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こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第447号です。
兵站がテーマの記事5回目。
じつに読み応えあります。
さっそくどうぞ。
エンリケ
追伸
著者多忙のため、来週の配信はお休みです。
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『ライター・渡邉陽子のコラム (447)』
今こそ知りたい陸自の後方支援(5)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。最近いい本との出合いがたて続けにあ
り、読書の喜びを満喫しています。読書が楽しすぎてテレビの録画
は溜まる一方、動画を見る時間もなく、なんなら原稿を書く時間す
ら……いかんいかんと自分を戒めるのですが、ページをめくる手が
止まりません。ちなみに最近読んだ本でいつまでも余韻が後を引い
たのは『二千七百の夏と冬』でした。なんと主人公は縄文人! 上
下巻ですがあっという間に読み進め、そして最後は読み終えたくな
いと思うのです。
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■今こそ知りたい陸自の後方支援(5)
南恵庭駐屯地に所在する第73戦車連隊を支援する第7後方支援連隊
第2整備大隊第3戦車直接支援中隊では、小柄な女性隊員が「3t半」
と呼ばれるトラックのタイヤ交換などを行なっていました。戦車部
隊が所有している装備品は戦車だけではないので、このような車両
も整備の対象です。
「体が小さくてもてこの原理を使ったり、狭い場所では率先して作
業したりしています」と頼もしいコメント。
男性隊員の3曹によると「戦車では射撃予習というものを行なうので
すが、ここで動かしすぎて本番前に電子系統が壊れてしまうことが
あります。まさに射撃前の故障あるあるです。それももちろん早急
に直さなければいけないので、競技会前となるとこちらも時間との
戦いです」。
第7師団唯一の機械化連隊である第11普通科連隊を支援する普通科直
接支援中隊では、89式装甲戦闘車、通称FVの整備が行なわれてい
ました。溶接作業をしているのはWAC。
これほど多くの女性隊員を目にするのは、音楽隊の取材以外ではそ
うそうありません。聞けば7後支の女性隊員の比率は10%以上、部署
によっては約20%にもなるそうで、行く先々でWACに遭遇するの
も納得です。
ここで作業していたWACも「陸曹を目指す。後輩の女性もどんどん
来て欲しい」と頼もしいコメントをくれました。
中島連隊長が「7後支は多職種の隊員の集まり」と話したように、そ
れだけの職種・職域があれば、WACも自分にとって向いている職
場を見つけやすいということでもあります。力仕事では物理的に男
性にかなわなくても、狭い部分の整備ならむしろ手の小さなWAC
のほうが器用に作業できたりもします。先輩の女性自衛官が多いと、
ワークライフバランスが参考になったり、結婚や出産、育休などの
大きな出来事の際にも相談しやすいでしょう。育休後の復帰も、部
隊がごく自然にあたたかく迎えるのが、7後支では普通の光景です。
輸送隊は各種教育訓練や方面定期便などにおける人員、装備などを
輸送するほか、第7師団の自動車教習所の運営・管理を行なっていま
す。
輸送科職種のなかには、将来における海上輸送部隊の要員として、
水陸機動団後方支援大隊の隊員が護衛艦「いずも」に乗艦して各部
署で研修を行なっているほか、江田島の海上自衛隊第1術科学校にも
陸上自衛官が入校、輸送艦を運用するための教育を受けています。
ほか、2021年には約30年ぶりに陸自史上最大規模の陸上自衛隊演習
が行なわれましたが、北海道や本州の各部隊が九州に機動展開する
という、移動そのものが訓練でした。輸送科部隊は普特機のみなら
ず、補給、衛生、整備といったほかの後方支援部隊にとっても欠か
せない、まさに自衛隊という組織の根幹を支える存在であることを
象徴したような演習でした。
取材時の輸送隊は、要整備の73APCを北千歳駐屯地から東千歳駐
屯地へ運ぶ作業をしていました。普通なら7tトラックに自走で乗り
込むのですが、故障でエンジンが動かないため、90式戦車回収車で
吊り上げます。
隊員たちは慣れた様子で流れるようの作業をこなしていますが、装
甲車を吊り上げるバランス、それをトラックに乗せる微調整、確実
に着地させてからの徹底した固定など、一朝一夕にはできないこと
は容易に伝わってきます。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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2022年、
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