配信日時 2024/08/09 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話:世界の秘密兵器編】核を捨てたウクライナ(4)     加藤喬(元米陸軍大尉)

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こんばんは!エンリケです。

「核を捨てたウクライナ」の4回目です。

米大統領選、RKJの今後が実に楽しみですね。

さっそくどうぞ。

エンリケ


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加藤大尉の軍隊式英会話:世界の秘密兵器編   
  Takashi Kato

核を捨てたウクライナ(4)

加藤喬(元米陸軍大尉)

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□二大政党候補の泥仕合が始まった──台風の目は
RKJ候補?

「人が巧みに考え出したり思い描いたりした役職の
中で、最も取るに足らないのが副大統領だ」

 第2代米国大統領ジョン・アダムスはそう公言し
ています。制度上、形式的な上院議長職のほかに活
躍の場を与えられないことを言ったものです。とす
るとこの4年間、カマラ・ハリス副大統領に目立っ
た功績がないのはそのせいでしょうか。いや、そう
とばかりは言えません。

2021年、バイデン大統領はハリス副大統領に対
し「不法移民の流入を阻止し、中南米の関係諸国と
連携をとって移民問題の根本的原因に対処せよ」と
厳命を下しましたが、今に至るも何一つ解決されて
いません。ハリス副大統領には周りを振り向かせる
指導力とカリスマ的存在感がないからだと思います。
アメリカの将来像といったビジョンも持ち合わせが
ないようです。

 が、党内外の圧力に屈したバイデン大統領が不出
馬を表明するや、これまで「無能」「討論下手」な
どと叩かれてきた同副大統領が一夜にして「最も優
秀な政治家」に祭り上げられました。7月26日付
ニューズウィーク電子版は、

「ハリス氏は激戦州でトランプ候補の優勢を逆転さ
せた。世論調査ではバイデン大統領が失った激戦州
の支援層の一部を取り返したようだ」

と報道。同日の産経新聞電子版もニューヨークタイ
ムズ紙の記事を引用し、

「トランプ氏とハリス氏、1ポイント差の接戦。バ
イデン氏が精彩を欠いて失敗した討論会前の状況に
戻った」

としています。7月29日付 TBSテレビも、

「ハリス副大統領に勢い。1週間で献金300億円。
ABC ニュースなどの世論調査でもハリス氏の好感度
が43パーセントに上昇し、36パーセントだった
トランプ前大統領を上回った」

と報じるなど、日米の主流マスコミはハリス応援団
の様相を呈しています。出馬表明に伴う高い支持率
や好感度が、ことによると「ご祝儀相場」である可
能性に言及した報道は皆無。メディアの印象操作に
一喜一憂しないのが得策だと感じる所以です。

 一方、ここにきてトランプ氏暗殺未遂事件を矮小
化しその影響を抑えようとする動きも散見されます。
7月25日、下院司法委員会に出席した連邦捜査局
(FBI)長官は、

「トランプ前大統領に命中したのは銃弾ではなく破
片だった可能性がある」

と個人的推論を展開。ノンポリの目にも暗殺未遂の
「格下げ」を狙った「政治がらみの振る舞い」に映
りました。各方面からの強い反論にたじろいだのか、
翌日 FBIは公式声明で「トランプ氏の耳を貫通した
のは銃弾だった」と修正。しかし、長官の発言が反
トランプ感情の発露であった疑いは残ります。

 7月30日付の  USA TODAY 電子版も 「この動画
はトランプの耳に銃弾が当たった際のものではない」
と題するファクト・チェック記事を掲載しています。
ネット上に出回った「着弾の瞬間映像」の検証で、
確かに同映像は左右が反転されているように見えま
す。が、前述のFBI長官発言を念頭に読むと、「トラ
ンプの耳に当たったのは銃弾ではなかった」との印
象を与えかねないタイトルだと思います。

 マスコミやFBIの「トランプ嫌い」が息を吹き返し
たかの状況ですが、やはり気になるのは、ハリス氏
がこのさきトランプ候補といかに渡り合うかでしょ
う。政治家としての実績に乏しいとのことですので、
加州の地方検事と同州司法長官を歴任した辣腕検察
官の経歴が最も強力な武器になりましょう。実際、
7月22日付タイム電子版が引用したハリス氏の言
葉がすべてを語っています。

「検察官としての長いキャリアを通じ、わたしはあ
らゆる種類の犯罪者と渡り合ってきました。『女性
虐待犯、消費者を食い物にする詐欺師や利益のため
に規則を破る悪漢』などです。わたしが『ドナルド
・トランプのタイプはよく知っている』と言うのは
こういう意味です」

 ハリス氏が描いて見せたのは「検事対犯罪者」の
構図。ハリス副大統領はトランプ前大統領に対し、
裁判ドラマ張りの人格攻撃、非難、中傷、そして重
罪犯のレッテル張りを仕掛けてくるものと思われま
す。仮にトランプ氏が得意の「倍返し」で応ずれば、
大統領選は立ちどころに個人攻撃合戦と化しましょ
う。亡国の選挙戦が米国分断を制御不能なまでに悪
化させる可能性はあると思います。

一方、暗殺未遂事件という臨死体験を経てトランプ
候補が「アメリカ分断の解消が天命」だと悟ったの
なら、祖国の融和ビジョンをノンポリや無党派層有
権者に語りかけ支持率をあげることは可能でしょう。
同時にそれはハリス氏の土俵に乗らず、元検事に肩
透かしを食わせる妙策でもあります。

しかしながら本稿執筆時の8月1日現在、トランプ
候補はハリス副大統領の出自攻撃に打って出ました。
インド人の母とジャマイカ人の父の間に生まれたハ
リス氏が「アジア人」と「黒人」のアイデンティテ
ィを都合よく使い分けていると非難したのです。率
直に言うと、アメリカの将来像や政策とは無縁の不
毛な戦術だと感じました。この傾向が続くかどうか
は分かりませんが、11月までの数か月はトランプ
氏の変心が本物かどうかを見極める機会になりそう
です。

 ハリス氏の参戦とマスコミの恣意的報道によって、
ロバート・ケネディ・ジュニア (RKJ) 候補の存在感
がひと頃より薄れた感があります。とは言え、同氏
はすでに全米で100万人の署名を集め50州中1
3州の候補者リストに載っています。現在も8州が
署名を審査中で、RKJ陣営は「遠からず残りの州でも
候補者として公認される」としています。

二大政党制に失望した有権者が増えるなか、RKJ候補
が台風の目になる可能性はあるでしょう。トランプ、
ハリス両氏の人となりが分断治癒に不向きなことを
考えると、祖国融和と新生アメリカ実現のカギを握
るのはRKJ氏。二大政党候補の泥仕合を横目に、氏が
どんな動きに出るのか注目されます。RKJ候補の決断
によっては想定外のどんでん返しがあるかも知れま
せん。


▼核を捨てたウクライナ(4)

兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるため
には相手より優れた武器を持たねばなりません。兵
器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく続
いているのはこのためです。よく指摘される武器の
効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を抜
かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝ち」
の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な破壊
力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手放せ
ない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏面が
「抑止力」なのです。
加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞれ
の武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を考
えていくことにします。

今回は「核を捨てたウクライナ」の最終回です。

「ウクライナのNATO加盟要請に関し、アメリカが影
響力を行使するかどうかはまだ分からない。アメリ
カが後ろ盾にならなかった場合、近い将来、核武装
国がもう一国増えるかもしれない」

ディフェンス・アップデイツは3年前に配信された
当ビデオでそう締めくくっています。その後の経緯
を知る我々とって、これは辛辣な皮肉に聞こえます。
アメリカはウクライナのNATO加盟を後押しせず、ロ
シアの侵攻を押しとどめることもしなかったからで
す。当然ながら、核を捨て欧米に見放されたウクラ
イナにロシアの侵略を押しとどめることは不可能で
した。それから2年。ゼレンスキー大統領はこのと
ころ国内で高まる厭戦世相に鑑み、「領土放棄と引
き換えにロシアと和平を結ぶかどうかは国民次第だ」
と示唆するに至っています。

多大な武器弾薬供与は惜しまないものの、欧米はウ
クライナのNATO加盟に関し「内政の汚職体質払拭が
先決」とか「対露戦に勝利することが前提」とかの
条件を付加しハードルを上げ続けています。なぜ
か?

ロシア帝国復活を目指すプーチン政権がこの先もウ
クライナ併合を諦めないことを熟知しているからで
はないか。言い換えれば、一旦ウクライナがNATOに
加盟すれば、次の侵攻時に全加盟国が対露戦争に巻
き込まれることになる。それが怖いのです。

自国が侵略されれば死力を尽くして戦う・・・自ら
の命と家族の安全を尊ぶヒトの本能でしょう。が、
同盟国が侵攻を受けた場合はどうか?集団的自衛権
を行使すれば、自国に被害はないにもかかわらず、
敢えて侵略国と戦火を交えることになります。敵が
核保有国である場合、参戦すれば国土の焦土化も覚
悟しなければなりません。このような決断は並の政
治家が下せるものではない。世論分断に喘ぎ厭戦気
分が蔓延る現在のアメリカならなおさらです。

さらに一歩踏み込んで問うなら、集団的安全保障と
いう考え方は「わが身大事」の人間心理と相容れな
いのでは? 平和時に集団的自衛の利点を説くのと、
自国滅亡の危険を冒して同盟国のために戦うことは
全く別ものだとわたしは思います。

核を捨てたウクライナは単独で自国を守れなかった。
目の前で起きた史実から学ぶべきは「自国の安全と
独立は自国民で守る」原則。同盟や安保条約のみに
頼る平和は錯覚かも知れないからです。

教材ビデオ:
 Ukraine puts NATO on notice - Either give us 
membership or we go nuclear to deter Russia ! 
(youtube.com)
https://x.gd/QDdST

(本エピソードは6:54から始まります)

基本語彙(カタカナ表記は大雑把なものです)
it remains to be seen(イット リメインズ ツー
ビースィーン)まだ分からない
put weight behind(プット ウェイト ビハインド)
〜のために影響力を行使する 〜の後ろ盾になる
go nuclear(ゴー ニュクリアー)核武装する 

シナリオ(カウンターを7:39に合わせてくださ
い)

But it remains to be seen if the U.S. will put
 its weight behind Ukraine when it comes to it
s NATO membership request. 

(ウクライナのNATO加盟要請に関し、アメリカが影
響力を行使するかはまだ分からない)

If not, another country may go nuclear in the 
near future.

(アメリカが後ろ盾にならなかった場合、近い将来、
核武装国がもう一国増えるかもしれない)

(今回のビデオは最後まで続きます)


英語一言アドバイス:
go nuclearは元来「核武装する」ことです。が、核
兵器の破壊力にちなみ、激怒して「強引な態度に出
る/理不尽な振る舞いをする」という意味にもなりま
す。

発音サイト:
nuclearの発音 nuclear pronounciation - 検索(bing.com)
https://x.gd/Bk842

参考サイト:
ウクライナの核兵器 Ukraine and weapons of mas
s destruction - Wikipedia
https://x.gd/Gzq9X


(かとう・たかし)


●著者略歴

加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT─あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK─47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『MP38/40
サブマシンガン』(いずれも並木書房)がある。

追記
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電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
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『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320
オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
きょうの記事への感想はこちらから
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ブックレビューの投稿はこちらから
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。

軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。

 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。

 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。 
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac" 
と表現します。

 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。

加藤 喬
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