配信日時 2023/08/30 09:00

【陸軍砲兵史-明治建軍から自衛隊砲兵まで(25)】 日清戦争・砲兵の戦い(1)   荒木 肇

-------------------------------------------
今後の配信が不要の場合は
下記より解除して頂けます
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
-------------------------------------------
--------------------
「青天を衝け」渋沢栄一は何をしたのか?
↓  ↓  ↓  ↓  ↓
http://okigunnji.com/url/187/

---------------------------

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

もし、1冊10分で
本を読めるようになったら…

あなたのビジネス・人生は
どう変わるでしょう?

想像してください…

読みたい本を
全て読破した、
自分の姿を…

1冊10分のスピードを
手に入れる1流の読書法

をこちらからご覧ください。
↓↓
http://okigunnji.com/url/185/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



--------------------------
荒木さんの最新刊

知られざる重要組織「自衛隊警務隊」にスポットを
当て、警務隊とは何か?の問いに応えるとともに、
警務隊で修練されている「逮捕術」を初めて明らか
にしたこの本は、小平学校の全面協力を受けて作ら
れました。

そのため、最高水準の逮捕術の技の連続写真が実に
多く載っています。それだけでなく、技のすべてを
QRコードを通して実際の動画をスマホで確認できる
のです!

自衛隊関係者、自衛隊ファン、憲兵ファンはもちろん、
武術家、武道家、武術ファンにも目を通してほしい
本です。

『自衛隊警務隊逮捕術』
 荒木肇(著)
 https://amzn.to/34szs2W
-----------------------------------------

おはようございます。エンリケです。

「陸軍砲兵史」
の第25回目です。

きょうも面白い内容です。

さっそくご覧ください


エンリケ


メルマガバックナンバー
https://heitansen.okigunnji.com/

ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
https://okigunnji.com/url/7/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

陸軍砲兵史-明治建軍から自衛隊砲兵まで(25)

日清戦争・砲兵の戦い(1)


荒木 肇

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□はじめに

 今年はとにかく猛暑です。しかも台風の影響、線
状降水帯といった自然災害がありました。各地で大
雨を降らせ、あるいはゲリラ雷雨といわれるような
豪雨があります。それなのに、わたしの知る限り新
潟県は水不足のようでした。コメどころである新潟
県、魚沼郡などは田んぼに水がありません。いわゆ
る旱魃(かんばつ)、干害といわれる状態であるよ
うです。心も痛みますし、気候全体がどこかおかし
いような気がします。

 また、いわゆる原発処理水を「核汚染水」と言い
換えて、わが国をおとしめようとする国々がありま
す。自分たちはわが国のそれよりも、はるかに高い
濃度の処理水を海中に放水しているのに、それをす
っかり頬かむりして非難しています。マスコミのい
い加減さはどこの国も同じだということがよく理解
できます。

 韓国の知人に聞いたら、自国の処理水のことなど
ほとんど知らない、韓国マスコミが報道するように
ニッポンは恥を知らない国だ、人類全体の敵だとい
うように信じていました。中国では塩が買い占め騒
ぎになったといいます。自国の塩の生産割合、どれ
ほどが海水から精製されているかも知らない人がほ
とんどです。

それこそが国家が生み出した国民のレベルと言える
のでしょう。わが国では、将来の見通し、具体的な
計画も言わないでひたすら原発反対をいう人もいま
す。中にはマスコミ報道によれば、漁民の心を知れ、
処理水の放流はやめろとデモをする市民もいるそう
です。それでも身の危険を感じなくて済む・・・ま
さに民主国家ですね。


▼砲兵隊奮戦

 日清戦争の推移や戦闘の様子は専門書を読んでい
ただき、わたしは戦闘ごとに使われた弾種や砲数、
それに小銃弾をまとめてみます。資料によっては明
らかではないものがありますが、戦闘の様子の一部
でも想像できないかと思っています。


 1894(明治27)年7月28日、大島旅団長
は「成歓」に清国軍主力がいると判断しました。2
9日の払暁前に作戦を開始することにします。


軍隊区分は、右翼隊歩兵第21聯隊の一部を主力に、
工兵1個中隊、騎兵5騎、左翼隊は歩兵第11聯隊
を主力に騎兵5騎を、砲兵団として砲兵第5聯隊1
個大隊と歩兵1個中隊、予備隊は歩兵1個大隊の半
数、独立騎兵は1個中隊というものです。

8月3日には清国軍は潰走し、大島旅団は成歓を確
保します。戦闘に参加した旅団の歩兵兵力は4個大
隊(約3000)、騎兵(47騎)、砲兵(8門)、
工兵各1個中隊です。死傷数は将校以下82名、清
軍の死傷は500ほどと推計されています。消費し
た砲弾は榴弾・榴霰弾合わせて254発(1門あた
り30発ほど)、小銃弾は6万7801発でした。

この成歓の戦闘が日清両軍の初めての衝突になりま
した。陸戦との関係では意外と知られていないのが、
7月25日に起きた「高陞号(こうしょうごう)撃
沈事件」です。高陞の船籍は英国でした。清国政府
にチャーターされ、大沽で陸兵・兵器・弾薬を積み
成歓に近い牙山に運航中だったのです。

護衛の軍艦には見放されて、わが浪速(なにわ・艦
長東郷平八郎大佐)に追跡され、降服を勧告されま
したが乗船する清国兵はこれを拒否します。やむを
得ず、東郷大佐はこれを撃沈しました。約1000
名の陸兵、火砲13門が海の藻屑となります。もし、
この精鋭の陸兵1200と火砲が成歓の戦闘に加わ
っていたら、戦闘の帰趨がどうなっていたかは分か
らないという意見もあります。

▼平壌に集中する清国軍

 清国北洋大臣李鴻章(り・こうしょう)は7月中
旬に作戦計画を立てました。直隷と満洲から平壌付
近に集中する兵力は総員1万5400、山砲28門、
野砲4門、機関砲6門でした。

 9月15日から始まったのが平壌総攻撃です。こ
こでは囲壁の頑丈さに困りました。砲兵は榴弾射撃
を行ないますが、あまり効果があがりません。小銃
の射撃戦が多かったことが分かります。

 わが兵力の合計は人員約1万2000、山砲44
門でした。わが死者は180名、負傷者506名、
生死不明12名、消費した弾薬は榴弾680発、榴
霰弾2128発、霰弾16発、小銃弾は28万48
69発と記録されています。清国軍の戦死者は約2
000名、捕虜は負傷者127名を含めて約600
名でした。榴弾は城壁を射撃したものでしょう。ま
た、霰弾は近距離の歩兵に撃ったものでしょうか。

▼要害九連城

 第1軍(軍司令官山縣有朋)は第3師団長(桂太
郎中将)に鴨緑江の渡河などを命じます。10月2
4日午前11時10分には歩兵中隊が川に入りまし
た。深さは腰のあたり、流れも急であり、3人1組
で肩を寄せ、手を組んで渡ったと記録があります。
11時30分頃、清軍から猛射を浴びますが、掩護
の砲兵小隊はただちに反撃し、この敵を追い払いま
した。

 九連城を守備する清国軍は1万9750名と砲が
81門という有力な敵でした。これに対してわが軍
は歩兵1万3000名、騎兵350騎、砲78門と
いう兵力で立ち向かいました。わが死者は34名、
負傷者115名、榴霰弾も含めて493発(榴弾は
不明)、小銃弾が9万5730発でした。

▼第2軍の戦い

 9月25日、大本営は第2軍司令官に大山巌大将
を任じ、戦闘序列を下します。戦闘序列というのは、
戦時に勅命によって決められる作戦軍の編組(へん
そ)です。複数の軍隊を組み合わせるもののうち軍
令で定めたものが編組になります。その一時的なも
のが軍隊区分といい指揮関係はありますが隷属する
関係はありません。


これに対して戦闘序列は隷属関係ができました。大
山大将には2人の師団長、1人の混成旅団長以下の
指揮監督権が与えられたことになります。第2軍は
第1師団(山地元治中将)、第2師団(佐久間左馬
太中将)、混成第12旅団(長谷川好道少将)を隷
下としました。野戦砲兵2個聯隊、野戦砲兵第6聯
隊の1個大隊が砲兵戦力です。また、臨時徒歩砲兵
聯隊が置かれました。

 「徒歩砲兵」の意味は、その編制の中に砲を牽引
する輓馬がないことです。第1大隊は12珊加農と
9珊同、15珊臼砲で編成され、第2大隊は9珊加
農、15珊臼砲、9珊同を装備しました。馬がいな
いので移動には鉄道や軍夫の力に頼りました。


▼金州城の攻略

 金州城には高い城壁がありました。高さ6メート
ルで、上部の幅は4メートル、それが東西600メ
ートル、南北760メートルの長方形になっていま
す。4つの面の中央には城門がありました。外濠も
あって、壁から約10メートルの位置でした。ただ
し水深は浅く、歩兵が渡ることができました。清軍
は城壁上に十数門の砲を置いています。

 11月5日午後9時のことでした。山地第1師団
長は命令を下します。師団は翌日、前面の敵を攻撃
することです。隷下の歩兵第1旅団長は乃木希典少
将でした。歩兵第2旅団長は西寛二郎少将、歩兵第
2聯隊、歩兵第3聯隊が指揮されました。


 続いて旅順の攻撃がされますが、次回はその様子
をまとめてみます。 


(つづく)


(あらき・はじめ)


☆バックナンバー
 ⇒ https://heitansen.okigunnji.com/

荒木さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。

https://okigunnji.com/url/7/


●著者略歴

荒木  肇(あらき・はじめ)
1951年東京生まれ。横浜国立大学教育学部卒業、
同大学院修士課程修了。専攻は日本近代教育史。
日露戦後の社会と教育改革、大正期の学校教育と陸
海軍教育、主に陸軍と学校、社会との関係の研究を
行なう。
横浜市の小学校で勤務するかたわら、横浜市情報処
理教育センター研究員、同小学校理科研究会役員、
同研修センター委嘱役員等を歴任。1993年退職。
生涯学習研究センター常任理事、聖ヶ丘教育福祉専
門学校講師(教育原理)などをつとめる。1999年4月
から川崎市立学校に勤務。2000年から横浜市主任児
童委員にも委嘱される。2001年には陸上幕僚長感謝
状を受ける。
年間を通して、自衛隊部隊、機関、学校などで講演、
講話を行なっている。

著書に『教育改革Q&A(共著)』(パテント社)、
『静かに語れ歴史教育』『日本人はどのようにして
軍隊をつくったのか─安全保障と技術の近代史』
(出窓社)、『現代(いま)がわかる-学習版現代
用語の基礎知識(共著)』(自由国民社)、『自衛
隊という学校』『続自衛隊という学校』『子どもに
嫌われる先生』『指揮官は語る』『自衛隊就職ガイ
ド』『学校で教えない自衛隊』『学校で教えない日
本陸軍と自衛隊』『あなたの習った日本史はもう古
い!─昭和と平成の教科書読み比べ』『東日本大震
災と自衛隊─自衛隊は、なぜ頑張れたか?』『脚気
と軍隊─陸海軍医団の対立』『日本軍はこんな兵器
で戦った─国産小火器の開発と用兵思想』『自衛隊
警務隊逮捕術』(並木書房)がある。


『自衛隊の災害派遣、知られざる実態に迫る-訓練
された《兵隊》、お寒い自治体』 荒木肇
「中央公論」2020年3月号
 https://amzn.to/31jKcxe






--------------------
三井・三菱財閥をわずか一代で超えた男の経営學
↓↓
http://okigunnji.com/url/187/

--------------------

もし、1冊10分で
本を読めるようになったら…

あなたのビジネス・人生は
どう変わるでしょう?

想像してください…

読みたい本を
全て読破した、
自分の姿を…

1冊10分のスピードを
手に入れる1流の読書法

をこちらからご覧ください。
↓↓
http://okigunnji.com/url/185/

-------------------------------

PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個
人情報を伏せたうえで、メルマガ誌上及びメールマ
ガジン「軍事情報」が主催運営するインターネット
上のサービス(携帯サイトを含む)で紹介させて頂
くことがございます。あらかじめご了承ください。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、
心から感謝しています。ありがとうございました。

-----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)

メインサイト:
https://okigunnji.com/

問い合わせはこちら:
https://okigunnji.com/url/7/

メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に置
き換えてください)
------------------------------------------

購読解除はこちらで
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com


---------------------------

投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権は
メールマガジン「軍事情報」発行人に帰
属します。

Copyright(c) 2000-2023 Gunjijouhou.All rights reserved