こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第392号です。
1212に渡邉さんが出演(3回目)された
ニッポン放送ラジオ
「私の正論」(毎週月曜1810-1820)
聞きました?
渡邉さんの出演は全4回。
残り1回です。次回放送(最終回)は26日(月)です。
ぜひお聞きください。
https://podcast.1242.com/show/seiron/
ニッポン放送ラジオ
「私の正論」(ゲスト:渡邉陽子(ライター))
(毎週月曜1810-1820)
https://podcast.1242.com/show/seiron/
では今日の記事、
「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」
の29話目。
火箱さんが怒られました。
早速ご覧ください。
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (392)』
神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生(29)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。
自衛隊の不祥事関連のニュースで驚いたのが、部下へのパワハラで
初の降格処分があったことと、50代の2曹が複数名の上司へのパ
ワハラで処分されたこと、五ノ井さんの性被害に関わった5名全員
が懲戒免職処分となったこと、そして各種ハラスメント調査で14
14件もの被害申告があったことです。パワハラ、セクハラを黙認
したり諦観したりする空気が、被害者を増やし、その傷も大きくし
てしまったのでしょう。
私は、自衛隊はとても閉塞的な空間だと感じているので、このよう
な歪みが生じるのは必然だと考えます。だからこそ、閉塞的な環境
でも自浄機能が働くシステムが不可欠だと思います。懲戒免職とな
った隊員の中には、反省する気持ち以上に「たまたま俺は見つかっ
てしまい、運が悪かった」という気持ちのほうが大きい人もいるの
ではないでしょうか。
それにしても、上司へのパワハラっていうのもすごいですね。古参
の海曹が年下の若い幹部自衛官をいびり倒した、ということでしょ
うか。この海曹は、自衛隊の外でも続く仕事はなさそうですね。
<ラジオ出演のご案内>
毎週月曜、1810~1820に放送されているニッポン放送「私の正論」
に、11月28日から4週連続(12月19日を除く)で出演します。自衛
隊のことなどお話させていただきます。次回、12月5日は、自衛隊
に興味を持ったきっかけなどをお話します。
私の正論
https://www.1242.com/seiron/
https://podcast.1242.com/show/seiron/
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■神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生(29)
陸幕広報報道担当となって間もない頃に、「募集難のこの時期、少
しでも貢献できれば」という思いから写真週刊誌の記者へ新しく作
成したポスターを貸したところ、なんと日教組のポスターと並べて
掲載されることになってしまった。最初からそれがわかっていたら
、もちろんポスターを貸したりするはずがない。貸した後に、写真
週刊誌の企画が変わってしまったのだ。これは週刊誌側の完全なル
ール違反である。
当初は「自衛隊の募集ポスターも時代に合わせて雰囲気重視のもの
に変わってきた」という趣旨でポスターを紹介する話だったから、
火箱は乗り、東京地連の協力も得たのだ。おそらく編集サイドが、
ただ「自衛隊がこんなポスターを作りましたよ」と紹介するよりも、
日教組のポスターと並べたほうが誌面としてよりおもしろいと判
断したのだろう。
そして推測になるが、火箱への連絡はあえて、すでに輪転機が回り
どうにもできない時点とした。事前に変更を伝えれば、まず掲載N
Gと言われることがわかっているからだ。
募集に貢献するどころか、自衛隊をやゆされるような記事に陸幕広
報が自ら協力する形になってしまったかもしれない。募集課長に報
告すると火箱同様青くなり、その様子を見ているだけでも事の重大
さが伝わってきた。
そして話はなんと陸幕長にまで上がり、火箱は寺島泰三陸上幕僚長
(当時)に呼ばれて「なんでこんなもん出すんだ!」と大目玉を食
らった。
陸上自衛隊のトップから3佐が直々に叱られるとは、考えられない
事態である。自分の軽率な行動を悔やんだ。「クビかな。辞表書く
ことになるか」と、覚悟した。
つてを頼って、書店に並ぶ前に肝心の写真週刊誌の中身を確認する
ことができた。
記事は自衛隊をやゆしているものではなく、「自衛隊も日教組も大
変だね」という比較的好意的な内容であったことは不幸中の幸いだ
った。
そのため、直属の上司だった広報室長や募集課長からも叱られたも
のの、自衛隊を否定するような記事ではなく特に影響はなかったと
いうことで火箱への処分はなし、陸幕長も「じゃあしょうがない」
と矛を収めてくれた。
それでも自分の軽率な行動を悔やむ火箱に、監理部長が「募集広報
に使える限られた予算の中、少しでも募集に貢献したいと積極的に
動いた結果なんだからいいよ。陸幕長には俺からも謝っておくから、
これからもその積極姿勢でやれ」と言ってくれた。救われる思い
がした。
この一件で、広報への意識が変わった。広報が発信するものがどれ
ほどの影響力を持つのか骨身に染み、過大評価も過小評価もない、
ありのままの自衛隊を国民に知ってもらうために全力を尽くそうと
決意した。
とはいえ、当時のマスコミは一部をのぞき、基本的に自衛隊のこと
は「叩いて叩いて叩きまくる」というスタンスだった。戦前の暴発
した軍への回帰を極端に恐れ、自衛隊のような武装集団は叩いてお
けば平和が維持できる、そういう時代だった。一方的な記事を目に
するたびに、火箱は「俺たちは戦争好き集団じゃないんだぞ。ちゃ
んと等身大で評価してくれよ」と悔しい思いをした。
だが、当時の自衛隊には隠ぺい体質と受け取られても仕方がないと
ころもあった。戦車砲弾などが演習場外の国有林に出てしまう事案
や弾薬不符合事案、隊員の不祥事事案が続くと影響が大きいので、
原因究明に戸惑い発表が遅れたり、発表を控えたりするようなとこ
ろがあったのだ。それも火箱は気に入らなかった。いくら等身大に
見てもらいたいと思ってもそんなことをしているようでは、実現は
程遠い。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
2022年
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