配信日時 2022/12/19 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(199)】 メディア本来の役割り──複数の女性を巻き込んだ数奇な事件   桜林美佐(防衛問題研究家)

199回目の美佐日記。

桜林さんの新番組がYoutubeで始まっています。
くわしくは<おしらせ>でどうぞ!

登場する

テレビ西日本

「ゴリパラ見聞録」ファンの
私には、なじみ深い名前でしたw

いい仕事したんですね!


さっそくどうぞい


エンリケ


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おめでとうございます!!

くわしくは文末<おしらせ>でどうぞ。

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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
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自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
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版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
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桜林美佐の「美佐日記」(199)

メディア本来の役割り──複数の女性を巻き込んだ
数奇な事件


桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年12月の今
回は199回目となります。

 前回、ウクライナへの防寒着提供で衣替えができ
なくなってしまった自衛隊について書きましたが反
響を頂戴しました。

Uさんから「トイレットペーパー事案、装備品の共
食い、許認可権が無い自衛隊は、退職後の就職が難
しいなどからわかると思いますが、諸外国の軍隊と
はかけ離れた地位・処遇です。桜林さん!これらの
ことを声を大にして国民の皆様へ伝えてください。
」と頂きました。ありがとうございます。

さて、このところメディアではトップの話題が防衛
費の増額とその財源問題となっています。岸田首相
が示した増税の意向に与党内でも激論が交わされて
いるところですが、早速、街頭インタビューで人々
が「増税はやめてほしい」という反応をし始めてい
ます。そりゃそうでしょう。

このことで人々が「増税反対」→「防衛力強化反対
」になってしまったら、まさにこの増税論議は利敵
行為にほかならないことになります。メディアの役
割は本筋に話を戻すことではないかと思いながら眺
めています。

どうもまだ、防衛力強化は米国のため、というスト
ーリーを作りたい人たちは「トマホーク購入」→米
国のため、「常設統合司令部の設置」→米国との共
同作戦のため(自衛隊の事情なのになぜこういう見
出しになるの?)と強調する向きがあります、因み
に防衛費の9割は国内に還流していることもまた事
実なのです。

ロシアによるウクライナ侵略で当初「偽情報」が流
布されましたが、私たちも常に偽情報に囲まれてい
ると自覚しなくてはなりません。

そんなわけで、普段、日中にテレビを見ることはほ
とんどないのですが、先日たまたまドキュメンタリ
ー番組を放送していて、それが2021年の民間放
送連盟賞のテレビ報道部門最優秀賞を受賞したとい
うことで、ラジオドキュメンタリーにもちょっとば
かり関わっている私としては目が離せなくなり、仕
事に取り掛からなくてはならない時間ではありまし
たが、最後まで視聴してしまいました。

その番組は「すくえた命~太宰府主婦暴行死事件~
」と題されたもので、テレビ西日本が制作したもの
です。

私はこの事件をてっきり大宰府付近でのことだと何
年もの間、思っていましたが、よく内容を知ると、
実際は佐賀県基山町の人間関係を中心にした、非常
に信じがたい、常軌を逸する話だったのです。

 4人の子を持つ普通の主婦だった高畑瑠美さん(
当時36歳)が、2019年10月、本人なのかど
うか見分けられないほどに殴られ、太ももをナイフ
や割り箸で刺され殺害されました。高畑さんは兄の
借金を肩代わりしていたといいます。

 主犯は山本美幸という当時41歳の女で、中洲や
久留米のホストクラブでは「女帝」と称される常連
客だったそうです。高畑さんは兄の借金返済をこの
女にするうちに、脅されてホストクラブに連れてい
かれるようになり、そのうちに同居するようにもな
っていました。

 そもそも高畑さんの兄の借金というのも高校の先
輩だった山本美幸に「奢るからに飲みに行こう」と
何度も連れられ、後になって自分はヤクザに関係が
あると言って膨大な飲み代返済を求められたものだ
ったそうです。

高畑さんは毎日、カップ焼きそばと食パンを無理矢
理食べさせられ、別人のように太らされていたとい
います。肥満女性に特化した風俗店で働かせるため
でした。

 高畑さんの家族は何度も鳥栖警察署に訴えますが
、金銭トラブルにすぎないと捉えられ、全く聞き入
れてもらえず、とうとう最悪の結果となってしまっ
たのです。

 鳥栖警察も基山という場所も、私はこの事件が発
生した時期に目と鼻の先で暮らしていましたので、
非常にショッキングな話でしたし、なぜこんなこと
が起きていたのか全く不可解です。

 山本は余罪もかなりあるようで、過去にも同じよ
うにひどく太らされて不審死している女性がいるこ
とも分かっています。

周囲には自衛隊も多い地域だけに、奢るから飲みに
行こうなどという危ない誘いには要注意であること
を改めて感じました。突如にして家族がこのような
形で地獄に引きずり込まれるようなことがあるとは
・・・。

山本被告は懲役22年の刑に服すことになりました
が、その裁判の席でも反省のそぶりもなく、元交際
相手と罪をなすりつけ合うなど、刑期を終えたらま
た悲惨な被害者を生むのではないかという気にさせ
ていました。しかし・・・、

実はこの山本受刑者は、今年8月に刑務所内でコロ
ナが集団発生し死亡したということが11月に発表
されています。

この事件は、九州初の女性県警本部長として期待さ
れた杉内由美子氏が着任して2か月後に発生。私も
この女性本部長をニュースで観ていましたが、事件
に対する答弁は実に苦渋の面持ちでした。そして「
体調不良」を理由に異動となってしまいました。実
に数々の女性たちを巻き込んだ数奇な事件と感じざ
るを得ません。

杉内県警本部長は警察庁の犯罪被害者対策室で犯罪
被害者支援の経験を重ねてきた人で、今回の事件後
もご遺族との対話機会を求めていたともいわれてい
ます。

何とも言えない気持ちですが、とにかくお伝えした
かったのは、この事件を追い続け、警察が放置して
いた実態を世の中に発信したテレビ西日本の仕事に
拍手を送りたいということです。

同局の報道がなかったら、単なる金銭トラブルとし
て終わっていたものだった可能性が高く、メディア
の本来の役割りを見せてもらった気がします。

 凄惨な事件を知るのは辛いですが、これも全て人
間の生き様だということです。埋もれた悪魔を知ら
しめる、知られていない良い行いを伝える、視聴者
はこうした報道こそ待ち望んでいます。

 今日も最後まで読んで下さりありがとうございま
す!どうぞ良い1週間をお過ごし下さい!

<おしらせ>

●オープニング動画に全力が傾けられていると評判
の(!?)YouTube企画『Boei Cafe』始まりました。
元国家安全保障局次長の兼原信克さんとのトーク4回
シリーズがご覧いただけます。
前回の、内閣官房参与で安倍元首相のスピーチライ
ター谷口智彦さんの4回シリーズも引き続きどうぞ
よろしくお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCzO7HYpVqnrnCAdlaq7bRwg


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る日本の防衛産業』(産経NF文庫)発売中です。
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(さくらばやし・みさ)



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このURLからお知らせください。

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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)




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