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「青天を衝け」渋沢栄一は何をしたのか?
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戦争、選挙、金融…
世界中のあらゆる事件をネタに…
常に裏で利益をむさぼるある集団がいた…
国際情勢のあらゆる事象の背後には、
常に彼らの存在が見え隠れすると
国際関係学者の藤井厳喜先生は言います。
↓
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こんばんは、エンリケです。
本連載のアーカイブサイトができました。
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過去記事をすべて格納してますので、
ブックマークに入れ、折に触れ読んでみてください。
58回目の配信です。
時を追うごとに、
人間の全てが小さくなってきた感を持つのは
私だけでしょうか? 国内外問いません。
<私達が排出したCO2を光合成によって吸収して
くれる植物そのものが減ってしまうという“本末転
倒”を平気でやり続ける>ことは、人間であれば誰
の目にも明らかな愚かな行為ですが、動きが全く
止まりません。
人間としての常識が全く通じない「ナニカ」に
人類はまたもや支配されてしまったのかもしれま
せん。
さっそくどうぞ
エンリケ
◆本連載のバックナンバーはこちらで
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我が国の未来を見通す(58)
「気候変動・エネルギー問題」(23)
再生可能エネルギーの課題(その1)
宗像久男(元陸将)
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□はじめに
米軍が破壊した後、気球は1個だけではなかった
ことも驚きですが、偵察気球をめぐる米中の動きが
予想以上の展開になってきました。
気球といえども、他国の領空に飛来したら破壊され
る可能性は高く、そうなれば、そこに積載している
情報収集器材なども当該国に奪われ、情報収集の狙
いや技術レベルまで丸裸にされる……なんぼ何でも
そのくらいは当事者たちの“常識”として思考の範
囲にあると、普通は考えます。
よって、安価であるとか長時間上空に滞在できるな
ど気球のメリットはあっても、気球に積載している
技術などに大した技術はなく、“捨ててもよい”く
らいの器材をもってその範囲で情報を収集していた
ものと推測します。
中国は、「米国の気球も中国上空に飛来している」
と発表しているようですが、それが真実ならばもっ
と大騒ぎして、ただちに破壊、徹底的に技術を解明
して、自国技術に応用することでしょう。なんせ、
常套手段ともいえる、危険を犯してのスパイ活動を
する必要もなく、向こうから情報が舞い込んできた
のですから。逆に、それを知っているから、米国は
そのような“へま”をやらないでしょう。
それにしても、かつて日本の近海に飛来した際の当
時の答弁が国会で蒸し返ししていますが、当時、「
また飛来するか」の質問に対して「気球に聞いてく
れ」とか「我が国の安全保障に影響はない」と断言
した外務大臣の危機意識や責任感のなさについて、
今さらではありますが、どのように理解すればよい
か頭を抱えます。
この方は、防衛大臣の時には、「ロケットのブース
ターが民有地に落下する危険がある」との理由で、
当時の我が国の核抑止にもつながるミサイル防衛の
“切り札”だったイージス・アショアを取りやめる
決断をしました。当時、個人的にはイージス・アシ
ョアの問題点は知ってはいましたが、防衛大臣の核
抑止やミサイル防衛の認識のレベルを知って呆れた
ものでした。のちに総理候補にもなるのですが、こ
のたび、「所管外」を12回繰り返したやり取りを
テレビで拝見し、またもや「いやはや」という感想
を持ちました。当人を批判したりする気持ちは毛頭
ないのですが、あらためて、日本の政治家の資質と
か資格とか責任感などについて思い知らされること
でした。
さて、一連の動きから、バイデン大統領のゴングの
後、早くも米中間の「新冷戦」の第1ラウンドが始
まったような雰囲気がありますが、バイデン大統領
は、16日、「謝罪はしないが、中国とは対立では
なく競争を望む」と習近平主席との対話を再開する
考えを示しました。今後とも、双方から「共存」の
知恵を出すことが求められて来ることでしょう。
かつての「冷戦時代」もそうであったように、「新
冷戦時代」も我が国、なかでも国家の旗振りの役割
を担うべき政治家の先生方は、すでに「蚊帳の外」
に置かれているような構図が見えてきます。
戦略3文書の書きっぷりは、これまで以上に外務省
や防衛省以外の他省庁の協力についても触れられて
はいますが、「GXの基本方針」のように全省庁、
政府、経済界、学界などが全会一致で臨むというと
ころまでは至ってないことも事実です。
今後、周辺情勢はますます激烈化するとともに、国
内外の奇妙な事件や事象に幾度となく出くわすこと
でしょう。最も欠けている国民の国防意識の醸成を
はじめ、サイバーなど官民の専門家が一緒になって
活動できる組織や各専門家の育成などを含め、国家
を挙げて取り組まなければ我が国の将来の安寧を担
保できないでしょう。せめて、国民の負託を受けな
がらも自らの地位・役割を理解していないリーダー
たちのトンチンカンな対応によって、我が国が国益
を失い、取り返しのつかない姿になるのだけは見た
くないものと考えています。
▼世界の再生可能エネルギーの現状と傾向
さて前回の続きです。2022年12月6日、IE
A(国際エネルギー機関)は「再生可能エネルギー
(以下「再エネ」と呼称)は、2025年初めには
石炭を抜いて世界最大の電源になる」との見通しを
発表しました。この背景には、ロシアのウクライナ
侵攻の結果、化石燃料などのエネルギーが高騰した
まま推移していることから、各国がエネルギー安全
保障に危機感を抱いたことが大きな要因としてある
ことは明白でしょう。
しかし、これまでの経緯をみると、もともと「脱炭
素」に力を入れていたヨーロッパ諸国はもちろん、
アメリカや中国、インドなども再エネに対して規制
改革や導入支援策を充実させ、取り組み強化を進め
てきていることが背景にあります。再エネの発電量
は、総発電量の約3割の300GW(2022年当
初)ですが、IEAは、2027年までに約8倍の
2400GWに増加すると見通しています。
世界的な傾向としても、再エネの中で、太陽光発電
が全体の6割以上を占め、次いで風力、水力などが
続きます。この太陽光発電は、今後最も増えると見
積もられ、容量ベースで2026年に天然ガスを、
2027年には石炭を抜くと予測されています。
このたびのドイツの例をみるまでもなく、再エネに
は、太陽光発電であれば日射条件、風力発電であれ
ば風況などによって、安定供給に問題があることは
明白ですが、それらの特性を踏まえても、この先5
年~10年間で世界の再エネ普及率は大きく飛躍す
るようです。
IEA報告のような世界的傾向を加味した上で、政
府は、GX実行計画の中で、再エネに対する期待度
を明らかにしたのでしょうが、前回その一部を紹介
したように、我が国は我が国独特の特性もあります。
再エネを「自国内で得られる国産エネルギー」と
手放しで喜ぶわけにはいかない課題もいくつかある
と考えます。逐次明らかにしましょう。
▼我が国の太陽光発電の現状
前回、我が国のGX実行計画では、再エネによるエ
ネルギー確保を現在の22.1%から2030年度
には36~38%に引き上げることを目指し、その
シェアのトップは太陽光発電(現在9.3%)であ
ることは紹介しました。
あらためて世界の太陽光発電の現状をチェックして
みますと、ウクライナ戦争勃発前でありますが、I
EAのデータによると、2021年の再エネ導入ラ
ンキングは、第1位:中国(55GW)、第2位:
アメリカとEU(27GW)、第3位:インド(1
3GW)に続き、日本は第4位(6.5GW)とラ
ンキングされています。近年の傾向として太陽光発
電容量は著しい増加傾向にあり、2021年は前年
比30GW増の175GWを記録しました。
これまでの累計をみても、第1位:中国(309G
W)、第2位:EU(179GW),第3位:米国
(123GW)、そして日本が第4位(78GW)
と続きます。近年、中国が常にトップを走り、鋭意
的に太陽光発電に取り組んでいることがわかります
が、国別の面積では第60位にランクされる小さな
国土面積にもかかわらず、日本はすでにTOP5入
りしていることは驚異的なことです。
太陽光発電は、一般にメガソーラーと呼ばれる10
kW以上の発電量を有するものと住宅用の10kW
未満のものに区分されていますが、世界の傾向とし
ては6割ほどがメガソーラー、残りが10kW未満
の住宅用となっており、どちらも増加傾向にありま
す。
それに対して、我が国の太陽光発電の導入量の累積
推移をみますと、10kW以上の発電量を有するメ
ガソーラーが40GW以上と約7割弱を占め、住宅
用の太陽光発電の普及率はさほど進展せず、住宅総
数の約9%程度といわれています。
▼太陽光発電の問題点・課題―高コスト
我が国の政治家などには「グローバリストでなけれ
ば国際社会の市民権は得られない」と信じて疑わな
い人が多く、そのような人たちは、諸外国が「自国
の国益を最優先している」事実を理解しようとしな
い傾向にあるようです。
その証拠を示すように 自民党には、約100名の
「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」(再エネ
議運)のメンバーになっている先生方がおられるよ
うです(名簿をみるとそうそうたる名前が並んでい
ます)。この先生方がどれほどの問題意識を持って
いるかは不明ですが、再エネのうち、太陽光発電に
ついては、多方面から様々な問題点や課題が指摘さ
れています。その主だったものを紹介しておきまし
ょう。まずは「高コスト」です。
我が国の太陽光発電がここまで普及した背景は、
「脱炭素」とは全く関係なく、東日本大震災以降の
「脱原発」を推進するために、再エネ由来の電力を
決められた価格で大手電力が買い取る「FIT制度」
(Free-inTariff)を導入したことにありました。
FIT制度は、平成24(2012)年度に導入が
始まり、当時は、主に事業用(10kW以上)の買
い取り価格が国際価格よりも高い1kWあたり40
円と設定され、買い取り期間は20年と設定された
ため、「もうかる」とみて新規参入が殺到しました。
最近では買い取り価格が11~12円まで下がり
ましたが、必要以上に高い価格で設定したことが電
力供給をゆがめることにつながってしまったのでし
た。
そして、その影響は電気料金にも影を落としていま
す。つまりFIT制度の買い取り費用は、「再エネ
賦課金」として電気料金に上乗せされて徴収されて
いることはすでに紹介した通りです。買い取り価格
は安価になっても、再エネ導入量が増加しているた
め、買い取り価格の総額は増える一方でした。
その結果、賦課金自体も電気料金の約1割を占める
までに膨らみ、一例を挙げれば、月の電気量が26
0kWhにおける賦課金負担額は、平成25年度に
は1092円だったものが令和4年度には10,7
64円に膨れ上がりました。ちなみは、拙宅の1月
の電力消費量は、家内と2人暮らしで499kWh
でしたので、年間2万円ほどの賦課金を負担してい
ることになります(それでなくとも、今月の電気ガ
ス料金は、月額にしてはじめて2万円を超えました)。
なお、FIT制度による国民の負担が2021年に
は2.7兆円に及ぶことが判明したため、2019
年11月以降、買い取り期間を順次終了することと
し、政府は、2020年6月、2050年の「脱炭
素」を目指して、FIT制度のような固定価格で買
い取りするのではなく、再エネ発電事業者が売電し
た時、その価格に対して一定のプレミアム(補助額)
を上乗せすることで再エネ導入を促進する方針に変
更しました。これが「FIP制度」(Free-in
Premium)であり、2022年4月よりスタートし
ました(恥ずかしながら、私自身は、FIP制度導
入について最近まで知りませんでした)。
GX実行計画においては、「FIT/FIP 制度
について、発電コストの低減に向けて、入札制度の
活用を進めるとともに、FIP制度の導入を拡大し
ていく。さらに、FIT/FIP 制度によらない
需要家との長期契約により太陽光を導入するモデル
を拡大する」としていますが、いずれにしても、こ
の後に述べます太陽光発電のコストはほかと比較し
て高額になることから国民の負担増は避けられない
と考えます。
その事実をチェックしておきましょう。経済産業省
が2020年9月、公表した「総合エネルギー調査
会発電コスト検証ワーキンググループ報告書」によ
りますと、それぞれ発電による発電原価は、原子力
が11.5円/kwh、太陽光(事業用)12.9
円/kwh、住宅用17.1円/kwh、洋上風力
30円/kwh、陸上風力19.8円/kwhとあ
ります。つまり、経産省の試算でさえ、太陽光は原
子力より割高になることがわかります。
その上、太陽光は雨が降った時、そして夜間は十分
な電力を発電できないという不安定さがあり、その
分を火力発電や蓄電池で補わなければなりません。
経産省のデータには、これらの“バックアップ”に
ついては計算に入っていないといわれます。
これらをすべて加味した試算として元内閣官房参与
の加藤康子氏は、「原発1基(発電量60億kwh/
年、必要面積60ha、建設費・廃炉費用・安全対
策費を含み6000億円~7000億円)と同じ発
電量の太陽光発電設備の製造コスト(土地の取得、
太陽パネル、蓄電池など)を比較すると、原子力の
開発コストの約8倍に及ぶと見積もっています。
しかも、原発の寿命がこのたび、60年ほどに延期
されたことと比較すれば、「太陽光発電設備の寿命
は20年程度」であり、「これらのコスト増もすべ
て補助金でまかなわれる」ことにも言及しています。
その上、この例で言えば、原発が東京ドームの13
個ほどの面積なのに比し、その約10倍以上、つま
り山手線の内側全部にあたる面積が必要であると太
陽光発電は広大な面積が必要なことを指摘していま
す。
▼太陽光発電の問題点・課題―環境問題
その結果として、地球環境への対策のはずが、「太
陽光発電が最大の環境問題を引き起こしている」と
いう指摘につながります。
つまり、大規模なメガソーラーを建設するには、広
大な森林を伐採しなければなりません。前述しまし
たように、狭い国土面積でありながら累計で世界第
4位を占める我が国は、すでに全国各地にメガソー
ラーが建設されており、私たちは全国どこに行って
も、伐採された後の日当たりのいい南側斜面やゴル
フ場跡地、そして耕作放棄地だったような場所など
に建設されているメガソーラーを目にします。
この乱開発が原因となって、近年の豪雨で土砂災害
や水害も全国各地で発生しています。建設される度
に地域住民の反対もあるようですが、情報開示とか
行政手続きの不備、審査ミスなどが重なり、この流
れを止めることはできないといわれます。何と言っ
ても、政府が「グリーンエネルギー」とかGX計画
を大々的に推進している以上、地方出身も政治家も
地方自治体も関連企業も(地域住民の声よりも)政
府の方針を優先するのは当然だからです。
これら環境破壊に待ったをかけるために、2021
年7月、北海道からとして九州まで「全国再エネ問
題連絡会」なども立ち上がりましたが、当然、この
流れを食い止めるまでの力及ばず、細部は省略しま
すが、「FIT法」や「森林法」など、法の“抜け
穴”を熟知している悪質事業者もかなり存在するこ
とも指摘されています。
GX実行計画では、2030年まで再エネのシェア
を現在からほぼ倍増を企図していますので、メガソ
ーラーも現状の約2倍になることを覚悟する必要が
あります。その姿を想像するととても不思議です。
森林が伐採され、農地が破壊されると、「ウサギ追
いし……」に象徴される山林や里山などの景観が今
以上に変わってしまうばかりか、私達が排出したC
O2を光合成によって吸収してくれる植物そのもの
が減ってしまうという“本末転倒”を平気でやり続
けることになります。世にいう環境活動家たちはこ
の現状をどう見ているのでしょうか。(つづく)
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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【著者紹介】
宗像久男(むなかた ひさお)
1951年、福島県生まれ。1974年、防衛大学校卒業後、
陸上自衛隊入隊。1978年、米国コロラド大学航空宇
宙工学修士課程卒。陸上自衛隊の第8高射特科群長、
北部方面総監部幕僚副長、第1高射特科団長、陸上
幕僚監部防衛部長、第6師団長、陸上幕僚副長、東
北方面総監等を経て2009年、陸上自衛隊を退職(陸
将)。日本製鋼所顧問を経て現在、至誠館大学非常
勤講師、パソナグループ緊急雇用創出総本部顧問、
セーフティネット新規事業開発顧問、ヨコレイ非常
勤監査役、公益社団法人自衛隊家族会理事、退職自
衛官の再就職を応援する会世話人。著書『世界の動
きとつなげて学ぶ日本国防史』(並木書房)
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