配信日時 2023/03/30 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (404)】第6戦車大隊最後の訓練検閲(2)    渡邉陽子(ライター)

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常に彼らの存在が見え隠れすると
国際関係学者の藤井厳喜先生は言います。


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こんばんは、エンリケです。

「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第404号です。

「第6戦車大隊最後の訓練検閲」の2回目。

木を使用した擬装は効果的だが変色し交換が必要、
敵に撃破された戦車は対抗部隊の位置特定の手助
けになる、戦車同士の戦闘では、3両で1両を狙い
自分が攻撃されるリスクがある、といった解説が
嬉しい記事です。

では今日の記事さっそくどうぞ。


エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (404)』

 第6戦車大隊最後の訓練検閲(2)

  渡邉陽子(ライター)

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こんばんは。渡邉陽子です。
昨年7月から休みなくずっと働いてきたのですが、今月半ばあたり
からぱたりと暇になり、空いた時間を有効利用できず、なんとなく
ぼんやり過ごしています。ほどよく働きほどよく休めれば理想的で
すが、なかなかうまくいきませんね。

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■第6戦車大隊最後の訓練検閲(2)

7月9日に始まった訓練検閲。7月11日朝の時点で戦況は進んでおら
ず、この日は戦車の動きもないことが予想されました。そこで第6戦
車大隊が展開している地域に行ってみると、ちょうど74式戦車の擬
装が行なわれているところでした。

バラキューダで覆うだけでなく天然の枝木もふんだんに使うことで
より擬装効果が見込めますが、午前中に切って偽装に使った木は午
後になるとどんどん枯れて変色してしまうので、取り換えなくては
いけません(ここで面倒がっては偽装の意味がなくなってしまいま
す)。第6戦車大隊長は今回の訓練検閲について「今まで積み重ねて
きた練成の成果を十分に発揮して有終の美を飾りたい」と語ってい
ました。

2018年の時点で、第6戦車大隊は大和駐屯地に所在し、74式戦車を装
備しています。大隊本部、本部管理中隊、2個の中隊で編成されてい
ますが、2019年3月末に第6師団の機動師団化の際、第6戦車大隊は廃
止されることが決まっています。
1962年から半世紀以上にわたって続いて来た部隊の幕引きにふさわ
しい、大隊長の言う「有終の美」を飾れるかは今後の攻防にかかっ
ています。

大隊長車を後にして別の場所に向かうと、敵に撃破された74式戦車
に出くわしました。先ほど戦車回収車を見かけたのですが、おそら
くこの戦車の回収のためにやって来たのでしょう。
今回の対抗部隊は多賀城駐屯地所在の第22普通科連隊が担当してい
ますが、この場で戦車を2両撃破したといいます。ちなみに第22普通
科連隊2019年に第22即応機動連隊に改編され、現在は即応性と機動
力を高めた諸職種協同部隊となっています。

攻撃側がやって来るのを待ち構える防御側の対抗部隊が有利である
ことは確かですが、防御側もこうして戦車を撃破したことによって
自分たちがここにいることが相手に知られるので、リスクはありま
す。場所を特定される前に素早くその場から離脱すれば、それはそ
れでその先に主陣地があるのかと読まれてしまいます。
撃破された2両は状況終了まで火力を発揮することはかなわなくなり
ましたが、少なくとも撃破されたことで対抗部隊の位置の特定には
一役買いました。

戦車同士の戦闘の場合、3両で1両を狙うのが基本のため、どんな機
種であろうが狙われた1両はほぼ撃破されます。しかし撃った側は自
分の居場所が相手に知られるので、今度は自分が狙われることにな
ります。「撃ったら撃たれる」は戦車のセオリー、一発必中が謳わ
れるのにはこういった戦車の戦い方によります。

ただ、戦車を狙っているのは戦車だけではありません。戦車がもっ
とも恐れるのが生身の歩兵なのは、戦車の中にいると歩兵がどこま
で近づいているのかわからないからです。
まったく気づかないまま忍び寄られ、戦車内に手りゅう弾1つ落とさ
れたらそれで終わりです。
また、戦車だとエンジン音が聞こえれば距離もだいたい予測できる
そうですが、歩兵の持つ対戦車ミサイルで撃たれるのは予測もでき
ず、撃たれた後も場所が特定できないので、戦車としては嫌な存在
に違いありません。さらに航空機からの攻撃にも警戒しなければい
けません。今はドローンの脅威もあります。


(つづく)


(わたなべ・ようこ)



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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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2022年、
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