配信日時 2023/06/02 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話:世界の秘密兵器編】米国がウクライナにF16を供与しない理由(3) 加藤喬(元米陸軍大尉)

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こんばんは!エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。

今回は、
WW2でドイツ国防軍が使用。WW2で最も知られた兵器
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さてきょうの記事。

退役海軍中佐の姿・風貌・人柄・人生が
手に取るようにつかめますね。
さすが加藤さん、という感じです。

ではさっそくどうぞ。


エンリケ

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加藤大尉の軍隊式英会話:世界の秘密兵器編   
  Takashi Kato

米国がウクライナにF16を供与しない理由(3)


加藤喬(元米陸軍大尉)

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こんばんは!エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。

今回は、
WW2でドイツ国防軍が使用。WW2で最も知られた兵器
の1つであり、生産停止後も独自の存在感を発揮し
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武器オンチの日本人に
特におススメです。

さてきょうの記事。

<誰がツケを払うのか?>
へのご指摘に心から同意します。
うかつな報道、情報操作に左右されない
日本人でありたいものです。

冒頭の「現実の米保守の人々」は今日で終わりです。
こういう情報・空気感を、頭でっかちの日本人は
もっと知っておかなきゃいけないんですが、残念です、、、、

ではさっそくどうぞ。


エンリケ

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加藤大尉の軍隊式英会話:世界の秘密兵器編   
  Takashi Kato

米国がウクライナにF16を供与しない理由(3)


加藤喬(元米陸軍大尉)

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□アリゾナの友人・知人・隣人と紡ぐ心の絆

 「強盗と間違われないよう、入店する際はマスクを
外してください。従業員は拳銃を携帯しています」

「お客様へ:来店中に強盗が押し入った場合は、遠
慮なく自衛権を行使してくださってけっこうです。
ただし、よく狙って撃ってください」

 当地の銃砲店で見かけた「お知らせ」です。オー
ナーらは独立独歩の精神とユーモアのセンスに長け
ているものと見えます。ことに次の一文はカリフォ
ルニアから引っ越してきた当時、私の目を引きまし
た。

「他州からやって来る人たちを歓迎します。しかし、
ここを移住元のようにはしないで欲しい。アリゾナ
に住むなら、良からぬ考えは前もって捨ててきてく
ださい。」

 これをいま流行(はや)りの表現で
 
 “Do not California My Arizona” (アリゾナを
カリフォルニアにしないでくれ)

と言います。カリフォルニアという固有名詞を動詞
にした、日本の教師が聞いたら卒倒するような英語
ですが、良いところを突いています。つまり、「重
税、物価高、急増する犯罪とホームレス人口、歯止
めを失ったウォーク運動(反差別という名の逆差別)
そして自由を束縛する法律が嫌でカリフォルニアを
出てきたのなら、同州を台無しにしたリベラルな考
えは持ってくるな」という意味なのです。

ちなみにこのガンショップの店主、空軍一家の長男
で立川で長く暮らした日本通。昭和40年代、中高生
向け学習雑誌の表紙モデルをやっていた変わり種で
す。メキシコ国境の片田舎で日本語を解すアメリカ
人に出逢うとは思っていませんでしたが、その彼が、

「日本でもカリフォルニアでも、ライダーは法律で
ヘルメットをかぶらなければならない。 ぼくはヘル
メットをするが、政府に強制されたからじゃない」

と言いつつおもむろに見せる写真は、バイザー部分
が無残に擦り切れたフルフェイスのヘルメット。

 「かぶってなかったらモデル廃業だったよ」

 真顔で放つジョークの裏側に、権威に迎合しない
したたかな独立精神を感じたものです。

 事程左様に、わたしの隣人たちはヘルメットから
芝生の水やり、夏場のエアコン使用時間、ガスコン
ロの是非、性的に中立な言葉遣いの奨励、銃所持に
いたるまで、個人の判断に逐一介入する「大きな政
府」を嫌う傾向があります。その代表格と見なされ
ているのが、リベラル政治とリベラル文化の聖域を
自任し、多様性を神聖視するカリフォルニア。彼の
地から大挙して移住してくる人々によってリベラリ
ズム持ち込まれ、後年選挙に反映されれば、保守の
牙城アリゾナも陥落しかねません。隣人らにとって、
加州人の流入は自由、独立心、銃による自衛といっ
た古き良き米国の伝統を破壊する由々しき事態なの
です。

 実はかくいうわたし自身、最近カリフォルニアの
ナンバープレートを見かけると「良からぬ考えを持
ち込んでくれるなよ」と独り言(ご)ちます。ノン
ポリを自認し、アメリカの行く末を憂う者からして
この始末。アメリカ社会の分断が、個々人の心理に
も知らぬ間に底知れぬ溝を穿ったもののようです。
とすれば、保守とリベラルに引き裂かれた国家と人
心が癒しの道につくのはまだまだ先だという気がし
ます。それまでの間は、アリゾナの友人知人隣人ら
と紡いだ絆が心の拠り所です。
 
 ちなみに、日本でも性自認法令化の是非をめぐる民
意の亀裂が報じられています。この機に乗じ、ラー
ム・エマニェル米国大使などはLGBT擁護のデモに参
加し、リベラル思想を日本に植え付けようとしてい
ます。
 
同大使には“Do Not California My Japan”(日本を
カリフォルニアにしないで欲しい) と釘を刺すべき
でしょう。老婆心ながら・・

▼米国がウクライナにF16を供与しない理由(3)

兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるため
には相手より優れた武器を持たねばなりません。兵
器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく続
いているのはこのためです。よく指摘される武器の
効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を抜
かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝ち」
の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な破壊
力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手放せ
ない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏面が
「抑止力」なのです。
加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞれ
の武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を考
えていくことにします。

「ウクライナへのF16供与をめぐる裏事情」最終回は、
ウクライナ空軍基地改修にまつわる問題です。

 前回、F16戦闘機を効果的に運用するには、常に最
良の状態に維持管理された滑走路をはじめとする基
地施設が不可欠だと書きました。これは同戦闘機を
供与するのがアメリカだろうと欧州諸国だろうと変
わりません。

 したがって、ウクライナ人パイロットと整備要員
の機種転換訓練が終了しF16が同国に届けられる前に、
反攻作戦の要衝に位置するウクライナ空軍基地の大
改修が行なわれることになりましょう。

 ロシア側はこの機会を虎視眈々と狙っているはず
です。大がかりな工事が始まれば、ロシアの偵察衛
星が間髪を入れず察知。日々、進捗状態を監視し続
けます。改装終了間際、迎撃困難とされる極超音速
空対地ミサイル「キンジャール」や極超音速滑空体
「アバンガルド」、そして極超音速巡航ミサイル
「ツィルコン」を撃ち込んで基地を無力化するため
です。滑走路が破壊されればF16も宝の持ち腐れ。欧
州の指導者らは供与に前のめりですが、この難題を
回避するための熟考が感じられません。

一方、バイデン大統領は先日の広島サミットで、同
盟国によるウクライナへのF16供与を容認。この際、
氏からも基地改修に関する言及はありませんでした
が、欧州に丸投げしたということでしょうか? だ
とすれば、これまた無責任な話です。

 ちなみに、欧州諸国が保有するF16が送られるにせ
よ同機は米国製。ロシア側から見れば本格的な対NA
TO戦争、すなわち対米戦争の幕開けであり、プーチ
ン氏の「核の敷居」が一段と低いものになるのは確
実です。

バイデン大統領の変心には「アメリカと自分自身が
供与の責任を問われない限り、ゼレンスキー大統領
が欲するものは何でもくれてやれ」との本音が透け
て見えます。さんざん理屈をこねて供与を渋ってき
たにもかかわらず、免責になると見るや前言をひる
がえす無分別。褒められたものではありません。

では、そのツケを払うことになるのは誰か? 欧州
諸国は言うに及ばず、NATOの緊密で重要なパートナ
ーを自任する日本ではないかと思います。

教材ビデオ:
3 reasons #f16fighter is not coming soon to #U
kraine ! - YouTube
https://onl.bz/GiecXN4

(本エピソードは3:39から始まります)



基本語彙(カタカナ表記は大雑把なものです)
extensive(エクステンシブ)大がかりな
hangar(ハンガー)航空機の格納庫
runway(ランウェイ)滑走路 モデルが歩く細長い
花道

シナリオ(カウンターを3:54に合わせてくださ
い)

For F16, Ukraine will have to do extensive wor
k on hangers and runways.

(F16の場合、ウクライナは格納庫と滑走路の大規模
な改修を行なわなければならない)

(今回のビデオは3:58まで続きます)


英語一言アドバイス:
普通runwayは滑走路を指します。が、ファッション
ショーでモデルが歩く細長いステージの意味もあり
ます。ちなみに、日本でも2008年から12年まで放映
され人気を博した『プロジェクト・ランウェイ』は
ファッションモデル志望が競うリアリティ番組です
が、この場合のランウェイは当然ながら後者です。

発音サイト: 
runwayの発音 runway pronounce - Google Search
https://onl.bz/TcrzYRh

参考サイト: F16戦闘機の空気取り入れ口(地面に
近いことに注目)Krzesiny 3RB - F-16 (戦闘機) -
 Wikipedia 
https://onl.bz/FvJ4D3a


(かとう・たかし)


●著者略歴

加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT─あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK─47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『MP38/40
サブマシンガン』(いずれも並木書房)がある。


追記

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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm

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『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share



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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。

 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。

 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。 
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac" 
と表現します。

 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。

加藤 喬
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