配信日時 2023/05/29 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(219)】 日米関係にも何も良いことはない「米軍ヘリの都心低空飛行」 桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます、エンリケです。

219回目の「美佐日記」。

全く知らない出来事でした。
重要な指摘ですね。

さっそくどうぞ。


エンリケ



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桜林美佐の「美佐日記」(219)

日米関係にも何も良いことはない「米軍ヘリの都心
低空飛行」


桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、219回目となりま
す。

 安全保障の話をしているととにかく略語が多くて、
わけが分からなくなります。先日も「SL」という字
を見て「戦略的(Strategic)ナントカ・・・」かと
悩みましたが、よく見たら「SL広場」(新橋の駅前
のこと)でした。ビックリ。皆さんもそういうこと
多いのではないでしょうか(ないですか)。

 さて、かねてから「米軍ヘリの都心低空飛行」と
いうのが一部のメディアや共産党などから糾弾され
ています。

 私はまた基地反対運動の一環かと思っていたので
すが、最近、新宿でこのヘリ低空飛行に何度か遭遇
し、確かに驚きました。

 UH60の事故が起きた直後のことでした。ショッ
クが続き、心の動揺がおさまらない中、外に出て歩
いていると、すさまじい音でイヤホンの音が遮られ
ました。そして2機のヘリが文字通り頭上をぐるぐる
回っているのです。

 恐らくあれは米軍ヘリだったのでしょう。あの高
さを日本のヘリが飛ぶことはあり得ません。機体が
見えれば分かるはずですが、本当に「真下」にいた
ために分かりませんでした。

 毎日新聞がずっと取材を続けていたようなのです
が、24日付の記事では「離着陸ルートに表参道」と
題し「特権を問う」というシリーズで詳しく書かれ
ていました。

 都心を飛行しているヘリはUH1やブラックホーク、
あるいはシーホークだといいます。私が見たのもそ
うだとしたら、今回のヘリ事故のことが頭を離れな
い状況においてあまりにも刺激的なことでしたし、
また、しばらくその場で旋回していることはやはり
不快でした。

 各所の基地から都内を訪れる時にヘリを使用する
のは全く問題ないことだと思いますが、同じ場所に
とどまって旋回する必要はないわけで、そのことが
問題なのだと私は思います。

 これを日米地位協定の問題にしたい思惑がメディ
アにはあるようですが、そこではなくて。

そもそもあんな飛行をすれば危ないということに尽
きます。人々の印象も悪く日米関係にも何も良いこ
とはないと思いますし、米軍基地のほとんどの関係
者も知らないはずです。

だいたい、あの低さだとスティンガーがなくてもRP
Gで簡単に撃墜されてしまうでしょう。もし、地上の
日本人がそんなことをしたら?(しない?)、日米
同盟はどうなってしまうか。

あるいは、これは都内で市街地戦が生起することを
想定した訓練であるとか、そういう理由ができるな
らばぜひ説明してもらったほうがいいと思います。

とにかく、なぜこんなことが起きているのか分から
ないままですと誰も幸せにならないことになります
ので、日本側が注意し、それも一時的にではなく、
今後にも及ぶルールを作ってもらうよう進言するこ
とを私はお勧めしたいです。
 
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございま
した。皆様にとって素晴らしい1週間となりますよう
に!


<おしらせ>

●スタッフが英語圏の方たちでコミュニケーション
に苦労しているYouTube企画『Boei Cafe』慶応大学
教授で元内閣官房参与の谷口智彦さん、元国家安全
保障局次長の兼原信克さんに続き、最新版は松川る
い参議院議員が登場しています。
そして、私がお相手しているのですが、収録時に通
信が乱れてしまい音声だけになっています。とほほ
・・。
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(さくらばやし・みさ)



桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)



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