配信日時 2024/07/25 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (463)】日本周辺国の軍事力状況(2)     渡邉陽子(ライター)

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こんばんは、エンリケです。

「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第463号。

今年の暑さは強烈ですね。
完璧な避暑地に憧れます。

さっそくどうぞ。


エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (463)』

 日本周辺国の軍事力状況(2)
 


  渡邉陽子(ライター)

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こんばんは。渡邉陽子です。今週はロシアの伊藤氏による軍事力に
ついての話の続きからです。
それにしても暑いですね。QOLの低下はもちろん、仕事にも支障
が出ています。日中取材に出たら、その後はもうシャワーを浴びる
以外は一切なにもできないほど消耗していますし、終日原稿を書く
日でもまめにエアコンの風を直浴びしないとすぐ体が火照ってしま
います。ちなみに今も、明日締め切りの原稿の文字起こしすら終わ
っていなくて半泣きです。みなさまもどうかご自愛ください!



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■日本周辺国の軍事力状況(2)

GDPが日本の約3分の1、150兆円程度しかないロシアにあれ
ほどの発言力があるのは、腕力(武力)と武器を作る能力を交渉力
として、今でも他国に圧力をかけられるからです。しかも自分たち
独自のルールを平気で押し付けてきます。国連も関係ないという不
遜な態度でありながら、常任理事国という立場を利用して拒否権を
ちらつかせながら西側を抑え込もうとする狡猾さも持ち合わせてい
ます。
軍事力は交渉力の後ろ盾です。それがあるからこそ自国が有利にな
るように交渉が進められます。ロシアに限らず、大国は交渉のカー
ドのひとつとして当然のように軍事力を利用しているのです。
日本人には理解できない脅迫がまかりとおる。核兵器保有も「抑止
力として平和を維持している」と言いつつ、一方では「いつでも核
を撃ち込めるよ」という脅しにほかありません。しかし、日本以外
の大国はこれを交渉力として使うことを当然視しているという現実
は、知っておくべきです。GDP世界第3位の日本が、他国に対して
まったく交渉力がないという現実を知り、いつまでも日本国内だけ
の小さな議論をしていると大国に飲み込まれてしまうという危機感
を持つべきでしょう。

次は韓国の軍事力について見てみます。
2019年10月、韓国海軍参謀総長が国政監査の場で原子力潜水艦
保有の準備を進めていると述べたことに対し、米海軍関係者が「韓
国が同盟国だとしても(原潜)技術は渡さないだろう」と語った、
とのニュースがありました。実は冷戦直後にも、これに似た事案が
ありました。

冷戦当時、韓国海軍は潜水艦を持っていませんでした。また、北朝
鮮がスカッドミサイルを持っているのに対し、韓国には北朝鮮に撃
ち込むミサイルがありませんでした。そのため、冷戦終結後に韓国
軍が真っ先に欲しかった武器は、潜水艦とミサイルでした。
しかしそのいずれに対しても、米軍は「それはうちでやるから持た
なくていい」と言って保持を認めませんでした。それだけ韓国を信
用していなかったといえます。
頭にきた韓国は、クロス外交を行ないました。つまり、米韓同盟が
ありながらロシアに行き、「潜水艦を売ってくれ」と言ったのです。
しかしロシアにも断られ、最終的にドイツから潜水艦を購入しまし
た。
ドイツは武器商人ですから「武器は売るけれど使い方は教えない」
と突き放したので、潜水艦の作戦運用がわからない韓国海軍は海上
自衛隊に泣きついてきました。哨戒機P-3Cを購入したときも同様
でした。

今回の「原潜保有の準備中」という発言は、海軍ならば原潜という
軍艦は単純に欲しいものなのです。韓国海軍に限らず、どの軍隊も
最新型で高性能な装備品は欲しいものです。私だって防大卒業時は、
原潜の艦長になるつもりでしたから(笑)。

現在の韓国の軍事力ですが、陸海空の割合が4:1:1と偏ってい
るのが特徴です。これは韓国軍が陸続きの北朝鮮と戦うことを想定
して構成されているからです。韓国の陸上戦力は陸軍と海兵隊と合
わせて約52万人、予備役を招集すると220万人もの勢力になる強
力な陸軍国家です。自衛隊は陸自が約14万人、陸海空合わせても23
万人足らず。韓国陸軍がどれほどの規模か、比較すると非常によく
わかります。
しかし、韓国軍は陸に偏りすぎて海・空が二の次になっているとい
う受け取り方もできます。4つ星(大将)の数も4:1:1なので、
韓国では軍隊イコール陸軍です。火器管制レーダー照射事件で、真
実を追究しようとした海軍が結局なにもできずなにも言えなかった
のは格下の扱いをされていたためで、国防省の言うことを聞かざる
をえなかったからだと私は思います。実際、現役時代に韓国陸軍の
将校と会うと、同じ階級でも上から目線の人がいましたから。


(つづく)


(わたなべ・ようこ)



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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。

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2022年、
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