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おはようございます、エンリケです。
222回目の「美佐日記」。
自衛官候補生による銃撃事件に
大変なショックを受けています。
さっそくどうぞ。
エンリケ
◆桜林さんが、自衛隊制服について書いたフォー
サイト記事が公開されています。
「自衛官の制服はなぜ不揃いなのか――崩壊する
「防衛産業」の現場から」
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おめでとうございます!!
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◆桜林さんの「自衛官の心意気」(PHP)が文庫化さ
れ「本音の自衛隊」(産経NF文庫)として再出版
されてます! 桜林さんならではの、他では得難い
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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
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官のリアルな体験記です。
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桜林美佐の「美佐日記」(222)
話せば救われる──「聞く」というメディアの役割
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、222回目となりま
す。
また大変な事件が起きてしまいました。前回この日
記で任期制隊員のことを書いたばかりでしたが、ま
さにその18歳の新隊員(3カ月間は自衛官候補生)
が射撃訓練中に指導にあたっていた隊員2人を殺害し
1人を負傷させたというものです。
亡くなったのは第35普通科連隊(守山駐屯地)所属
の八代航佑3等陸曹(25)と菊松安親1等陸曹(52)
ということです。UH60事故の葬送式を週末に控え
ていたその週にこんなことが起きてしまうとは、本
当にやりきれない思いです。
有事でもないのに2か月の間に12人もの陸上自衛官が
殉職したことはあまりにも重い事実で、関係者が受
けている衝撃はいかばかりかと思います。
悲しい事故や事件が起きるたびに、よく報道のあり
方や取材をする人の姿勢を批判する声が聞かれます。
遺族の家に押しかけて犠牲者の写真を求めるとか、
ショックの中にあるにも関わらず根掘り葉掘り聞き
出すとか、そうしたことがどうしても生じてしまう
からです。
私の周囲にも、そのようなことを上司に命じられ、
報道の仕事を辞めた知人もいました。
一方で、先日私が書いたUH60の事故についての記
事を読んだ方から頂いたメッセージにはこんな内容
もありました。
それは、8師団長だった坂本陸将のことがどうして
も最もクローズアップされるが、他の9人にも家族や
それぞれの物語があるはずで、これは難しいことだ
としながらも、でき得れば、いずれ何かしらその方
たちのことが分かる話もあればいいが・・・という
ことでした。
私自身は、悲しみの中にある人を訪ねて話を聞くよ
うなことは絶対にしませんが、世の人たちは決して
知りたくないわけではなく、むしろ犠牲者の人とな
りを知りたいと思っている人が多いということも言
えます。
家に押しかけて話を聞くようなことは非難するが、
でもいずれは聞きたい・・・という。
メディアってのは図々しい奴らだ、無礼だと言いな
がらもその情報は実は人々が無意識に待っているも
のでもあるわけです。
逆に言えば、メディアはこの本音と建て前の人間心
理を分かっているのでしょう。「知りたい人がいる
から自分たちがその人たちのためにやるんだ」とい
ったマインドなのかもしれません。
災害時に私の知り合いの記者さんは、夜、避難所に
行って被災した人たちにマイクを向けていました。
私としては、休もうとしているところにわざわざ訪
ねるなんて迷惑ことだろうと思いましたし、そんな
ことをしたら嫌われることだろうと思っていたので
すが、実際に戻ってきたら想像以上に多くの方から、
それも長時間にわたり話を聞いてきたので驚きまし
た。
彼が言うことには「みんな話をしたいんだ」だから
聞いてあげないと、というのです。確かに、取って
来たインタビューを聞いてちょっと納得しました。
皆さんよく喋っているのです。もしかしたら、悲し
みや恐怖を乗り越えるために、人と話すことが必要
ということなのかもと感じました。
そういえば、フリーのジャーナリストさんが事件の
関係者をずっと追いかけてやがて親族以上の信頼を
得ているケースがありますが、それは紛れもない
「話を聞いてくれる人」という立場を獲得したから
なのでしょう。
「話す」ということで悲しみ苦しみの中にいる人が
少しでも救われるならば、メディアは「伝える」だ
けでない「聞く」という一定の役割を果たしている
とも言えるのかもしれません。もちろん、無理強い
でなくその相手が本当に聞いてもらいたいと思って
いるならば、ですが。
いずれにしても、マスコミ=悪だとか、最近は「マス
ゴミ」なんて言い方もあるようですが、私はそうい
う捉え方には抵抗を感じています。清濁併せ持つの
が当たり前で、私たちもそれに浴しているのではな
いでしょうか。
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございま
した。皆さまの平安をお祈りしています。
<おしらせ>
●新潮社フォーサイトに陸上自衛隊の制服について
書きました。JBpressにも転載されています!
https://www.fsight.jp/articles/-/49828
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75568
●スタッフが英語圏の方たちでコミュニケーション
に苦労しているYouTube企画『Boei Cafe』慶応大学
教授で元内閣官房参与の谷口智彦さん、元国家安全
保障局次長の兼原信克さんに続き、最新版は松川る
い参議院議員が登場しています。
そして、私がお相手しているのですが、収録時に通
信が乱れてしまい音声だけになっています。とほほ
・・。
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●YouTubeチャンネルくらら「陸海空 軍人から見たロ
シアのウクライナ侵攻」の書籍版も、ワニブックスから
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そして、第二弾も!
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(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)
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