配信日時 2023/07/24 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(225)】後ろ向き思考からポジティブ思考へ   桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます、エンリケです。

225回目の「美佐日記」。

読めば読むほど味わいが深まる
じつに面白い記事です。

さっそくどうぞ。


エンリケ



◆桜林さんが、自衛隊制服について書いたフォー
サイト記事が公開されています。


「自衛官の制服はなぜ不揃いなのか――崩壊する
「防衛産業」の現場から」
  https://www.fsight.jp/articles/-/49828

◆桜林さん司会のyoutube番組、チャンネルくらら
「陸海空 軍人から見た」シリーズの第二弾が本
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◆桜林さんの新番組がYoutubeで始まっています。
くわしくは<おしらせ>でどうぞ!


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「危機迫る日本の防衛産業 (産経NF文庫)」
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くわしくは文末<おしらせ>でどうぞ。

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れ「本音の自衛隊」(産経NF文庫)として再出版
されてます! 桜林さんならではの、他では得難い
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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。

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桜林美佐の「美佐日記」(225)

後ろ向き思考からポジティブ思考へ



桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、225回目となりま
す。

 秋頃にインドに行くかもしれないということで、
その期間の仕事依頼を断り、心の準備をしていまし
たが、予定がなくなりました。

 この時に思い出したのは、自分の運命は自分が決
めるという教えです。コロナの後遺症がすでに1ヶ月
も続き、ちょっと電車に乗るだけでも乗り物酔いの
ようになってしまうのに、海外に行くなんていかに
も大変そうだという思いがどこか片隅にあると、な
ぜかその計画は実現しなくなるのです。

 もちろん、健康な状態に戻りたい!と思っている
ことには間違いありませんが、一方で、自分が弱く
なっている状態が当然と脳が覚えてしまったり、何
らかのメリット(というと大変語弊がありますが)
を見い出してしまう、それも「無意識に」というの
が人間にはあるのかもしれません。

 例えば、ハラスメントの問題などでも「被害に遭
っている」という状態が心にインプットされてしま
い、その状態を変えないことがノーマルな状態にな
ってしまうということです。

 改めてそのことに気付かされた私は、全ての行動
に先入観や潜在意識により左右されていることがな
かったか思い起こしてみました。

 う~ん、確かに、ある!掘り起こすとけっこうあ
るんですよ。

 例えば、先日は15年も前に書いた拙著『終わらな
いラブレター』(PHP)を読んで下さった方から、
この本についての講演を依頼されたのですが、この
ような話がウケるのだろうか、という懸念が勝手に
浮かんできてしまい、変な汗をかきっぱなしでした。

 また、別の日には防衛関連企業の新入社員向け研
修の講師を務めたのですが、これはすでに昨年も経
験していたものの、アンケートに「分かりにくい」
「話が長い」と書かれていた記憶が蘇り、目の前の
人たちにまた同じように書いている映像が見えてき
てまたも変な汗が止まらないわけです。

 そう、もうお気付きだと思いますが、私は超ネガ
ティブThinking人間なのです。そして、ほとんど自
覚がないのです。勝手に映像が出てきてしまうので
す。それを止める努力をすると、なんと日中ではな
く夢の中で酷い目に遭い、うなされて飛び起きるの
です。
 
潜在意識の中に染み込んでいるのでしょうか・・。
小学生の頃に微熱が続き入院したことがありますが
「考えすぎ」病みたいな診断を出されたことを思い
返すと、やはり全く悩みがないつもりなのに知らず
知らずの「考えすぎ」の癖があるのでしょう(その
まんまですが!)。

 この問題の難しいところは、何も考えないように
しようとか、それらに向けて「努力しよう」とする
と、私の場合、寝ている間に悪夢に襲われたりする
ため、どうも「努力する」という姿勢は好ましくな
いようです。

 リラックスしたらいいとよく人は言いますが、こ
れはけっこう難しいのです。そこで今回、コロナに
かかったことのメリットを発見したのですが、それ
は思考能力が低下したことです!

 そう思うと、コロナで長期間グダグダになったこ
とはかなり良い面があるわけです(前向き!)。

 さて、ネガティブ思考といえば、防衛省・自衛隊
もその代表格と言えるのではないでしょうか(失礼
お許しを!)。

 考えてもみて下さい、防衛費が大幅に増額され、
これからどんどん今までの不足分が満たされていく
はずなのに、なんだか明るい空気が伝わってきませ
ん。

 それどころか、予算を使うのが大変、製造能力が
追いつかないというマイナス要素が湧き上がってい
ます。

 例えば、この時期いつも話題になるエアコン問題
も、早急に基地・駐屯地で暮らす自衛官たちがしっ
かり寝られるよう整備を進めてもらいたいですが、
かなり時間がかかる様子です。

 昨今、民間でもエアコンの修理や取り付けをする
人員不足で数週間待ち、1か月先も、などという状態
ですので仕方がないのかもしれませんが、何か解決
手段はないのか、もっと考えてもらうことはできな
いものか、と思います。

 なんとなく、自衛隊における隊員のいわゆる「快
適化」に向けた動きというのは遠慮がちなのではな
いかという印象を持ちます。これを優先すると批判
されるかも、ということがどこかに残っているので
はないかと。
 
しかし、エアコン(が無い)問題は、河野太郎防衛
大臣の頃から公然と指摘していたことからも、この
まま着手が進まないと、国会で問題視されたり、予
算増を認めたのに何をしているんだということにな
りかねず、立派な「優先事項」だと私は思います。

 そして、募集が厳しいのでその対策に知恵を絞っ
ているようなことを言っていますが、入隊したら暑
くて夜寝られないということでは人気が出るはずが
ありません。

 そしてもう一つ、前向きに捉えてもらいたいと思
っているのは、私がかねてから提案しているものの、
どうも評判が悪い、いわゆる「貧困層」へのアプロ
ーチです。

 2019年の調査では国内の13.5%の子ども(1
8歳未満)が貧困状態であるとされています。日本
の7人に1人の子どもが貧困に陥っているというので
す。

 特にひとり親家庭の子どもが貧困状態となってい
て、その貧困率は50.8%と先進国の中でも最悪の水準
なのだそうです。

 以前も、自衛隊による「子ども食堂」への支援を
呼びかけたことがありますが、多くが猛反発。

 簡単にその理由をまとめると「自衛隊が非難され
る!」ということでした。とはいえ、そんなことは
想定内なのです。

 実際「子ども食堂」に自衛隊募集担当者が訪ねる
などしたこともあるようですが、案の定「札束で子
どもを釣るのか」といった非難を浴びたようです。

 こうした支援団体は左翼グループが多くを占めて
います。でも、弱者に手を指しのべることはイデオ
ロギーを超越すべきことです。

 防衛費を増やしたことと貧困家庭が増えているこ
とを関係があるかのような言説もあるようですので、
むしろ防衛省・自衛隊がここに乗り出すのは必要で
はないかと思います。

 そのためにはこれまでの後ろ向き思考を捨てて、
力まずにポジティブな態度が求められる気がします。
 
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございま
した。皆さまにとって素敵な1週間となりますように。



<おしらせ>
●新潮社フォーサイトに陸上自衛隊の制服について
書きました。JBpressにも転載されています!
https://www.fsight.jp/articles/-/49828
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75568

●スタッフが英語圏の方たちでコミュニケーション
に苦労しているYouTube企画『Boei Cafe』慶応大学
教授で元内閣官房参与の谷口智彦さん、元国家安全
保障局次長の兼原信克さんに続き、最新版は松川る
い参議院議員が登場しています。
そして、私がお相手しているのですが、収録時に通
信が乱れてしまい音声だけになっています。とほほ
・・。
https://www.youtube.com/channel/UCzO7HYpVqnrnCAdlaq7bRwg


●「軍事情報」でもご紹介頂いた新しい本『危機迫
る日本の防衛産業』(産経NF文庫)発売中です。
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●YouTubeチャンネルくらら「陸海空 軍人から見たロ
シアのウクライナ侵攻」の書籍版も、ワニブックスから
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(さくらばやし・みさ)


桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。

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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)

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