配信日時 2024/02/22 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (444)】今こそ知りたい陸自の後方支援(2)     渡邉陽子(ライター)

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こんばんは、エンリケです。

「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第444号です。

兵站がテーマの記事2回目では、わが機甲
兵団の戦力を支えるわが国最大の後方支
援連隊が取り上げられています。

さっそくどうぞ。


エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (444)』

 今こそ知りたい陸自の後方支援(2)
 
  渡邉陽子(ライター)

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こんばんは。渡邉陽子です。自衛隊の取材をするようになって20年
以上、ついに潜水艦を取材することができました。部隊も非常に協
力的で、取材予定時間を1時間もオーバーしてしまったほどです。
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■今こそ知りたい陸自の後方支援(2)

7後支は1981年に当時の第7武器隊、補給隊、装甲輸送隊、衛生隊が
統合され、陸上自衛隊初の後方支援連隊として誕生しました。
1993年には北海道南西沖地震(奥尻島)で給水支援、1995年には阪
神淡路大震災で入浴支援といった災害派遣に従事。2004年にはイラ
ク人道復興支援、翌年にはインドネシア国際緊急援助隊派遣など、
海外でも活動しています。2008年の洞爺湖サミットも支援しました。
東日本大震災や熊本地震では被災地の生活支援隊の主力となり、20
16年には南スーダンに施設隊を派遣。
2018年9月に発生した北海道胆振東部地震では、隊員たち自身が被災
者でありながらのべ7090名を災害派遣。そして昨年、今年と2年連続
で白老町や千歳市で発生した鳥インフルエンザの災害派遣活動を行
なっています。

7後支の連隊長である中島孝太郎1佐は、2023年5月に開催された創隊
43周年記念行事の式辞で次のように述べています。
「安全保障環境は極めて複雑かつ不確実な時代に突入し、これを踏
まえた安保3文書が策定され、可動率の向上や第一線救護能力の向上
等、兵姑・衛生への期待もこれまでにない大きなものとなっている。
一方、自動的に精強な部隊ができるわけではない。このため、部隊
を鍛え人材育成を行い強い思いで隊務に遭進し、今の時代に適合し
た『真に戦える兵姑・衛生部隊を創造』していく」

安保3文書では、新しい戦い方に対応するために必要な機能・能力の
ひとつに「迅速かつ粘り強く活動し続けて、相手方の侵攻意図を断
念」させるために「持続性・強靭性」を挙げています。具体的には
「必要十分な弾薬・誘導弾・燃料を早急に保有。装備品の稼働率向
上」、「自衛隊員の継戦能力向上のため衛生機能も強化」などが明
記されており、これらが後方職種の担う役割であり、7後支の任務と
なります。

中島連隊長に7後支の特性を尋ねたところ、「陸自唯一の機甲師団を
支える連隊ということで、全国の後方支援連隊でもっとも規模が大
きく、陸自16の職種のうち支援先部隊の隊員も所在するため11職種
の隊員が集まる、まさに多様性を具現化したような連隊」と返って
きました。「それだけまとめるのは大変だが、さまざまな視点から
の知見を得られるのも7後支の強み」とも。

ここからは7後支の各部隊をご紹介していきます。
7後支の第1整備大隊は、第7師団諸部隊に対する野整備支援などを任
務としています。
車両整備中隊では73式装甲車、通称73APCなどの装軌車から大型
トラック、そして師団長などが利用する黒塗りの乗用車までの整備
を一手に引き受けている部隊です。
取材時は73APCのパワーパック(エンジン、トランスミッション、
トランスファー動力部が一体になったもの)を、重レッカー車を用
いて下ろす訓練を実施していました。工場内にはクレーンが設置さ
れているのでそれを用いて乗せ降ろしが可能なのですが、訓練のた
めにあえてレッカー車を用います。クレーンを扱うオペレーターは
女性隊員です。


(つづく)


(わたなべ・ようこ)



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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。

2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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2022年、
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