配信日時 2022/09/26 08:00

【桜林美佐の「美佐日記」(189)】 際立った「軍」の存在ーエリザベス女王の国葬    桜林美佐(防衛問題研究家)

189回の美佐日記。

冒頭のパラグラフと
最後の一文に心から共感します。

さっそく本文で


エンリケ


◆220825、桜林さんの新刊が出ました!
「危機迫る日本の防衛産業 (産経NF文庫)」
https://amzn.to/3AmED3b


◆日ごろの楽しみのひとつ
桜林さん司会のyoutube番組、チャンネルくらら
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
がなんと本になりました!
 → https://amzn.to/3OlbU49
おめでとうございます!!

くわしくは文末<おしらせ>でどうぞ。

◆桜林さんの「自衛官の心意気」(PHP)が文庫化さ
れ「本音の自衛隊」(産経NF文庫)として再出版
されてます! 桜林さんならではの、他では得難い
「何か」が手に入る名著です。

未読の方はこれを機会にぜひどうぞ!
https://amzn.to/3Kzuwvi
「心意気」を読んだ方は、文庫でもう一冊!
https://amzn.to/3Kzuwvi
※著名人も推薦!


◆桜林さんの不朽の傑作
『誰も語らなかった防衛産業』の文庫版が、
潮書房光人新社から
『誰も語らなかったニッポンの防衛産業』
という名で出ました!

まだの方はぜひご一読を。
https://amzn.to/3avtwJe
すでに読んだ方も、文庫でもう一冊!
https://amzn.to/3avtwJe
※メチャメチャ売れてます!


----------------------------------
『自衛官が語る災害派遣の記録』に続く、第2弾
『自衛官が語る海外活動の記録』(桜林美佐監修・
自衛隊家族会編)が発売されています。中東シーレ
ーンの安全確保をめぐって新たな自衛隊派遣が行わ
れているこの時期にタイミングを合わせたような出
版です。現地で自衛官たちが何を思い、どのような
苦労をして、任務をこなしてきたか、25人の自衛
官のリアルな体験記です。

https://amzn.to/38gvhr1
----------------------------------


ご意見・ご感想はコチラから
 ↓
https://okigunnji.com/url/7


───────────────────────

桜林美佐の「美佐日記」(189)

際立った「軍」の存在ーエリザベス女王の国葬


桜林美佐(防衛問題研究家)

───────────────────────

おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、令和4年9月の今回
は189回目となります。

 前回、日本人とマスクの関係について書きました
が、同様の内容記事があるぞということで教えて頂
いたのが、こちら「デイリー新潮」です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5c1454b1ac72fba0961d8d8746ca7fc7e2339ca8

 私はとても共感しますが、どうやらコメントには
批判的なものが多い様子(不快になるので全部は見
ませんが)。この気づきが自衛隊へのエールだと気
づかないのかな・・と。

提灯記事みたいなものだけを称賛するのが「自衛隊
応援団」であるならばとても残念です。

 コロナ時代になってからのことなのか分かりませ
んが、自衛官と道ですれ違ってこちらから挨拶して
も、おはようもこんにちはも言わない自衛官もいて、
マスクをしているのだからそれくらいはすべきだ
ろう!と、私は本当にこれは非常識な行為だと思っ
ています。

 何度もここで書いているように、自衛隊内での感
染拡大を防ぐため、家族とも会わないなど一般人か
らすれば想像以上の対策をし、国防に影響を及ぼさ
ない措置をしていたことに私は敬意を表します。

 しかし、そのために人としての常識を失ったら元
も子もないというものでしょう。そのあたりのバラ
ンシングがなんとも不器用な日本人です。

 先日はイギリスのエリザベス女王の国葬が執り行
われました。あ、そういえば、私がかつてニュース
デスクを務めていたラジオ局ニッポン放送では「エ
リザベス2世女王陛下崩御」としています。これま
でも「皇后さま」ではなく「皇后陛下」、「皇太子
さま」ではなく「皇太子殿下」などの呼称を重んじ
る数少ない(唯一?)の地上波メディアでしたので
誇らしく思います。

 産経新聞によりますと、天皇陛下を除く皇族の方
々の敬称に「さま」が広く用いられるようになった
のは平成以降のことで、各報道機関が「開かれた皇
室」や「親しみやすさ」のためにこのようにしよう
と自主的に判断したのだそうです。

 何と申しますか、昨今「人として大事なこと」「
日本人として大事なこと」の、いずれも軽んじられ
ていると思わざるを得ません。とはいえ、英国王室
につきましてはここでも「エリザベス女王」の呼称
を使わせて頂くことをお許し下さい。

先日の国葬に関する報道で驚いたのは、ここでも「
マスク問題」が取り上げられていたことです。

 参列された天皇皇后両陛下がマスクを外されてい
たことが各メディアでのトピックスになっていまし
た。

 テレビ中継されたウエストミンスター寺院でのs
ervisをご覧になった方はお気づきだと思いますが、
誰もマスクをしていません。

 それどころか、広大な寺院とはいえ聖歌の合唱、
主の祈りの奉唱、国歌斉唱、全てが声高らかに行な
われました。これらの多くが、日本国内の教会では
今なお実施されていないと仄聞しています。

 参列者には高齢の方もお見受けし、不安もあった
とは思いますが頓着していません。やはり、世界で
は今「最も大事なこと」を尊重する流れになってい
るのでしょう。

 もう一つ、イギリスが国家として大切にしている
ことと感じたのは、やはり「軍」の存在です。

ロイヤルファミリーの軍服での正装が見られました
が、皇室を離脱したヘンリー王子は軍服での参列を
認められなかったといいます。

 ヘンリー王子は陸軍に10年間在籍していました。
しかし、王室離脱後も軍の名誉職にとどまること
を望んでいたものの却下されたということです。

 ヘンリー王子は2005年に20才でサンドハー
スト王立陸軍士官学校に入り、装甲偵察の訓練後、
2007年アフガニスタンに派遣されました。

その後、陸軍航空隊でパイロットとしての訓練を受
け2012年の2度目の時はAH-64Dアパッチ
攻撃ヘリ乗組員としてタリバン掃討作戦に従事しま
した。

 帰還後は、負傷兵の心身回復プログラム策定など
に携わり、2015年に名誉除隊しています。

 それほどの経験をしていても、離脱すれば制服着
用は許されない。それがイギリス王室の制服に対す
る価値観なのです。

兄のウィリアム王子も2006年に同じくサンドハ
ースト王立陸軍士官学校を経た後、に入り、続いて
空軍でパイロットとしての訓練を受けています。

ウィリアム王子は主にイギリス周辺海域での捜索救
難業務を7年半務めました。156回の捜索救難飛
行に参加し、149人の救出に貢献したといいます。

両王子の父チャールズ国王も、空軍でパイロットと
しての訓練を受けた後、海空軍で約5年の軍務に就
いています。

そして、弟のアンドリュー王子、エドワード王子も
軍歴がありますので、エリザベス女王の息子たち全
てが軍務についていたわけです。

軍の最高指揮官であるエリザベス女王ご自身も、第
二次大戦末期に女子国防軍に入隊し、軍用車両の整
備や運転に加え弾薬管理などの任務に当たっていた
のだそうです。

身分の高い人が社会的責任を果たさなくてはならな
いという「ノブレスオブリージュ」の考え方が根付
いているのだと感じます。

日本では「軍事色」を消し「宗教色」を嫌い、そし
て何もなくなった。・・・みたいな、本当に空虚な
ものを感じるばかりです。そう思うと、改めて皇室
の存在がありがたいと同時に、そろそろ、敗戦国症
候群みたいなものを克服したいものだと、つくづく
思います。

今日も最後まで読んで下さりありがとうございます!
どうぞ良い1週間をお過ごし下さい!



<おしらせ>
●「軍事情報」でもご紹介頂いた新しい本『危機迫
る日本の防衛産業』(産経NF文庫)発売中です。
ぜひよろしくお願いいたします!
https://amzn.to/3AmED3b


●YouTubeチャンネルくらら「陸海空 軍人
から見たロシアのウクライナ侵攻」の書籍版も、ワ
ニブックスから絶賛発売中です!
 https://amzn.to/3OlbU49

●月刊誌『丸』にて「誰も知らないニッポンの防衛産
業」連載中です。
https://amzn.to/2XnvrIy


(さくらばやし・みさ)



桜林さんへのメッセージ、ご意見・ご感想は、
このURLからお知らせください。

https://okigunnji.com/url/7/

 
【著者紹介】
桜林美佐(さくらばやし・みさ)
昭和45年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒。フ
リーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を
制作。その後、国防問題などを中心に取材・執筆。
著書に『奇跡の船「宗谷」─昭和を走り続けた海の
守り神』『海をひらく─知られざる掃海部隊』『誰
も語らなかった防衛産業[改訂版]』『武器輸出だ
けでは防衛産業は守れない』『防衛産業と自衛隊』
(いずれも並木書房)、『終わらないラブレター─
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」』(P
HP研究所)、『日本に自衛隊がいてよかった』(産
経新聞出版)、『ありがとう、金剛丸─星になった
小さな自衛隊員』(ワニブックス)。月刊「テーミ
ス」に『自衛隊密着ルポ』を連載中。新刊『誰も語
らなかったニッポンの防衛産業』(産経NF文庫)、
「陸海空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」
(ワニブックス)




PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個
人情報を伏せたうえで、メルマガ誌上及びメールマ
ガジン「軍事情報」が主催運営するインターネット
上のサービス(携帯サイトを含む)で紹介させて頂
くことがございます。あらかじめご了承ください。
 
PPS
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。その他す
べての文章・記事の著作権はメールマガジン「軍事
情報」発行人に帰属します。
 
 
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝し
ています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感
謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国
に、心から感謝しています。

ありがとうございました。

■メルマガバックナンバーはこちら
http://okigunnji.com/url/105/

 
●配信停止はこちらから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
 
 
---------------------------------------
 
発行:
おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)
 
メインサイト
https://okigunnji.com/
 
問い合わせはこちら
https://okigunnji.com/url/7/
 
 
Copyright(c) 2000-2022 Gunjijouhou.All rightsreserved.