こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」。
こんかいは第385号です。
「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」
の23話目。
「正論」の渡邉さんの記事読みました?
ここで見るのとは少し違う渡邉さんが見れましたよ。
まだならあなたにも是非読んでほしいですね。
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では今日の記事、早速ご覧ください。
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (386)』
神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生(23)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。
久方ぶりに開催された国際観艦式、ライブ配信されましたね。私は
取材申込書提出締め切り前日に濃厚接触者となり、泣く泣く断念し
ました。昨日は「本当なら今映っている『いずも』に乗っていたは
ずだったのに…」とうらめしく思いながら配信を見ていました。そ
してもちろん結果は陰性です。よかったですが、タイミングの悪さ
をうらみました~。
本日の連載には、火箱氏が観閲式に参加したときの話もあります。
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■神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生(23)
指導したのは陸曹・陸士だけではない。
小隊長に対しても、「降下後の攻撃・防御について、そして自分た
ちの持っている装備品をどう使うか、幹部たる小隊長がちゃんと考
えなくちゃだめだ」と教え込んだ。
また、火箱が気になっていることのひとつに、空挺は「短距離は得
意だけど長距離は苦手」ということがあった。
火箱は常々、「即動必遂」には持続力が不可欠だと言っていた。確
かに空挺は“即動”の部分はきわめて早い。しかし、どんな体力の
ある者でも、不眠不休で3日も経つと死んだマグロのように横たわ
る。立哨を交代させなければ誰も動けなくなってしまうのだ。
そこで長期野営で追い込むことにし、2連隊時代にも散々通った新
潟の関山演習場に足を運び、妙高山走破をはじめ、隊員たちを鍛え
に鍛えた。
「ラグビーの試合が近いのに練習できない」と言われないよう演習
場にもラグビーボールを持参させ、訓練終了後に野営地で練習させ
た。火箱自身もまだ30代で気力体力がみなぎっていたので、自衛
官人生を振り返ると、この空挺の2中隊時代がいちばん部隊を鍛え
たのではないかと思う。
骨折者が出るほどきつい訓練の日々だったが、さすが2中隊の隊員
たち、磨けば光る。見事なまでに強くなっていった。今でもOB会
で「あの頃の訓練は本当にきつかったが鍛えられたし、2中隊は最
強だという自信もついた。今となってはいい思い出」とかならず話
題に上る。
その後、火箱は第1空挺団長として再び空挺に戻ってくることにな
るが、その際も空挺に対して「精鋭無比」という言葉は使わなかっ
たし、中隊長時代以上に、隊員たちを鍛え上げた。
着任した早々、火箱は空挺が「空っぽ団」だと嘆いたが、それには
空挺が忙しすぎるという事情もあった。
士気を上げるという名目での競技会がいくつもあったし、全国の駐
屯地から記念行事で降下を依頼される。訓練する時間を作るのに難
儀するという状態だったのだ。
常に多忙な第1空挺団だったが、限られた時間で訓練したもので忘
れられないことといえば、着任した年の10月にあった観閲式への
参加である。
現在は動画サイトで観閲式の様子が見られるので観閲行進を見ると
よくわかるのだが、いくつもの部隊が観閲行進をする中で、第1空
挺団の白いマフラーとシンボルマークを描いたノンカバーの鉄帽は
異様に目立つ。全部隊が整列した状態で、観閲官の正面に位置する
のも空挺だ。火箱から言わせればあの鉄帽も「ただのかっこつけ」
なのだが、その様相には「精強」を体現しているような頼もしさと
力強さがある。だからこそ、火箱も中隊長として観閲式に参加でき
たことをうれしく思った。
ほかの部隊は何か月もかけて観閲式に向けての準備をするが、忙し
い空挺にそんな時間の余裕はない。本番の3週間前くらいからよう
やく観閲式の練習をはじめ、当日は3時間、「不動の姿勢」か「整
列休めの姿勢」を維持した。
当時の66式鉄帽は現在使われている88式鉄帽よりもつくりがよ
くなく、細心の注意を払ってかぶらないと次第に縫い目や結び目が
当たり、頭がずきずきと痛くなった。だが鉄帽の位置を直す動作な
ど、許されるはずがない。そこで敬礼の際に伸ばした指先で鉄帽に
ほんのわずか触れ、それで鉄帽をずらしたりした。そんな苦労もあ
ったが、中隊を率いて観閲式に臨み、観閲行進をするのは誇らしか
った。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
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