配信日時 2024/06/04 08:00

【情報戦を生き抜くためのインテリジェンス(4)】 TikTokがアメリカで禁止にいたる経緯と今後の展開    樋口敬祐(元防衛省情報本部分析部主任分析官)

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おはようございます、エンリケです。

インテリジェンスのプロ・樋口さん(元防衛省情報本
部分析部主任分析官)がお届けする
『情報戦を生き抜くためのインテリジェンス』
の4回目。

プロの凄みを感じさせてくれる
クロノロジー分析です。

さっそくどうぞ。


エンリケ

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情報戦を生き抜くためのインテリジェンス(4)

TikTokがアメリカで禁止にいたる経緯と今後の展開

 樋口敬祐(元防衛省情報本部分析部主任分析官)

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□はじめに

前回は、アメリカにおけるTikTokの使用禁止は、
(1)アメリカ人の個人情報データが中国政府へ提供
される懸念、(2)利用者の関心にあわせた動画を次
々に表示するアルゴリズムが、国民に与える影響力
が大きいため、いずれ中国政府(中国共産党)の情
報操作に利用される懸念がある、(3)子供の命や犯
罪にかかわる有害なコンテンツが適正化されていな
いこと、が主要な問題だと指摘されているというこ
とを書きました。

しかし、その他の要因はないのかなどの疑問が湧い
てきました。というのは、そもそも、TikTokについ
ては、トランプ元大統領が使用禁止を強硬に言い出
しました。ところがいざ禁止法案にバイデン大統領
が署名する頃になるTikTok禁止は、問題があるなど、
その主張が変わってきているからです。

さらに、バイデン氏、トランプ氏の両者とも最近に
なってTikTokのアカウントを取得し、大統領選挙戦
に活用しだしたからです。

そこで、TikTokが規制や禁止されるに至った経緯を
たどってみたいと思います。少し長くなりましたが、
お付き合いください。


▼アメリカにおけるTikTok規制の経緯

・2020年8月6日:トランプ大統領(当時)は9月20日
(45日後)限りでTikTokを運営する中国企業バイト
ダンスとのアメリカ国内でのすべての取引を禁止す
る大統領令(Executive Order 13942 August 6, 20
20)に署名。

TikTokが、アメリカの国家安全保障、外交政策、経
済に脅威をもたらしているため、対処する必要があ
る。

TikTokは中国共産党に不利なコンテンツは検閲して
おり、共産党に利益をもたらすディスインフォメー
ションキャンペーンにも利用されている可能性があ
る。

・同日:同様の対応をWeChatを運営する中国企業の
テンセントにも命令(Executive Order 13943 Augu
st 6, 2020)

・同8月14日:トランプ大統領は、国防生産法第721
条を根拠に、バイトダンスに対し、米国内における
TikTokの運営権を90日以内に(11月12日まで)売
却するよう命ずる大統領令を発出。

・同8月21日:中国系アメリカ人の団体がテンセント
との取引を禁じる(8月6日の)大統領令について
提訴

・同8月24日:TikTokはトランプ大統領が出した取引
禁止令について、カリフォルニア連邦裁判所に8月
6日の大統領令は違法と提訴。

トランプ氏は大統領就任以来、中国との貿易戦争を
加速させており、今回のTikTokおよびWeChatに対す
るこれらの取引禁止に関する動きも、11月の大統領
選に向けた反中運動の一環だとバイトダンス側は考
えている。

・同9月13日:米マイクロソフトはTikTokのアメリカ
事業の買収交渉を進めていたが、同社の買収提案が
バイトダンスに却下されたと発表した。これにより、
米ソフトウエア大手オラクルが買収する道が開かれ
た。

トランプ大統領は2020年8月、オラクルはTikTokの
アメリカ事業を引き継ぐのに「ふさわしい企業」だ
と述べていた。オラクルのラリー・エリソン会長は、
2月にはトランプ氏のための資金集めイベントを開催
したトランプ氏支持者である。

・同9月15日:中国のファーウェイへの輸出管理も強
化され、アメリカの技術を使って製造した半導体の
輸出が禁止される。輸出するには米商務省の許可が
必要となる。

TikTokの売却に関しては、どのような合意であって
も、米中両政府やバイトダンス、投資家など多くの
利害関係者からの承認が必要となる。

TikTokはユーザーが見たいものを予測する高度なア
ルゴリズムを採用し、人気を博している。香港の英
字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国
政府が「付加価値の高いこうしたアルゴリズムが売
却あるいは譲渡することはない」と伝えている。

・同9月18日:米商務省は、トランプ大統領が8月6日
に署名した大統領令に基づき、米国内でのTikTok及
びWeChatに関する禁止措置を9月20日から発動すると
発表。

ホスティング・サービス、コンテンツ配信サービス
等についても、WeChatのモバイルアプリでは9月20日
から、TikTokでは11月12日から禁止すると表明。

・同9月19日、サンフランシスコの連邦地方裁判所は、
WeChatに運営停止に関する大統領命令の予備的差し
止め命令を発出。

・同9月19日:商務省は、サンフランシスコ連邦地方
裁判所の判決直後、禁止措置の発動を9月27日にまで
延期すると発表。

・同9月27日:ワシントンDCにある連邦地方裁判所
は、TikTokについて国内での新規ダウンロードを禁
止した措置に対し、一時的に差し止める予備的差止
命令を発出。

・同10月30日:アメリカペンシルベニア州地方裁判
所は、11月12日発効予定の商務省によるTikTokの運
営禁止、ダウンロード禁止に関する命令に対し、予
備的指し止め命令を発出。

 トランプ政権はその判断を不服として、直ちに控
訴。

・同11月10日、バイトダンスはTikTok事業売却命令
についてワシントンD.C.の連邦高裁に申し立て、
大統領命令やTikTokが国家安全保障上の脅威だとす
るアメリカ政府機関の判断は違憲だとし、売却命令
の検証を要請するとともに、TikTokの米国資産をめ
ぐるウォールマートやオラクルと協議を完了できる
ように売却命令の30日延長(11月12日まで)を要求。

TikTokは、米国事業を運営する新会社「TikTokグロ
ーバル」にウォールマートやオラクルが出資する仮
合意を明らかにした。しかし、新会社の所有構造が
大きな問題の一つとなっている。

・同11月12日、商務省は同日発効予定だったTikTok
禁止に関する一連の命令を11月27日まで延期。実質
的には、TikTokから提訴された裁判が終わるまでは
連邦政府がTikTokのサービス停止することは困難と
みられている。

・2021年1月20日:バイデン大統領が就任以降、Tik
Tok売却に関する合意は破棄され、新政権がさらなる
検討を待っている間、トランプ大統領の大統領令そ
のものを撤回。

・その後バイデン大統領が中国のハイテク企業によ
る潜在的な安全保障リスクに対処するための前任者
の取り組みを幅広く見直すなか、この法案は無期限
に棚上げされた。

・2022年12月:不正アクセス事件発覚。バイトダン
スの社員が経済誌『フォーブス』でTikTokの取材を
担当していた複数の記者の位置情報データを不正入
手を画策。

この事件をきっかけに、TikTokの利用禁止の動きが
活発化。

・同12月:連邦政府が所有する機器でのTikTok利用
を禁じる法案可決。

・2023年3月:下院外交委員会が一般利用を禁じる
法案を可決。

・その後、全米の半数以上の州で支給された端末で
のTikTok使用禁止。

・2024年2月:バイデン大統領の選挙チームがTikTo
kのアカウントを開設。

・同3月7日:下院エネルギー・商業委員会で禁止法
案可決。

・同3月11日:トランプ氏、CNBCテレビのインタビュ
ーでTikTokを禁止すれば「Facebookがより多くの恩
恵を受ける。米国にとって、とても悪きことだ」
「良いことも悪いこともある。多くの子供が利用し
ている。なくなれば不安が高まる恐れがある」とTi
kTok禁止に反対するなど過去の立場を変更。

・同4月13日:TikTok禁止法案下院において352対65
で可決。

・同4月23日:TikTok禁止法案上院において79対18で
可決。

・同4月24日:バイデン大統領TikTok禁止法案に署名。

この法案は、ウクライナ、イスラエル、インド太平
洋地域(台湾)への953億ドルの緊急援助に関連して
おり、上院は前日の夜に法案を可決。

親会社の中国バイトダンスは270日以内(2025年1月
19日まで)にTikTokを米国企業に売却しなければな
らない。

ただし、バイトダンスがTikTok株の売却に向けて正
当な交渉を行なっていると大統領が判断した場合、
大統領に90日以内の1回限りの延長を認める権限あり。

その場合、売却か禁止かの期限は2025年4月19日とな
る。

・同5月7日:TikTokは、TikTokの禁止に対して、憲
法修正第1条の「言論の自由の保護」に違反している
と提訴。

・同6月1日:トランプ氏TikTokのアカウントを取
得し投稿開始。
 (6月2日現在フォロアー数281万人https://
www.tiktok.com/@realdonaldtrump/video/73757446
99140721963
バイデン氏は約34万人https://www.tiktok.com/@
bidenhq)

▼TikTok側の対応

アメリカ政府からの措置に対して、TikTokやバイト
ダンスは、上記の経緯に記したように、経済活動的
な論点や言論の自由の視点から複数の訴訟を起こし、
禁止措置を回避したり、大統領令の執行を遅らせた
りしています。

そのほか、より直接的な回避活動も行なっています。
例えば、2024年3月7日、下院でのTikTok禁止法案の
採決の朝には、全米の約1億7000万人とされるTikTo
k利用者に対し、「TikTokは米国内で使えなくなるリ
スクがあります。今すぐ下院議員に電話をかけてく
ださい」と呼びかけるメッセージを、米国ユーザー
のアプリ内に表示しました。

アプリでユーザーが自宅の郵便番号を入力すると数
回の操作で、地区の議員の事務所などに電話がかけ
られる仕組みで、議員らへの苦情が殺到し、電話回
線がパンク状態となりました。

しかし、その活動は逆効果で、かえって議員たちの
反発を買い、その数時間後にこの法案は下院エネル
ギー・商業委員会を全会一致(50対0)で通過しまし
た。

TikTokユーザーの活動

また、アメリカ政府によるTikTokの禁止に反対が多
いZ世代を中心としたTikTokユーザーは、使用の規制
や禁止に反発し、TikTokのアプリを使った活動を展
開しています。

2020年トランプ大統領は、6月19日の奴隷解放記念日
に行なわれるオクラホマ州のタルサ市における大規
模な追悼集会に合わせて、大統領選挙運動の一環と
して大規模集会を行ない100万人集めると豪語しまし
た(実際は混乱を避けるべく100万人集会を追悼集会
の翌日に延期)。

実は、その100万人の大規模集会の入場チケットは、
スマートフォンにより一人一枚無料でダウンロード
できるようになっていました。

これに目を付けたTikTokユーザーが、TikTokを規制
しようとしていたトランプ大統領を観客ゼロのステ
ージに立たせて恥をかかせるため「チケットだけを
取得して会場にはいかない」行動をTikTokで呼びか
けました。

この呼びかけにK-POPファン(*)のグループなどが
反応し、トランプ候補のサイトから集会のチケット
を大量に多重取得しました。

*K-POPファンたちは、YouTubeの動画をスクリプト
などで連続再生して、再生回数を水増しすることに
慣れていて、そのテクニックを駆使して、トランプ
候補のサイトから集会チケットを大量に多重取得し
たとされています。(money voice 2024年4月26日)

それらの結果、集会に来場したのは6万人収容可能
な会場に6,200人しか集まらなかったというものです。

一方のトランプ陣営は、観客が少なかったのは、こ
の呼びかけのせいではないと、TikTokの効果を否定
しています。

 しかし、TikTokの内部分析によると、2023年11月
以降、同プラットフォーム上ではトランプ支持の投
稿がバイデン支持の投稿のほぼ2倍に上っているとさ
れています。トランプ支持の投稿は129万件、一方バ
イデン支持の投稿は65万1000件だったとされます
(『ニューヨークタイムズ』2024年5月31日)。

 トランプ氏がアカウントを開設したのは、このよ
うな現象を認識してのことだと思います。

▼トランプ氏とザッカーバーグ氏、マスク氏の確執

上記の経緯で示したように、トランプ氏は、大統領
在任中の2020年8月に、TikTokの利用を禁止する大統
領令を出しました。その後バイデン政権になり、こ
の命令は無期限に棚上げされた状態になり、発効さ
れていません。

ところが、その禁止を命じていた当のトランプ氏は、
2024年3月11日のCNBCテレビのインタビューではTik
Tokを禁止すれば「Facebookがより多くの恩恵を受け
る。米国にとって、とても悪きことだ」。Metaを
「国民の敵」とも呼びました。

さらに、自身のグループが立ちあげたソーシャルメ
ディア・プラットフォームである「トゥルース・ソ
ーシャル(*)」でTikTokを禁止すればライバルで
あるFacebookとInstagramの親会社Metaの追い風とな
る可能性があると主張しました。

(*)トランプ氏はFacebookとツイッターの両方か
らアカウント停止(約2年後解除)された後、自らの
投稿の場所をトゥルース・ソーシャルに切り替えて
いました。

これらのコメントを受けてMeta社の株価は同日4.5%
近く下落しました。Metaの株価は年初来30%近く上
昇しており、2022年の市場低迷からの大幅な回復を
示していました。

フォーブスの試算によると、世界第4位の富豪である
ザッカーバーグは、3月11日に推定77億ドルの保有資
産を失ったとされます。

ところでトランプ氏はザッカーバーグ氏とはたびた
び衝突しています。例えば、FacebookのCEOを「犯罪
者」と呼び、寄付を通じて2020年の選挙の流れを変
えたとして非難しました。

2021年1月8日には、ザッカーバーグ氏はトランプ氏
のFacebookとInstagramのアカウントを無期限停止す
ると表明しました。1月6日のトランプ氏支持者らに
よる国会議事堂占拠事件を受けて、トランプ大統領
の投稿に規約違反があったからだとする措置です。

2022年には、トランプ氏はザッカーバーグ氏を「変
人」と呼び、一方のザッカーバーグ氏は、トランプ
氏のFacebookでの扇動的な投稿について批判しまし
た。

そこに、Xのイーロン・マスク氏がトランプ氏に賛同
するような発言をしてきました。2024年3月12日、マ
スク氏は、米国の議員らが成立を目指すTikTokの禁
止法案を非難し、アプリへのアクセスを制限しよう
とするこの法案は「政府による検閲と管理」の試み
だと主張。トランプ氏に続いてこの法案を批判する
主要な人物となりました。

彼は、禁止の対象が外国の敵がコントロールするア
プリのみにとどまらず、そのアプリを米国内で配布、
維持、更新する「インターネット・ホスティング・
サービス」を罰するという条項が含まれていて、自
分たちのSNSにも適応されることを恐れていすからだ
と思います。

ザッカーバーグ氏とマスク氏は、Meta(Facebook、
Instagram)とXというSNSサービスでライバル関係に
あります。ですから、本音としてはマスク氏として
はTikTokが禁止されれば、そのユーザーがMetaに多
く流れるとのトランプ氏と同じ懸念があると思われ
ます。

2023年3月、TikTokユーザーに対し米の情報調査会社
によって「TikTokが禁止された場合、どのプラット
フォームをもっと使用しますか?」との調査がなさ
れました。その結果は次のとおりです。

Instagram: 38.3%、Twitter(2023年8月からX): 2
6.3%、Snapchat(動画投稿サイトの一種): 20.6%、
Facebook: 14.8%です。

この結果から見ればTikTokがなくなれば、Instagra
mとFacebookの合計で53.1%を占め、両者の親会社の
Meta社はSNSサービスの中で極めて優位に立つことが
できます。

▼今後の動向

現在のアメリカの連邦政府や州政府の動向を見れば、
個人情報の保護や中国共産党の影響力の排除という
安全保障の観点から、公的機関におけるTikTokのア
プリの使用は、制限・禁止される方向に進展してい
くものと思われます。

しかし、1億7000万人いるといわれるユーザーの個
人の使用については、禁止することは困難なのでは
ないかと考えられます。仮にTikTokがアメリカ国内
で配信停止になっても、若者は制限を回避する手段
(VPNアプリなど)を講じて、配信が停止されていな
い国外からTikTokにアクセスできるとされています
(money voice 2024年4月26日)。

このようなTikTokに対しザッカーバーグ氏のMeta、
マスク氏のXなどがどう対応するか、また売却問題に
関しては、過去に候補に挙がったマイクロソフト、
オラクル、ウォールマートなどの他にどの企業が名
乗りを上げるかも重要です。

そして、それらに大きな影響を与えるのが大統領選
挙だと思われます。

バイデン大統領の選挙対策本部は、バイデン政権が
TikTok禁止法に署名しようとしている最中にもかか
わらず、2024年2月TikTokのアカウントを取得して
います。

選挙戦において、若者に訴求力のあるTikTokを使っ
てでも若者を自陣営に取り込みたいとの実務者の思
惑が透けて見えます。

一方トランプ氏は、大統領在任中は、TikTokの利用
を禁止する大統領令を出しましたが、上記のように
TikTokを禁止すればFacebookがより多くの恩恵を受
けるなどとも発言し、過去の立場を変化させていま
す。もし大統領に返り咲いたら、大統領選で指示し
てくれたオラクルに売却させたいと思っているのか
もしれません。

しかも、6月1日にTikTokのアカウントを取得し、
投稿を開始しました。するとすぐにフォロアー数が
バイデン氏の34万人をはるかに上回り、6月2日の時
点で281万人に達しました。

このように、両者とも大統領選を前に若年層の支持
や企業利益を計算し、選挙戦に有利な作戦を採るた
め推移を見定めようとしていると考えられます。

TikTok禁止の最終期日は、現大統領の任期満了の1日
前である1月19日に設定してあります。ですから、最
終的な禁止の方向性は、大統領選の行方が分かった
ころに決まり、実質的には、裁判の長期化の可能性
などもあり、次期大統領に委ねられると考えられま
す。

今回は、クロノロジー分析(丹念に時系列を追って
分析)を行なった結果、法案などで語られている、
いわば建前的な、個人情報保護、情報操作、有害コ
ンテンツの規制、言論の自由といった理由の他に、
選挙、企業の利害関係などが入り組んでいる状況が
少し解明できたのではないかと思います。

次回は我が国のTikTokに対する対応などについて述
べたいと思います。


(つづく)



(ひぐち・けいすけ)



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【著者紹介】

樋口敬祐(ひぐち・けいすけ)
1956年長崎県生まれ。拓殖大学大学院非常勤講師。
元防衛省情報本部分析部主任分析官。防衛大学校卒
業後、1979年に陸上自衛隊入隊。95年統合幕僚会議
事務局(第2幕僚室)勤務以降、情報関係職に従事。
陸上自衛隊調査学校情報教官、防衛省情報本部分析
部分析官などとして勤務。2011年に再任用となり主
任分析官兼分析教官を務める。その間に拓殖大学博
士前期課程修了。修士(安全保障)。拓殖大学大学
院博士後期課程修了。博士(安全保障)。2020年定
年退官(1等陸佐)。著書に『2020年生き残りの戦
略』(共著・創成社)、『2021年パワーポリティク
スの時代』(共著・創成社)、『インテリジェンス
用語事典』(共著・並木書房)、近刊『ウクライナ
とロシアは情報戦をどう戦っているか』(並木書房)



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