こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」第383号。
「第2師団集合教育「レンジャー」」の四回目(最終回)
です。
帰還した瞬間、彼らは何を思うのでしょうね?
何が脳裏に浮かぶのでしょう?
ふとそんなことを思いました。
徽章は自主的に外す、というはなしも実に
響きますね。精鋭の精鋭たるゆえんですね。
自分も自分の形で見習いましょう。
では今日の記事、早速ご覧ください。
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (383)』
第2師団集合教育「レンジャー」(4)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。
今月から来月半ばまで、コロナ禍ではご無沙汰となっていた超繁忙
期に突入しています。先週から来月半ばまでは休日0です。とはい
え毎日取材に出るわけではなく在宅ワークの日もとても多いので、
肉体的な疲労がつらいということはありません。睡眠もしっかりと
っているので、元気で多忙というなかなか悪くない日々です。
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■第2師団集合教育「レンジャー」(4)
翌日、こちらの杞憂をよそに学生たちは息を吹き返していました。
足元の悪い山中での戦闘もこなし、視察に訪れた第2師団長富樫勇
一陸将からの熱い声援にも(ごく一部の学生を除いて)しっかり応
え、重い装備品を受け持っていた隊員も崩れ落ちることはありませ
んでした。
この後は最後の山場で、5時間かけて山中を長距離離脱、ピヤシリ
スキー場を経て、さらに12キロを12時間かけて移動します。
山中で日没を迎え漆黒の闇の中を進み、そして山中で日の出を迎え
れば、ついに状況終了、レンジャー訓練が終わりを迎えます。
すでに名寄駐屯地の花道には原隊の同僚たちや家族が待ち構え、旭
川駐屯地からやってきた第2音楽隊の演奏が場を盛り上げます。
そして学生たちが最後の力を振り絞って駆け足でやってくると、音
楽と爆竹と歓声と学生たちの「レンジャー!」のかけ声で、おめで
たい空気が一気に盛り上がりました。学生も体力的は限界のはずで
すが、最終想定をやりきった達成感とこの光景を目の当たりにして
アドレナリンが出まくっているのでしょう、一昨日はもう1歩も歩
けないという状態だった学生も隊列を乱さず花道を進んでいきます。
帰還式で山崎3連隊長からレンジャー徽章を授与され、コロナ禍ゆ
え声はかけない代わりに肩をぼんと叩かれます。
さらに主任教官の前澤制覇1尉からも1人ひとりにバッジを渡され
ると、感極まった学生の目から涙があふれました。
全教官・助教とあいさつを交わす際は、あれほど鬼のような指導を
していた教官や助教の目も真っ赤になっています(ここは取材する
側も鼻の奥がツーンときました)。
鉄帽をぽんぽんと叩く手はどこまでもやさしく、「よく頑張ったな」
「ほんとえらいぞお前」と、訓練中は一度たりとも見せることが
なかった笑顔を惜しげなく見せていました。
そして「頑張ってこい!」と送り出してくれた原隊の同僚も、休日
にも関わらず差し入れを手にかけつけ祝福してくれました。あれだ
け水分を欲していた体に「水分・炭酸・甘い」の3要素を満たして
いるコーラはどれほど沁みたことでしょう。スナック、インスタン
ト焼きそば、コロッケ、スイカを丸ごと(ブルーシートまで持参し
てそのうえで学生に叩き割らせていました!)、クーラーボックス
いっぱいに詰め込まれたスイーツなど、学生たちが夢にまで見たは
ずの誘惑の品が学生を取り巻く原隊の輪の中で飛び交っています。
3か月近く会えなかった家族と再会し、声を詰まらせている学生も
いました。
学生の様子を目を細めて見ていた主任教官の前澤1尉は、この3カ
月を「学生たちは教育が始まったときから着実にレベルアップした
と思う。助教も学生たちを引っ張る熱い指導をしてくれたので、こ
うして26名の学生が帰還式を迎えることができた」と振り返りま
した。
訓練担任官の山崎1佐は「命を失うこともあるような危険な訓練な
ので、安全に気を付けながら、しかし一生に一度のチャレンジなの
でそこは妥協することなく、きっちり過酷な訓練をやっていく難し
さがある。だから今回、まずは指導部を徹底的に訓練して臨んだ。
バッジが何段もついているような奴ばかりで頼もしかった」と語り
ました。
レンジャー徽章は一度身に着けたら返却する義務はありません。し
かし自分自身が「レンジャー徽章をつけている資格はない」と判断
すると、自らバッジを外すといいます。
今回新たに誕生した26名のレンジャー隊員がこの先、勝利を表す
月桂樹の中央にどんな困難な状況においても任務を達成する堅固な
意志の象徴である金剛石(ダイヤモンド)が意匠されたレンジャー
徽章に恥じない活躍をしてくれることを心から願います。
(第2師団集合教育「レンジャー」 おわり)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
2022年
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