配信日時 2023/11/29 05:08

【本の紹介】『世界と人間を操る お金の学校』 渡邉哲也(著)

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『世界と人間を操る お金の学校』
渡邉哲也(著)
発売日:2023/9/19
単行本(ソフトカバー):240ページ
寸法:18.8x12.8x1.7 cm
定価:1,500 円+税
出版社:ワニブックス (2023/9/19)
https://amzn.to/3r9WSIt

おはようございます、エンリケです。

今日、ご紹介するのは渡邉哲也さんの本です。個人
的には、「戸締まりさん」という愛称がしっくり馴
染む渡邉さんは、長い間ネットの世界で言論活動を
展開してきた方です。そして今や、ネット出身言論
人の数少ない生き残りといって過言ではない存在に
なられました。

【略歴】
渡邉哲也 Watanabe Tetsuya
作家・経済評論家。1969年生まれ。日本大学法学部
経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複
数の企業運営に携わる。大手掲示板での欧米経済、
韓国経済などの評論が話題となり、2009年、『本当
にヤバい!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機
を警告し大反響を呼んだ。内外の経済・政治情勢も
リサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案
の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行
っている。著書は100冊を超える。ベストセラー
・話題作など多数。

■渡邉哲也公式サイト
http://www.watanabetetsuya.info/
■X(旧Twitter)アカウント
@daitojimari

ビジネス経験が豊富で、実践的な知識と物事の見方
を提供している渡邉さんのさまざまな情報源から得
た情報を面白く、わかりやすく解説するスタイルは、
各界から非常に人気を博しています。

今回ご紹介するこの本は、学校や社会、そして家庭
ですら決して教えられない、お金についての真実を
赤裸々に語るものです。渡邉さんの深い知識と解説
力を活かしてお金の原理と原則を解説しており、特
にQ&A形式のアプローチが、読者にわかりやすさを
提供しています。

「教えて渡邉先生」というスタンスで、お金にまつ
わるさまざまなテーマを一問一答形式で取り上げて
います。お金に関する「活きた」知識を深めたい方
々にとって、必読の一冊と言えるでしょう。


たとえば、、、

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Q そもそもお金ってなに?
A 国家の「信用=国力」で成り立っている“共同幻
想”です

Q 人民元が基軸通貨になる可能性は何%?
A 自由な資本取引を制限している以上、難しいで
しょう

Q 円安と円高どっちがいい
A デフレでは円安のほうが有利なことが多いでし
ょう

Q なぜドルは暴落しないの?
A ドル支配体制は世界諸国にとってもメリットが
あるからです

Q 金利と利子は違う?
A 「利子(利息)」は金額であり、その利率が
「金利」です

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なんてことが書かれています。


それではこの「お金の学校」の中身を見ていきまし
ょう。

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はじめに・・・お金の教科書

1 お金の基礎知識

 Q そもそもお金って何?
 A 国家の「信用=国力」で成り立っている”共同
幻想”です
 
 Q 金利と利子は違う?
 A 「利子(利息)」は金額であり、その利率が
「金利」です

 Q リコースローンとノンリコースローンの違いは?
 A 住宅ローンと不動産担保ローンの違いです。
    日本では前者が一般的で米国は後者が多いです

 Q 商品の値段は誰が決めている?
 A 需要と供給のバランスで決まります

2 マクロ経済は国家の視点
 
 Q 価格と物価は同じ?
 A 「価格」はミクロ経済、「物価」はマクロ経済
だから次元が違います

 Q デフレとインフレって何?
 A 物価が継続的に上がるのがインフレ
       下がり続けるのがデフレ


 Q デフレスパイラルが銀行に与える影響をもう少
し詳しく
 A 資産価格の下落と景気の悪化が連鎖する「バラ
ンスシート不況」に陥ります
 
 Q よく使われる「名目」と「実質」って何?
 A 名目は額面通りの金額で、実質は物価の変動の
影響を取り除いたものです

3 金融商品と銀行
 
 Q 債券の金利はどう決まる?
 A 通貨の誘導金利+リスクプレミアム(付加金利)
です

 Q 株式の返済順位はなぜ低い
 A 経営に関与しているということで責任が大きい
からです。その代わり金利は高くなっています。
 
 Q 手形と小切手の違いは?
 A 大きな違いは手形は約束をもとに支払いを先延
ばしにできることです

 Q 銀行とは?
 A 個人から集めた預金を貸し出すことで金利差を
稼ぐビジネスです

   Q 「手数料ビジネス」が拡大している
 A 銀行にとってはおいしいからですが、二重手数
料であり、かつハイリスク商品。買うべきではあり
ません

4 中央銀行の戦い
 
 Q 「金融ビッグバン」で何が変わった?
 A 金利の自由化、為替の自由化、金融商品を解禁
し自由な市場を拡大しました

 Q 「金融政策」って何?
 A 国債を売買することで資金量の調整を行い金利
を誘導することです

 Q 「為替の自由化」で何が変わった?
 A 銀行や取扱業者により為替レートが変わるよう
になり、円も国際通貨となりました
 
 Q 「マイナス金利政策」は非常識?
 A 世界各地でも同様の政策がとられています

 Q 金融政策と財政政策の違いは何?
 A 財政政策は政府が担当、増税や財政出動により
景気をコントロールします

 Q MMTは正しいか?
 A MMTを持ち出すまでもなく従来の金融政策で説
明できます
 
 Q 国債の価格が下がると金利が上がるのはなぜ?
 A 額面の金利は変わらないため、実質的に金利が
上昇するからです

 Q 日銀の「独立性」とは?
 A 通貨の信用を担保するために財銀分離原則にの
っとった地位で、完全の独立しているわけではあり
ません

5 国家vs国家、為替戦争

 Q 円安と円高、どっちがいい?
 A デフレでは円安のほうが有利になることが多い
でしょう
 
 Q 外国為替市場の役割は?
 A 異なる通貨を交換する世界最大の金融市場です

6 国際金融の仕組み

 Q SWIFTとは何?
 A 海外への送金を可能にする世界最大の国際決済
網です
 
 Q 「国際金融のトリレンマ」って何?
 A 世界経済で必ず知っておいた方がいい法則です
 
 Q 人民元が国際通貨になる可能性は?
 A 自由な資本取引を制限している以上、難しいで
しょう


 Q 中国主導のAIIBはどうなっている?
 A 仕組みが機能せずADBの”下請け”と化している

 Q 世界最大の機関投資家「GPIF」が株価に与える
影響は?
 A あります。しかしなるべく市場に影響を与えな
いようにしています

7 国家vsグローバル企業
 
 Q 暗号資産って何?
 A 2種類あって、ドルなどの裏付けのある安全な
ものもあります

 Q メタの「リブラ」構想はなぜつぶされたのか?
 A 通貨発行権の侵害という国家の逆鱗にふれたか
らです

8 通貨覇権とウォール街vsシティ

 Q そもそも「基軸通貨」って何?
 A 世界中で使うことができる国際通貨で、戦後は
「米ドル」です
 
 Q ドルが基軸通貨となった「ブレトンウッズ体制」
とは?
 A 米ドルだけが金と交換できる「擬似的金本位制
=ドル本位制」です

 Q なぜドルは暴落しないのか?
 A ドル支配体制は世界諸国にとってもメリットが
あるからです

 Q ウォール街とシティは対立しているの?
 A 対立も協調も、ウォール街を凌駕する取引も少
なくありません
 

9 金融危機のメカニズム

 Q 銀行が潰れるときはどんなとき?
 A 債務超過ではなく”取り付け騒ぎ”です

 Q 投資信託とヘッジファンドの違いは?
 A 投資信託は初心者向け、ヘッジファンドは富裕
層向けです

 Q そもそもお金って何?
 A 国家の「信用=国力」で成り立っている”共同
幻想”です

 Q 金融危機はなぜ起きるのか?
 A 「フェイクマネー」が膨張し、信用バブルが崩
壊するからです

 Q バブルを膨張させた資産の「証券化」とは?
 A メリットも大きいが、複雑化するにつれ危機の
元凶になりました

10 強欲資本主義の崩壊

 Q 「金融資本主義」の問題とは?
 A 「強欲資本主義」とも批判され、超格差社会を
生み出しました

 Q どうしてグローバル金融機関はそんなに貪欲な
のか?
 A 富の収奪を目的とする”植民地会社”がその正
体だからです

11 バブル崩壊後の行方

 Q なぜバブルは弾ける?
 A 膨れ上がった資産価格が臨界点となる「ミンス
キーモーメント」を迎えるからです

 Q 不動産バブル崩壊が終わるとどうなる?
 A 不動産価格が適正化され新たな買い手が生まれ
ます

12 利上げ、リスクの構造

 Q なぜFRBは”利上げ”をするのか? そのリス
クは?
 A コロナ禍の世界異次元的緩和によるインフレの
後始末をするためです

 Q 利上げに対する各国の対応は?
 A 新興国のデフォルトに備え新興国が協調して通
貨の安全保障体制を整えています
 Q 世界の金融商品リスクは?
 A 「資産担保証券(ABS)」やデリバティブを利
用した仕組債などです

13 金融制裁の威力

 Q ドル支配体制の金融制裁を教えて?
 A IEEPA法やその対象となった人が載るSDNリスト
など様々なリストがあり、取引が禁止されます

 Q シティの金融制裁は?
 A 保険・再保険市場から排除され航空も航海も完
全麻痺です

 Q 金を大量に購入すればドル支配から脱せられる
のでは?
 A 不可能です。金本位制は過去の遺物に過ぎません

14 日本経済のリスクとチャンス

 Q 日本はインフレ?
 A コストプッシュインフレです。デフレから脱却
するカギは賃金とエネルギー

 Q コロナ後の財テクは?
 A 安いときに買って高く売るのが財テク。バブル
期には手を出さないほうがいいでしょう


おわりにーお金を学ぶということ

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いかがでしょうか?

あなたが知りたいことのひとつは、ここにあったは
ずです。



今回オススメしたいなと思ったのは、本文にあった
「ある言葉」に強く感じるところがあったからです。

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お金を学ぶということ

「経済」の語源は「経世済民」世よを経(をさめ)、
民たみを済(すくふ)が語源であり、政治と経済は
表裏一体の関係にあります。本書で解説しているお
金はそれを操る道具であり、これを制したものが勝
者となります。現在、世界は大きな変動期にありま
すが、そこには普遍的なものがあり、その最たるも
のが金といえるのかもしれません。世界最古の職業
の一つが金貸しであり、現代の金融であるといえる
のです。お金を学ぶことは歴史を学ぶことであり、
政治を学ぶことといえるのでしょう。
(本文より)

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「お金はそれ(経済)を操る道具」

という言葉です。

お金そのものの原理原則を学ぶことなしに経済を全
うすることはできないはずです。そんな当たり前の
ことをきちんと伝えてくれている姿勢が非常にオス
スメしたいと思うポイントになりました。

ここを見落として、道具に過ぎないお金に振り回さ
れている人が多すぎます。お金との適切な距離感を
保ち得ず、結果すべてを瓦解させてしまう理由はこ
こにある気がしてなりません。

軍事や国防安保の基盤は国家の経済力です。
経済小国は必然、軍事小国・安保小国・国防小国と
なり、
自立自尊の独立国家を維持運営することはできませ
ん。

またいまでは、金融戦、経済戦という戦争もメジャ
ーになってきています。

経済を動かす道具である「カネ」への妥当な理解と
洞察なしに、軍事・国防・安保を考えることは不可
能ということです。

いまゼヒ読んでほしい一冊です。
オススメします


『世界と人間を操る お金の学校』
渡邉哲也(著)
発売日:2023/9/19
単行本(ソフトカバー):240ページ
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エンリケ


追伸

お金に関する話をオープンにできないのは、お金と
冷徹に向き合えない=感情的にお金に振り回されて
いる姿勢の顕れです。

この機会にこの本を読み、少しでもお金の原理原
則を頭に叩き込んでください。

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