配信日時 2023/08/14 20:00

【我が国の未来を見通す(79)】 『強靭な国家』を造る(16) 「強靭な国家」を目指して何をすべきか(その6)   宗像久男(元陸将)

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こんばんは、エンリケです。

79回目の配信は、
第4編「『強靭な国家』をつくる」の
16回目です。

こんかいは経済がテーマです。

次回以降も、必読テキストが続きます。


では今日の記事、さっそくどうぞ


エンリケ

追伸
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我が国の未来を見通す(79)

『強靭な国家』を造る(16)
「強靭な国家」を目指して何をすべきか(その6)


宗像久男(元陸将)

───────────────────────

□はじめに

 今回は、次のようなニュースを紹介することから
スタートしましょう。「ロシアは、欧米の制裁にも
かかわらず、2022年末時点の購買力平価ベース
で世界5大経済大国の一つであり、ヨーロッパ最大
の経済大国であることが、World Economicsの最新レ
ポートで明らかになった」というネットニュースが
8月5日、流れました。

これは、世界銀行やIMFの公式データによる推計
とみられ、第5位のロシアの「購買力平価GDP」
は5兆5100億ドルだったとしています。第1位
が中国で31兆5590億ドル。2位は米国の23
兆1490億ドル、3位がインドの15兆8750
億ドル、4位が日本で5兆6750億ドルだったよ
うです。

ここでいう「購買力平価」とは、「ある国の通貨建
て資金の購買力が、他の国でも等しい水準となるよ
うに為替レートが決定される」という考え方に基づ
く「為替レート決定メカニズムの仮説」の一つです。
「名目GDP」は第8位にランクされるロシアです
が、欧米諸国の経済制裁の中、ウクライナ戦争を遂
行中でありながら、依然、経済大国として成長し続
けているとされ、IMFのスタッフが「非常に積極
的な財政措置を採用することで、経済をかなり押し
上げている」と分析していることも報道されました。

これらが背景となって、ウクライナ戦争でロシアが
“強気”になっているのでしょうが、実質的な「購
買力」だけの比較で言えば、すでにダントツの中国
とロシアが同盟国になれば、西側諸国に拮抗するこ
とは間違いなく、その点も気になります。

▼「工業力」「貿易」が「国力」に及ぼす影響
 
さて、「国力」の大事な要素に「経済力」があるこ
とは言うまでもありません。一般に「経済力」の尺
度となっているのは「名目GDP」であり、我が国
は、2010年を境に世界第2位から第3位に転落
したことはすでに触れたとおりです。世界のGDP
に占めるシェアも1994年の約17.8%をピー
クに年々低下傾向にあり、2022年には約4%に
なっています。

私自身は経済の専門家でありませんので、「経済力」
について細部を語ることは難しいですが、「国力」
の観点からみた「経済力」のそれぞれの要素である
「工業力」「貿易」「財政」「通貨」「国際競争力」
などなどを個々の分析する前に、我が国の「経済力」
の様々なランキングについて、人口がピークであっ
た2010年と2022年を比較してチェックして
おきましょう(出典は、様々なデータを年ごとに整
理している「世界経済のネタ帳」です)。

・「1人あたり名目GDP」(USドル)    
   18位→30位
・「購買力平価GDP」(USドル)      
    4位→4位
・「1人当たり購買力平価GDP」(USドル)
   31位→38位
・「経済成長率」                 
  104位→168位
・「インフレ率」                   
   184位→185位

「1人あたり名目GDP」のランクキング低下の要因
には、少子高齢化の他に、低経済成長率、収入の少
ない非正規労働者の増加など、我が国の雇用環境ま
で含む複雑な要因が内在しているといわれます。

「購買力平価GDP」については冒頭で触れたとお
りですが、マクドナルドのビックマックの価格を比
較した購買力平価がよく使われます。日本円で39
0円の我が国は41位にランクされています。ちな
みに1位は925円のスイス、2位は864円のノ
ルウエーのようです。

「経済成長率」とか「インフレ率」は、説明するま
でもなく「失われた30年」を象徴するものですが、
まさか世界のほぼ最下位のレベルにあることは驚き
でした。

このような数字を並べてみると、改めて「GDP第
3位は奇跡」という認識を持たざるを得ないことが
わかりますが、問題は、「国力」の観点に立った
「経済力」が“今後どのように推移するか”にある
でしょう。GDPも経済成長率も「人口」に比例す
ることはわかっていますが、それ以外の要素を考察
してみましょう。

まず「工業力」です。「工業力」の単純な国際比較
は難しいですが、私たちは、長い間、日本の工業力
はアメリカに次いで世界第2位、しかし、近年は中
国や韓国などに追い上げられているという認識を持
っていました。

確かに、“高い技術力を必要とする工業がどのぐら
い発達しているかを示す指標”の「工業付加価値」
の2014年のランキングは世界第2位でした。し
かし、米国グローバル・ファイナンス誌が発表して
いる「世界で最も技術的に進んだ国ランキング20
22」では、日本は世界第7位にランクされていま
す。それでも2020年の同ランクは第21位でし
たので、“盛り返した”と評価されました。

「工業力」の将来については、我が国の得意な「も
のづくり」技術をさらに発展しつつ、ロボットやA
Iなどを含むデジタル技術を活用した生産体制、そ
して人類の未来社会を先取りする各種イノベーショ
ンやテクノロジーの開発などを他国に先行して実現
するかどうかにかかっているものと考えます。しか
し、あとに述べる「国際競争力」のデータなどをみ
ると、現状のままでは、「工業力」の飛躍を期待す
るのは難しいと考えざるを得ません。

次に「貿易」です。世界の貿易額は年々増加傾向に
あります。日本は、今世紀の初めごろはアメリカ、
ドイツに続き、世界第3位にランクされていました
が、2009年以降、中国がトップに躍り出て、2
021年は、中国、アメリカ、ドイツ、オランダに
続く第5位にランクされています。その額も中国の
約4分の1に相当する7560億ドル(約106兆
円)に留まっています。

現在の経済成長率がこのまま停滞すれば、アメリカ
や中国と日本の「経済力」格差は広がる一方で、必
然的に「貿易」のランクも低下することが予測され
ます。

▼「財政」が「国力」に及ぼす影響

次に「財政」です。我が国の「経済力」、つまり
「国力」発展の鍵を握る「財政」については、最大
の関心をもって分析する必要があることは論を俟ち
ませんので、“門外漢”の立場で、話題になってい
る「財政赤字」について少し触れておきたいと考え
ます。

財務省によると、2023年5月末時点で、国債と
借入金、政府短期証券を合計したいわゆる「財政赤
字(国の借金)」は1270兆4990億円(前年
比+29兆1016億円)であり、過去最高額を更
新中です。2022年時点で、GDP比約261%
(第2位はギリシアの177%)に達し、国民1人当
たりで単純計算すると初めて1000万円を超えた
ことも話題になりました。

この「財政赤字」については、様々な意見がありま
すが、「財政赤字が経済成長を促進し、雇用を創出
するために必要」とする意見と「財政赤字が将来の
世代に負担を与える」とする意見に大別されます。

「日本の財政」に関する専門家たちの意見も、「財
政の現状をどうみるか」「政策の優先順位をどう考
えるのか」「国債発行と将来世代の負担についてど
う考えるのか」「国債の海外保有比率の上昇による
影響をどうみるか」「昨今の経済動向をどうみるか」
などによって「財政規律派」「リフレ派」「MMT
派」の3つに分かれます。

「財政規律派」は「公債残高対GDP比の上昇は返
済しなければならない債務の実質的な増加であり、
将来返済できなければ財政は破綻する」とする財務
省などの考え方です。一方、「リフレ派」は「長ら
く陥っているデフレ不況を脱するために、量的緩和
や日銀の国債引き受け、ゼロ金利政策の継続などイ
ンフレ目標値を設定した上で様々な経済政策を推奨
する」という立場で、「当面は日本の財政が破綻す
ることはない」と考えています。最近の日銀はこの
政策を継続していますが、さすがに「積極財政」に
は二の足を踏んでいます。

これらに対して、最近、アメリカを中心に話題にな
っているのが「MMT派」(「現代貨幣理論(Mode
rn Monetary Theory)」であり、「税は国の収入で
ある」といった従来の定説とは異なる考え方を表明
しています。つまり、(1)自国通貨を発行できる政府
は財政赤字を拡大しても債務不履行になることはな
い、(2)財政赤字でも国はインフレが起きない範囲
で支出を行なうべき、(3)税は財源ではなく通貨を流
通させる仕組みである、との理論に基づき、「自国
通貨を発行できる政府は自国通貨建てで国債を発行
する限り財政破綻(デフォルト)することはない」
との考えで「積極財政」を唱えます。

極端な言い方をすれば、「財政赤字は『通貨発行記
録』に過ぎず、通貨発行権を持つ国は物価の急上昇
が起こらない限りは債務返済に充てる貨幣を際限な
く発行できる。よって、国債は返納する必要がない」
と解釈することもできるのです。

もちろん、この考えには、「財政赤字を容認するこ
とで、インフレーションや金利上昇のリスクがある」
「債務残高が増加することで、将来的に金利が上昇
した場合、支払利子が大幅に増加する可能性がある」
などの反論もあります。中でも、世界3大投資家と
いわれるジム・ロジャーズは自書『捨てられる日本』
の中で、「金利は必ず上がる。金利が上がった時、
政府債務が多い日本は大惨事に見舞われるだろう」
として「国家の破綻にもつながり得る危機だ」と懸
念を表明しています。

一方、「財政赤字」については、「赤字の総額だけ
を見るのではなく、政府が保有する資産(その中で
も金融資産)とのバランスに着目すべき」(『明快
 会計学入門』(元財務官僚・高橋洋一著))のよ
うな考え方もあります。高橋氏は、「実質的な政府
の借金は約120兆円に過ぎない」と指摘します。

このように、全く異なる見解がぶつかり合っている
のが我が国の現在の「財政」ですが、いかなる立場
を取るかにとって、将来への「経済力」(そのまま
「国力」)に甚大な影響を及ぼすことは明白です。
読者の皆様はどの考えを受容するでしょうか。

この後に取り上げる「通貨」とも関係しますが、も
う少し続けましょう。アメリカは、昨年は6%を超
えた物価高騰、つまりインフレ率を下げるために
「金融引き締め」、つまり「政策金利の上昇」を繰
り返し、ようやく約3%前後までインフレ率を下げ
ました。

しかし、バイデン政権は前述の「MMT派」の考え
を取り入れているのか、「財政赤字」などもろとも
せずに「積極財政」を取り入れているため、ドル紙
幣が世の中に出回り、金利を上昇しても思うように
インフレ率を抑制できない要因となっているとの見
方があります。

今なお5.5%を超えるインフレ率に苦しむEUは
“その上を行っている”と見る必要があるようです。
EUは、ウクライナ戦争の影響でエネルギー価格の
高騰に端を発したインフレ対策として、政策金利を
引き上げつつ、財政悪化リスクが高まることを覚悟
の上で巨額の財政措置を強行しているのです。それ
でも現時点ではインフレが収まっていないようです
が、ロシアの「経済力成長」は「積極的な財政措置」
が功を奏していることは冒頭に紹介した通りです。

「インフレ率」は、これを引き起こす発端は他にあ
るとしても、「金融政策」と「財政」の“喧嘩”の
結果で浮動するのでしょうが、「財政」の観点から
は、今や世界のスダンダードは「MMT派」といっ
て過言ではなさそうです。しかし、累積財政赤字が
すでにGDP比で260%を超えている我が国がこ
の理論をそのまま採用できるかどうかが悩ましい所
なのでしょう。

▼「通貨」「国際競争力」が「国力」に及ぼす影響

次に「通貨」です。これまで述べてきましたように、
改めて「通貨」と「金融政策(政策金利)」「財政」、
そして「インフレ率」「経済成長率」「賃金」「貿
易」など、つまり「経済力」そのものが“一連托
生”という印象を持ちます。

我が国の過去の例を挙げれば、安倍内閣時代、日本
経済をデフレから脱却させ、成長を促すことを目的
とした「アベノミクス」、いわゆる「金融緩和」
「財政出動」「成長戦略」の「3本の矢」からなる
“政策パッケージ”を提唱して実行しました。その
結果、株価は上昇し、企業業績も拡大しましたが、
賃金は上がらず、円安により輸入品の価格が上昇し、
国民生活は苦しくなるなど、期待されたほどの効果
を上げることはできませんでした。

「アベノミクスは、“時代に合わなくなった日本の
産業構造を変革し、持続的な成長につなげる”とい
う考え方に基づいていたが、実際には原発輸出の推
進やインバウンド需要など小粒な輸出入支援策を次
々と繰り出したものの、大きな改革についてはほと
んど手を付けられなかったため、効果が上がらなか
った」との見方があります。

さて、7月28日、日銀が従来の長期金利許容幅0.
25%を0.5%に拡大すると修正し、市場の動向
次第では1%の上昇も容認する(「YCC運用の柔
軟化」と呼称)ことを発表しました。8月6日朝の
NHKの番組で「日銀の政策修正」が取り上げられ
ていましたが、ある経済専門家が「我が国の経済を
総合的に判断する部署がない(人がいない)」旨の
不満を述べていました。

日銀は、3か月に1度、「経済・物価情勢の展望」
を発刊し、詳細な経済や物価の分析などを実施して
いますが、それは「あくまで日銀の見方」という不
満なのか、「経済・物価情勢だけに限定して、他の
政策をみていない」という不満なのか、画面からは
不明でした。当然ながら、長期金利の上昇は、住宅
ローンや企業の借入金利が上昇するばかりか、株式
市場や債券市場にも影響が出るなど、日本経済に少
なからず影響を与えることは明白で、「日銀の長期
金利1%容認は『蟻の一穴』か」と日銀の性急な修
正に疑問を持つ声もあります。

私自身は、このような議論に接し、素人ながら「こ
の世界も専門家(集団)が支配し、必ずしも我が国
の『経済力』、ひいては『国力』の観点からの分析
や他の政策などと連動という点では不十分なのかも
知れない」とまたもや考え込むことでした。

実際に、「通貨」価値は、国の経済状況や輸出入の
状況によって異なるころは自明です。通貨が高い場
合、輸入品が安くなる半面、輸出品が高くなるため、
輸出企業にとっては不利になる可能性があります。
一方、通貨が低い場合、輸出品が安くなる反面、輸
入品が高くなるため、消費者にとっては不利になる
可能性があります。これらから最適な「通貨」価値
を一概に決めることは難しいことも明らかでしょう。

我が国の2021年の「国際収支」は、財務省によ
ると、経常収支が15兆4359億円の黒字、内訳
は、貿易・サービス収支は2兆5255億円の赤字
でしたが、輸出額は82兆2724億円で、輸入額
は80兆5186億円で貿易収支は1兆7538億
円の黒字でした。一方、2021年のドル建ての貿
易収支比較では、我が国は120億ドルの赤字とい
うデータもありますので、「貿易立国」の我が国と
して、現在の「通貨」価値はおおむね適切と言える
のかも知れません。

このように、国際決済通貨であるドル換算で、「円」
が安ければ安いほど、我が国の「経済力」が相対的
に減少していることは明白ですし、自国「通貨」価
値が低いこと自体が「国力」が低下している尺度に
もなっていることを考えれば、低い「通貨」価値、
つまり「円安」を喜んでばかりはおられないでしょ
う。

「国際決済銀行(BIS)」が毎月公表している
「実質実効為替レート」(REER:約60カ国・
地域の通貨を比較し、各国の物価水準なども考慮し
て総合的な通貨の実力を示している)によると、円
安傾向から日本のREERは下落し続け、2021
年10月から11月のレートは、1972年の水準
とほぼ同じ70以下まで割り込み、当時、日経新聞
は「日本円の実力は約50年前の水準まで下がって
いる」と報道しました。日本のREERが最も高く
なったのは、1ドル=79円台まで円高が進んだ19
95年4月で、150を超えました。

REERが低いほど、輸出やインバウンドのために
は“良し”としても、海外からモノを買う際の“割
高感”が高まりますので、後に述べる食料やエネル
ギーの価格高騰が懸念されるのです。

我が国は戦後復興の中、1円=360円からスター
トしたわけですが、その後の高度経済成長に伴って
変動制に移行した結果、円高が瞬く間に進み、その
ピークが79円だったのです。振り返ると、改めて、
円の相場と我が国の「国力」はピッタリ連動してい
ることがわかります。どちらが卵か鶏かは別にして
も、将来も「国力」と「通貨」は切っても切り離す
ことができないようです。

最後に「国際競争力」ですが、様々な比較手段があ
ります。まず、世界経済フォーラム(WEF)が
「イノベーション」「 労働力の多様性 」「 企業活
動の展開状況」「 国をまたがる共同発明」「 複数
主体による共同研究 」「 科学論文発表数・引用数」
「 特許出願件数」「 研究開発投資額(GDP比)」
「 研究機関の質 」「 消費者の洗練度」「 商標出
願件数」などを「総合」してランキングを公表して
いますが、我が国は、141カ国中、2017年第
8位、2018年第5位、2019年第6位にラン
クされています。

また、最近特に興味を引くのが、「国際経営開発研
究所(IMD)」が公表している「デジタル競争力
ランキング」です。これは、「国によるデジタル技
術の開発・活用を通じ、政策、ビジネスモデル及び
社会全般の変革をもたらす程度を分析し、点数とラ
ンクを付けているもの」です。

米国が3年連続第1位で、シンガポールが第2位、
デンマークが第3位と続きます。上位国には、第5
位の香港、第8位の韓国など、アジア諸国も名を連
ねますが、我が国はここ数年低下傾向にあり、20
20年は、前年比で4位下がり、63か国・地域のう
ち27位となっています。特に「技術」や「将来へ
の備え」の順位が近年低下傾向にあるようです。こ
れらの原因については、「科学技術」や「教育」と
も連動するので、のちほどまた触れましょう。

一度にまとめた方が、我が国の「経済力」について
理解しやすいだろうと考えた結果、ほぼ2回分の長
さになってしまいました。前にも紹介した「Number
 Don’t Lie」、実際の数字を見ると、経済の素人な
がら、我が国の「経済力」の実態に驚くばかりです。
読者の皆様はどのような感想を持ったでしょうか。

総じて言えば、藤井厳喜氏が指摘するように(ダイ
レクト出版)、私たち日本人は、「経済」について
間違った“概念”を疑うことなく、ひたすら信じて
きたのかも知れません。この分野も“戦後70数年
のツケ”が溜まっているようです。だれかが先導し
て「ダイナミックな改革」を推し進める必要がある
のでしょうが、果たしてそれが可能でしょうか。

次回以降、私の専門でもある「軍事力」や「食料・
天然資源」などを取り上げましょう。



(つづく)


(むなかた・ひさお)



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 【著者紹介】

宗像久男(むなかた ひさお)
1951年、福島県生まれ。1974年、防衛大学校卒業後、
陸上自衛隊入隊。1978年、米国コロラド大学航空宇
宙工学修士課程卒。陸上自衛隊の第8高射特科群長、
北部方面総監部幕僚副長、第1高射特科団長、陸上
幕僚監部防衛部長、第6師団長、陸上幕僚副長、東
北方面総監等を経て2009年、陸上自衛隊を退職(陸
将)。日本製鋼所顧問を経て現在、至誠館大学非常
勤講師、パソナグループ緊急雇用創出総本部顧問、
セーフティネット新規事業開発顧問、ヨコレイ非常
勤監査役、公益社団法人自衛隊家族会理事、退職自
衛官の再就職を応援する会世話人。著書『世界の動
きとつなげて学ぶ日本国防史』(並木書房)



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