配信日時 2022/11/28 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(197)】 「武器輸出」と「装備移転」って何が違うの?    桜林美佐(防衛問題研究家)

197回目の美佐日記。

桜林さんの「垢ぬけた」新番組がYoutubeで
始まっています。
くわしくは<おしらせ>でどうぞ!


同じ国語を使っている同胞なのに会話が通じない、、、

そんな孤独、いら立ち、不快度MAX感、、、

20年以上味わい続けているやな感情です。


私よりもっとつらい思いをしているであろう
桜林さんは幸いでした。


さっそくご覧ください


エンリケ


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くわしくは文末<おしらせ>でどうぞ。

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桜林美佐の「美佐日記」(197)

「武器輸出」と「装備移転」って何が違うの?


桜林美佐(防衛問題研究家)

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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年11月の今
回は197回目となります。

 先週は、新嘗祭である「勤労感謝の日」の祝日、
海外ではサンクス・ギビングデーがあり、さらに今
はサッカーのワールドカップも行なわれていて、胸
躍る週だったかもしれません。

 そんな中、私にもちょっと興奮することがありま
した。近所を歩いていたら電話が鳴り、立ち止まっ
て話していたところ、自転車が走ってきて目の前で
止まりその人が「あーっ」と私を見て言います。

 数十秒間くらい、なぜ目の前で人が立ち止まった
のか意味が分からなかったのですが、ぽんこつのパ
ソコンの如くに脳がようやく動き出し、私が知人と
15年ぶりくらいに遭遇したという事実を理解した
のです。

 しかもすごいのは、私は外を歩く時にはマスクを
顎にずらしたりしているのですが、その瞬間、たま
たま電話で話すために完全にはずしていたため、相
手が気が付いてくれたというわけです。

 その方はバーのオーナーさん。そこは保守系言論
人が集まる「論壇バー」として巷では有名でした。
かれこれ20年くらい前はみんなでよく行っていた
のでした。

 近くに住むようになってから、顔を出したいと思
いながらも忙しさの中でなかなか実現していません
でした。

またこれも運命的で、この日はたまたま家人がおら
ず夜はひとりで仕事をしながらおにぎりでもパクつ
くかなあと思っていたところでしたので、こんなタ
イミングはないと、その夜「論壇バー」に行ってみ
ることにしました。

 そして長い年月を埋めるべく色々とお話しました
が、この間に亡くなったり介護で忙しくなったりと、
昔馴染みの皆さんたちの近況を知ると、自分は歳
を取っていないつもりでいても、実際は時間が確実
に流れているのだと改めて知らされることになりま
した。

 この当日の時間を少し巻き戻すと、その日は午前
中から私は外国人の方々を相手に防衛産業や装備に
ついて講話をするという、私にとっては緊張する仕
事をしていたのでした。

 最近、通訳の方を介して、あるいは自分自身で、
説明したいことを英語に変換する作業をすることが
何度かありました。

 そうすると、ドツボにはまってしまうことが多く
あります。例えば「武器輸出3原則」を改正して「
装備移転3原則」に変わりましたという話は、よく
考えるとものすごく難しいものです。

 「武器輸出3原則」は1967年に作られたもの
で、共産圏や紛争当事国への武器輸出を禁止したも
のでしたが、その後、全面的な禁輸ルールになった
経緯があります。

 でもそのルールの名前が「武器禁輸」の原則とか
なら分かりやすいのですが、「武器輸出」というの
はなんともややこしいではないですか。

 そもそもかつて日本は武器輸出をしていましたの
で、そのために作ったルールだったのに、いつの間
にかそれを全てダメだと解釈してしまったことが複
雑になった原因です。

 さらに、では「武器輸出」と「装備移転」って何
が違うの?という疑問も出てきます。

「アームス エクスポート」をやめて「エクイップ
メント トランスファー」に変わりましたと聞いて
、ああそうなんだと納得できる外国人は、よほどの
日本通でしょう。

 なので、下手にこのような言葉を出してしまうと
、説明が非常に面倒になり、通訳をお願いしていて
も大変なことになり、いえ、通訳を介すると2倍の
時間を要しますので、結果的に限られた時間をかな
り割いてしまうことになります。

 そう考えると、霞が関などで官僚の皆さんが徹夜
で言葉を必死で編み出す作業というのは何のためな
のか、と思わざるを得ません。

 せっかく英知を集めて作った言葉も「ソウビイテ
ン」ってどういう意味デスカ?と問われれば「アー
ムス エクスポートです」と答えることになるわけ
ですから。それ、モトドオリデスネ!ということに
なります。

 この不毛なやりとりをする時間がもったいないこ
とこの上ない。

 このようなことは、他にも数多くあると思います
。「集団的自衛権」にしても「駆けつけ警護」にし
ても、きっと同じように悩まれた方が多いのではな
いかと。

 とにかく、そんなことに改めて気付かされ、また
なんとも日本の情けなさを感じて頭がカッカしてい
たところに突然旧友との再会があったわけです。話
が通じる嬉しさを知らされた日でした。

今日も最後まで読んで下さりありがとうございます
!どうぞ良い1週間をお過ごし下さい!


<おしらせ>

●オープニング動画に全力が傾けられていると評判
の(!?)YouTube企画『Boei Caf
e』がアップデートされました。今回は元国家安全
保障局次長の兼原信克さんです。4回シリーズで、
毎週月曜の朝にアップされるようです。
前回の、内閣官房参与で安倍元首相のスピーチライ
ター谷口智彦さんの4回シリーズも引き続きどうぞ
よろしくお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCzO7HYpVqnrnCAdlaq7bRwg


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る日本の防衛産業』(産経NF文庫)発売中です。
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から見たロシアのウクライナ侵攻」の書籍版も、ワ
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(さくらばやし・みさ)



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このURLからお知らせください。

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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)




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編集後記

はなしが通じる孤独とはなしが通じない孤独。
どっちが辛いかな? とふと思いました。


(エンリケ)


発行:
おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
 
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