配信日時 2023/02/13 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(205)】 日本とトルコの間の深い歴史──「物語を残す」ことの大事さ   桜林美佐(防衛問題研究家)

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戦争、選挙、金融…
世界中のあらゆる事件をネタに…
常に裏で利益をむさぼるある集団がいた…

国際情勢のあらゆる事象の背後には、
常に彼らの存在が見え隠れすると
国際関係学者の藤井厳喜先生は言います。


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おはようございます、エンリケです。

205回目の「美佐日記」です。

<「物語を残す」ことが極めて大事>

まったく同感です!

この積み重ねが、正鵠を射た歴史と記憶
と人間を紡ぎあげる基盤になるはずです。

ではきょうの「美佐日記」、さっそくどうぞ。


エンリケ



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ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
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桜林美佐の「美佐日記」(205)

日本とトルコの間の深い歴史──「物語を残す」こ
との大事さ

桜林美佐(防衛問題研究家)


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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、205回目となりま
す。

 トルコで大地震が発生し、非常に多くの犠牲者が
出てしまいました。一瞬にして愛する人を失った人
たち、ご遺体に寄り添って手を握っている姿がニュ
ース映像に映し出され、胸が締め付けられる思いで
す。

 トルコは1999年8月17日にも大地震に見舞
われました。日本は速やかに海上自衛隊をはじめと
する救援チームの派遣を決めています。

 輸送艦「おおすみ」、掃海母艦「ぶんご」そして
補給艦「ときわ」が神戸港を出港しました。そして、
阪神大震災で使われた中古の仮設住宅500戸を輸送
する「ブルーフェニックス大作戦」を実施したので
す。

艦艇にコンテナを搭載するのは初めての経験だった
ため、細心の注意を払いながらの航行でしたが、一
刻も早く被災地に届けるためには寄港はエジプトで
補給のための1日だけにとどめ最大速力で被災地に
向かいました。その結果、23日ノンストップとい
う連続航行記録を作ることになったのです。

 驚異的な速さで海自艦隊は10月18日の早朝に
イスタンブールに入港。その深夜までに仮設住宅の
陸揚げ作業を完了させたといいます。

 このような大ミッションを行うに至った背景には
日本とトルコの間の深い歴史がありました。

1980年からのイラン・イラク戦争で、フセイン
大統領は48時間後にはイラン上空を飛ぶ飛行機は
無差別で攻撃すると宣言し、各国は即座に自国民の
脱出を開始しました。

 しかし、日本は狼狽するばかりで邦人保護の措置
ができず、取り残された日本人は外国便の航空チケ
ットを求めますが自国民が優先で日本人は乗ること
ができませんでした。

 その時に日本人を救ったのがトルコでした。同政
府は自国民救出のための飛行機2機を日本人に差し
出してくれたのです。

 これにより全ての邦人がイランを脱出することが
できたのです。タイムリミットまであと1時間とい
う瞬間でした。飛行機に乗れなかったトルコの人々
は陸路で脱出したといいます。

 1999年の派遣に際し、横須賀で救援物資を積
み込んだ「おおすみ」の出港時、艦長からは次のよ
うな訓示があったそうです。

 「われわれは、イラン・イラク戦争の際に、危険
を顧みずに邦人を助けてくれたトルコの友情に、今
こそこたえなければならない」と。

 そしてこの言葉はイラン・イラク戦争の時に日本
を助けてくれたトルコ政府によるものを彷彿とさせ
るものでした。

 「エルトゥールル号の借りを返しただけです」

 この時、なぜトルコが日本人を助けてくれたのか
マスコミ関係者も首をかしげていたといいますが、
実ここにもドラマがあったことはもう読者の皆さん
はご承知の通りだと思います。

 1890年(明治23年)に、日本を訪れ帰国し
ようとしていたトルコの船「エルトゥールル号」が
台風により遭難した出来事にさかのぼります。

587名が亡くなり生存者わずかに69名という大海難
事故でした。この時、和歌山県串本町の人々が、不
眠不休で生存者の介抱や行方不明者の捜索などを行
い、翌年、当時まだできたばかりの帝国海軍が生存
者をイスタンブールに送り届けたのです。

先の大地震救援のため海自の救援部隊が通った3万
3千キロの航路は、実はこの時に2隻の軍艦「金剛」
「比叡」が生存者を載せてトルコに向ったのと同
じものでした。

 やはり私たちは歴史を顧みることなく生きてはな
らないですし、過去の人々が遺してくれた遺産に救
われていることを自覚しなくてはならないと改めて
思います。

 トルコでは「エルトゥールル号」の逸話を学校で
習うそうですので、あのイランからの脱出劇もその
記憶があったからこそのことでした。同じように私
たちも「物語を残す」ことが極めて大事だと実感し
ます。

 『自衛官が語る災害派遣の記録』と『自衛官が語
る海外活動の記録』が並木書房から刊行され、私も
お手伝いさせて頂いたことは本当に意義深かったと
思いますし、さらに今後は、外に出せないような話
も含めた経験談を自衛隊内で残していくオーラルヒ
ストリーの必要性もあるのではないかと感じます。

 今週も最後まで読んで頂きありがとうございまし
た!皆様にとって素晴らしい1週間となりますよう
に!


<おしらせ>

●スタッフが英語圏の方たちでコミュニケーション
に苦労しているYouTube企画『Boei Cafe』慶応大学
教授で元内閣官房参与の谷口智彦さん、元国家安全
保障局次長の兼原信克さんに続き、最新版は松川る
い参議院議員が登場しています。
そして、私がお相手しているのですが、収録時に通
信が乱れてしまい音声だけになっています。とほほ
・・。
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シアのウクライナ侵攻」の書籍版も、ワニブックスから
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(さくらばやし・みさ)



桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。

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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)
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三井・三菱財閥をわずか一代で超えた男の経営學
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