こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第390号です。
1205に渡邉さんが出演されたニッポン放送ラジオ
「私の正論」(毎週月曜1810-1820)
聞きました?
自分はラジコで聞きましたよ。
こんかいはご自身のお話です。
渡邉さんの出演は全4回。
残り2回です。
ぜひお聞きください。
https://podcast.1242.com/show/seiron/
次回放送は12月12日です。
ニッポン放送ラジオ
「私の正論」(ゲスト:渡邉陽子(ライター))
(毎週月曜1810-1820)
https://podcast.1242.com/show/seiron/
では今日の記事、
「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」
の27話目。
陸幕広報時代の苦闘が描かれます。
早速ご覧ください。
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (390)』
神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生(27)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。
ラジオ「私の正論」を聴いてくださった方、ありがとうございまし
た。顔を出すのが苦手なので、カメラのないスタジオは気分的にと
ても楽で、リラックスしてお話できたのですが、内容については後
悔が多く……放送はあと2回あります。
執筆をお手伝いさせていただいた収納の本が今月発売されるのです
が、おかげで収納についてものすごく学ぶことができました。今月
末にはようやく時間が作れそうなので、早速自宅のキッチンで実践
してみようと思います。今から楽しみです。
ちなみに、人は1日30分探し物をしているそうですよ。1年にす
ると1週間、ずーっと探し物をしていることになるのですって。な
んという無駄な時間でしょう。私も冬の自衛隊取材で必須の防寒グ
ッズがなぜか1カ所にまとめられず、「あれどこだっけ」と毎回探
しています。書類や資料は言わずもがな……
すっきりしたキッチンを想像しながら、とりあえず今日も仕事を頑
張ります。
<ラジオ出演のご案内>
毎週月曜、1810~1820に放送されているニッポン放送「私の正論」
に、11月28日から4週連続(12月19日を除く)で出演します。自衛
隊のことなどお話させていただきます。12月5日は、自衛隊に興味
を持ったきっかけなどをお話しました。
私の正論
https://www.1242.com/seiron/
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されました。Amazonだと送料がかかってしまいますが楽天ブックス
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小さな体はコックピットの座席が大きすぎ、専用クッションを持
参してのフライト。日本航空高校石川で、航空学生に合格した初の
女子生徒でもあります。
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きるまで」が掲載されました。
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■神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生(27)
当時、防衛予算は厳しく懐の寒い状態のうえ、厄介なことに服務事
故と弾にまつわる事故が多発している時期でもあった。なかでも戦
車や迫撃砲弾が演習場外の国有林の中に出てしまうといった事案や
小銃弾の不符号事案が多く、最初は「Q&Aってなに?」とわけの
わからなかった火箱も、いやというほど記者への発表、質疑応答、
つまりピンナップ文やQ&Aを作成することになった。
そして演習場問題も陸自にとって頭の痛い案件だった。今でもなく
なったわけではないが、当時は駐屯地や基地だけでなく演習場でも
「迫撃砲を撃つな」といったデモが頻繁に起き、訓練に支障をきた
すほどだった。演習場のごく一部の貸借を認めず、そこを耕作地に
しているところもあったし、今では地元と自衛隊がきわめて良好な
関係を築いている地域でさえ、その頃はあまりに激しい反対運動の
ため、車両が駐屯地正門から入れず、迂回して裏門から入るといっ
たことすらあった。
いちばん反対運動が激しかった地域では、ついに陸上幕僚監部では
「駐屯地を整理統合して引き上げる」という計画まで検討していた。
それほど自衛隊を取り巻く環境は厳しかったのだ。
しかし駐屯地があるからこそ、そこの自治体の経済が潤っていたこ
とはまぎれもない事実である。隊員が引っ越してくるから徴収する
住民税は増え、地元の経済も活発化する。演習場へ土地を貸せば、
その賃料も入る。加えて民生支援として自衛隊に頼めば無償であれ
これやってもらえるし(こういった案件には、今は曹友会などがボ
ランティア活動として対応している)、災害が起きたときもすぐそ
ばに自衛隊がいるのは心強い。
「駐屯地を引き上げる」という案は、そういう「おいしいところ」
だけをつまみ、「迫撃砲撃つな、演習場いらない」と声高に叫ぶ輩
に、陸幕の堪忍袋の緒が切れた結果とも言える。
そしてこの計画を、某新聞社がどこからか入手した。火箱はほかの
記者には秘匿し、この記者に対してだけ「駐屯地や演習場の安定的、
継続的使用は陸上自衛隊にとって死活的重要問題」と説明し、議
論した。今は鬼籍に入っている記者は話を聞いて義憤にかられ、
「その計画をやりましょう」と一面トップ記事に持って来た。
反対運動をしている団体からすれば喜ばしい記事だが、演習場のあ
る自治体やそこで商売を営む人々にとっては生活が成り立たなくな
る危機である。この記事が功を奏し、その地域での反対運動は最盛
期の勢いを失い、駐屯地も現状維持が決まった。
火箱が陸幕広報の報道担当になった時期の自衛隊は、このようにま
だまだ一部の国民から「敵視」されている組織だった。
陸幕広報で働き始めたばかりの頃、火箱は日々打ちのめされた。
幹部レンジャー徽章も持っている、空挺では基本降下課程を修了し
ているだけでなく中隊長も経験した、富士学校教官時代は自分より
はるかに階級が上の相手に野外での実員指揮訓練を提示するなど戦
術・訓練にも精通している。そういった現場においては最大の強み
だった火箱のスキルが、ここでは一切、まったくもって役立たたな
かった。これは火箱のアイデンティティを否定しかねないほどの由
々しき事態だった。
沖縄や高田、習志野と、渡り歩いてきた部隊はどこも精強だったが、
そこで培われた自信はすべて音を立てて崩れ落ちた。
せめて体を動かしてストレスを発散させたいが、とにかく広報とい
うのは今も昔も忙しい不夜城である。終電に間に合わないのは日常
茶飯事で、ごくまれにカレンダーどおり休日に休め、普段まったく
かまってやれない幼い息子たちとキャッチホールをしようとした途
端にポケベルが鳴って防衛庁に呼び出される。
運動不足に加え、食堂に行く時間も惜しんでパンをかじりながら仕
事をしていたら、次第に体も重く感じるようになってきた。加えて
記者との付き合いもある。寝不足、不規則、運動不足、体重増、ア
ルコール過多と、火箱の人生で経験したことのないような状態に陥
った。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
2022年
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