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おはようございます、エンリケです。
インテリジェンスのプロ・樋口さん(元防衛省情報本
部分析部主任分析官)がお届けする
『情報戦を生き抜くためのインテリジェンス』
の5回目。
つねに後手後手のままでいいのでしょうか?
さっそくどうぞ。
エンリケ
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情報戦を生き抜くためのインテリジェンス(5)
TikTokの脅威に対する我が国の対応
樋口敬祐(元防衛省情報本部分析部主任分析官)
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□はじめに
前回まではアメリカにおけるTikTokの規制の現状に
ついて分析しました。安全保障上問題があるとしつ
つ、最初にTikTokの規制を行なったトランプ元大統
領も、また2024年4月にTikTok規制法に署名した現職
のバイデン大統領も、若者への訴求力の高さから、
大統領選挙戦において、TikTokを活用しているとい
う全く矛盾する行動をとっています。
現時点ではバイデン、トランプ両氏の支持率は僅差
とされています。18〜29歳(つまりZ世代)の有権
者の票をめぐっては、前回の大統領選挙ではバイデ
ン氏がトランプ氏に24%ポイントの差をつけて当選
しました。しかし、今回は現状のまま11月5日の投
票日に突入すれば事態は様変わりする可能性がある
とされます。
今や18〜29歳の有権者が、全有権者の17%を占め、
2016年選挙の4倍以上の比率となっているからです
(日経新聞 2023年11月23日)。したがって、これ
らの若者をどう取り込むかが重要なポイントになっ
てきています。
そして、米ピュー・リサーチ・センタ―の昨年の調
査によれば、TikTokを通じてニュースに接する利用
者のうち、44%が18〜29歳の年齢層とされます。
トランプ陣営の幹部は、新型コロナウイルスのパン
デミック(世界的大流行)がもたらした高インフレ
に若者層は不満を募らせており、トランプ氏の今後
のTikTok投稿は、経済に関するものが中心になると
の方針をロイターに語っています。(ロイター 20
24年6月6日)
このように、選挙戦に勝つためのTikTokの活用をめ
ぐっては、なりふり構っていられないという状況だ
ということです。
ちなみにトランプ氏は、6月1日に1回13秒の動画を
投稿したのみで6月9日時点でのフォロアーは597万
人(再生回数1.2億人、635.9万回のいいね)です。
バイデン氏のフォロアーは37.1万人(479.4万回のい
いね)ですから、フォロアー数でトランプ氏が16倍
も上回っています。
では、いよいよ本題ですが、我が国はTikTokに対し
てどのように対応しているのでしょうか?
実は、前回のメルマガ投降後、「次回の日本の状況
についても「読むのが恐ろしい」状況がありそうで
す。」とのコメントをいただきました。
結論から申し上げますと、まさにその通りというか、
なんとも心許ない対応状況なのです。
政府端末で「要機密文書」を扱う場合は禁止
2023年2月27日、松野官房長官は会見で、
「政府端末で要機密情報を取り扱う場合には基準に
よりTikTokをはじめとするSNSなど外部サービスを利
用することはできない。広報に利用するなど要機密
情報を取り扱わない場合であっても、さまざまなリ
スクを十分踏まえた上で利用の可否を判断すること
としている。その際に考慮するリスクはガイドライ
ンで例示し、講ずべき措置について内閣サイバーセ
キュリティセンターに助言を求める仕組みを設けて
いる」
と説明しています。
この発言の根拠となっているのは「政府機関等のサ
イバーセキュリティ対策のための統一基準群」その
中の「政府機関等の対策基準策定のためのガイドラ
イン」だと思われます。(令和3(2021)年7月7日公
表)
1. 政府機関等のサイバーセキュリティ対策のため
の統一規範
2. 政府機関等のサイバーセキュリティ対策の運用
等に関する指針
3. 政府機関等のサイバーセキュリティ対策のため
の統一基準
4. 政府機関等の対策基準策定のためのガイドライ
ン
(chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclef
indmkaj/
https://www.nisc.go.jp/pdf/policy/gene
ral/guider3_2.pdf)
4.のガイドラインというのは、統一基準の遵守事項
に対応した基本的な対策事項を例示して、実施に際
しての考え方等を解説した文書です。
そこでは「8.1.2 ソーシャルメディアサービスによ
る情報発信」において、
「……ソーシャルメディアサービスは、定型的な約
款や利用規約等への同意のみで利用可能となる一方、
要機密情報を取り扱う上で必要十分なセキュリティ
要件を満たすことは困難であることが一般的である。
このことから、ソーシャルメディアサービスの利用
は、要機密情報を取り扱わず、委託先における高い
レベルの情報管理を要求する必要が無い場合に限る
ものとする」となっています。
松野官房長官の発言は、2023年2月でしたが、実は
同年7月に令和5年改訂版が出されました。5年版
はサイバーセキュリティについてより基準を厳しく
したとされていますので、当時の官房長官はこの作
業案も念頭に置いての発言ではないかと推測します。
なぜなら、令和5年版では(
https://www.nisc.go.
jp/policy/group/general/kijun.html)、
「8.1.2 ソーシャルメディアによる情報発信」にお
いて「……ソーシャルメディアは、定型約款や利用
規約等への同意のみで利用可能となるクラウドサー
ビスであることが考えられ、要機密情報を取り扱う
上で必要十分なセキュリティ要件を満たすことは困
難であることが一般的である。このことから、ソー
シャルメディアの利用は、要機密情報を取り扱わず、
委託先における高いレベルの情報管理を要求する必
要が無い場合に限るものとする」
と、ここまではほぼ同じ文言ですが、「ソーシャル
メディアを利用の際は 4.2.3『クラウドサービスの
選定・利用(要機密情報を取り扱わない場合)』の
対策を参照すること」という文章が付け加えてあり
ます。
その「4.2.3 クラウドサービスの選定・利用(要機
密情報を取り扱わない場合)」を見ると「……調達
行為を伴わず要機密情報を取り扱わない場合におい
てクラウドサービスを利用等する際には、『調達行
為を伴わないSNS等の外部サービスの利用等に関する
申合せ』に基づき、必要な場合において、内閣サイ
バーセキュリティセンターに対し、講ずべき必要な
措置について、助言を求める必要がある」と記載さ
れています。
松野官房長官の「講ずべき措置について内閣サイバ
ーセキュリティセンターに助言を求める仕組みを設
けている」との発言に合致しています。
さて、いずれの版においてもガイドラインを見る
と政府機関が機密ではない情報を発信する際には、
一定の条件のもとでソーシャルメディアの利用も認
められています。
確かに、気象庁やスポーツ庁がこれまで広報活動の
ためにTikTokを利用したケースがありました。
たとえば、気象庁では、2020年3月25 日に、「SNS
を活用した防災情報発信を強化します!」と発表し、
同年3月25日にYouTubeで3月31日からはTikTokでも
配信を行なっています。
また、スポーツ庁では2020年5月1日 に、
◆身近なところで"楽しく"身体を動かそう~Sport
in Life~◆
~スポーツ庁TikTokアカウント開設、鈴木長官から
のメッセージ~と題して、広報し、スポーツ庁公式
TikTokのURLも公表されました。
(
https://t.tiktok.com/i18n/share/user/6820613
544867578881/
https://vt.tiktok.com/hnP92W/)
これらに、(2024年)6月8日にアクセスしてみまし
たが、気象庁については2023年10月5日以降の投稿が
確認できませんでした。またスポーツ庁については、
示されたURLにはアクセスできないか、別のサイトに
つながりました。
すでに政府機関では、要機密情報でなくてもSNSの
使用を規制しているように思われます。その際、内
閣セキュリティセンターに相談したのか自己規制し
たのかは、よく分かりません。
しかし、ここで気になるのは、「政府機関等のサイ
バーセキュリティ対策のための統一基準群」の文書
の中では、SNSへの対応はすべて同じ扱いで、TikTo
kという言葉は一言も出て来なかったことです。
日本でもTikTok利用者が急増
では、我が国におけるTikTokの利用状況はどうなの
でしょうか?
2023年6月に出された総務省の「令和4年度情報通
信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告
書」によると、10代のSNSの使用頻度は、1位がYou
Tubeの96・4パーセント、2位はLINEの93・6パー
セント、3位はInstagramの70パーセント、4位がT
ikTokで66・4パーセントです。
米国と調査と同じように10人中6人以上がTikTokを
利用しています。2017年10月から日本でサービスが
開始されたことを考えると驚くべき勢いです。
さらにTikTok動画の真偽についても、信頼性を評
価する米メディア監視組織「ニューズガード」の調
査と同様に、誤情報が多いという傾向は日本語でも
同じです。(第3回のメルマガでも言及)
宮崎県都城市総合政策部デジタル統括課が運営し
ているウェブメディアの『ThinK都城』の記事
によれば、「新型コロナワクチンとTikTokで検索す
ると日本語コンテンツの上位に『新型コロナワクチ
ン打ちますか?』と題した動画が出てきたといいま
す(2022年11月末の検索)。
その動画では、『昨年末、全国の医師約7000人を
対象に実施したアンケートで、ワクチンを摂取した
いと回答したのは何パーセントでしょうか? じつ
はたったの35パーセント。また30パーセントの医師
は受けたくないと回答。その理由の圧倒的1位はワ
クチンの安全性がまだ確立していないから……』と
薬剤師がテンポよく語ります。(中略)この動画に
対して『いいね!』の数は2638件。
しかし、その薬剤師が根拠としている調査を確認す
ると、『早期にワクチンの接種を受けたい』と回答
した医師が35パーセント、『早期に接種を受けたく
ない』が30パーセントで、TikTokの動画では『早期
に』の表現が抜けていました」
そして、同記事には「仮にニューズガードがこの動
画を検証したとしたら、『誤解を招く』と判断する
可能性は高い」とあります。
(同記事で紹介された動画「1分でわかるTikTok健
康講座 新型コロナワクチンに関する情報」は2021年
2月16日に投稿されたもの)
今や情報の収集は、新聞、テレビといったオール
ドメディアよりもSNSといったニューメディアからス
マートフォンを使っての情報の入手が多くなってき
ています。その中でもTikTokによる誤情報の配信は、
他のSNSに比べても多く、さらに動画が短いがゆえに
説明不足で思い込みが多くなる傾向にあります。
この情報収集の状況は、10代から30代が顕著で先行
しています。ですから、まさにアメリカと同様の脅
威が存在しているのです。
しかし、我が国では政府がガイドラインを示して、
公用端末においては、SNSすべてで要機密情報の取り
扱いを使用禁止しているだけです。
国全体として情報操作への懸念や子供の命や犯罪な
どの有害コンテンツの適正化についてのまともな議
論すら行なわれていないのが現状です。
ただし、2023年9月~10月のLINEの情報漏洩事案とそ
れに対する総務省の今年になってから2度の行政指
導(3月5日と4月16日)に見られるように、個人
情報の保護という観点になると政府も国民も関心が
あるようです。
とはいえ、その具体策への取り組みは遅すぎると言
わざるを得ません。さらに、LINEへの韓国IT大手ネ
イバーからの出資比率引き下げを求める日本政府に
よる行政指導に対しては、その反発が韓国内で広が
ってきています。
当初は静観姿勢だった尹政権も、国内世論の盛り上
がりなどを受け、今年5月になって、「不当な措置
には断固たる対応をする」と表明するようになりま
した。
日本国民や国家と韓国に拠点がある一企業との問題
を、日本国と韓国との対立構造に持ち込んでしまう
と論点がずれてしまいます。
このあたりをうまく回避するためには、官民挙げて
知恵を絞って情報戦を戦い抜かなければなりません。
仮に我が国でTikTokの脅威に関する議論が盛り上が
ったとしても、国と企業の問題を国と国との問題に
すり替えられてしまうと、中国資本のTikTokに対し
て我が国が、アメリカと同様の措置がとれるでしょ
うか?
従来のパターンを踏襲すれば、中国政府との関係
を悪化させたくないとの思惑からなにも対応できな
いのではないでしょうか。そろそろ情報戦で優位に
立つ方法を考えてはどうでしょうか。情報戦はまさ
に「知恵の戦い」なのですから。
冒頭に書きましたように我が国のTikTokに対する
対応は、なんとも心もとなく、きわめて不十分で、
その脅威に対する議論すら行なわれていないという
のが実情です。
次回は、今回書ききれなかった部分を補足したい
と思います。
(つづく)
(ひぐち・けいすけ)
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樋口さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
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【著者紹介】
樋口敬祐(ひぐち・けいすけ)
1956年長崎県生まれ。拓殖大学大学院非常勤講師。
元防衛省情報本部分析部主任分析官。防衛大学校卒
業後、1979年に陸上自衛隊入隊。95年統合幕僚会議
事務局(第2幕僚室)勤務以降、情報関係職に従事。
陸上自衛隊調査学校情報教官、防衛省情報本部分析
部分析官などとして勤務。2011年に再任用となり主
任分析官兼分析教官を務める。その間に拓殖大学博
士前期課程修了。修士(安全保障)。拓殖大学大学
院博士後期課程修了。博士(安全保障)。2020年定
年退官(1等陸佐)。著書に『2020年生き残りの戦
略』(共著・創成社)、『2021年パワーポリティク
スの時代』(共著・創成社)、『インテリジェンス
用語事典』(共著・並木書房)、近刊『ウクライナ
とロシアは情報戦をどう戦っているか』(並木書房)
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