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『軍産複合体ー自衛隊と防衛産業のリアル (新潮新書 1059)』
桜林 美佐 (著)
定価:990円
判型:新潮新書
寸法:17.3x10.8x2cm
ページ数:224ページ
発行:新潮社
発行日:2024/9/19
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こんにちは、エンリケです。
この本を手に取れば、「自衛隊の制服はなぜ不揃い
なのか」「防衛産業がなぜ国防の基盤なのか」など、
知られざる防衛産業の真実が次々と明らかになりま
す。
台湾有事が現実的な懸念となる今、自衛隊の安定運
用には、日本の防衛産業の再興が欠かせません。
しかし、現実は大企業の一部門であるにもかかわら
ず、その存在感が薄い防衛産業。その現状を覆すた
めにも、私たち一人ひとりがこのテーマに関心を持
つことが重要です。
桜林美佐さんは、日本における防衛産業研究の第一
人者として、一貫して取材を続け、深い知見を持つ
専門家です。
そんな桜林さんの新刊は、普通の読者にも理解し
やすく、丁寧に書かれています。防衛産業を中心
に、日本の国防、安全保障、自衛隊の実態を知る
入門書としても非常に価値が高いです。
▼『軍産複合体ー自衛隊と防衛産業のリアル』の魅力
・具体的な実例を通して防衛産業の仕組みが理解で
きる。
・防衛産業の課題と将来の方向性が鮮明に描かれて
いる。
・「防衛産業は自衛隊の運命を左右する存在」と明
確に述べ、未来の日本の国防について深く考えさせ
られる一冊。
桜林さんは毎週月曜日、弊メルマガで連載くださっ
ていますが、お読みになればわかる通り、その文章
はわかりやすく丁寧で、かゆいところに手が届きな
がら鋭い洞察に満ちています。
今回の新刊も、そんな彼女の筆致が冴え渡っていま
す。専門用語や複雑なはなしも、桜林さんの解説な
ら、誰でも理解できる内容に変わるというものです。
では、少し中身を見ましょうか。
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第1章 軍産複合体は国防の基盤である
ピント外れの議論ばかり
最近、にわかに「防衛産業」に対する関心が高まっ
ています。多くの人がそんな言葉さえ口にしなかっ
た十数年前からこの問題に取り組んでいた私として
は、何とも複雑な心境になります。というのは、防
衛産業に関する論考の多くが、どうも現実からかけ
離れているように見えるからです。どこか日本を描
いた海外制作のドキュメンタリー番組を観ているよ
うな違和感が拭えないのです。
とはいえ、防衛産業について書いた私の本はどうか
と言えば、中身はリアルな現実を書いてきた自負は
あるものの、大ヒットするほど売れたわけでもあり
ません。これはどうしてなのか。出版社の人からは
よく、防衛産業に関心を持つ人がいない、つまり市
場がない、と言われてきましたが、やはり詰まると
ころ「面白くない」ということが最大の原因である
ことに、段々気が付いてきました。これから本書の
中でお伝えしていくように、防衛産業は厳しい現状
にありますが、かといって「防衛産業の継続が危な
い」とか「このままでは風前の灯火だ」とか、そん
な話ばかりでは気が滅入るのは当たり前です。書い
ている私が盛り上がらなければ、読んでいる皆さん
が楽しいはずはありません。 やはり何ごとも前向き
な姿勢で取り組まなければ、よい循環は生まれてき
ません。その意味で、防衛産業や日本の防衛論議に
も、もっと心が躍動するようなことが必要なのでは
ないでしょうか。
(後略)
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いかがですか?
非常に注目すべき指摘がなされていると思いません
か?
建設的なはなしは、こういう心構えがあってはじめ
て生まれるのかもしれませんね。
すべてに通じる大変重要なポイントと感じてなりま
せん。
とくに国に危機が迫りつつある今のような状況では、
暗い話を大声で叫ぶ一旗組や、ことあれ人たちが跋
扈し、陰気を国に充満させ、国を滅ぼす方向に向け
ようとします。
こういう風潮に振り回されないためにも、桜林さん
のことばを、普通の時以上に意識したいと思いまし
た。
それでは本著の全体像を見ていきましょう
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目 次
第1章 軍産複合体は国防の基礎である 9
ピント外れの議論ばかり/必要な日本版の「軍産複
合体」/石碑に刻まれた「技術報國」という言葉/世
界一を目指してこその国家の技術力/いまだかつてな
い防衛産業への注目/靴下と戦闘機はどちらが大事な
のか/英国の防衛基盤を崩壊させたサッチャー首相/
有事の発生は抑止の失敗である/シーレーンの安全が
確保できなくなると・・・/北東アジアで米軍の抑止
が効かなくなる可能性も/すぐそこにある危機/経済
手段による攻撃/国産化に向かう世界
第2章 装備が可能な限り国産であるべき理由 33
大企業のニッチな一部門/民生品の受注を受けにく
い会社も/義理・人情・浪花節/プライム企業でも相
次ぐ撤退/「国産品よりも性能の良い海外製品を」と
いう意見/「勝てない装備」を作り続けた理由/自衛
隊流の装備管理を外国企業に求められるか/国産の弾
薬は高くない/無理難題にもとことん応じる日本企業
/日本人の身の丈に合う装備/国産の意義は陸自が一
番重い
第3章 防衛産業に適正な利潤を 58
入魂式と進水式/「糸を売って縄を買った」過去/
朝鮮戦争で生まれた需要/二の足を踏んだ企業/利益
を保証するはずだった原価計算方式が企業の足かせ
に/いびつな関係/これまで適正な利益を得られてい
なかった/大事なのは「可動率」
第4章 装備品の調達に競争入札は馴染まない 71
「過大請求事案」がなぜ繰り返されるのか/競争入
札は装備品の調達には馴染まない/現場にも影響して
いる安物買い/みんなで力を合わせていた艦艇建造も
「競争」の対象に/陸上装備でも熾烈な争い
第5章 軍事技術こそ「技術立国」の基礎である
82
技術はすべてデュアルユースが基本/学術会議の起
源/防衛省からの呼びかけに猛反発/不十分だった研
究・開発費/あらゆる技術開発をカバーする「ペンタ
ゴンの頭脳」/「八木アンテナ」の悲劇
第6章 技術は一日にしてならず 91
自衛隊員の「学問の自由」を拒否してきた大学/外
国からの資金援助はOK!/希望が託された次期戦闘機
共同開発GCAP/共同開発した戦闘機を第三国に輸出で
きるか/幻の「心神」/悲願の国産エンジン完成/成功
は長い道のりの末に
第7章 「防衛産業を輸出で振興する」という幻想
109
自衛隊のジャン・バルジャンたち/こんながんじが
らめで技術協力や装移転ができるのか/何のために輸
出するのか/自衛隊も企業も気乗り薄/国家戦略とし
ての装備移転が不在/今さら韓国の飛躍を羨んでも/
紛争が商機になる/自衛隊の体制も否応なく変わるこ
とに
第8章 自衛官に「第二の人生」を保障せよ 127
「マルポウ」の人たち/第二の人生をどうするのか
/「結婚するなら警察や消防の人」/スキルを活かせ
ない再就職/将官がハローワークに/減っていく再就
職先/辞めたくないのに制服を脱ぐ任期制隊員/少子
化を言い訳にしてはならない
第9章 退役した装備品は備蓄に回すべし 143
退役した装備品はどうなるか/海外への流出はなぜ
起きるのか/半導体はどうなっているのか/「防衛備
蓄」を考慮せよ
第10章 陸上自衛隊の制服はなぜいなのか 153
繊維産業の海外移転で製造能力不足に/制服を着る
ことの重み/糸1本も機密扱い:知られざる制服作りの
現場/繊維業界はもともと利幅が薄い。それなのに・
・・/企業が求
めるのは「特需」より「予見性」/最後はミシンを踏
んで出来上がる
第11章 防衛産業の事業継承は、かくも困難 16
6
なぜ防衛産業の企業統合は進まないのか/衝撃的な
ダイセルの撤退と引継ぎの難しさ/被災しても責任感
で後任企業を探す/ブライムとベンダーの絆/事態を
最小限に抑えたプロの仕事/悲しみを乗り越えて国防
のために/日本一ドラマティックなタクアン
第12章 靴下のことを考えろ! 179
能登半島地震/反自衛隊の風土/自衛隊装備に対す
る批判も/仕様を詳しく書き込めない制度/性能の問
題というより運用の問題もある/靴工場の女性たち/
更新が遅い理由
第13章 空想的防衛論議に終止符を 194
自衛官の生活環境がなかなか改善されない理由/防
衛生産基盤強化法/国有化で防衛技術を守る/サイバ
ー脅威に晒されている関連企業/防衛産業の守秘義務
/川重・潜水艦裏金事件の背景/「官民の癒着」とは
程遠い実態/処罰だけでは根本的解決にならない/特
定秘密と特定防衛秘密
あとがき
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いかがでしょうか?
▼今こそ読むべき理由
この本は、ただの軍事専門書ではありません。私た
ちの日常と密接に関わり、未来を左右するテーマを
扱っているのです。
もし今、防衛産業の現実に目を向けなければ、取り
返しのつかない事態になるかもしれません。
しかし、そうなる前に、私たちが知り、行動するこ
とはできるのです。
また、新書は売れ行き次第で早々に絶版になる可能
性もあります。特にこういったテーマの入門基本書
は、在庫が切れるとプレミア価格になることも。今
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『軍産複合体ー自衛隊と防衛産業のリアル』を手に
取れば、これまで気づかなかった防衛産業のリアル
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エンリケ
追伸
桜林さんの鋭い視点と丁寧でかゆいところに手が届
く分かりやすい語り口で、今のわが国に必要な防衛
の現実をともに見つめてゆきましょう。
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書 1059)』
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