190回の美佐日記。
桜林さんの新番組がYoutubeで始まったそうです。
くわしくはさいごの<おしらせ>でどうぞ!
武器輸出はその国の安全保障戦略、国防戦略、国家
戦略と不可分一体で、単独経済行為と考え動かして
はいけないし、動かせないものですね。
朝野ともに未だ残る「お上」意識が、この分野でも
わが国の成長を止めている印象です。
くわしくは本文で
エンリケ
◆220825、桜林さんの新刊が出ました!
「危機迫る日本の防衛産業 (産経NF文庫)」
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◆日ごろの楽しみのひとつ
桜林さん司会のyoutube番組、チャンネルくらら
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
がなんと本になりました!
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おめでとうございます!!
くわしくは文末<おしらせ>でどうぞ。
◆桜林さんの「自衛官の心意気」(PHP)が文庫化さ
れ「本音の自衛隊」(産経NF文庫)として再出版
されてます! 桜林さんならではの、他では得難い
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『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。
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桜林美佐の「美佐日記」(190)
武器輸出で大きく差がついた日本と韓国
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年10月の今
回は190回目となります。
最近、気づいたのは、日本人にとって「産業の国
際競争力をつける」ということは、イメージとして
「鍛える」というものなのではないかと。
どんどん競争をさせて成長させる・・・、そんな
ことを言われる官僚の方が多いように感じます。
韓国の武器輸出が2021年に日本円で1兆円に
達し前年から倍増したことや、世界でも第8位の武
器輸出国になったことが報じられています。
日本は何をやっているんだ、といった話も出てき
ているようですが、私としては「何を今さら」とい
う気持です。
並木書房から『誰も語らなかった防衛産業』を出
版したのが2011年、その中には「これが‘韓流’
防衛産業政策だ」と題し、韓国の取り組みを紹介
しています。
それによると(自分の本だけど)、2007年に
ソウル空港で開催された「ソウルエアショー200
7」で当時のノムヒョン大統領は次のように祝辞を
述べています。
「2020年頃には韓国が先端武器システムの独
自開発能力を確保し、世界防衛産業先進国のベスト
テンに入るだろう」と。
韓国政府は、航空宇宙防衛産業の発展のために最
大限の支援を行うと決めたのです、それまで米国の
兵器を最も多く輸入していたのは韓国で、米兵器輸
出の14%を占めていました。
その状態から韓国は自国開発推進に舵を切り、輸
出にもつなげようとしたのです。当然、時間がかか
るプロジェクトなはずですが、まだ装備が完成して
いなくても首脳外交で積極的に売り込みを始めるな
ど、当初から動きは活発でした。
そんな光景を横目にしながらも、我々日本人は特
にそれに張り合おうともしてきませんでした。
むしろ、品がない行為に見えましたし、また、韓
国にはそこまで成長できないのではないかという驕
(おご)りもあったかもしれません。
そして日本では自国防衛産業を保護するどころか、
どんどん厳しい環境に追いやり、それがあたかも
「親心」のように考えていた人もいました。
当時の韓国は武器輸出額で10位だったイスラエ
ルの3分の1程度の規模しか輸出実績はありません
でした。
しかし、どうでしょう。現在、韓国の武器輸出は
世界で8位となっています。ノムヒョンの目標は見
事に達成されていたのです。
7月下旬にポーランドが韓国戦車のK2や自走砲
K9などを大量に購入する意向を示し、実現すれば
日本円で1兆円は下らないだろうと、どよめき立ち
ましたが、K2の開発などには国を挙げて多額の支
援をしてきたわけですから、そこには手厚い保護と
投資、ある種の「賭け」があったのです。
つぎ込んだ分を取り戻すためにも国は必死に売り
込むでしょうから、逆に言うと、投資があってこそ
の成功だったのです。
日本みたいに、国がお題目を掲げただけで支援も
何もしないでいれば、10年経って格段に差が出る
のは当たり前のことです。驚くことでも動揺するこ
とでもないのです。
日本は装備移転を外交ツールと位置付けているの
に対し(このこともあまり世間で理解されていませ
んが)、韓国の場合は外国戦略的な発想はないよう
で「商売」の面が大きいと思われますので、では、
日本が韓国と同じようにできるのかと言えば、それ
はちょっと違うかなと思います。
「〇〇さんの娘はバレエで奨学金をもらって大学
に行くんですって、いいわね~」とか「△△さんの
子はプロゴルファーになるって、羨ましいわ~」と
かいう親がいますが、そりゃあんた、子供に必死に
投資したかしないかの違いでしょ、ということです
よね?!
さらに言えば、日本における「国産装備」とは、
イコール「自衛隊の装備」であり、すなわち日本国
憲法や専守防衛をはじめとする「日本ルール」印の
ものとなります。今はできませんが、仮に今後、純
粋な意味でも武器(火砲など)を売れるようになっ
たとしても、それを買った国と一緒に使ったり一緒
に戦うこともないという日本製って信頼されるので
しょうか。
武器輸出は外交の強力なツールになることは間違
いありませんが、よくそうした理想像を語られる偉
い先生方は、果たして日本の国情を理解されている
のか、疑問に思うことがしばしばあります。
一連の韓国武器輸出報道と、その反応を見て、日
本の装備移転についての施策も、論じる人も「同床
異夢」というか「支離滅裂」だなと、改めて感じた
次第でした。
今日も最後まで読んで下さりありがとうございます!
どうぞ良い1週間をお過ごし下さい!
<おしらせ>
●私がなかなかヤル気を出さず、スタートまでに時
間がかかりましたが、YouTube企画『Bou
ei Cafe』が始まりました!製作スタッフが
英語圏の方々のため、YouTubeで「防衛カフ
ェ」と日本語で検索しても見つからないのが玉にキ
ズです(涙)。1回~4回は内閣官房参与で安倍元
首相のスピーチライターを務められた谷口智彦さん
がお客様です。
https://www.youtube.com/channel/UCzO7HYpVqnrnCAdlaq7bRwg
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る日本の防衛産業』(産経NF文庫)発売中です。
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から見たロシアのウクライナ侵攻」の書籍版も、ワ
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業」連載中です。
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(さくらばやし・みさ)
桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。
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【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)
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