こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」第380号。
「第2師団集合教育「レンジャー」」の二回目です。
自衛官もいまを生きる国民の一人だなあ、
とあらためて感じさせられた記事でした。
では今日の記事、早速ご覧ください。
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (381)』
第2師団集合教育「レンジャー」(2)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。
先週、柳家喬太郎の落語に大爆笑したお話をしましたが、動画で「
時そば(コロッケそば)」「歌う井戸の茶碗」を見てまた大爆笑。
そして明日は公演があるので行ってきます。みなさま、ちょっとい
らっとしたりむかっとしたりしょんぼりしたりしたときは、動画サ
イトで検索してぜひこの2本を見てみてくださいませ。いえいえ、
元気なときでも大笑いしてすかっとしてもっと元気になれます!
U様
このレンジャー教育の指導教官は26iの方でした。私が尊敬する
OB(元2D広報室長)の原隊も26iで、陸曹レンジャー、幹部
レンジャー、冬季遊撃レンジャーの徽章の持ち主でした。消防レン
ジャーや警察レンジャーは初めて知りました! 自衛隊で教育を受
けるのですか? 興味津々です。機動隊員が朝霞で訓練しているの
は見かけたことがあります。今後ぜひいろいろ聞かせてください。
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■第2師団集合教育「レンジャー」(2)
行動訓練は学生の心身の疲労が増すほど付与される状況は厳しくな
り、最後の行動訓練最終想定になる頃には、学生たちの体は回復が
間に合わないほど疲弊しきっています。
その状態で、潜入・破壊・伏撃・襲撃・離脱に任ずる戦闘隊の行動
を3夜4日にわたって行ない、総合的な遊撃行動を修得させる最終
想定が実施されます。
これまでに訓練してきた課目すべてが集約されているので、どのよ
うな任務が付与されるか、学生たちはおおよその予測はできていま
す。しかしいつ、どのような状況が付与されるかは不明であり、心
中は穏やかではないはずです。レンジャー教育の集大成は自分の「
弱さ」との戦いになります。
「起床!」
7月20日、0530に非常呼集がかかりました。熟睡している学
生たちのところへ助教が容赦なく踏み込み、大声を張り上げわざと
学生を焦らせます。
指導部は教育隊長をはじめ、主任教官、教官を幹部自衛官が、陸曹
が助教を担当、数個の班にわけて全身全霊で学生の教育指導に当た
ります。当然ながら指導部の全員がレンジャー隊員です。
助教は3連隊のレンジャー隊員から選出されているほか、学生が参
加している部隊も教育を支援します。同期で部隊も一緒、普段はよ
く飲む親しい間柄が助教と学生という間柄になったり、部隊の先輩
を助教として指導したりといったことも珍しくないそう。親しい仲
間や尊敬する先輩を心身の極限まで追い詰める助教もまた、自分と
戦っているのでしょう。
「早くしろ! もたもたするな!」
非常呼集があればいかなるときでも10分以内に準備を整えて集合
しなければなりません。ここから3夜4日、食べる、寝るといった
人間の本能に逆らう極限の時間を過ごします。
非常呼集から10分後には状況付与、課題付与、役職付与がなされ、
武器搬出や戦闘準備を経て0800に隊容検査が行なわれました。
身に着けているものに不備はないか確認し、背嚢の中身もすべて出
して忘れ物の有無をチェックします。
持ち物には十分気を付けていたのに水筒に水を入れ忘れるという痛
恨のミスや(助教から「お前はこの先、バディから水もらえ」と非
情な宣告を受けていました)、逆に持ってきてはいけない飴的なも
のをこっそり背嚢に隠し持っているのがばれるなど(教官や助教も
厳しいレンジャー教育の経験者、どれほど巧妙に隠していようが自
身が通った道だけにお見通しです)、早くも一部学生の心は折れそ
うになっています。最終想定はまだ始まったばかりだというのに!
空路潜入の準備の際には、基礎訓練でも支援を受けた第2飛行隊の
隊員に「みんな、よくここまで残ったな。かならず任務を完遂して
帰ってこい。頑張れよ」と熱いエールを送られました。
これからリペリングによる空路潜入、さらにボートで水路潜入と、
休む間もなく考え、動き続けなければなりません。思考や行動を停
止すれば、容赦なく助教から罵声が飛びます。
降下の恐怖心を乗り越え無事に水路潜入のスタート地点に到着し、
ボートを組み立て天塩川を約4キロ下ります。流れの遅いところで
はパドルを懸命に動かさなければいけないし、浅いところでは全員
降りてボートを押さなければなりません。なぜか上半身までびしょ
濡れの学生もいて、濡れた衣服が着実に体力を奪っていきます。
ようやく目的地に到着しても、ボートを引き上げ急な斜面を登るの
が一苦労で、なかにはいちばん一生懸命ボートを引き上げているの
が助教という班も。もちろん学生たちは助教から怒鳴られまくるの
ですが、すでに返事すらできないほど疲労困憊の学生も。
それでも、この段階では学生たちにはまだ十分余力があるように見
えたのです。助教たちも学生に「(取材陣の)カメラ意識してんじ
ゃねーよ! 役者きどりかよ!」と半ば冗談で言えるくらいだった
のです。
ところが……
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
2022年
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