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こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第407号です。
きょうから、
「第2師団冬季戦技競技会」
がはじまります。
さっそくどうぞ。
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (407)』
第2師団冬季戦技競技会(1)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。
飽和潜水を行なう海上自衛官を取材したのは、まだ自衛隊の取材を
始めて日が浅い頃でした。
一般のダイバーが決して見ることのできない深度の世界を知る相手
に、敬意と憧憬を込めて「その深度だからこそ見られる(いい)景
色はありますか?」と尋ねたら、「僕らが潜るときは行方不明者の
捜索なんで、見つけられても見つけられなくても、いい景色とは言
えないですね」と言われました。
そもそも海上自衛隊が飽和潜水できる機能があるのは、潜水艦や艦
艇の事故などで行方不明となった隊員の捜索、救助のためです。冷
たく暗い深い海の中で彼らが捜すのは美しい魚影なんかじゃない。
自分の質問がつくづく恥ずかしく情けなかったです。
残り8名も、彼らによって1日も早く見つかりますように。
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◆雑誌記事のお知らせです。
●『正論』5月号の「われらの女性自衛官」、今回は第2師団音楽隊ホ
ルン奏者の3曹です。音楽隊から冬季戦技競技会に初(または記録
にないので数十年ぶり)に参加、約6キロのコースをみごと完走し
ました。スキーを始めたのは2音の所在する旭川に来てからだそう
ですが、この先はスキー指導官の資格取得も目指しているとのこと!
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■第2師団冬季戦技競技会(1)
令和5年1月26日~27日の2日間、北海道上富良野演習場にて
第2師団冬季戦技競技会が開催されました。
隔年で開催されているこの競技会は、「冬季の作戦行動に直結する
戦闘戦技能力の向上を図るとともに、部隊の士気の高揚及び団結の
強化を図る」という目的で行なわれています。
自衛隊にはさまざまな競技会があります。
たとえば航空自衛隊の戦技競技会戦闘機部門などは参加する戦闘機
が特別塗装で挑むため、航空ファンからも注目を浴びる競技会とし
て知られています。
ちょっとユニークなものでは調理競技会やラッパ競技会なるものも
ありますが、野外で迅速に、かつ隊員のモチベーション維持向上に
一役買う料理を提供することは重要な任務ですし、各種式典をはじ
め、起床から課業開始、食事、就寝まですべてラッパの音色で知ら
せる自衛隊において、音を外さず(自衛隊のラッパはピストンバル
ブが付いていないので息の速度で音を変えます)美しい音色を出せ
るか、これもまた非常に大事なことです。
陸上自衛隊でも射撃、持続走、武道といった各種競技会のほか、職
種や特技別にも競技会が行なわれています。
さらに全自衛隊で競うものは競技会ではなく大会となり、「全国自
衛隊銃剣道大会」「全国自衛隊拳法選手権大会」など、こちらも各
種大会が開催されています。私も北部方面隊または第7師団が開催
する戦車射撃競技会は何度も取材する機会を得ており、隊員たちの
一撃にかける熱い思いを目の当たりにしてきました。戦技の向上は
もちろん、「士気の高揚及び団結の強化」という目的にかなってい
ることも理解しています。
けれど、かねてから気になっていることがありました。
これまでに訪れた部隊の中には、持続走(一般でいう中距離走)や
格闘などが「戦闘戦技能力の向上を図る」という本来の目的から逸
脱し、競技会や大会で勝利することが最優先事項となっているよう
なところも見受けられたのです。
選抜された隊員を指導する指導教官は、それこそ文字通り、1年中
その競技にかかりきりです。そして指導教官がそのことに何の違和
感も抱いていない様子なのが、長らく引っかかっていました。
今回、1月26、27両日に北海道上富良野演習場で開催された第
2師団冬季戦技競技会を取材したのは、長年のモヤモヤを晴らした
いという思いがあったからです。
また、日本は積雪量も降雪量も世界1の記録を持つ世界でも有数の
雪国であり(国土の51%が豪雪地帯)、積雪寒冷地部隊ではスキ
ーは必要不可欠です。その練度を実際に見てみたいという思いもあ
りました。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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2022年、
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