こんばんは、エンリケです。
「ライター・渡邉陽子のコラム」第376号は、
「第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ」の十五回目。
今日のテーマはMCV。
つかみやすくわかりやすい内容です。
さっそくどうぞ
エンリケ
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『ライター・渡邉陽子のコラム (376)』
第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ(15)
渡邉陽子(ライター)
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こんばんは。渡邉陽子です。
私が防衛省・自衛隊取材をするようになって約20年経ちますが、広
報誌『セキュリタリアン』『MAMOR』で一緒に取材し苦楽を共にし
た内局広報勤務時の陸海空自衛官の中には、今も公私ともども親し
くお付き合いが続いている人もいます。知り合ったときは3佐また
は1尉だった人が、今や1佐どころか将官になっているのですから、
時の流れを感じます。そういった人がいる職場に今月、来月とたて
つづけに取材する機会が訪れました。階級や立場が変わろうが、顔
を合わせればあっという間に時間がさかのぼり話に花が咲くのが常。
今回もめちゃくちゃ楽しみです。
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衛省広報誌『MAMOR』の前身である『セキュリタリアン』最終号の
特集で取材した思い出深い部隊です。陸海空3自衛隊の中で最大、
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「丸」6月号に「陸自第3普通科連隊密着ルポ3」が掲載されまし
た。第3即応機動連隊に改編された際の一連の行事等をご紹介して
います。また同誌「世界の軍備」ページでは、「コロナワクチン大
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■第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ(15)
MCVは105mm砲を搭載した陸自最新鋭の装輪装甲車です。火力
と機動力を駆使して多様な事態へ迅速に対応するため、公道を時速
100キロで走行できるという高い走行性や、空自のC-2輸送機
に搭載して空輸も可能という機動力、そして最新機器を多数採用し、
射撃精度も高いのが特徴です。
MCV中隊準備隊長の齋藤進之佑3佐の話では、準備隊は基本的に
第2戦車連隊から異動してきた隊員を中心に構成されていますが、
全国各地から異動してきた隊員も10数名おり、扱ってきた戦車も
異なるそうです。
74式戦車と比べると、MCVは射撃の機能もかなり高度化されて
いる分操作も難しく、すべてがネットワーク化されているので74
式とはほとんど別物。また、北海道は装填手のいない90式と10式戦
車で育った隊員が多いですが、MCVには装填手がいます。一方、
全国各地から来た隊員は74式経験者なので、彼らの力を使って装填
手を育てているそうです。
2021年10月には上富良野演習場で初めての実射訓練を実施しま
した。この連載の第9回~でご紹介した内容です。
最初の105mmライフル砲の初度射撃では、2両のMCVがまず
点検射的に向けてTP(演習弾)を車外撃破により射撃。リモート
操作で演習弾を発射、的に命中し、車両にも異常が認められないこ
とを確認すると、次は乗員が乗り込んでHEAT(成形炸薬弾)を
射撃しました。
続いて砲身の外部または内部に口径の小さい砲を装着して縮射を実
施。0点規正(射撃を行なって特定の距離における平均弾着点と照
準点が一致するように照準具を調整すること)と操砲で射撃を行な
った後は直接命中法の射撃も行なわれました。
さらに、近目標標的・遠目標標的に射撃する戦車砲停止射撃、停止
直後、速やかに射撃する戦車砲躍進射撃、時速20kmで走行したまま
止まらずに射撃する戦車砲行進射撃と、どんどん難易度が上がって
いきます。
そして最後は、実射訓練の集大成として単車戦闘射撃が行なわれま
した。これは状況開始でMCVが前進すると無線で目標が付与され
ると、まずHEATを停止射撃、続いて目標のうち「0番」と指示
されたら行進射撃するというものです。なお、7・62mm機関銃の射
撃も行なわれ、点目標に対し同時に多数弾を集中する点検射や連
装銃停止射撃で、近・遠距離の目標に対して連射しました。
この実射訓練では即機連新編と同時に火力支援中隊と部隊名が変わ
る重迫撃砲中隊も、120mm迫撃砲の実射に臨んでいました。
もともと重迫中隊は普通科職種ですが、火力支援中隊になると特科
職種となるため、すでに隊員の多くは特科の隊員で占められていま
す。言い換えればまだ120mm迫撃砲に慣れていないわけで、半
数以上の隊員が今回初めての実射となりました。訓練を重ねて戦力
化される際にはFCCS(火力戦闘指揮統制システム)が入るなど、
扱う装備品だけでなくそれを構成するシステムや幕僚活動なども変
わるため、そこの慣熟も必要になります。
MCVは先遣部隊の火力として、そして高い機動力を生かした攻撃
が期待されています。2021年に実施された陸上自衛隊演習では
第2師団も九州まで機動展開しましたが、このときは苫小牧港から
防衛省がPFI契約している民間大型フェリー「はくおう」に74、
90、10式戦車などを搭載、往復しました。次の九州への機動展開を
含む演習では、2師団初の即応機動連隊となる現3連隊のMCVが、
九州の土地を踏むことになるでしょう。
次号では雪深い上富良野演習場におけるMCVの実射訓練をご紹介
します。
(つづく)
(わたなべ・ようこ)
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□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
2022年
「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」
を刊行。
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