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おはようございます、エンリケです。

２７７回目の「美佐日記」。

今のわが防衛産業や自衛隊の現状に鋭く切り込む内
容です。防衛産業への支援策がいかに窮屈な制約の
中で行われているか、また自衛隊の役割がこれから
どれほど重要になるか、桜林さんはその背景をわか
りやすく解説しています。

特に、トランプ再登場による日米関係への影響、わ
が防衛産業の未来について触れているところは必読
です。
「アメリカファースト」により、わが防衛環境はど
う変わるのか？織田元空将が提言する「力の空白」
を作らない重要性にも触れており、きょうの記事は、
あなたにとり今後のわが国防の行方を真剣に考える
きっかけになることでしょう。

「チャンネルくらら」の最新エピソードの紹介も。
小川清史元陸将が語る日航機墜落事故時の救援活動
は、自衛官OBならではの貴重な証言です。ぜひ視聴
していただき、わが自衛隊の現場をより深く知って
いただきたい、と思いました。

きょうも桜林さんの記事をご堪能ください！

さっそくどうぞ！


エンリケ


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『自衛官が語る海外活動の記録』（桜林美佐監修・
自衛隊家族会編）が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、２５人の自衛
官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」（２７７）

トランプ再選で気になる防衛産業に及ぼす影響


桜林美佐（防衛問題研究家）
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、２７７回目となりま
す。

　前回の日記にも感想を頂戴しました。「一言『全
くその通り！』でございます。スカッといたしまし
た」ということで、こちらこそこのお言葉にスカッ
といたしました！ありがとうございます。

　念のため、私は官側の皆さんを責めているわけで
は全くありません。与えられた条件下でしかできな
いことばかりなのですから。

特に日本の場合、予算を使う際の自由度がほとんど
ないので、例えば今、防衛産業支援のために資金を
サポートできるよう取り組みを始めても、その交通
費は本当にこの目的だけのためなのか？　ガソリン
スタンドで給油した時間は別の取引先に寄った後だ
ろうそんなのは認められないとか、そんなやり取り
をせざるを得ず、結局は企業を助ける画期的なもの
には程遠くなってしまうのです。

　防衛産業や自衛隊の人的基盤強化を本気でやる気
があるなら、こうした構造的問題を大胆に変える政
治的手腕が必要になりますが、政権が脆弱だとそれ
ができない。だからと言って安定政権を作るための
投票行動をしようなどということにはなり難い。と
いう、ザックリ言えばこれが現状です。

　繰り返しになしますが、防衛費増により現時点で
は企業の借金ばかりが増えている状況であり、本当
に大丈夫なのかという不安感のほうが大きいのです。

　こうした中、とうとうトランプ大統領が再び誕生
することになりました。アメリカファーストに大き
く舵を切ることになるでしょうから、自衛隊の装備
もその影響を受ける可能性があり、製造ラインを膨
らませた日本の防衛産業に及ぼす影響、気になりま
す。

　一方で、11月8日の産経新聞「正論」に織田邦男元
空将が書かれていた、今注力すべきは「力の空白」
を作らないことだというお話、つい私たちは「どう
なるトランプ政権」ばかり考えてしまいますが、本
当に同感です。

　そのために自衛隊と米軍との連携がこれほど必要
な時はないと言っていいでしょう。こうした話は私
のような者が言っても説得力がなく、やはり自衛官
ＯＢからの発信だからこそ人々を納得させられると
思います。

　日米軍の関係強化と言うと米国追随のような文脈
で捉えられることがありますが、これは全く違い
（装備品を買わされるという点はあるとはいえ）、
米軍の力をますます活用できるようにするというこ
とです。政治の先行きが不透明であればあるほど、
自衛隊の果たす役割はあまりにも大きいのだと思い
ます。

　また、トランプ政権は泣いても笑っても４年。そ
の次にバンス大統領誕生となるという頭の体操も今
から始めなくてはならないでしょう。

　最後に、YouTubeチャンネルくらら「陸海空軍人か
ら見たシリーズ」の最新版について。こちら「ロシ
ア領空侵犯」と題されていますが、後半で小川清史
元陸将が体験した日航機事故の際の救援活動につい
て語って下さっています。最近はテレビで陸上自衛
隊のレンジャー訓練に密着といった企画を目にする
ことがありますが、それが何のためなのかというこ
とまでは伝えきれていないかもしれません。OBとは
いえ自らの経験を語るということは色々な制約もあ
り実際にはそんなに簡単ではない中で、経験者だか
らこその説得力あるお話をして頂いたことは自衛隊
を知る上で大きな財産になったと考えています。ぜ
ひ多くの方にご覧頂きたいと思います。

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
皆様にとって素晴らしい1週間となりますように！
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＜おしらせ＞

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●『ＳＡＴマガジン』にて「桜の時評」連載しています。
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●YouTube「著者が語る」 https://youtu.be/CAlyNIIpceM?si=vOli70X5jW9-Dp60 
で語りました！
こちらは、JBプレス https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/84093 にも掲載されています。

●YouTubeのチャンネルくらら「陸海空軍人から
見たシリーズ」で司会をしています。
　https://x.gd/4KTkO
さらに最近は元将官が語る「ノモンハン事件」
「ミッドウエー海戦」で司会をしています。　https://x.gd/4KTkO



（さくらばやし・みさ）


桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このＵＲＬからお知らせください。
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【著者紹介】
桜林美佐（さくらばやし・みさ）
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業［改訂版］』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
（いずれも並木書房）、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』（P
HP研究所）、『日本に自衛隊がいてよかった』（産
経新聞出版）、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』（ワニブックス）。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』（産経ＮＦ文庫）、
「陸海空　軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
（ワニブックス）、『軍産複合体～自衛隊と防衛産
業のリアル』（新潮選書）

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