配信日時 2023/05/12 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話:世界の秘密兵器編】アメリカの戦闘用大群衛星網(3)新型兵器の予算超過問題 加藤喬(元米陸軍大尉)

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「青天を衝け」渋沢栄一は何をしたのか?
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戦争、選挙、金融…
世界中のあらゆる事件をネタに…
常に裏で利益をむさぼるある集団がいた…

国際情勢のあらゆる事象の背後には、
常に彼らの存在が見え隠れすると
国際関係学者の藤井厳喜先生は言います。


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こんばんは!エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が
出ました。

今回は、
WW2でドイツ国防軍が使用。WW2で最も知られた兵器
の1つであり、生産停止後も独自の存在感を発揮し
続けた伝説の名銃・MP38&MP40サブマシンガンです。

『MP38&MP40サブマシンガン』
アルハンドロ・デ・ケサダ (著), 床井 雅美 (監修),
 加藤喬 (翻訳)
2022/5/12 発行
https://amzn.to/3yvXWrj

武器オンチの日本人に
特におススメです。

さてきょうの記事。

保守に分類されているアメリカ人の
実際の姿はどういうものでしょうか?
加藤さんの筆が活き活きと伝えてくれます。

ではさっそくどうぞ。


エンリケ

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加藤大尉の軍隊式英会話:世界の秘密兵器編   
  Takashi Kato

アメリカの戦闘用大群衛星網(3)新型兵器の予算
超過問題


加藤喬(元米陸軍大尉)

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□メディアが報じないアメリカ保守層の実像
 
「トランプ支持者の半分は人種や性差別主義者。同
性愛者、外国人、イスラム教徒を嫌う『嘆かわしい
連中』だわ」
 
2016年大統領選で民主党指名を勝ち取ったヒラリー・
クリントン候補の発言です。熱烈なトランプ支持
者に向けられたものですが、もっと広範な保守派へ
の当てこすりとも取れます。ちなみに共和党は、ク
リントン氏の「嘆かわしい連中」発言を逆手にとっ
て保守層にアピールする選挙戦を展開。トランプ政
権の誕生に結びつけています。


 「マイケル・フリン陸軍中将は単なる退役将軍で
はない。キリスト教中心のアメリカ社会を目指す支
持者にとって、彼は殉教者であって英雄、愛国者に
して強烈な指導力をもった『神の軍隊』の戦士なの
だ」
 
こちらは全米公共放送サービス(PBS)が製作したド
キュメンタリーからの要約引用です。フリン退役中
将はトランプ政権で大統領補佐官を務めた政治色の
強い元軍人。伝統的アメリカの復活を信条とする保
守派の論客には違いありません。しかし同番組は、
フリン氏の支持基盤であるキリスト教愛国主義者ら
に焦点を当て、あたかも保守の代表であるかのよう
に描いていました。保守でも信心の薄い有権者らは
違和感を覚えたことでしょう。

 ヒラリー氏の保守像は明らかに政治的プロパガン
ダであり、PBSの保守描写には印象操作の感がありま
す。ハリウッド映画やテレビドラマに描かれる保守
主義者も、ことに田舎暮らしの白人男性は、やや肥
満型で昼からビールを煽り、根は善良だがよそ者や
新参者を警戒する、という紋切り型のイメージがほ
とんど。米主流マスコミやエンタメ業界が広めたこ
の種のステレオタイプは、おそらく日本にも浸透し
ていることでしょう。読者諸氏が「アメリカ保守層」
と聞いて思い浮かべる人物像は、ことによると、こ
れから述べる「市井人が見た保守」とは異なるもの
かもしれません。


 アリゾナは概して共和党が優勢で保守の牙城とさ
れてきました。わたしが住む最南端の片田舎も同様
です。とは言え、私の友人知人隣人らの間には「保
守」なる目の粗い網ではすくいきれないさまざまな
個性が息づいているようです。


 いちばん近い隣人はドイツからの移民夫婦。2人
ともサイバーセキュリティの専門家ですが、若い頃
はスリランカやスペインで長く放浪生活を送ったと
いうボヘミアン。「ドイツで暮らしていた頃はプラ
イベートなことまで法律でがんじがらめだった。そ
れに疑問を抱かない家族や友人とは徐々に話が合わ
なくなった。だからアメリカに来た。ところが、長
年住み慣れたカリフォルニアがリベラルに乗っ取ら
れ、キャンセルカルチャーで言いたいことも口にで
きなくなった。振り出しに戻った訳だ。会社を辞め
てまでアリゾナに引っ越したのは、ここにはまだ本
物のアメリカがあるからだ」が口癖です。


星条旗をあしらった野球帽とMake America Great A
gain (MAGA) Tシャツを好み、拳銃秘匿携帯許可証
を保持するこの隣人らは、大方のアメリカ人よりア
メリカを敬愛するドイツ人。夫婦そろって熱心な共
和党支持者です。

 『OK牧場の決闘』で知られるツームストーンの
保安官は退役海兵隊員で元警官。出逢った頃は銃砲
店を経営していました。銃器のプロであることに加
え、誠実で信頼できる人柄、礼儀正しさから店は右
肩上がりの大繁盛でした。順風満帆のビジネスを手
放し法執行の仕事に戻ったのは「もう一度、人々の
ために尽くしたい」との願いだったと聞いています。


ガンショップ時代は角刈りでしたが、いまは長い口
髭をたくわえカーボーイハットにカーボーイブーツ
で決めています。保守もリベラルも含め全地域住民
の安全に献身する姿は現代版ワイアットアープです。
ちなみに幼年時代、わたしはスーパーマンや月光仮
面、モーガン警部、鉄腕アトムといった「正義の味
方」に憧れました。醒めた世相の昨今は冷笑を誘い
ましょうが、当時は月光仮面の決め台詞「正義は必
ず勝つ」を高らかに諳(そら)んじては得意になっ
たものです。そんなわたしの目に、ツームストーン
保安官は時の彼方から蘇った「正義の味方」のよう
に映ります。

 同保安官の伴侶は神経学の博士号を持つ才媛。外
傷性脳損傷のリハビリに「動物介在療法」を提唱し
啓もう活動を続けています。その縁で『チュースデ
ーに逢うまで』の著者、故ルイス・カルロス・モン
タバン大尉とも講演ツアーを行なったそうですから
世の中狭いものです。ちなみに彼女は射撃の名手で
もあり、ご主人共々拳銃を携帯しています。一見す
ると華奢(きゃしゃ)な才女には、「自分と家族の
安全は自ら守る」という古き良きアメリカの伝統が
脈打っています。

 わたしが通う射撃場の最長老の射手は陸軍の退役
上級准尉。ベトナム戦争で徴兵され、そのまま30年
勤め上げた強者(つわもの)です。70年代、情報部
准尉としてタイ陸軍との連絡任務に就くにあたり、
後年わたしが教鞭をとることになるDLIに学び、タイ
語基本コースを優等で卒業しています。その後、ド
イツに転属。この時マスターしたドイツ語は今も健
在で、前述のドイツ人が射撃場に姿を見せると英語
を使わずコミュニケーションをとっています。

 地元陸軍射撃チームの主将を務めただけあって、
天候に左右されない安定した射撃術は熟練射手のな
かでも傑出しています。小火器の取り扱い、分解組
み立て、修理保全、精度向上ノウハウに精通してい
るだけでなく、兵器史の生き字引でもあります。長
い軍歴を誇る愛国者ですから、彼はアメリカの歴史、
伝統、習慣、政治組織、経済体制を重んじる保守派
です。もっとも、指導者としてのトランプ氏はあま
り評価していないようです。射撃仲間の間でも政治
が話題になることはありますが、准尉の豊富な知識
と体験に裏打ちされた主張には客観性と信ぴょう性
があり、意見を異にする者にも一目置かれています。

 事程左様に、一言で「保守」とは言っても、各人
の経歴と人柄、政治信条と立ち位置、信心の度合い
は千差万別。あえて共通点を探すなら「義務、名誉、
愛国心、そして自由を尊ぶ独立独歩の人たち」とい
うところでしょうか。マスコミやハリウッドが描く
「保守」とは似て非なるもの・・・わたしにはそう
思えます。
 
 
▼戦闘用大群衛星網(3)新型兵器の予算超過問題

兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるため
には相手より優れた武器を持たねばなりません。兵
器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく続
いているのはこのためです。よく指摘される武器の
効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を抜
かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝ち」
の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な破壊
力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手放せ
ない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏面が
「抑止力」なのです。
加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞれ
の武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を考
えていくことにします。
アメリカの戦闘用大群衛星網(PWSA)シリーズ最終
回は、新型兵器の予算超過問題を取り上げます。

 1980年代のM247サージャントヨーク自走対空機関
砲、90年代のA12アベンジャー・ステルス攻撃機、そ
して2010年代のズムウォルト級駆逐艦は鳴り物入り
で開発された兵器でした。しかしM247とA12は開発中
止に追い込まれ、ズムウォルトは当初計画の10分の
1以下という少数配備で終わりました。いずれも予算
超過が敗因です。

 米宇宙開発局(SDA)の長官デレック・ターニアー
氏は物理学博士。技術系官僚になる以前は民間のIT
企業や宇宙関連会社に勤務しており、コスト削減の
重要さを理解していると思われます。

PWSAプロジェクトを計画倒れに終わらせぬため、タ
ーニアー長官は民間のビジネスモデルを積極的に採
用。イーロンマスク氏のスターリンク衛星ネットワ
ークが先鞭をつけた大量生産衛星と、一度に60基の
衛星を打ち上げるノウハウです。これによってハー
ドウェアそのものの単価を下げると同時に、サービ
ス面でも携帯電話のビジネスモデルに倣いました。
つまり、基本料金を維持しつつサービス機能を向上
させ顧客を維持する経営戦略です。この場合の「顧
客」とは米政府であり、「維持」は政府受注の更新
を意味します。

SDAは2026年までに少なくとも1000基の軍事衛星を打
ち上げる計画です。スターリンクがすでに3000基超
の通信衛星を打ち上げている事実を考えれば、極め
て現実的な目標だと言えましょう。

教材ビデオ:
 #US will have a ‘Swarm Of Satellites’ that 
will render ASAT weapons useless ! - YouTube

https://onl.sc/b1kgPaX

基本語彙(カタカナ表記は大雑把なものです)
Flat(フラット)定額で
Capability(ケイパビリティ)機能
Advance(アドバンス)向上する

シナリオ(カウンターを4:37に合わせてくださ
い)
  
“My goal is just like the cell phone model.  
We will keep the price of the satellite to the
 government essentially flat.  Just like your 
cell phone has a certain fixed price.  But the
 capabilities will continue to advance”
(ゴールは携帯電話のモデルと同一だ。政府向けの
衛星価格は基本的に定額とする。携帯電話サービス
が固定価格なのと同じだ。しかし、サービス機能は
向上し続けるのだ)

(今回のビデオは最後まで続きます)

英語一言アドバイス:
 flatは「平らな」という意味です。本ビデオの文脈
では「定額の」になります。ちなみにアメリカでは
航空母艦のことを口語表現でflattopと言います。

発音サイト:
flatの発音how to pronounce flat - Google Searc
h
https://onl.sc/CwdidiP

参考サイト: 
A12攻撃機 A-12 (攻撃機) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/A-12_(%E6%94%BB%E6%92%83%E6%A9%9F)

M247サージャントヨーク自走対空機関砲 M247サー
ジェント・ヨーク - Wikipedia
https://onl.sc/2cQYbvz

ズムウォルト級ミサイル駆逐艦 ズムウォルト級ミ
サイル駆逐艦 - Wikipedia
https://onl.sc/NuAcdXK



(かとう・たかし)



●著者略歴

加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。
アラスカ州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年
空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省
外国語学校日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT─あ
る“日本製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、
『名誉除隊』『加藤大尉の英語ブートキャンプ』
『レックス 戦場をかける犬』『チューズデーに逢う
まで』『ガントリビア99─知られざる銃器と弾薬』
『M16ライフル』『AK─47ライフル』『MP5サブ
マシンガン』『ミニミ機関銃』『MP38/40
サブマシンガン』(いずれも並木書房)がある。


追記

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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm

『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X 

『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share



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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専
門用語があります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日
本人が自衛隊のブリーフィングに出たとしましょう。
「我が部隊は1300時に米軍と超越交代 (passage of
lines) を行う」とか「我がほう戦車部隊は射撃後、
超信地旋回 (pivot turn) を行って離脱する」と言
われても意味が判然としないでしょう。

 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」
は "Repeat" ではなく "Say again" です。な
ぜなら前者は砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに
使う言葉だからです。

 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍
では建物の「階」は日常会話と同じく "floor"です
が、海軍では船にちなんで "deck"と呼びます。 
また軍隊で 「食堂」は "mess hall"、「トイレ」
は "latrine"、「野営・キャンプする」は "to bivouac" 
と表現します。

 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取
りあげ、軍事用語理解の一助になることを目指して
います。

加藤 喬
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三井・三菱財閥をわずか一代で超えた男の経営學
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