Toggle navigation
メルマガ軍事情報
登録
目次
前のページへ戻る
配信日時
2022/09/15 13:18
【危機迫る日本の防衛産業】「兵器の独立なくして国家の独立はない」
「兵器の独立なくして国家の独立はない」
とは明治の建軍、日清・日露の戦役で大きな功があ
った元帥陸軍大将大山巌のことばです。
果たして今はどうでしょう?
国内調達は減少し、関連企業の撤退が相次ぎ、技術
基盤は弱体化の一途をたどっている。
わが国防の兵站部門を担う「防衛産業、防衛事業」
の現実をあまりに知らない日本国と日本国民。
著者は言います。
防衛産業・事業をめぐる問題は産業問題ではない、
安全保障問題だ!
と。
『危機迫る日本の防衛産業』
著者:桜林美佐
定価:902円(税込)
ページ数:272ページ
ISBN:978-4-7698-7051-7
発売年月日:2022年8月25日
https://amzn.to/3AuEJ8O
こんにちは、エンリケです。
公と民の峻別は一見よさげに見えますが、
わが国の場合、きわめて大きな落とし穴があります。
防衛産業の存在です。
彼らを民に追いやってしまうと、兵站を担う機能が
スムーズに発揮できなくなるのです。
そのあたりの無理を、これまで防衛産業が無理して
引き受けてきましたが、利益が十分出ない防衛事業を
続けているうちに余裕もなくなり、もうこれ以上担え
ない現実が生まれています。
国家が前面に出て、防衛産業、防衛事業、防衛基盤
を支え、救わなければならない局面です。
ことはここまで至っているのです。
わが国では「金を卑しむ」ことをもって武士道精神
の発露とみなす「歪んだ」感覚がまかり通っていま
す。だから「金がすべて」という歪んだ感覚がまか
り通るのです。
両者は鏡の裏表で、金を卑しむものは必ず金に汚い
のです。それが人間社会の真理です。
さてこの本は、単なる技術やビジネスの書ではあり
ません。
防衛分野で防衛産業・事業が何をもたらしてきたか?
いるか?もたらすか?を読み手に知らしめ、わが防
衛安保の喫緊かつ致命的な重要性はいずこにあるか?
を知らしめる警鐘の書です。
防衛事業、防衛産業がなければ国防安保防衛が成り
立たない事実真実現実を、その歴史から解き明かし、
あらゆる角度から指摘して、一刻も早く手を打つよ
う提言する憂国の書です。
著者の桜林美佐さんは、防衛安保国防軍事分野では
欠かせないオピニオンリーダーのおひとりです。
極私的イメージでは「防衛産業、防衛事業をきちん
と伝える第一人者」という方が強いです。だから、
この分野で最新刊が出たことが正直うれしいです。
これまで桜林さんが出された防衛産業本はすべて熟
読してますし、ずいぶん前に作ったサイトですが、
紹介もずっとしています。
http://okigunnji.com/misa/
桜林さんの一連の作品以外に、一般国民が読む甲斐
と価値のある「防衛産業本」はありません。
私自身、桜林さんの言葉を通して防衛産業の実像が
つかめましたし、その意味、苦境の実際、国防防衛
安保の穴など、わが国の危うさを防衛産業を通して
つかみ理解し把握してきました。
そんな桜林さんが出された今回の本は、月刊「丸」
に連載中の記事をまとめた内容です。毎月の記事の
スクラップはこれからも続けますが、こういう形で
まとめてもらえると、一読者としてはすごくありが
たいものです。
◆もくじ
▽日本に「防衛産業は存在するのか
日本に「防衛産業」は存在するのか?
相次ぐ防衛事業からの撤退
コロナ禍に学ぶ輸入依存の危うさ
企業救済策は自衛官の意識から
防衛産業は第四の自衛隊
▽兵器の独立なくして国家の独立なし
国産であるべき理由
「兵器の独立なくして国家の独立なし」
日本人と欧米人の体型の違い
日本ならではの「国内事情」
均一性が命の弾薬
靴下と戦闘機どちらが重要か?
▽消える「国産化」とライセンス生産
「基盤戦略」から「国産化方針」消える
国内装備に向けられた厳しい視線
残す努力せずに間引きするのか
装備輸入の歴史的経緯
国産潜水艦の復活
「出藍の誉れ」が多い日本のラ国
ラ国製品の輸出も
▽FMSは金食い虫???
見失われた「国産化方針」真の意味
当たり前になったFMS
FMSの問題点
FMSが金食い虫になる事情
増加する「政治案件」
▽予算の構造に問題あり
FMSの罠
未清算がいっぱい!
「FMS基金」のすすめ
予算の構造に問題あり
民主党政権で防衛費がアップした!?
増えるローン払い
▽誤解ばかりの防衛予算と「こくふり」
誤解ばかりの防衛予算
「何こくですか?」の意味
新たな概念「こくふり」
補正予算が頼みの綱
なぜか語られない中期防との関係
「中期防」を読む際に必要な読解力
▽「カラダちぎり」と「過大請求」
自分のカラダを裂いて人々のために
装備の値段はどのように決まるのか
「過大請求事案」の真相
継続するための処置だった
「不正」生む背景に目を向けるべき
▽自腹で解決します!
抜き打ち調査始まる
「ルール違反」の余波
ダブルGCIP問題
盛り上がるのは実情とかけ離れた話ばかり
儲けた分はお返しします! のルール
お金が足りなくなったら自腹で解決します!のル
ール
原価計算が始まった経緯
▽防衛産業の復活と試練
防衛産業に再び火が灯る
国防のための決心と眠りから覚めた喜び
蘇った防衛産業を襲った試練
日本中から「航空」が消えた戦後
隠されたジェットエンジン
英国とドイツに続け!
▽「ネ20」と競争入札
執念の結晶「ネ20」
メザシの土光さん
改革は食卓から!?
競争入札の時代へ
傷を深める企業と防衛省
▽広がるひずみ
罪の償いが招いた罪
危ない競争入札
防衛装備の安値競争
艦艇事業でも広がるひずみ
「長官指示」廃止の余波
それぞれの苦しい事情
下請企業を圧迫することにも
浪花節の装備品づくりを終わらせる
▽30FFM建造と問題点
艦艇建造の危機
新たな試みへ
FFMの抱える問題
最大の特徴はコスト抑制
三菱&三井の合併
インドネシアへの輸出を目指す
トラブル続出の取引
深刻な課題も
ベンダ―企業への影響
▽全ての日本の装備品情報を開示?
艦艇建造二社体制
イージス・アショア問題にも関係か
NATOカタログ制度
ここまできているワールドネットワーク
「とっても速いです」に冷笑
Tier2昇格の覚悟
選別作業はどのように?
市場開拓や後方支援にメリット
▽自衛官の再就職問題と防衛産業支援策の強化
防衛産業危機が話題になる危うさ
成長戦略に位置付けられた経済安全保障
言うのが憚られる問題がある
自衛隊で昇任してもいいことがない
FMS増加の影響も
軍の意志決定はそんなに簡単ではない
防衛産業支援策の強化を目指して
防衛力における「選択と集中」の危うさ
▽泥縄式の防衛政策からの脱却
危なすぎる防衛論
高齢化で自衛隊を減らす?
柔軟化した採用枠
制度の問題が多いのではないか
肝心なことを「差し置いて」の議論
装備調達にも直結する
「選択と集中」は防衛力を危機に晒す
画期的な「防衛力加速化パッケージ」
泥縄式では間に合わない
▽ロシア・ウクライナ戦争から見る日本の安全保障
ロシアのウクライナ侵攻という衝撃(2022年
(令和4年)2月24日)
失われた記憶
背中を押した要因
抵抗か投降か
武器供与が支える戦闘
自衛隊の防護衣・鉄棒がウクライナへ
今から急いですべきこと
▽「GDP比1%」という謎縛り
防衛費GDP比を巡る論争
NATO基準そもそも一%超だった!
上手かつ着実に増やす方法
「戦争」「軍拡」は日本人にとって不快な響き
変更を迫られている日本人の道徳観
国民保護の痛みという課題
シェルター整備の加速化を
抑止に失敗したらどうするか
▽日本のウクライナ支援に関するあれこれ
装備品提供の舞台裏
運用指針の変更
自衛隊の持ち分しか渡していない
米国の支援体制
ここにもサプライチェーンの問題が
日本のポテンシャル
火を噴く装備は渡せない
古いヤツだと思われたモノたち
▽装備移転を巡る問題
誤解だらけの装備移転
防衛産業救済策なのか?
「会いたい」と思う防衛産業に
電気代などの負担減を
リスクが多い輸出
自衛隊のために続けてきた
国として取り組まないと無理
フィリピンへの移転を成功させた「人」の力
積み上げた両国関係
フィリピンに続くことはできるか
▽前時代的な学術会議
日本学術会議の問題
戦後の膿を取り除け
求められる新たな日本の学術会議
企業が学術界を肩代わりした戦後
考えさせる兵器の概念
日常の中にもある軍事技術
外国からの資金援助はOK!
国防総省が半分を持つ米国の研究開発費
企業が担った戦後の研究開発
中国との親密な関係
自衛官に対する「いじめ」
ノーベル賞とダイナマイト
「死の商人」と言われて
あとがき
いかがでしょうか?
憂国とか愛国とか口にすることははっきり言って嫌
いです。言葉ではなく行動や生き様で示す類のこと
ばと思うからです。
でも桜林さんを紹介するときはどうしても
愛国、憂国の国士
という言葉を使わざるを得ません。
まさにそういう生き様をされている、
勇気に満ちた方だからです。
わが国の識者では稀有な存在です。
ご紹介したのは
『危機迫る日本の防衛産業』
著者:桜林美佐
定価:902円(税込)
ページ数:272ページ
ISBN:978-4-7698-7051-7
発売年月日:2022年8月25日
https://amzn.to/3AuEJ8O
でした。
エンリケ
追伸
むかし、ある本の追記の解説があまりに素晴らしか
ったので版元さんに「誰が書いたんですか?」と聞
いたら、「桜林さんご本人が勉強を重ねて書いたん
ですよ」と言われたjことがあります。
「この人すごいわ」と感嘆したことを改めていま思
い出してます。
『危機迫る日本の防衛産業』
著者:桜林美佐
定価:902円(税込)
ページ数:272ページ
ISBN:978-4-7698-7051-7
発売年月日:2022年8月25日
https://amzn.to/3AuEJ8O
配信解除はコチラで
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
前のページへ戻る
このページの先頭へ