配信日時 2023/09/15 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話:世界の秘密兵器編】戦車の時代は続く──T-14アルマーター(2)   加藤喬(元米陸軍大尉)

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今回は、
WW2でドイツ国防軍が使用。WW2で最も知られた兵器
の1つであり、生産停止後も独自の存在感を発揮し
続けた伝説の名銃・MP38&MP40サブマシンガンです。

『MP38&MP40サブマシンガン』
アルハンドロ・デ・ケサダ (著), 床井 雅美 (監修),
 加藤喬 (翻訳)
2022/5/12 発行
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※武器オンチのあなたやわたしに特におススメ


こんばんは!エンリケです。

環境問題に関する考えが、加藤さんと宗像さん
は一致していますね。

ウクライナ戦争についても「プーチンを追い詰め
るな。核使用の敷居を下げてはならない」との
指摘でも一致してます。

その昔イラク戦争開戦時、「イラク攻撃は良く
ない。今後の世界に禍根を残す」との考えが日
米の軍人から同時期に出ていたことを思い出し
ます。

日米の軍人の考えが一致するとき、そこには真
実が潜んでいる。敬愛する先輩の教えです。
活きた知恵です。ご参考まで

では今日の記事をさっそくどうぞ。


エンリケ

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加藤大尉の軍隊式英会話:世界の秘密兵器編   
  Takashi Kato

戦車の時代は続く──T-14アルマーター(2)


加藤喬(元米陸軍大尉)

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□真実が見えない環境問題──「亡国の政治家」バ
イデン

 「人類は生存の危機に瀕している」。8月9日、バ
イデン大統領はそう述べ、「事実上、気候に関する
国家非常事態を宣言」しました。正直なところ、こ
の発言にはかなり違和感を覚えます。産業革命以来
このかた、人為的温室効果ガスの排出で地球規模の
気候変動が本当に進行中なら、世界のどこに住んで
いてもその影響を逃れることはできないはず。


ところが、日米首脳や国連事務総長、そして主要マ
スコミがことあるごとに打ち鳴らす警鐘とは裏腹に、
洪水、干ばつ、熱波、山火事、巨大暴風雨の急増が
個人の皮膚感覚として感じられないからです。この
奇妙は齟齬(そご)から「気候危機は本当なのか?」
そして「2週間先の天気予報的中確率が50%にも達
しないなか、数十年先の壊滅的気候変動がどうして
予測できるのか?」との素朴な疑問が湧いてきます。


 多くの人々が感じているであろう自然な問いかけ
ですが、なぜか真摯で説得力のある答えは見当たり
ません。気候変動の真偽を問う者に「地球温暖化否
定論者」のレッテルを貼って沈黙させる昨今の世相
に、答えるべき立場にあり知識を持つ人たちがしり
込みしているのかも知れません。


 とは言え、このネット時代、素人でも単純な統計
やグラフを探し出すことはできます。日本気象庁の
データをもとにした台風の発生件数(1953年から20
21年)グラフを見ると、この半世紀台風の発生数は
ほぼ横ばいで目立った増加傾向はないことが分かり
ます。同様に、米国環境保護庁がまとめた19世紀後
半から現在までの熱波発生指数グラフは、過激な熱
波は1930年代に一時的ピークを迎えた後、微増減を
繰り返し現在に至っていることを示しています。言
い換えれば、人類が気候危機に瀕しているか否かの
判断は「取捨選択するデータによって左右され、バ
イデン氏が主張するような絶対的なものではない」
のです。


 1970年代、「人口爆発や環境汚染がこのまま続け
ば、地球上の成長は100年以内に限界に達する」とし
た民間シンクタンク「ローマクラブ」の『成長の限
界』は日本でも大ベストセラーになり、人類滅亡を
憂いて見せるのがインテリの証しであるかの風潮を
生み出しました。わたしもその尻馬に乗ったのを覚
えています。同時期「大気上層に蓄積された環境汚
染物質によって太陽光が阻害され、21世紀には新た
な氷河期がやって来る」と予測した気象学者もいた
そうです。


1980年代には、国連環境プログラムの責任者が「こ
のままでいけば、人類は2000年までに核戦争と同等
の壊滅的環境破壊を目撃することになろう」と述べ
ています。2000年代になると、今度は米航空宇宙局
の気候変動専門家が「5年から10年のうちに、夏季、
北極圏の氷は完全に消失する」と発表しています。
 
いずれの予見も的中しませんでした。旧知の地球物
理学者によると「長期的気候をシミュレーションす
るコンピューター・モデルは過去の気象観測データ
を入力し、既知の法則に基づいて将来の気象現象を
再現するものだが、膨大な変数すべてを処理するこ
とは最新のスパコンでも不可能なので、どのデータ
を使うかの判断は研究者任せになる」とのこと。
 
そう言われて調べてみると、たとえば「積雲が反射
する可視光線の量は気温の変動に大きな影響を及ぼ
すが、その詳細なデータがないため過小評価される
傾向がある」そうです。つまり、温暖化の度合いが
誇張されやすいということになります。


 わたしは科学の門外漢ですが、このようなデータ
の選択過程で研究者の「主観」なり「既定の結論」
が入り込む余地があることは想像できます。気候モ
デルの予測が観測値や現実と一致しない理由はこの
辺にあるのかも知れません。


 ちなみにこの旧知はまた「人間を含む生物の体を
構成し、生態系循環に不可欠な二酸化炭素(CO2)を
悪玉扱いし、地中に封じ込めるCO2貯留は似非科学だ
として批判しており、地球温暖化がひっ迫した脅威
であるとの意見にも懐疑的です。友人へのひいき目
を差し引いても、なかなか肝の据わった学者だと感
心しました。


 以上のような異論・異説に対し、「圧倒的大多数
の気象学者は地球温暖化と気候変動が人為的なもの
であることに同意している」とか「99.9パーセント
の審査済み科学論文は気候変動が人間によるもので
ある点で一致している」と反論する向きがあります。
いずれもNASA、国連、学界、名門大学などの権威を
後ろ盾としています。しかしながら、「科学」が
「意見の一致」の産物でないことは素人でも知って
います。ある科学的理論が正しいとされるのは、そ
の予測が観測と一致した時のみだからです。我々が
今ここにこうして生きている事実が、これまでの気
候モデルが誤りであったことを何より如実に立証し
ていると言えましょう。


 地球温暖化を既成事実とする世論を盾に、バイデ
ン政権は「2050年までのカーボンニュートラル社会
実現」を目指しています。しかし、この見切り発車
が誤った気候モデルに基づいているとしたら、一般
市民の生活にどのような影響が出るのでしょうか?
 
天気任せ・風任せの再生可能エネルギーは効率が悪
いうえ供給が不安定です。したがって、あらゆる電
力需要を太陽光、風力、潮力発電のみで賄おうとす
ると極めて高くつきます。米市民一人当たり年間16
0万円以上の追加負担になるとの試算がありますが、
これが実際に庶民の懐を直撃するとなれば「CO2ネッ
トゼロ」を謳う政治家は全員落選確実。


 したがって、あと20数年でカーボンニュートラル
社会が実現する可能性はほぼありませんが、それで
もアメリカの石油関連産業や自動車、航空機製造業
界が被る損失は甚大で米経済失速につながりかねま
せん。この間も、中国やインド、アフリカ諸国は化
石燃料を燃やし続け、従来通りの経済活動を続けら
れるのですから米覇権が揺らぐ可能性すら否定でき
ません。


 事程左様に、バイデン大統領には将来ビジョンが
欠けています。気候危機による人類滅亡を憂うかの
言動もポーズに過ぎません。なぜなら、氏はウクラ
イナ戦争終結を目指すどころか対露強硬路線を突き
進み、核のチキンゲームを続けているからです。バ
イデン政権にこれ以上アメリカの舵取りを任せるこ
とこそ、人類滅亡につながりかねない「亡国の政治」
だと言えましょう。


環境問題には科学的知見と各国・企業の思惑が複雑
に交差しており、容易に真実が見えてきません。に
もかかわらず、アメリカは怪しげなカーボンニュー
トラル社会に向け猪突猛進しています。その旗振り
役であるバイデン氏が再選に意欲を見せる大統領選、
読者諸氏はどうご覧になっているのでしょうか?

 
▼戦車の時代は続く──T-14アルマーター(2)

兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるため
には相手より優れた武器を持たねばなりません。兵
器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく続
いているのはこのためです。よく指摘される武器の
効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を抜
かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝ち」
の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な破壊
力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手放せ
ない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏面が
「抑止力」なのです。
加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞれ
の武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を考
えていくことにします。

 「戦車の時代は続く」シリーズ、T-14アルマータ
戦車の2回目はエンジンを取り上げます。

 T-14は従来型のディーゼル・エンジンを搭載して
います。1500馬力を発揮し、航続距離は500キロ以上。
地形にもよりますが、速度は毎時80から90キロとさ
れています。これらの機動性能諸元は、現在最強と
目されるM1エイブラムスと比べても遜色ありません。

 同エンジンはX型の構造で、これまでのV型より小
型軽量です。1970年代から開発が進められてきたと
言いますから、構造上の不具合はすでに大方解消さ
れているものと考えられます。

 ウクライナ戦争で再認識されたのが戦車と行動を
共にする歩兵の重要性。歩兵の援護なしで幹線道路
を縦列移動したり、単独で市街地に入り込んだりし
たロシア軍の戦車が対戦車ミサイルで次々撃破され
る様子は記憶に新しいところです。

 塹壕や物陰に潜んで待ち構える敵歩兵をいち早く
発見、排除できるのは戦車と共に進撃する歩兵に他
なりません。戦車のすぐ後ろに張り付いて周囲を警
戒する歩兵は「戦車の目」ともいえる存在なのです。

 ところが、ガスタービン・エンジンで駆動するM1
エイブラムスは高温の排気ガスを後部から噴き出す
ため、歩兵が近寄れない欠点があります。この点で
は、T-14に通常のディーゼル・エンジンを選んだの
は賢明な判断だったと思います。

教材ビデオ:
 (21) T-14 Armata - Russia's Latest Tank - YouTube
https://onl.bz/8fUPPie
(本エピソードは2:24から始まります)
 
 
基本語彙(カタカナ表記は大雑把なものです)
Power(パワー)動力を供給する
Turbocharged(ターボチャージド)ターボチャージ
ャー付きの
capable of (ケイパブル オブ)の能力がある

シナリオ(カウンターを2:24に合わせてくださ
い)

Talking about the T-14’s engine, the tank is
powered by an A-85-3 turbocharged diesel engin
e capable of 1500 horsepower coupled with a 12
-speed automatic transmission.

(T-14のエンジンに関して言うと、同戦車は12速オ
ートマチック・トランスミッション付きA-85-3ディ
ーゼル・エンジンを装備しており、1500馬力を発揮
する)

(今回のビデオは3:50まで続きます)

英語一言アドバイス:
 dieselはわたしが子供のころ「ジーゼル」とカタカ
ナ表記されていました。(たとえば小型発動機メー
カーの草分けだったヤンマー・ジーゼル)しかし昨
今では、自動車整備関連の雑誌や国家試験を除くと
「ディーゼル」になっているそうです。

発音サイト:diesel の発音 diesel pronunciation - Google Search
https://onl.bz/QuPvhgs

参考サイト:T-14アルマータ戦車 T-14 (戦車) - Wikipedia
https://onl.bz/jNGuzBD

アルマータ・プラットフォーム アルマータ - Wikipedia
https://onl.bz/HTNP6YD


加藤 喬(かとう・たかし)

元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に
参加。米国防総省外国語学校日本語学部准教授(20
14年7月退官)。著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞
作の『LT—ある“日本製”米軍将校の青春』(TB
Sブリタニカ)、『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブー
トキャンプ』『レックス 戦場をかける犬』『チュー
ズデーに逢うまで』『アメリカンポリス400の真
実!』『ガントリビア99の謎』『M16ライフル』
『AK-47ライフル』『MP5サブマシンガン』『ミ
ニミ軽機関銃』『MP38&MP40サブマシンガ
ン』(いずれも並木書房)がある。



(かとう・たかし)


●著者略歴

加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT─あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK─47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『MP38/40
サブマシンガン』(いずれも並木書房)がある。


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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm

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『レックス 戦場をかける犬』の書評です
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オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share



きょうの記事への感想はこちらから
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ブックレビューの投稿はこちらから
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。

 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。

 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。 
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac" 
と表現します。

 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。

加藤 喬
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