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おはようございます、エンリケです。
きょうは、陸軍の石原莞爾中将、海軍の高木惣吉少将
に関する作品をご案内します。
石原莞爾と言えば
・「天才」の名を欲しいままにした
・満洲国設立の中心人物
・敗戦時の裁判での態度が有名
・東條英機と犬猿の仲
という印象です。
石原莞爾
山形県出身。明治22年1月18日〜昭和24年8月15日。
大正7年陸大卒業。陸大教官となりドイツに出張。
戦史研究を行う。
昭和3年(1928)、関東軍参謀。同6年満洲事変を実行
し、翌年の満洲国設立に至る事態を主導する。
同10年参謀本部作戦課長。11年、戦争指導課長とし
て、世界最終戦論に基づく軍事政策を立案する。
12年に作戦部長に就任も支那事変拡大に反対し東條
英機と対立し関東軍参謀副長に転出。14年陸軍中将・
第16師団長を最後に16年予備役編入。このあたりか
ら東亜聯盟運動に力を注ぐ。
『石原莞爾 満州ふたたび』
早瀬利之 著
出版年月日:2019/10/18
判型・ページ数 :四六版・320ページ
発行:芙蓉書房出版
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◆目次
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第1章 満州丸
第2章 刺 客
第3章 満州協和会
第4章 前線基地へ
第5章 綏芬河
第6章 満州里へ
第7章 軍略会議
第8章 哈爾濱の春
第9章 日産、満州の宴
第10章 黄砂吹き荒れる
第11章 満州建国大学
第12章 東條の陰謀
第13章 最後の講演
第14章 星降る街に
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「石原莞爾 満州ふたたび」は、早瀬利之氏による
石原莞爾の伝記です。満洲国の再建に孤軍奮闘する
石原莞爾の苦悩と葛藤を描いたノンフィクションで
す。
支那事変の発端となった第二次上海事変(昭和12年
8月)で作戦失敗の責任を負い参謀本部作戦部長を辞
任した石原莞爾は、関東軍に左遷され、東條英機参
謀長の下で参謀副長となりました。
この人事は、実は石原本人の希望だったそうです。
東條と甘粕正彦によって植民地化されていた満洲国を、
“五族協和”“王道楽土”の独立国に戻すことが目
的だったとか。
ところがこの人事は、犬猿の仲といわれた東條との
確執をより激しくしただけに終わり、夢破れた石原
は昭和13年8月参謀副長を辞めて帰国の途に就きます。
本著は主に、この関東軍参謀副長時代の1年間の石
原の動きを克明に追い、彼と彼を取り巻く人々との
熱い交流を描くものとなっています。
石原莞爾は元陸軍中将。満洲国の建国に関与した
というよりはその立役者として知られます。
総じて、「石原莞爾 満洲ふたたび」は、石原莞爾
と満州国の歴史に興味ある方には、非常に興味深
い内容となっています。
『石原莞爾 満州ふたたび』
早瀬利之 著
出版年月日:2019/10/18
判型・ページ数 :四六版・320ページ
発行:芙蓉書房出版
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つぎは高木さんです。
『終戦の軍師 高木惣吉海軍少将伝』
工藤 美知尋 著
出版年月日:2021/04/22
判型・ページ数:四六版304ページ
発行:芙蓉書房出版
https://amzn.to/3sMevMY
高木惣吉(たかぎ・そうきち)
海軍少将・軍事評論家。
明治26(1893)年11月10日熊本県人吉市出身。大正4
年12月海軍兵学校(第43期)卒、昭和2年海軍大学校卒。
昭和5年、財部海相秘書官、この間、ロンドン会議
後の海軍、政界の経験をするも結核のため1年療養。
12年臨時調査課長。14年海大教官。15年調査課長。
17年舞鶴鎮守府参謀長。19年海軍省教育局長などを
歴任。
同年9月海軍省出仕となり、米内光政、井上成美ら
の内意を受けて終戦工作に動き、近衛文麿、細川護
貞らと連絡、東条内閣の打倒に尽力。東条暗殺計画
にも関係した。
昭和18年海軍少将。20年9月東久邇内閣の内閣副書
記官長。戦後は著述活動に従事。昭和54(1979)年7
月27日逝去。
著書に「太平洋海戦史」「私観太平洋戦争」「自伝
的日本海軍始末記」「高木惣吉日記」などがある。
海軍省調査課長として海軍政策立案に奔走し、 東条
内閣打倒工作、東条英機暗殺計画、終戦工作に身を
挺したといわれる高木惣吉少将。
地味な経歴のわりに不釣り合いな名声を得ている感
を持つこの人物についての評伝、ということで興味
を惹かれました。
中身はこんな感じです。
◆目次
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プロローグ 高木惣吉の人物像——七十七忌法要で
語られた素顔
「今の日本が平和なのは高木さんの終戦工作のおか
げ」—森元治郎氏
「”京都学派”は高木人脈」—鈴木成高氏
「死の休息」—石田百合子さん
「高木さんの存在は日本海軍の神経中枢だった」—
扇一登氏
「戦前、戦後、外務省の仕事に協力してくれた人」
—宮崎勇氏
「京都学派は高木さんの戦略と戦術の網にかかった」
—高山岩男氏
内田一臣、中村悌次、二人の元海幕長のスピーチ
「何事にも必死な高木さんは偉大な師」—新名丈夫氏
第一部 高木惣吉の原点と海軍人生
貧窮の家庭に生まれる/海軍兵学校、海軍大学校と
エリートコースに乗る/フランス駐在、妻静江への
想いを手紙に託す/第一次世界大戦後の情勢/海軍
省に戻り、大臣秘書官に/結核による長期療養後、
海軍大学校教官として復帰/海軍良識派提督の更迭/
二・二六事件の発生/軍務局員と海大教官を兼任
第二部 海軍省調査課長時代
初代海軍省調査課長に就任/防共協定強化問題と高
木惣吉/日独伊三国同盟の成立/ブレーン・トラス
トと高木惣吉/「日米了解案」と高木惣吉/難航す
る日米交渉/東条内閣の出現と日米開戦
第三部 東条内閣打倒工作と高木惣吉
舞鶴鎮守府参謀長時代/憲兵による「京都学派」に
対する弾圧/松前重義と海軍省調査課/高松宮と細
川護貞/高木、東条・嶋田の戦争指導体制に絶望/
高松宮、東条独裁体制の崩壊を図る/高木、岡田啓
介元首相に伏見宮工作を依頼/高木、嶋田海相更迭
工作に着手/東条・嶋田の総長兼任に海軍内でも怒
り沸騰/東条暗殺に突き進む高木惣吉/高木、東条
暗殺を決意!/高木・岡田に東条暗殺を表明/「聖
断」による終戦構想の萌芽/岡田・東条の対決/最
後の手段は暗殺!
第四部 終戦工作に奔走する高木惣吉
高木に終戦工作の密命下る/小磯内閣の命脈尽きる/
各方面で胎動する終戦への模索/対ソ交渉案/八
月九日午前零時、ソ連軍侵攻/無条件降伏か、条件
付き降伏か/歴史的な深夜の御前会議/阿南陸相、
ポツダム宣言に断固反対/再び「聖断」下る
エピローグ 脳裏に浮かぶ四人の顔
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「終戦の軍師 高木惣吉海軍少将伝」は、工藤美知
尋氏による高木惣吉海軍少将の伝記です。高木少将
は、太平洋戦争末期の終戦直前に、連合国側との交
渉にあたった人物として知られています。
本書は、高木惣吉海軍少将の生涯と、彼が終戦交渉
を行った経緯を詳しく描き出しています。特に、高
木少将が帝国海軍内部でどのような立場にあったか
については、非常に興味深く描かれています。
また、終戦交渉において、高木少将がどのように交
渉を進めたのか、どのような苦慮や思いがあったの
かについても、詳細に解説されています。
著者の並々ならぬ思い入れを強く感じる熱さを感じ
る一冊です。
さらに、本書では高木少将の人柄や、彼が信仰した
神道についても触れられており、少将の人間性につ
いても深く理解できる内容となっています。
総じて、「終戦の軍師 高木惣吉海軍少将伝」は、
高木惣吉や終戦交渉に興味がある方には、非常に興
味深い内容となっています。また、帝国海軍の終戦
に関する歴史を学ぶ上でも、重要な一冊と言えるで
しょう。
本著によると、高木さんは
熊本県人吉の貧しい家庭に生まれ、苦学の末海軍大
学校を首席で卒業した帝国海軍エリートでしたが、
健康上の理由(結核)から軍政畑が長く、海軍省調
査課長として海軍政策の立案に深く関与したらしい
です。
結構知られているのが、米内・井上から秘密裏に命
じられた終戦工作にかかわったとされることで、政
財界、官界の情報収集、分析に才を発揮したと言わ
れます。
終戦直前には、東条英機暗殺計画の立案もしていた
そうです。
注目すべきは
安倍能成、和辻哲郎、矢部貞治ら民間の知識人を糾
合して結成された「ブレーン・トラスト」の発案者
であり、西田幾多郎らの“京都学派”の学者と太い
パイプを持っていた、という点です。
今回ご紹介したのは、
『石原莞爾 満州ふたたび』
早瀬利之 著
出版年月日:2019/10/18
判型・ページ数 :四六版・320ページ
発行:芙蓉書房出版
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『終戦の軍師 高木惣吉海軍少将伝』
工藤 美知尋 著
出版年月日:2021/04/22
判型・ページ数:四六版304ページ
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でした。
エンリケ
追伸
「国家エリートの仕事」は結果評価です。
こういう大前提をもったうえで過去の人
のはなしに接することが重要と感じます。
『石原莞爾 満州ふたたび』
早瀬利之 著
出版年月日:2019/10/18
判型・ページ数 :四六版・320ページ
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出版年月日:2021/04/22
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