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おはようございます、エンリケです。
267回目の「美佐日記」。
ご指摘に全く同意です。
「膿を出すべき」などとキレイゴト言っ
ている人たちこそ、真っ先に膿を出すべき
存在では?と思うこと多くなりましたね。
ではさっそくどうぞ。
エンリケ
◆『正論』6月号の【特集 装備移転を考える】に、
桜林さんの「世間の無理解が弱めた自国技術」が
掲載されています。
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◆桜林さんが、自衛隊の制服について書いたフォー
サイト記事です。
「自衛官の制服はなぜ不揃いなのか――崩壊する
「防衛産業」の現場から」
https://www.fsight.jp/articles/-/49828
◆桜林さん司会のyoutube番組、チャンネルくらら
「陸海空 軍人から見た」シリーズの第二弾が本
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おめでとうございます!!
くわしくは文末<おしらせ>でどうぞ。
◆桜林さんの「自衛官の心意気」(PHP)が文庫化さ
れ「本音の自衛隊」(産経NF文庫)として再出版
されてます! 桜林さんならではの、他では得難い
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◆桜林さんの不朽の傑作
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潮書房光人新社から
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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。
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桜林美佐の「美佐日記」(267)
次期総理は、真に自衛隊を「平和の道具」にできる
人に
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、267回目となりま
す。
感想を頂戴しました。「私は、ヒルビリー・エレ
ジーはみていないのですが、メールマガジンを読ん
で、カレーハウスCOCO壱番屋創業者の宗次徳二
さんのことを思い出しました。宗次さんは、本当の
親も分からず、養父母には家庭内暴力を受けました
が、すばらしい人格者として同社を優良企業にした
方ということは広く知られている通りです」という
ことで、あの米軍人に人気の「COCO壱」にそのよう
なエピソードがあったのですね。ありがとうござい
ました。
さて、最近のゲリラ豪雨、私が住んでいる都心部で
もしばしば危険な事態が発生しています。先日は地
下鉄の市ヶ谷駅に滝のように雨が流れ込み、駅が閉
鎖されたという映像がニュースやSNSで流れ、防衛省
で勤務している人たちが大変な目に遭ったのではな
いかと案じましたが、関係者に聞いてみると「雨で
すか? あの時間に帰るわけがないですよ~」てな
わけで、確かに夕方の6時頃でしたので多くの方は無
事、雨が降っていたことすら知らなかった人もいる
かもしれません。
近年はワーク・ライフ・バランスということで、
日曜の夕方から金曜の夜中くらいまで泊っている幕
僚監部の方は減っているようですが、だからといっ
て9時~5時でOKなどということはないのでしょう。
他省庁でも国会対応などでも相変わらず不夜城とな
っているようです。因みに自衛官は残業代はつきま
せんが・・。
通常、自衛隊にとって天候は活動を左右する重要
なもので、皆さん雲の動きをいつもよく見ているも
のですが、考えてみればもっとも雨風に強い、いわ
ば全天候型の自衛官たちが幕僚監部にいるというこ
とですね。
そんな中、またもこんなニュースを目にしました。
陸上自衛隊第1空挺団で夏まつりのダンス大会のた
めの練習を課業時間外にやらされたことが原因で退
職希望者が増えているというのです。
そういえば、このところ自衛官による演芸とか見
ていないなあと思っていたところでしたのでタイム
リーな記事でした。
なんてのんきなことを言ったら怒られそうですが、
このような自衛隊における様々な問題が取り上げら
れることが今後、どのように部隊に影響するのか気
になるところです。またぞろ国会で取り上げられて、
課業外のダンス練習禁止!といった対策が取られる
のでしょうか・・。
このような自衛隊をめぐる色々な事案を受けて、
よく政治家の先生などが「膿を出せ」などとか言い
ますが、本当は最も改めなくてはならないのは、政
治と自衛隊との関係であると改めて感じさせる論稿
もちょうど同時期に出ていました。
金沢工業大学虎ノ門大学院教授の伊藤俊幸・元海
将は産経新聞の「正論」欄で、海上自衛隊の護衛艦
部隊が直面している危機的な状況について書いてい
ます。
まず思い出さねばならないのは、過去の海自に起
きたことです。かつて「イージスシステム情報流出」
「給油量の取り違え」など一連の事象を受け、2008
年に「海上自衛隊の抜本的改革」が行われ、その最
終報告書の「問題点の分析」には「平時からの任務
が増大、多様化したことによる、護衛艦部隊等の人
員不足による問題の顕在化」が指摘されたのだそう
です。
「その際、報告書には残されなかったが、将官たち
から『政治からの要請を何でも受けるのではなく、
できないことはできないと言うべきではないか』と
の発言があった」といいます。そして、今の護衛艦
部隊は、より深刻な状況になっていると。
貴重な話だと思いました。その将官たちもその場そ
の場で「YES」と言って何でも引き受けて在任期間を
乗り切ることもできたでしょう。政治要求に応じる
しわ寄せがあまりに大きかったということです。
海自の艦艇は、修理→訓練→実動のサイクルで回
していますが、定員が充足している潜水艦部隊はこ
れができているものの、現在の護衛艦では人員不足
で実際にはできていないといいます。
伊藤さんは、海自では人がいないのに「『アデン
湾での海賊対処』『北朝鮮ミサイルへの対応』『東
シナ海・南シナ海での監視』『外国海軍との共同訓
練』などの『実任務』がめじろ押しで、『修理期』
からの臨時勤務のみならず、『訓練期』にある護衛
艦自体も『実任務』に駆り出されるのが実情だ」と
指摘しています。
また、ここでもお伝えした「特定秘密」の事案に
ついても「本来ならば法律制定時に『自衛官で特防
資格を持っているものは除外』とすべきだったのだ
ろう」としています。
重要だと思ったのは「運航担当者と整備員で別組
織がある航空部隊と違い、艦艇部隊は乗員が全て行
う。航海中は運航者、入港後は整備員の仕事があり、
海曹士には書類作業をする時間がないのだ」という
ところです。
乗員は長い航海から戻って家に帰って休暇という
わけにはいかないのです。そこから錆を落としたり、
ペンキを塗るなど整備作業をしなくてはなりません。
つまり、休みもなく残業手当もなく、家族のこと
も後回しにして任務に全力であたっている人たちが、
手続きなどする暇がなかったにもかかわらず処分さ
れることになってしまっているのです。
伊藤さんは最後に次のように述べています。
「今回の一連の再発防止策をみていると、更なる
負担を艦艇部隊に押し付けるものにほかならず、抜
本的な対策になっていない。『抑止力の維持』は、
国会の論争や役人の文書で成り立っているのではな
い。なぜその『抑止力の担い手』が働きやすいよう
に、政治が努力を講じないのか不思議で仕方がない」
と。本当に同感です。
なお、特定秘密や潜水手当不正受給の背景につい
ては、やはり8月3日の産経新聞で 田北真樹子さんが
詳しく書かれていてネット上で読めますので、多く
の方に知って頂きたいと思います。
これまでも何か起これば「再発防止」として、様々
なルールを課し、組織の力を弱めるようなことがか
なりありました。自民党総裁選が目下の大きな関心
事になっていますが、自衛隊を政治の道具にして弱
体化させるような人ではなく、真の「平和の道具」
にできる人が心から望まれます。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございまし
た。皆様にとって素晴らしい1週間となりますように。
追伸:
月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛」連載中です。9月号では「自衛隊が育てたパプアニューギニア軍楽隊」その2を書きました。ぜひ、ご覧下さい!
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(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)
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