配信日時 2022/10/26 09:00

【 陸軍工兵から施設科へ(56) 】新幹線走る!    荒木肇

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荒木さんの最新刊

知られざる重要組織「自衛隊警務隊」にスポットを
当て、警務隊とは何か?の問いに応えるとともに、
警務隊で修練されている「逮捕術」を初めて明らか
にしたこの本は、小平学校の全面協力を受けて作ら
れました。

そのため、最高水準の逮捕術の技の連続写真が実に
多く載っています。それだけでなく、技のすべてを
QRコードを通して実際の動画をスマホで確認できる
のです!

自衛隊関係者、自衛隊ファン、憲兵ファンはもちろん、
武術家、武道家、武術ファンにも目を通してほしい
本です。

『自衛隊警務隊逮捕術』
 荒木肇(著)
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おはようございます。エンリケです。

「陸軍工兵から施設科へ」第56回です。

冒頭文を拝読し、改めてはらわたが煮えくり返っています。

自分たちに目障りなことばや存在を暴力で封殺し、
自分がやりたい放題やりたい。
お隣の国を見てもわかる通り、これが彼らの正体です。
彼らに人間の良心は皆無です。

いまわが国でも同じことが起きています。
マスメディアが彼らの一味であることがわが国の不幸です。
実態を知る機会がネットにしかありません。

ではきょうの記事、さっそくどうぞ


エンリケ

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陸軍工兵から施設科へ(56)

新幹線走る!


荒木 肇

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□驚いた権利の侵害

 驚きました。立憲民主党の打越某という参議院議
員が19日に山際大臣に「世界平和統一家庭連合」
の信者かどうか質問したのです。わが国の憲法では、
その第19条で「思想および良心の自由」をいい、
第20条では「信教の自由」を保障しています。
それを平然と踏みにじって、相手に信仰の告白をさ
せようというものです。

 今朝、土曜日〈22日〉の産経新聞の記事によれ
ば、その所属政党の「立憲」がほんとうかどうかと
いう反響があるといいます。代表の泉某は「公人と
して聞かれるべきかは、実際の国会の中で判断され
てゆくことだ」などと意味不明な答弁をしたとか。
社会に悪影響があると思うがという質問には「御意
見として承っておく」とのこと。

 正直に言って、そうしたことは驚くことではあり
ません。あの旧民主党の流れを受けた「立憲」民主
党の人たちは、自分たちは絶対正しいという集団で
すから当然です。多様性は認めない、人の権利は無
視する、自分の利益のためなら口から出まかせに適
当なことを言う。私たち反対意見をもつ人々を愚民
扱いして、正しい道に導いてやろうという人たちで
す。もちろん、彼ら彼女らは愚民の意見など聞く気
もありません。それが代表の、「承っておく」とい
う言葉に明らかです。


 あの悪夢の民主党政権時代、それは「思想傾向」
を調査された経験をもつ私には経験済みです。わた
しは講話内容や著作の中身についての報告書をあげ
られました。当時の防衛○○官からの指示だったそ
うです。もちろん、私だけではありません。多くの
防衛省に関わる人たちすべてに調査、統制の手は及
びました。そんなことは自民党政権ではあり得ない
ことでした。指示された担当官たちの、たいへん申
し訳ないといった口調には苦渋が溢れていました。

▼所得倍増の時代

 戦後復興の時代、昭和30年代、つまり1955
年からの10年間は熱い時代でした。『日本の戦後
まるごとデータ博物館』(日下公人監修、1995
年、日本文芸社)によれば、1956(昭和31)
年の都市勤労者世帯の平均月収が約3万1000円、
それが1966(昭和41)年には、約7万50
00円となっています。実に10年で2.4倍です。

 よく使われたエンゲル係数、つまり全支出に対す
る食費の割合も豊かさの指標の1つになるでしょう。
昭和31年には42.9%、約2万7500円が、
同41年には35.1%に下がり、約6万3400
円になっています。


食事の内容も大きく変わりました。1人1日当たり
の摂取カロリー量が約2200キロカロリーは同2
500キロカロリーに増えて、しかもカロリー構成
も動物性食品が割合を増してきました。穀類・いも
類が74%を占めていたのが63%に減って、ウィ
ンナーやハム類の消費が増えて、6%から10%に
変わります。


楽しいのはラーメン・ライスです。今の若い読者の
方々には、理解しにくいかも知れません。主に醤油
味のラーメンは庶民の味方でした。正確には昭和3
0年代後半から40年代の初めでしょうが、ラーメ
ンは40円から64円に価格があがりました。それ
でもラーメンを半分食べた頃にライスを入れて、雑
炊風にして食べる姿がよく見られたものでした。


最後に「家電の三種の神器」という言葉がありまし
た。白黒テレビに、冷蔵庫、洗濯機です。この家庭
への普及率が興味深い。まず、白黒テレビは昭和3
1年には2.1%、冷蔵庫は0.6%、洗濯機が
5.2%でした。それが10年後には、それぞれ
94.1%、61.6%、75.5%になりまし
た(いずれも全世帯数での普及度です)。

1953(昭和28)年にシャープ(当時は早川電
機)から発売されたテレビジョンは小さな奥行きの
あるブラウン管に映し出すものでした。チャンネル
の切り替えはガチャガチャと回すダイヤルです。こ
れがカラーテレビに変わるのが、「オリンピックを
カラーで見よう」というキャンペーンで1964(
昭和39)年のことでした。テレビで情報を得る次
代の始まりです。これまでは新聞、ラジオ、そうし
て映画館のニュースが世の中を知るアイテムでした。


冷蔵庫はまた庶民の憧れです。手に入れたばかりの
テレビに流れるのは、豊かなアメリカの家庭ドラマ
でした。大きな、主婦の背丈を越すような電気冷蔵
庫がありました。そこからはハムやバター、牛乳が
出てきます。わたしたちは木製の氷冷蔵庫しか知り
ませんでした。冷たい空気が下に流れる原理を使っ
た、最上部に氷の塊を入れておくものです。氷屋さ
んがリヤカーにのせてきた氷塊をノコギリで切って
交換していました。肉や魚の保存技術が進み、氷も
手に入りやすくなったのです。

洗濯機といえば、もう洗濯板も学校の資料室などに
保存されているものが残っているだけでしょう。石
鹸をつけて、ゴシゴシと溝が彫られた板にこすりつ
けて洗い、手で水気を絞って干していました。それ
が粉せっけんと共に衣類を中に入れると回転します。
絞るには上部についた回転する手回しの2本の棒
の間を通しました。脱水器という言葉を初めて知っ
たのはこれでした。ジャアーと気持ちよいくらい水
が落ちました。主婦の家事労働がずいぶん少なくな
ったのです。

▼広軌の新幹線を造ろう

 「過密ダイヤ」という言葉も忘れられています。
ダイヤとは鉄道用語のダイヤグラムのことで電車、
列車の運行予定表をいいます。過密とは、安全性を
ぎりぎり守って運転することでした。東海道線の輸
送力を増やす、これが新幹線計画だったのです。


 全線電化を達成したこの技術を生かし、東京-大
阪間を3時間で結ぼう。これを合言葉に国鉄技術陣
は電力、車輌、軌道、信号などの面で研究を重ねま
した。その始まりは十河信二(そごう・しんじ)と
いう国鉄総裁の就任が始まりでした。十河は188
4(明治17)年に愛媛県に生まれて東京帝大法科
大学(法学部の前身)卒後に鉄道院に奉職し、広軌
論者であった後藤新平に愛されたといいます。


 アメリカに鉄道研究のために留学し、南満洲鉄道
の経営にも参画し、1955(昭和30)年に高齢
にもかかわらず、周囲の懇望に応えて総裁に就任し
ます。多くの国鉄マンに尊敬され辞任を惜しまれま
したが在任8年はまさに記録保持者です。

 十河のしたことは3つあったと青木槐三氏はいい
ます。まず、国鉄の技術研究所の充実です。当時、
大胆にも20億円の巨費を投じました。大卒の初任
給がほぼ1万円の時代です。いま初任給が20倍に
なったと考えると現在の400億円にもあたるでし
ょうか。


 次に鉄道教習所を充実しました。もともと職員教
育、研修のために明治の末に後藤新平総裁が開いた
ものです。近代化した鉄道を運営できる職員の養成
を重視しました。最後に、45万人の職員の保健問
題に力を入れました。健康診断や病院の充実などに
金を惜しみませんでした。

 この技術研究所が大きな役割を果たしました。



(つづく)


(あらき・はじめ)


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●著者略歴
 
荒木  肇(あらき・はじめ)
1951年東京生まれ。横浜国立大学教育学部卒業、
同大学院修士課程修了。専攻は日本近代教育史。
日露戦後の社会と教育改革、大正期の学校教育と陸
海軍教育、主に陸軍と学校、社会との関係の研究を
行なう。
横浜市の小学校で勤務するかたわら、横浜市情報処
理教育センター研究員、同小学校理科研究会役員、
同研修センター委嘱役員等を歴任。1993年退職。
生涯学習研究センター常任理事、聖ヶ丘教育福祉専
門学校講師(教育原理)などをつとめる。1999年4月
から川崎市立学校に勤務。2000年から横浜市主任児
童委員にも委嘱される。2001年には陸上幕僚長感謝
状を受ける。
年間を通して、自衛隊部隊、機関、学校などで講演、
講話を行なっている。
 
著書に『教育改革Q&A(共著)』(パテント社)、
『静かに語れ歴史教育』『日本人はどのようにして
軍隊をつくったのか―安全保障と技術の近代史』
(出窓社)、『現代(いま)がわかる-学習版現代
用語の基礎知識(共著)』(自由国民社)、『自衛
隊という学校』『続自衛隊という学校』『子どもに
嫌われる先生』『指揮官は語る』『自衛隊就職ガイ
ド』『学校で教えない自衛隊』『学校で教えない日
本陸軍と自衛隊』『あなたの習った日本史はもう古
い!―昭和と平成の教科書読み比べ』『東日本大震
災と自衛隊―自衛隊は、なぜ頑張れたか?』『脚気
と軍隊─陸海軍医団の対立』『日本軍はこんな兵器
で戦った─国産小火器の開発と用兵思想』『自衛隊
警務隊逮捕術』(並木書房)がある。
 

『自衛隊の災害派遣、知られざる実態に迫る-訓練
された《兵隊》、お寒い自治体』 荒木肇
「中央公論」2020年3月号
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