配信日時 2024/10/10 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (473)】陸自の演習場整備(1)     渡邉陽子(ライター)

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こんばんは、エンリケです。

「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第473号。

きょうから、

「陸自の演習場整備」

と題したテーマが始まります。

正直、部外者は全く知らないことですよね。
草刈機を手に整備に励む隊員たちの様子。
その姿を想像するだけでワクワクしてきます。

さっそくどうぞ。


エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (473)』

 陸自の演習場整備(1)

 


  渡邉陽子(ライター)

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こんばんは。渡邉陽子です。今週から何週かにわたり、昨秋取材し
た陸上自衛隊の演習場整備について「軍事研究」に掲載された記事
を元にご紹介します。


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■陸自の演習場整備(1)

毎年、春・秋の年に2回実施されている陸自の演習場整備。演習場に
泊まり込み数100名単位で10日前後かけて行なう大がかりなものです
が、その詳細はほとんど知られていません。
今回は日本最北の演習場である鬼志別演習場整備を取材、草刈り機
を手にしてミリミリの整備を行なう隊員たちの姿を追いました。

陸上自衛隊が演習や訓練で使う演習場は全国に点在していますが、
等しく春秋の年2回、演習場整備が実施されています。
どの部隊がどの演習場の整備を担当するかは決まっており、大規模
かつ長期間の訓練や災害派遣などがない限り、演習場整備は部隊の
年間計画に組み込まれています。
小銃ではなく草刈り機を手に除草に励む姿は取材される機会も皆無
に等しいため、演習場整備の目的や詳細はほとんど知られていませ
ん。
今回、日本最北端の演習場である北海道の鬼志別演習場の令和5年
度秋季演習場整備を取材する機会を得たため、その一部をご紹介し
ます。

鬼志別演習場の所在する宗谷郡猿払村(さるふつむら)は北海道最
北、かつ村としては道内一の広さを誇る村であり(ぜひgoogle map
などで場所をご確認ください。本当に最北です)、稚内空港から車
で約90分の距離です。猿払村の東はオホーツク海の海岸線、西は丘
陵性山地を境に豊富町、南は幌延町、浜頓別町、北は稚内市に隣接
しています。
人口は約2760人、天然ほたて貝の水揚げ量は日本一を誇ります。
村の中に点在している立派な家は「ほたて御殿」でしょうが、取材
時は水揚げ時期ではなく、中国が日本の海産物の輸入を停止してい
たことも影響していたのか、村の中心部をのぞいて人の姿を見かけ
ることもまれでした。飲食店もほとんど閉まっていて、夜に飲むと
したら宿泊先のホテルの20時まで営業しているレストランのみ。村
の中心部に隣接した演習場とは思えない、閑散とした光景でした。
一方、釣り人の憧れであるイトウが生息する川やライダーに人気の
北に約4キロ、南に約8キロのガードレールや電柱が一切ない直線
道路など、旅行者にも親しまれています。

鬼志別演習場は1965年に開設、訓練等で利用されてきました。
演習場整備の参加部隊は名寄駐屯地所在の第3即応機動連隊ならび
に第2偵察隊が中心で、ほか旭川駐屯地所在の第2師団隷下の第2
後方支援連隊第2整備大隊や第2施設大隊の支援を受けて実施しま
す。
道内の北海道大演習場や矢臼別演習場のような大規模演習場ではな
く、第3即応機動連隊ならびに第2偵察隊が実射を伴う訓練をする
際は上富良野演習場を利用することがほとんどのため、使用頻度は
さほど高くない演習場ではあります。

名寄駐屯地は第一線級の戦闘部隊が配置された駐屯地としては日本
最北に位置し、2022年3月に第3普通科連隊が第3即応機動連隊へ
と改編され、全国で5番目の即応機動連隊となりました。
3連隊時代から「朔北部隊」として精強と名高かった部隊は、現在
16式機動戦闘車、通称MCVという新たな装備を備え、高い機動展
開能力という特色を持つ部隊となっています。



(つづく)


(わたなべ・ようこ)



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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。

2016年6月、デビュー作
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2022年、
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