配信日時 2024/10/23 09:00

【陸軍砲兵史-明治建軍から自衛隊砲兵まで(84)】自衛隊砲兵史(30)ゲリラ戦の効果     荒木 肇

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知られざる重要組織「自衛隊警務隊」にスポットを
当て、警務隊とは何か?の問いに応えるとともに、
警務隊で修練されている「逮捕術」を初めて明らか
にしたこの本は、小平学校の全面協力を受けて作ら
れました。

そのため、最高水準の逮捕術の技の連続写真が実に
多く載っています。それだけでなく、技のすべてを
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自衛隊関係者、自衛隊ファン、憲兵ファンはもちろん、
武術家、武道家、武術ファンにも目を通してほしい
本です。

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おはようございます、エンリケです。

「陸軍砲兵史」
の第84回目。

現代の安全保障を考える上で、
歴史から学ぶことは極めて重要ですね。

巻頭文に感銘を受けています。

ぜひご一読ください。

ではさっそくどうぞ。


エンリケ


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陸軍砲兵史-明治建軍から自衛隊砲兵まで(84)

自衛隊砲兵史(30) ゲリラ戦の効果


荒木 肇

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□いよいよ総選挙

 とうとう1週間後になりました。自民党も必死で
しょう。ある見方によると、議席をずいぶん減らし
そうです。内閣の支持率も減ってきているし、石破
さんも日夜、不安な思いにかられておられるでしょ
う。


ところで、膨脹主義の中国や、武力侵攻も辞さない
であろうロシアの存在、100年ほど前の大正時代
末期の状況とよく似ています。関東大震災後の復興
に努めつつ、経済界も苦しんでいました。世論が政
治に求めることは、経済の向上と国民生活の安定で
す。そうした中で軍隊には冷たい目が注がれ、軍縮
が言われていました。

 わたしは当時の陸軍将校たちの研究会誌である、
「偕行社記事」を愛読しています。その中から当時
の軍人たちの平均的な思考が読みとれるからです。
大佐や少佐、大尉といった人たちがそれぞれの立場
を背負って思いの丈をつづった記事を投稿します。
それに対して、たいへん自由に闊達に議論が展開さ
れ、おかげで100年ほど昔の先人たちの実態の一
部を知ることができます。

 政治に関して彼らは不偏不党、口出しもしません
が、国民世論の動向については高い関心を持ってい
ます。その中で印象に残るのは、軍隊は抑止力であ
り、不戦を目的とする組織なのだという信念です。
そうしていざ戦時になったら、必要なのは挙国一致
で国家、国民を守ることが大切なのだという気持ち
でした。


 わたしの知る限りの陸・海・空自衛官もまったく
同じ思いをもっています。


▼車輌・弾薬の大量喪失

今週も元自衛官・木元寛明氏の著作『道北戦争19
79』をもとに話を進めます。

 午後8時前後の30分間、第2薄明(はくめい)
から第3薄明に移る時間帯、合計5個班のレンジャ
ー部隊は各所でソ連軍輸送隊を攻撃しました。護衛
の装甲車や大型トラック31輌をすべて撃破します。
この数は自動車化狙撃連隊輸送中隊の装備車輌の3
分の2にもなる数でした。

 その積載した弾薬の量を、浜頓別正面に展開する
狙撃連隊の所要弾薬数に換算してあります。まず、
T62戦車大隊の1基数分(各40発)、2個自走
砲大隊の3基数分(122ミリ自走砲の砲弾各12
0発)、3個迫撃砲中隊の3基数分(各砲150発)
の弾薬がこの攻撃で潰えさってしまいました。

 この輸送車輌と弾薬の大量喪失は、オホーツク海
正面から天北峠・咲来峠を目指している狙撃連隊の
攻撃衝力(しょうりょく)に決定的な影響を与えま
した。


▼枝幸港住民

 ソ連軍に確保された枝幸港の住民たちは一応の安
全を保っていました。興味深いエピソードを木元将
補は書かれています。それは侵攻するソ連軍への協
力者です。すでに数年前からその人物は枝幸の町に
出入りしていました。外洋航行が可能なクルーザー
をもち、九州の資産家であり貿易商というふれ込み
でした。海岸近くのラーメン店にも顔を出していま
した。


クルーザーは時々、海を越えてソ連に出かけて商売
をしていました。経営者の不明なラーメン店には身
元不明なライダーたちが出入りもしています。警察
も海上保安庁も注目はしていましたが、それらを取
り締まる有効な法律もありません。6月中旬には警
察の警備係外事担当者が漁業協同組合の理事長に面
会を求め、クルーザーと謎のオーナーについての警
戒すべき情報をもたらしました。

そうして7月4日、午前4時前のことです。ソ連原
子力潜水艦から発射された巡航ミサイルが道内の空
自レーダー・サイト、千歳基地に命中、北海道上空
の制空権は一気にソ連のものとなりました。

 その男が正体を現したのはソ連軍が上陸した時で
した。ソ連軍の先遣部隊を案内し、港の関係者にソ
連軍の占領方針について説明しました。彼は夫人と
見られる女性とともに、道内の情報を集め、ラーメ
ン店を拠点にして多くの工作員を指揮していたので
す。

▼枝幸港を防禦するソ連軍

 歌登西方の中央付近に進出していたソ連軍は陸自
第25戦闘団陣地との接触を避けて10日夜には金
駒内付近に後退し、枝幸港を防禦する態勢に移行し
ます。122ミリ牽引砲大隊などが浜頓別方面に動
きました。枝幸と浜頓別の間の補給線の警戒のため
に装輪装甲車3輌が新たに配置されます。

 25戦闘団長はソ連軍の配備変更等をつかみ、普
通科中隊の一部を歌登に進出させ、金駒内の隘路を
挟んで侵攻部隊と対峙する態勢をとりました。

 浜頓別正面のソ連軍は、11日いっぱいをかけて
態勢を整理して、12日早朝から空地一体の猛攻撃
をかけてきます。国道275号線沿いに主攻撃をか
け、ミグ27対地攻撃機による反復攻撃、122ミ
リ榴弾砲、120ミリ迫撃砲の移動弾幕射撃、T6
2戦車とBMP-1の突進で天北峠まで一気に突破
しようとする構えを見せました。

 25戦闘団は、この日を戦闘の山場だと認識し、
空自の迎撃機・支援戦闘機の出動を要請し、戦闘団
の全力で敵の攻撃を頓挫させます。T62戦車は小
頓別まで突入しますが、74式戦車、106ミリ無
反動砲、カール・グスタフ、ロケット・ランチャー
などで撃破しました。昼頃にはピンネシリ付近で戦
線は膠着します。戦闘団は人員・装備に多くの損害
を出しましたが、ソ連軍も戦車、歩兵戦闘車、自走
砲などを大量に失います。

 幌延付近では千歳から進出してきた第1戦車群が
激闘を展開していました。次回は「政治の季節」と
木元将補が名付けた日ソ政府間の交渉の描写です。



(つづく)


(あらき・はじめ)


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●著者略歴

荒木  肇(あらき・はじめ)
1951年東京生まれ。横浜国立大学教育学部卒業、
同大学院修士課程修了。専攻は日本近代教育史。
日露戦後の社会と教育改革、大正期の学校教育と陸
海軍教育、主に陸軍と学校、社会との関係の研究を
行なう。
横浜市の小学校で勤務するかたわら、横浜市情報処
理教育センター研究員、同小学校理科研究会役員、
同研修センター委嘱役員等を歴任。1993年退職。
生涯学習研究センター常任理事、聖ヶ丘教育福祉専
門学校講師(教育原理)などをつとめる。1999年4月
から川崎市立学校に勤務。2000年から横浜市主任児
童委員にも委嘱される。2001年には陸上幕僚長感謝
状を受ける。
年間を通して、自衛隊部隊、機関、学校などで講演、
講話を行なっている。

著書に『教育改革Q&A(共著)』(パテント社)、
『静かに語れ歴史教育』『日本人はどのようにして
軍隊をつくったのか─安全保障と技術の近代史』
(出窓社)、『現代(いま)がわかる-学習版現代
用語の基礎知識(共著)』(自由国民社)、『自衛
隊という学校』『続自衛隊という学校』『子どもに
嫌われる先生』『指揮官は語る』『自衛隊就職ガイ
ド』『学校で教えない自衛隊』『学校で教えない日
本陸軍と自衛隊』『あなたの習った日本史はもう古
い!─昭和と平成の教科書読み比べ』『東日本大震
災と自衛隊─自衛隊は、なぜ頑張れたか?』『脚気
と軍隊─陸海軍医団の対立』『日本軍はこんな兵器
で戦った─国産小火器の開発と用兵思想』『自衛隊
警務隊逮捕術』(並木書房)がある。


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された《兵隊》、お寒い自治体』 荒木肇
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