191回の美佐日記。
桜林さんの新番組がYoutubeで始まっています。
くわしくはさいごの<おしらせ>でどうぞ!
先日の北鮮弾道弾列島飛び越し(2回目)に
関するお話です。
抑止力たり得ていないMDが防衛予算を圧迫して
いる現実を知るだけでも意義あることと感じますね。
くわしくは本文で
エンリケ
◆220825、桜林さんの新刊が出ました!
「危機迫る日本の防衛産業 (産経NF文庫)」
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◆日ごろの楽しみのひとつ
桜林さん司会のyoutube番組、チャンネルくらら
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
がなんと本になりました!
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おめでとうございます!!
くわしくは文末<おしらせ>でどうぞ。
◆桜林さんの「自衛官の心意気」(PHP)が文庫化さ
れ「本音の自衛隊」(産経NF文庫)として再出版
されてます! 桜林さんならではの、他では得難い
「何か」が手に入る名著です。
未読の方はこれを機会にぜひどうぞ!
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『誰も語らなかった防衛産業』の文庫版が、
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『誰も語らなかったニッポンの防衛産業』
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『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。
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桜林美佐の「美佐日記」(191)
5年ぶりのミサイル日本上空通過
──高額なMD(ミサイル防衛)はMD税で?
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年10月の今
回は191回目となります。
北朝鮮のミサイルが北海道の上空を通過し、太平
洋に落下しました。日本を飛び越えるのは5年ぶり
のことで、前回は2017年の9月15日だったと
のことです。
当時、ミサイル発射が繰り返されていて、私はまだ
泊り勤務のラジオニュースデスクの仕事をしていま
したので、勤務に入るたびに非常に緊張していたこ
とを思い出します。
とにかく、常にマニュアルを横に置いて、いつミ
サイルが発射されても即応できるように頭の中でシ
ミュレーションを繰り返していたものの、政府が各
機関に一斉に送信する「エムネット」がうまく機能
せず青ざめたこともありました。こっちは情報が届
くことを前提に自分の動きを想定していましたので。
こちら側の端末が悪かったのかもしれませんが、
つくづく思ったのは、毎日のように使っているPC
とかプリンターならコンディションが分かりますが、
たまにしか使わないツールというのは、調子がい
いのか悪いのかも分からず。メンテナンスと確認「
異常ナシ」がいかに重要かということです。
それも、いつなんどき使うことになってもいいよ
うに「毎日」点検が必要です。これはMD=ミサイ
ル防衛でも同じことなのだと思います。
それを考えると、5年に1回あるかないかのミサ
イル通過に対し完璧に対応するということはすごい
ことだと思います。
Jアラートに誤報もあったといいますが、大事に
は至らず概ねうまく対処したと言えるのではないで
しょうか。
各地上波メディアを見ると、どこもしっかり情報
を伝達していて、何度も何度も繰り返し、マニュア
ル通りの放送をしていたことに感動さえ覚えました。
あのような時のアナウンサーの読み上げる様子を見
たり聴いたりすると、プロの仕事だとつくづく感じ
ます。
しかし、私も日本人の小さなひとりだなあと感じ
るのは、あそこは上手くやっていたとか、あそこは
ちょっと失敗していたとか、そういうところをつい
つい評価してしまうところですね。
どこの自治体が誤報を出したなんて報じられると、
みんなそうならないように必死になるのだと思い
ますが、そうなると段々、失敗しないことが目的に
なってきて、こんどはミサイルが通過しても俺たち
はパーフェクトを目指そう!なんてことになりがち
ではないでしょうか。
でも、本来の目的はあくまで「国民保護」ですの
で、そこを見失わないようにしないといけませんよ
ね・・。
MDについても、国民にしてみれば、北朝鮮のミ
サイルが危ないといっても5年に1回の日本通過サ
イクルだったら、高額な防衛システムはもったいな
のではないか、といった気持もないとは言えないか
もしれません。もっと頻繁にやってくれればいいの
に!?みたいな!?
現状のミサイル防衛はやはり高額な保険の意味合
いが強く、抑止にはなっていませんので、対中国の
文脈でもこれからは「ミサイルギャップを埋めて抑
止力を高める」という言い方をした方が、理解が得
やすいのではないかなどと思います。
今週は明日11日(火)から4日間の予定で夕刊
フジに連載をします(予定が変更になる場合もあり
ます)。その中でもMDの導入が防衛費を圧迫して
きたことを書きました。
もちろん、かつてテポドンが日本上空を通過したこ
とがきっかけの必要に迫られてのことなのですが、
本来であればその分の大幅な予算増が必要だったの
にそれができなかったことが大きな問題だと思いま
す。
MDは国民がどの程度の保険をかけるかというこ
とだと思いますので、極端に言えば、防衛予算から
切り離して国民の基金で構築するというのもアリで
はないか、などと夢想します。MD税を作るとか。
5年ぶりのミサイル日本上空通過にそんなことを
思いました。
今日も最後まで読んで下さりありがとうございま
す!どうぞ良い1週間をお過ごし下さい!
<おしらせ>
●私がなかなかヤル気を出さず、スタートまでに時
間がかかりましたが、YouTube企画『Bouei Cafe』
が始まりました!製作スタッフが英語圏の方々の
ため、YouTubeで「防衛カフェ」と日本語で検索し
ても見つからないのが玉にキズです(涙)。
1回~4回は内閣官房参与で安倍元首相のスピー
チライターを務められた谷口智彦さんがお客様です。
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(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)
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