配信日時 2022/06/30 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (375)】第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ(14)       渡邉陽子(ライター)

こんばんは、エンリケです。

「ライター・渡邉陽子のコラム」第375号は、
「第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ」の十四回目。

機動力向上と火力向上を同時に達成できる日本でありたい。

そんなことを思いました。


では今日の記事、さっそくどうぞ


エンリケ



「ライター・渡邉陽子のコラム」バックナンバー
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『ライター・渡邉陽子のコラム (375)』

 第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ(14)

  渡邉陽子(ライター)

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こんばんは。渡邉陽子です。梅雨が明けてしまいました。例年は夏
休み(学生ではありませんが)ぎりぎりまでじめじめした天気が続
くのに、すでに連日35度とか36度とか。まだ6月ですよ。ここで何
度となく書いてきましたが、体質的にも年齢的にも暑さにきわめて
弱い私はこの夏を乗り切れるのでしょうか…節電は冬ならいくらで
も協力できますが、夏はエアコン止められません(泣)早く秋よ来
い!



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■第3普通科連隊から第3即応機動連隊へ(14)

先週に続き、第3即応機動連隊に改編される(2022年2月時点)第
3普通科連隊の歴史を振り返ります。前回は25大綱ならびに平成31
~35年度中期防における陸自部隊の改編のお話の途中だったので、
今回はその続きからです。

火砲についても北海道以外に所在する作戦基本部隊が装備するもの
は、新編する各方面隊直轄の特科部隊への集約に向けた事業を着実
に進めるとしました。陸自の保有する航空機についても、戦闘ヘリ
は各方面隊直轄の戦闘ヘリコプター部隊を縮小、効果的かつ効率的
に運用できるよう配備の見直し等を検討する一方、オスプレイ(V-
22)の速やかな配備に向けて関係地方公共団体等の協力を得るため
の取り組みが推進されています。

余談ですが、改編されずに現在の運用を継続する師・旅団もありま
す。
首都防衛を担う第1師団(練馬)、大都市を擁する第10師団(名古
屋)、第3師団(伊丹)、第4師団(福岡)のほか、第9師団(青森)
や日本海に面する第13旅団(広島)、南西防衛の最前線である第15
旅団(沖縄)は地域配備部隊として現状の編成のままとしました。
また、陸自唯一の機甲師団である第7師団(東千歳)も90式、10式
戦車で3つの連隊を編成できるただひとつの師団として現状のまま
運用します。

そして、機動運用を基本とする作戦基本部隊(機動師団・機動旅団)
には、航空機などでの輸送に適したMCVを装備し、各種事態に即
応する即応機動連隊を引き続き新編することとしました。これが機
動師・旅団隷下の普通科連隊を改編したものです。
8師団では第42即応機動連隊(北熊本)、第14旅団では第15即応機
動連隊(善通寺)、第6師団では第22即応機動連隊(宮城)、第11
旅団では第10即応機動連隊(滝川)となり、これらの部隊にMCV
が配備されました。

第2師団の普通科連隊の中で、即応機動連隊に改編されるのが3連隊
です。伝統ある3連隊のかつてない規模での改編という大役を担っ
て2020年夏に着任した山崎潤連隊長のもと、これまで着実に準備を
進めてきました。
昨年9月には最初のMCVを迎え入魂式を実施、新編されるMCV
中隊の前身であるMCV中隊準備隊の隊員たちの士気もおのずと上
がりました。

即機連の部隊編制は、連隊本部(輸送科の幹部が含まれます)、本
部管理中隊(連隊本部班、補給、通信、衛生、情報、施設作業、対
戦車、高射<近SAM>の各小隊)、1~3普通科中隊(中隊本部、
1~3小隊と迫撃砲小隊、WAPCを装備)、火力支援中隊(これま
で普通科職種が扱ってきた120mm迫撃砲を野戦特科職種が担当)、
そしてMCVを装備する機動戦闘車隊となっています。ただし北方
部隊は本州や四国地方と異なり戦車部隊が配備されているため2個
中隊の機動戦闘車隊ではなく、1個中隊の機動戦闘車中隊として編
制されます。
参考までに、現在の普通科連隊である3連隊の編制は、連隊本部、
本部管理中隊(本部班、情報、施設作業、通信、衛生、補給、対戦
車の各小隊)、1~4普通科中隊(1中隊はWAPC、2~4中隊は高
機動車を装備)、重迫撃砲中隊です。

山崎連隊長は3連隊が即機連に改編されるにあたって他部隊よりも
恵まれていると言い、その理由として「ほかの即機連はMCVの1
0式戦車と同レベルの射撃統制装置とネットワークシステムを使っ
たことがないが、2師団では10式戦車のネットワークに慣れている
隊員が多い。UAVのスカイレンジャーもほかの部隊では新規で扱
う装備品だがうちは部隊実験で経験済み、使える隊員がすでにそろ
っている。新装備品の慣熟という点ではほかの即機連よりもなじみ
が早い」、そして「長年『技術屋』でやってきたベテラン隊員がい
きなり新しいシステムに慣れるのは大変だが、最新装備を持ってい
る2師団隷下の部隊では、そもそも苦手意識を持つ隊員は年齢を問
わず圧倒的に少ない。母体が先進師団の2師団であるということは
強み」ことを挙げました。
また、普通科連隊を改編して即機連を新編する意義や利点について
は「即機連は連隊という単体でありながら諸職種協同の1パッケー
ジなので、圧倒的に機動力が増す(普通科連隊の場合、普通科だけ
では足りない火力や対空防護能力などの機能を加えて各地に機動さ
せようすると大所帯になり、スピード感の低下につながる)。師団
としても、すぐに展開して即戦力発揮でき、しかもさまざまな職種
が混ざっていて単体でも行動できるという、作戦の初期段階から使
える即機連を持つ意義は大きい」。



(つづく)


(わたなべ・ようこ)



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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』を刊行。
2022年
「神は賽子を振らない 第32代陸上幕僚長火箱芳文の半生」
を刊行。


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