
Vを制圧することを目的としました。

アメリカ陸軍のM2ブラッドレーは25ミリ、ソ連
のBMP11は30ミリの自動カノンを装備していま
す。陸自の89FVはスイス・エリコン社のKDE
35ミリ機関砲を採用しました。

この砲は87式自走高射機関砲(第7師団の第7高
射特科連隊が装備しています)やL90高射機関砲
と同じもので、発射速度を落としたものです。撃ち
だされるAPDS-T弾なら初速は1385メートル
/秒というもので、距離1000メートルなら60
°の角度では40ミリの装甲板を撃ち抜きます。また
砲塔の左右には79式対舟艇対戦車ミサイル(通称
重マット)を載せています。

こうした装備を北海道に置くということは、木元将
補の『道北戦争1979』にあるような事態が起き
るであろうということからです。乗員は車内から外
を射撃できます。ただし、問題はその価格でした。
当時、74式戦車が3億8000万円、73式装甲
車は1億3000万円、そうして89FVは5億8
000万円だったといわれます。主力戦車より高価
な世界最強の歩兵戦闘車でした。

全備重量は26.5トン、エンジン出力は600馬
力です。つまりトン当たり約21馬力という戦車同
様、最高速度も70キロ/時というもので、戦車兵
の中には「こりゃ、戦車だよ」と言ったくらいでし
た。



(つづく)


(あらき・はじめ)


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●著者略歴

荒木肇(あらきはじめ)
1951(昭和26)年、東京生まれ。横浜国立大
学大学院教育学修士課程を修了。専攻は日本近代教
育制度史、日露戦後から昭和戦前期までの学校教育
と軍隊教育制度を追究している。陸上自衛隊との関
わりが深く、陸自衛生科の協力を得て「脚気と軍隊」、
武器科も同じく「日本軍はこんな兵器で戦った」を、
警務科とともに「自衛隊警務隊逮捕術」を上梓した
(いずれも並木書房刊)。陸軍将校と陸自退職幹部
の親睦・研修団体「陸修偕行会」機関誌「偕行」に
も軍事史に関する記事を連載している。(公益社団
法人)自衛隊家族会の理事・副会長も務め、隊員と
家族をつなぐ活動、隊員募集に関わる広報にも協力
する。



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