配信日時 2024/05/16 05:08

【本の紹介】『「自衛隊医療」現場の真実 - 今のままでは「助けられる命」を救えない』    照井資規(著)

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【本の紹介】『「自衛隊医療」現場の真実 - 今のままでは「助けられる命」を救えない』照井資規(著)


今すぐ手を打たなければ
国民の命も、自衛官自身の命も守れない!!

陸上自衛隊で、普通科・衛生科両職種の研究を続け
た筆者だからこそ
今すぐ強く訴えたいことがある、、、、

わが国で軍事医療に携わってきた元衛生科将校が、
我が国が今抱える自衛隊医療の実際、課題を伝え
ます。

『「自衛隊医療」現場の真実 - 今のままでは「助け
られる命」を救えない』
照井資規(著)
定価:1,800 円+税
発売日:2023-09-01 
発売:ワニブックス
発行:ワニ・プラス
https://amzn.to/3ZNFnug


おはようございます、エンリケです。

自衛隊衛生科出身の元幹部自衛官が今のわが国にお
ける「自衛隊医療の実態」を解説紹介します。

危機対処医療の最前線に立つ自衛隊が今抱えている
問題とはなにか?

あなたにもゼヒ知っていただきたいから紹介します。

著者はこの方です。

照井資規(てるい もとき)
軍事・有事医療ジャーナリスト
1973年愛知県出身。元陸上自衛隊幹部(衛生官)。
報道番組制作を経て自衛隊に入隊。陸曹までは普通
科対戦車戦闘が専門。幹部になる際衛生科に職種変
換。戦闘と衛生支援の両方の視点から機関紙「FUJI」
に記事を多数執筆。2015年退官後は愛知医科大学、
琉球大学医学部非常勤講師。発破技士を取得し医療
従事者には銃創・爆傷などの事態対処医療・CBRNeな
どの特殊災害医療について教育。自衛官の就職支援
教育にも力を入れている。著書に「弾丸が変える現
代の戦い方」(二見龍氏と共著・誠文堂新光社)、
「イラストでまなぶ!戦闘外傷救護」(ホビージャ
パン)がある。     


■国内外からの危機、人々の命を守る使命―緊急
事態対処医療の実態

日々、私たちは様々な危機に直面しています。台湾・
朝鮮半島の有事、国内で発生する凶悪事件、テロ
の脅威、そして自然災害、、、

これらの現実を直視すると、ひとつの事実が浮かび
上がります。それは、人々の命を守るために必要な
のが「緊急事態対処医療」であるということです。

自衛隊は、緊急事態に備え、民間と連携しながら、
常に最前線に立たなければならない存在です。

地下鉄サリン事件、東日本大震災、新型コロナウイ
ルスのワクチン接種など、これらの事件や災害現場
で、一般の国民は彼らの活動をメディアで目にして
きました。「災害時に頼りになる存在」と国民から
高い評価を受けている一方で、自衛隊医療の「実態」
には深刻な課題が潜んでいます。

人員不足、予算不足、組織の複雑さ、携行品の実態
に合わなさ、国民の危機感の薄さ、備えの貧弱さ。
これらは今直面している問題であり、冷静に分析し、
解決すべき課題として取り組むべきです。

まず、人員不足と予算不足の問題です。自衛隊医療
のプロフェッショナルは、その重要性に比べて限ら
れた人数しか存在しません。また、予算が不足して
いるため、必要な設備や装備の整備が追いついてい
ないのが実情です。これらの問題を解決しなければ、
有事に対応する能力は限定的なものとなります。

次に、組織の複雑さと携行品の実態に合わなさです。
自衛隊は大規模で複雑な組織ですが、その複雑さが
効率的な運用を難しくしています。また、携行品や
装備が実際の現場に合わない場合、効果的な医療活
動を行うことが難しくなります。組織のシンプル化
と実態に即した装備の整備が急務です。

さらに、国民の「有事」に対する危機感の薄さと備
えの貧弱さも問題です。多くの国民が日常生活にお
いて、緊急事態に対する備えを怠っています。防災
意識や緊急事態への備えが不足しているため、自衛
隊が頼りになる存在となってしまっています。国民
教育と備えの徹底が求められます。

自衛隊医療の実態を見つめ直し、これらの問題に真
剣に取り組む必要があります。緊急事態に備え、人
々の命を守るために、一層の努力が必要です。国内
外からの危機に対して、自衛隊は常に最前線に立ち、
その使命を全うしていくでしょう。そして、私たち
国民も、危機感を持ち、備えをし、共に未来に備え
ることが大切です。
    
「医療」と聞いて、敷居が高いと感じる方もいるか
もしれませんが、この本は敷居を低くし、どなたで
も理解しやすいスタイルで情報を提供しています。
緊急事態下で直面するリスクや困難、危機状況下で
の自衛隊医療の必要性について、著者は分かりやす
く説明しています。

この書籍を手にすれば、緊急事態に対処する医療、
その実施の中核となる自衛隊医療という存在がいか
に重要でかけがえのない存在であるかが理解できま
す。あわせて、緊急事態対処医療への理解がわが国
であまりに浅すぎることにも思いが至るでしょう。

さらに、極限の状況で医療活動を行う自衛隊医療関
係者たちの苦しい現実も、この書籍を通じて垣間見
ることができます。彼らは高度な医療知識と技術を
駆使し、緊急事態に対処するために奮闘しています。
その情熱とプロ意識、それに見合わぬ理解と不足に
あえいでいる現実に触れることで、読者自身は「何
か」を体内に培えることでしょう。

「自衛隊医療」に詳しくないからこそ、この書籍は
貴重なものです。自衛隊の医療活動がいかに尊いも
のであるか、その真実を知ることで、国を守るため
に奮闘する人々に対する尊敬の念が深まることでし
ょう。

この書籍は、医療の専門知識がない一般の読者にも、
緊急事態対処医療の核心たる自衛隊医療の世界を理
解しやすく紹介しています。

現代は情報が氾濫しており、新たな知識を得ること
は非常に重要です。自衛隊医療の世界に触れ、その
重要性を理解することで、私たちは国を守るために
一国民として何ができるのか、考えるきっかけを得
ることでしょう。

「軍と医療」に関する一般向け書籍は極めて少なく、
こういう機会に手にとって、自分の中に「軍と医療」
に関する情報を蓄えておくことはきわめて大切です。
その意味で本著が出た意義は非常に大きい気がします。


それでは、「緊急事態対処医療」「自衛隊医療」を
わかりやすく伝えてくれるこの本の中身を見ていき
ましょう

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【もくじ】

まえがき
 ■深刻化する安全保障環境と国内治安
 ■戦傷医療は自衛隊員の士気に直結する
 ■震災とサリン事件を契機に、自衛隊へ
 ■危機に備える医療構築の一助に

1章 自衛隊医療の限界を露呈した「コロナワクチ
ン大規模接種」
 ■自衛隊中央病院を知っていますか
 ■自衛隊による新型コロナワクチン大規模接種
 ■大規模接種で招いた「さらなる人員不足」
 ■「隊員には余ったらワクチン接種」・・・イン
パール作戦並みの過ち
 ■果たされていなかった「隊員の健康管理の責」
 ■「自己完結組織」、自衛隊の医療体制
 ■自衛隊医療従事者の悲惨な充足率
 ■制度に翻弄される看護官
 ■看護官に女性が多いがゆえの大問題
 ■有事医療にも影を落とす自衛隊の人員不足
 ■自らの生命も、仲間の四肢も守れない現状


2章 ないがしろにされる自衛隊員の命
 ■起きてはならなかった自衛隊員による小銃発砲
事件
 ■銃撃を受けた後の大問題
 ■同行していなかった野戦型救急車
 ■AEDの実物も検定もない自衛隊
 ■防ぎ得る死を防ぐためにできる限りすべきこと
 ■「世界で最も安全な国」の医療が破綻する時
 ■自衛隊に欠けている「戦傷医学」の戦術
 ■人命救助のタイムリミットは72時間
 ■生きるか死ぬかは指揮官次第?
 ■隊員の命を救う個人用救急品のお粗末さ
 ■銃創の止血すらできない用品を配布
 ■戦地では使い物にならない防弾チョッキとヘル
メット
 ■世界の緊急救命行為から立ち遅れる「衛生三悪」
の実態
 ■第一線救命に焦点が当てられていない?
 ■たった5日間の訓練で、一体何ができるのか?
 ■米軍が「血を流して得た」教訓になぜ学ばない
のか
 ■自衛隊の装備はキルギスやスリランカ以下
 ■「効率的な殺人」の技術が格段に向上している
 ■「兵士にとっての最高の福利厚生は訓練」
 ■変わり続ける国際情勢と、変わらない自衛隊
 ■自衛隊の変化を阻むものとは何か

3章 核ミサイルが着弾した時、何ができるのか
 ■核保有国に囲まれながら備えのない日本
 ■CBRNe複合事態対処基準とは
 ■爆発物を使ったテロは国内でも頻発
 ■爆風や衝撃波はヘルメットでは防げない
 ■新兵器「中性子爆弾」の威力とは
 ■核への備えは韓国に学べ!
 ■予備役が動員され、国民が参加する韓国の「有
事訓練」

4章 日本は「銃撃」「テロ」「災害」に対処でき
るのか
 ■安倍元総理銃撃事件の衝撃
 ■荒唐無稽な陰謀論は「無知」から生まれる
 ■国民に救護義務のあるアメリカ
 ■有事の際にどうするかを取り決めておく「コン
センサス」とは
 ■救急隊が来る前に「5分以内」の止血を
 ■「防ぎ得た戦闘死」を減少させるための取り組み
 ■無差別大量爆撃に対処するためのトリアージ
 ■テロ対処で有効だったフランスの「カマンベー
ルチーズモデル」
 ■なぜ日本はテロ経験から学ばないのか
 ■重要なのは「最大多数の最大救命」の実現
 ■負傷者26名の搬送に5時間半かかった大量殺
傷事件
 ■医療現場もテロや無差別犯の標的になる

5章 「市民救護」があなたを救う
 ■その時、私たちに何ができるのか
 ■事件・事故現場で必要な「SABACA」の観点
 ■AEDは本当に有効か、いつ使えばいいのか
 ■AEDのバッテリー切れが多発?
 ■熱中症にAEDは有効なのか
 ■AED神話からの脱却を
 ■救命は「道具8割、段取り8分」
 ■「その時」何をすればいいかの「約束事」とは
 ■災害時に命を守る「情報」の取得法
 ■災害対応に重要な「PPS」
 ■生き残るのは、最後は「自分の力」

6章 世界に貢献できる日本の医療技術
 ■世界で最も求められている医療技術
 ■義肢がウクライナにもたらす効果
 ■世界には義足を必要とする人が6500万人も
いる

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いかがでしょうか?

危機状況下でいかに医療を活かし国防を達成するの
か? 危機状況下で命を守るために何ができるの
か?緊急事態対処医療に必要なのに欠けているもの
は何なのか?について、ホンネのことばが並びます。

なかでもAED信仰に釘を差す第5章は必読と思いまし
た。

「いのちを守る」ために不可欠な国家レベルの「緊
急事態対処医療体制」に穴がある可能性があります。

本著を、国防を達成するために必要不可欠な
「自衛隊医療」の重要性を再認識するきっかけとし
てください。ぜひ手に取り、その価値あるメッセー
ジに触れてください。


危機事態に対処するプロ・自衛隊医療が培う「危機
対処医療」の力を高め、国民の理解を深める。
それなしに国家レベルの危機管理体制はできないはず
です。そんな当たり前のことに目を拓かせてくれた本
でした。

そんな本著を心からオススメします。



『「自衛隊医療」現場の真実 - 今のままでは「助け
られる命」を救えない』
照井資規(著)
定価:1,800 円+税
発売日:2023-09-01 
発売:ワニブックス
発行:ワニ・プラス
https://amzn.to/3ZNFnug



エンリケ


追伸

ほとんど世に出ていない「軍事医療」「緊急事態対
処医療」に関する一般人向け啓蒙の書。

非常時に機能する「緊急事態対処医療」の実態を把
握するよすがとなる解説の書。

自衛隊医療が、緊急事態に機能しないできない状況
へと侵されつつある現実を伝える警鐘の書。

非常に読み応えあります。
学びも非常に多い一冊です。
ゼヒお読みください。

『「自衛隊医療」現場の真実 - 今のままでは「助け
られる命」を救えない』
照井資規(著)
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