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こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第467号。
「日本に足りないシステム&法整備」
の2回目。
「海栗島」
あなたは読めますか?
さっそくどうぞ。
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (467)』
日本に足りないシステム&法整備(2)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。今週は台風に振り回されそうですね。
私も台風が住まいに最接近する日に取材が入っているので、電車が
止まらないか今から心配です。みなさまもどうぞご自愛ください。
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●『正論』10月号の「われらの女性自衛官」、今回は海栗島分屯基地
の第19警戒隊で管理栄養士として働く航空自衛官です。海栗島、
「うにしま」と読みます。どこにあるかご存じの方は、レーダーサ
イト勤務経験者の方かも!
通常のカラーグラビアページに加え、今回は「海上自衛隊だけが悪
いのか」というタイトルで、元統合幕僚長河野克俊氏にお話をうか
がいました。
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■日本に足りないシステム&法整備(2)
冷戦中、防衛予算は、国会では「日本に対する目に見える脅威とは
なんなのか?」と質問され、これに回答してもなかなか国民の指示
を得ることが難しい問題でした。「日本人は水と安全はタダと思っ
ている」と言われていましたから。
ところが1990年代後半、北朝鮮の不審船が能登半島沖に現れ、国民
全員が拉致問題を知ることになり、テポドン(弾道ミサイル)が日
本上空を越えて飛行したことで、「日本も安全ではないんだ」と初
めて日本人は認識したのです。正に北朝鮮によって「日本の安全神
話が崩壊」し、その危険性が「見える化」されたのです。その後防
衛力整備上種々の予算がつくようになったのは事実です。
ただそれ以前にあっても中曽根総理は、米国とのロンヤス関係を背
景としてソ連の脅威に対応するため防衛予算を大きく増額した総理
大臣でした。特に海上自衛隊は現在世界第2位の海軍といってよい規
模と能力を持っていますが、その立役者と言えるでしょう。
私が1981年に海上自衛官になった当時は、海自はミサイルを撃てる
艦艇を5~6隻しか持っておらず、遠洋航海に行く際、恥ずかしい
思いをしました。寄港した中南米で、現地の海軍士官に「ミサイル
はどこにあるの?」と聞かれ、「ない」と答えたら「そんなわけな
いだろう」となかなか信じてもらえなかったことを思い出します。
それが80年代後半には「ゆき」クラスというシステム艦が、次に
「きり」クラスが毎年2~3隻就役するようになりました。これに
より極東正面は海自と第7艦隊でソ連を完全に封じ込めることがで
き、冷戦終結に一役買うことができたと思っています。
さらに海自はアメリカからイージス艦も購入しました。イージス艦
は機密の塊ですから、アメリカはそれまでどの国にも売ったことが
なく、米上下院でも「なぜ日本に売るのか」と議論になりました。
それを懸命に説得してくれたのが米海軍でした。これをNavy to Na
vy relationshipといい、米陸軍や米空軍との関係性の違いになった
のです。
ちなみにその購入価格も、開発費など上乗せされることなく、米海
軍が購入している価格と同額でした。ミサイル防衛用にイージスシ
ステムを改造した際も費用も同様でした。これは陸自、空自ではあ
りえないことです。
自衛艦隊と第7艦隊はいずれも横須賀に所在し、かつ双方の司令部
が近く、両司令官はしょっちゅう会う関係にあります。横須賀に第
7艦隊を置いてくれたおかげで、海自は艦艇などの物理的な能力の
みならず、施策や国際関係を見る視点など、ソフトウエアについて
も国際水準を身に付けることができるようになりました。
しかも第7艦隊司令官はかならず約米海軍で8人しかいない4つ星
(大将)になる人で、そのうち半分は米海軍参謀長としてトップま
で昇りつめています。そういった配置が戦後横須賀に配置されたと
いうことは、正に僥倖といっていいでしょう。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
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