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こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第452号です。
GSOMIAをめぐる話の3回目です。
実に勉強になります。
さっそくどうぞ。
エンリケ
追伸
著者多忙のため、次週の配信はお休みです。
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『ライター・渡邉陽子のコラム (452)』
GSOMIAの裏側と韓国人の米軍依存(3)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。先週は、GSOMIAは韓国側にメリットが
多いのにも関わらず、韓国はGSOMIAを対日カードにしていたところ
まで伊藤俊幸元海将へのインタビューをご紹介しました。今週はそ
の続きからです。
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■GSOMIAの裏側と韓国人の米軍依存(3)
大騒ぎしていたのは朝日、毎日新聞と野党です。「安倍政権の政権
運営がまずかったから、大事なミサイル防衛にも影響するようなGS
OMIAを破棄されるじゃないか」と、安倍政権を叩く理由に使い始め
ました。そう言っている人たちこそ先日までミサイル防衛に反対し
ていたのに、「なにを今さら」という感じです。テレビも「GSOMIA
がなくなると日本も大変だ」と言う人しか呼ばれなくなりました。
私からしてみれば「知らない人はしゃべるな」と言いたかったです
ね。
改めて言っておきますが、日韓GSOMIAの有無は日本の弾道ミサイル
防衛になんの影響もありません。日本が韓国から得る情報は発射の
兆候に関するヒューミント(人的情報)などに限られており、しか
も同様の情報はアメリカも把握しているため、GSOMIAがなくても日
本のデメリットはほとんどないのです。
失効まであと数時間というカウントダウンが始まっている段階で、
韓国は翻意しました。この大どんでん返しを導いたのはアメリカの
上院が行なった決議だったと思います。
アメリカ国務省が主導する形で上院は「日韓GSOMIA破棄を中止させ
る決議案」を出し、超党派で可決されました。中でも「日韓GSOMIA
の破棄は『在韓米軍』を危険にさらす行為である」という内容が効
きました。
それまで文大統領は米国防長官などが訪韓してもまったく聞く耳を
持たず、「日韓」のGSOMIAは、「米韓」同盟とは無関係と認識して
いました。実際もその通りなのですし、11月21日に韓国で開催され
た NSC(国家安全保障会議)でも、あくまで「韓日」の話であり、
「アメリカは関係ないだろう」という姿勢でした。韓国の国防大臣
は韓国軍が被るリスクがどれほど大きいかわかっていたので、文大
統領に何度も継続を訴えましたが、無視され続けていました。
北朝鮮は韓国攻撃用の短距離ミサイルの発射実験を繰り返していま
すが、そのミサイルの終末軌道や着弾情報は、地球の形状から水平
線以降の飛行実態がわからないことから、韓国軍は自衛隊からの情
報をもらう必要があるのです。特に北朝鮮が飛行実験している新型
短距離ミサイルは、着弾直前に複雑な軌道で飛ぶロシア製「イスカ
ンデル」をモデルにしているとされ、韓国にとってはこの着弾情報
こそきわめて重要な情報です。それにも関わらず日韓GSOMIAを破棄
すれば、韓国はその貴重な情報へのアクセスを断つことになるので
す。
有事の際、北朝鮮がミサイルを撃ち込む場所は韓国だという認識が、
文大統領はあまりに希薄でした。もともと北と一緒になりたい人で
すから「北朝鮮が韓国にミサイルを撃ち込むなどありえない。だか
ら日韓GSOMIAはいらない」と本気で思っていたようです。
ところがこの上院の決議案の内容を知り、初めてアメリカから「日
韓GSOMIA破棄は在韓米軍を危険にさらす」とはっきり言われたこと
で、ようやく「これはまずい」と気づいたのでしょう。慌てて22日
にもNSCを開催するという異例の対応を取り、日韓GSOMIAの継続を決
めました。おそらくこの上院の決議がなければ、予定通り破棄され
ていたでしょう。まさにひとり相撲だったのです。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
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