配信日時 2024/09/26 08:00

(新)【短期連載・特攻作戦開始から80年を迎えて(1)】軍事作戦としての「特攻」に迫る      小田部哲哉

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おはようございます、エンリケです。

先日紹介した

『日米史料による 特攻作戦全史─航空・水上・水中
特攻隊記録』

の編著者・小田部さんが、

<本書はA5判576ページという大冊のため、通
読するのはなかなか大変です。そこで本書の見どこ
ろおよび参考になることについて紹介してほしいと
いうオファーをいただきペンをとった次第です。>

とのことで短期連載をしてくださることになりまし
た。

本当にありがたい限りで感謝に堪えません。


先日お届けした紹介メルマガの「”恐るべき資料”
と思わず唸った巻末資料」でもお伝えした通り、本
著が醸し出す魅力の多くは小田部さんの存在に由来
する、と私は感じています。

海外本の翻訳と聞くと、

横のものを縦にする

だけのことと勘違いする人も多いですが、

原著のニュアンスを良い塩梅の国語で表現する力は、
外国語力だけでできることではありません。

ひとことでいえば対象分野に関する該博な知識と人
脈、経験、ご本人の卓抜した知見、経験、国語力、
文明文化に対する洞察など、大変な知的力量がない
と「よい翻訳書」は生まれません。

この本は「よい翻訳書」です。
小田部さんという存在がどれだけ大きいか、改めて
感じてほしいです。

これから短い期間ですが、小田部さんの手になる連
載を、毎週木曜08時にお届けします。この連載が、
小田部さんがかかわった最新作『日米史料による特
攻作戦全史─航空・水上・水中の特攻隊記録』を手
に入れるきっかけになればいいなと思っています。

さっそくどうぞ。


エンリケ



◆最新刊

『日米史料による特攻作戦全史─航空・水上・水中
の特攻隊記録』
ロビン・リエリー著/小田部哲哉編訳
判型:A5判上製576ページ/函入り
寸法:21.5 x 16 x 4.5 cm
定価:6200円+税
発行:並木書房
発行日:2024/9/20
https://amzn.to/4gjokbA


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短期連載・特攻作戦開始から80年を迎えて(1)

軍事作戦としての「特攻」に迫る

 小田部哲哉


───────────────────────

□はじめに

 このたび、並木書房より『日米史料による 特攻作
戦全史─航空・水上・水中特攻隊記録』(以下『特
攻作戦全史』)を翻訳出版させていただきました。

原題は『Kamikaze Attacks, of World War II』。著
者のロビン・リエリー氏は元海兵隊員で厚木に勤務
した経験があり、除隊後、米国の高校で歴史、国際
関係論の教師を長く務めました。著作は本書を含め
て日本の特攻隊、米海軍揚陸作戦舟艇関係の本など
5冊あります。

本書は、昭和19年10月にフィリピンで始まった日本
陸海軍の航空、水上、水中の特攻隊の最期と、攻撃
を受けた米艦艇の状況・米艦艇乗員の体験を描いた
ものです。

また、戦闘の記録だけでなく、特攻隊を生み出した
精神的背景にも触れている点で、ほかの特攻隊関係
の本と異なります。

しかしながら、本書はA5判576ページという大
冊のため、通読するのはなかなか大変です。そこで
本書の見どころおよび参考になることについて紹介
してほしいというオファーをいただきペンをとった
次第です。6回ほどの短期連載となりますが、お付
き合いのほどよろしくお願いします。


▼原書を利用すれば特攻隊員を特定できるかもしれ
ない

これまで日本で発行された特攻隊関係の資料、文献
の多くは次のいずれかでした。

1)主として日本軍の作戦を記述したもの。戦史叢
書をはじめとする戦史で、出撃の月日・時刻、機種、
機数、基地、目標、作戦の推移を記載したもの。

2)予科練、飛行予備学生などの同期、同窓の記録
を物語風に記述したもの。

3)個人の従軍記録で著者が関係した部隊の記録を
中心に記述したもの。

上記の資料や文献の多くは、一部を除いて特攻隊が
出撃するまでの記録が中心でした。

昭和19年10月以降に始まったフィリピンにおける海
軍の敷島隊以下の神風特攻隊については、だれがど
の艦艇に体当たりを試みたかを調査した書籍も出版
されました。沖縄戦の時期でも特定の米艦艇を攻撃
した特攻隊を特定する文献がでましたが、ごくわず
かで、それ以外に特攻隊の最期までを記載した資料
や文献はほとんどありませんでした。

今回の翻訳の話を頂いた時には原書をそのまま翻訳
をするつもりでした。しかし、原書には米艦艇が攻
撃された日時、海域が記載されていましたので、こ
れを利用すれば原書では隊名が記載されていない特
攻隊でもその隊名、可能であれば特攻隊員名を特定
し、その最期を知ることができるのではと考えまし
た。

次は米艦艇が攻撃を受けた時刻、海域に到達できる
特攻隊を探す必要がありました。このためには特攻
隊の全貌を調べる必要があります。

まず、原書になかった陸海軍を統合した出撃時刻順
の特攻隊のリストを作成しました(『特攻作戦全史』
の553〜573頁に「資料補記 陸軍・海軍特攻隊一覧」
として添付)。これには陸海軍特攻隊の出撃日時、
隊名、使用機種、出撃基地、攻撃目標・戦死した場
所を記載しました。このようなリストは日本で初め
てだと思います。これと一部の特攻隊については戦
闘詳報なども参考にしました。

これらの日本側資料、文献を基に米艦艇を攻撃した
可能性のある攻撃隊を特定することを試みました。
この作業は困難を極めました。それでもいくつかの
艦艇については攻撃を試みた可能性のある特攻隊、
特攻隊員名を絞ることができました。また特定でき
なかった場合でも攻撃した可能性のある特攻隊をい
くつかに絞ることができました。この結果について
は本文に「訳注」として記載しました。

このような方法で特攻隊員の最期を明らかにするこ
とは、国内外で初めてのことだと思います。以前か
ら私自身、特攻隊員の最期を調べ、それを多くの人
に知ってほしいと思っていました。また、海上自衛
隊の元幹部から特攻隊員の最期が分かればというコ
メントも頂いていました。ただ、これだけで本1冊を
出版することは無理だと思っていましたが、本書の
「訳注」として書き加えることで多くの人に知って
いただくことができると思います。

▼自分たちの最期を家族に知ってほしい

出撃する特攻隊員には、自分が米艦艇に体当たりで
きるだろうか、自分たちの最期を家族が知ることが
できるのだろうかという不安があったと思います。
一方、残された家族も特攻隊員の最期を知りたいと
思っていたはずです。また、最近は若い世代でも戦
死した親族、特攻隊員のことに関心を持っている人
がいると聞きます。

この本が特攻隊の研究者、特攻隊に興味を持ってい
る人だけでなく、特攻隊員の最期を知りたいと思っ
ている人にも届けばよいと思っています。

本書は、2021年に『米軍から見た沖縄特攻作戦─カ
ミカゼvs米戦闘機、レーダー・ピケット艦』(並木
書房)の姉妹編です。前書の対象は沖縄周辺に配置
されたレーダー・ピケット・ステーションのピケッ
ト艦艇・その上空の米戦闘機と特攻機との闘いでし
た。それに対して本書は航空、水上、水中の特攻隊
から攻撃を受けた米艦艇の様子を描いており、時期
的、地理的により広範囲にわたった内容になってい
ます。

特攻作戦を「将来ある若者を死に追いやった無謀な
戦い」と捉える風潮が多いなか、軍事作戦としての
特攻作戦に焦点をあてた貴重な資料です。

以下、本書の記述をもとに「特攻作戦とは何だった
のか」具体的な事例を挙げながら紹介していきたい
と思います。お付き合いのほどよろしくお願いいた
します。



小田部哲哉





(つづく)



(おたべ・てつや)



◆最新刊
『日米史料による特攻作戦全史─航空・水上・水中
の特攻隊記録』
ロビン・リエリー著/小田部哲哉編訳
判型:A5判上製576ページ/函入り
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【著者紹介】

小田部哲哉(おたべ・てつや)
1947年生まれ。三菱重工業(株)の航空機部門で勤
務。退職後は月刊誌『エアワールド』に「アメリカ
の航空博物館訪問記」を、月刊誌『航空情報』に
「アメリカ海兵航空隊の歴史」をそれぞれ連載した
ほか、ヘリコプター関連記事を月刊誌『Jウイング』
に掲載した。母方の伯父が第14期海軍飛行専修予備
学生出身の神雷爆戦隊員として鹿屋から出撃、未帰
還となったことから航空機や航空戦史に関心を寄せ
ていた。訳書『米軍から見た沖縄特攻作戦─カミカ
ゼvs.米戦闘機、レーダー・ピケット艦』(ロビン・
リエリー著)。


原著者略歴
Robin L. Rielly(ロビン・L・リエリー)
1942年生まれ。沖縄戦当時、父親がLCS(L)-61に乗艦
していたことから、USS LCS(L) 1-130協会で約15年
間歴史研究を行なう。1962〜63年、海兵隊員として
厚木で勤務。シートン・ホール大学修士課程卒業。
ニュージャージー州の高校の優等生特別クラスで米
国史、国際関係論を32年間教え、2000年退職。本書
を含め日本の特攻隊、米海軍揚陸作戦舟艇関係の本
を5冊執筆。『Kamikaze, Corsairs, and Picket S
hips Okinawa,1945』『Mighty Midgets At War』
『American Amphibious Gunboats in World War II』
『Kamikaze Patrol』。空手に関する著書も多く、I
nternational Shotokan Karate Federationで技術副
委員長を務めるかたわら自ら空手を教えている。現
在8段。





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